鼻長男とバナナ人軍団/恐怖の科学実験 クリス・ルノー ピエール・コフィン 『怪盗グルーの月泥棒3D』
ここんとこいい話題がなかったユニバーサルさんが、本国で久々にビッグヒットを飛ばした立体アニメ。『怪盗グルーの月泥棒3D』。紹介させていただきます。
自称一流なれど、どうも世間からの認知度はいまひとつの大泥棒グルー。スポンサーである悪者銀行から見限られかけた彼は、起死回生の一発を放つべく、なんとあの「月」を盗む計画に着手する。ただ、その計画には「スモールライト」「ちぢませ光線銃」なるものが必要なのだが、グルーはそれを手に入れるのに四苦八苦。そんなある日、彼の自宅に孤児院の活動で三人の身寄りのない少女がやって来る。グルーは少女たちを計画の進行に利用することを思いつくのだが・・・・
『アバター』以降珍しくもなくなった3D作品。しかし実のところその多くは、立体効果をちょこちょこっと後付けした「なんちゃって3D」がほとんど。ところがここに来てようやく、3Dに見合うような映像を持つ作品が『アバター』以外にも幾つか見られるようになってきました。この『怪盗グルー』もそのひとつであります。
「画面に奥行きがある」と多くの人に評価された『アバター』。しかし『怪盗グルー』はその逆・・・つまり「いかに飛び出せるか」その限界に挑戦しているように思いました。そもそも鼻がびょーんと前に突き出ているグルーのデザインは、立体効果を狙って作ったものとしか思えません。ほかにもまるでアトラクションのように(笑)、面白い実験を試みた幾つか映像がありました。
ただ、この映画が本国でヒットしたのはそれらの「仕掛け」以外のところにもあるような気がします。まず主人公がひねくれたオッサン(笑)。そんでその手下が「バナナから作った」というナゾの生物ミニオン(うじゃうじゃいる)。そんな彼らが奇想天外な方法でもって月を盗もうというのだからアゴがハズレそうになります。多少強引なきらいはあるものの、この奇抜な発想が作品の大きな特長。CGアニメ製作の各社も、ようやく「動物に変ったことをさせる」というだけではダメだということに気づいたようで。
あと、子供たちは『ポケモン』もそうですけど、ヘンテコだったり頼もしかったりする「手下」がたくさんいるシチュエーションに強くひかれるようですね。
欠点もないではないです。先にも言いましたように全体的にやや荒いところがあり、三姉妹とグルーが仲良くなるあたりなど、「もう少し丁寧にできなかったかな」とは思いました。でもそんなことは細かいことです。そして男は細かいことを気にしてはいけないのです。個人的にはこの作品の魅力はミニオンが七割くらいで、あとはメカ描写・立体効果・そのほかがそれぞれ一割ずつくらいでありました。ぶっちゃけミニオンさえ出てればそれでいいや、みたいな。人間・・・ 人間出てきたっけ。そういえば。
まあそんな風に思えるくらいミニオンが「よい」です。これも静止画像ではなく、実際に動いてみて初めて魅力を増すキャラクター。ぜひ予告編等で動いているところを見てほしいもの。それでも心魅かれない人とは、友達にはなれそうもありませんね。帰ってください!! ・・・・ウソです。すいません。
以下は完全ネタバレで、好きなミニオン関連シーンを思い起こしてみます。順番は適当・・・
・グルーの檄についフライングして、ミサイルをぶっ放してしまうおっちょこちょい
・グルーの基地にて。みんなマジメに働いている中、なぜかわけもなくダンスに興じている集団が・・・・
・ちぢませ光線銃をくらって、鼻くそのように飛ばされるシーン
・無重力になる薬を飲ませられ、果てしなく浮上していくミニオン。動物実験反対
・「子供にオモチャを買って来い」という命令に、「アア、バモチャネ」と答えるお父さんミニオン。非常に不安だ
・博士の差し金で孤児院に返される三姉妹を、悲しげに見送っていくシーン
・「みんなのピンチだ!」という声にダッシュで駆け出していくものの、博士のスクーターがあまりにものろいのでテケテケと戻ってきたりして(笑)
・万事が解決した後、ドアの前で行列を作ってグルーを待っているミニオンたち。あんなオッサンのキスなぞどうして欲しがるのかナゾだが、かわいいのでまあいいや
・奇跡的にミッションをやりとげたヘンテコトリオが、アグネスにブツを「バモチャ!」と差し出すシーン。ここが一番好きかも。
贅沢は言わないから、誰かコレ、一個小隊くらいゆずってくれませんかねえ。本当に人類なんか、ミニオンに征服されちゃえばいいと思います。
『怪盗グルーの月泥棒3D』は現在全国の劇場で公開中。だまされたと思って見て欲しい! そして「騙された!」と思った人、いたらごめんなさい
Comments
微妙に欲しいかも。(笑)
意味不明の生命体だよね~。バナナから出来てるって言われても色しか説得力ないしww
わたしゃとにかくアグネス!何てかわいいのでしょう♪
あんな目で見つめられたらおじさんなんでも買ってあげちゃう。
Posted by: KLY | November 13, 2010 10:33 PM
あなたはわかっていない。
ミニオンの魅力が70パーセントだとすると
三姉妹の魅力も同等の70パーセント、
合わせてエネルギー充填140パーセント以上の作品ですよ?
KLYさんご指摘のとおりアグネスのあの目、
全身全霊を委ねてくるあの目!
そういう目で見つめられた経験がないと
分からないかもしれません…。
そして、その目の持ち主と別れた後の喪失感、
再び戻ってきたときの喜び。
『カラフル』より号泣もんでしたよ。
(といいつつ四分の一くらい寝てたヤツ。
すみませんっ、もう1回観てこようかしら…)
Posted by: かに | November 14, 2010 09:46 PM
>KLYさん
こんばんはっす。ご来訪ありがとうございます
ナゾですよね~ バナナである必然性はどこにもないし、なぜ一つ目タイプと二つ目タイプがあるのかもナゾでした
ははは、KLYさんはあんなお嬢ちゃんがほしいですか
わたしゃアグネスというと、ついチャンの方を思い出してしまいます(古・・・)
ほっぺたをペタペタやって「コレもダメ?」というのはかわいかったですね!
Posted by: SGA屋伍一 | November 15, 2010 07:58 PM
>かにさん
おお、ご覧になられたのですね
うん、確かにわたしも好きですよ。アグネス・ラムの小麦色の肌とか、健康的なお色気とか・・・ って何言わせんですか!
三姉妹は性格もルックスもバラバラだったけど、一応実の姉妹なんでしょうか。わたしゃ次女が妙にGOTH入ってるところがウケましたね
アグネスちゃんはたしかドラマ『MOTHER』で好演してたお嬢ちゃんが声をやってたんでしたっけ。わたしゃ見てないですけど、あのドラマでは全国数十万の視聴者を泣かせたとか
>といいつつ四分の一くらい寝てたヤツ
うおおお~い(笑)
まあ3Dメガネというのは微妙に暗くなるので、眠くなりやすいのですね。次回はぜひカンフル剤を打ってのぞんでください!
Posted by: SGA屋伍一 | November 15, 2010 08:26 PM
こんにちは。
>奇跡的にミッションをやりとげたヘンテコトリオが、アグネスにブツを「バモチャ!」と差し出すシーン。ここが一番好きかも
あー私もここ好きだった。一番好きだったのはナニゲにエンドロールかも。
ミニオン最高!
これもうほんっっと楽しい映画でした。今年一番好きなアニメはコレだったかも。
トイストの方が出来は全然いいけど、好き度で言えばこっち(笑
Posted by: とらねこ | December 24, 2010 04:04 PM
>とらねこさん
おばんです。いらっしゃいマシーン
バモチャのシーンよかったよね。ただアグネスはあのあともっと立派なユニコーンのぬいぐるみをゲットしてたから、あんだけ苦労して?買ってきたアレも、すぐに飽きられてしまったかもしれない・・・
あ、あと上の記事に入れ忘れてたけどケツをコピーで撮って喜んでるシーンも好きだ(笑)
最近youtubeでミニオン関連の動画をちょくちょく見てるんだけど、一番気に入ってるのはこれ
http://www.youtube.com/watch?v=mSwFxUjW1RA&feature=related
ケンカを「ファイ!ファイ!」とはやしたてるヤツらがかわいい♪
Posted by: SGA屋伍一 | December 26, 2010 06:59 PM