ラスベガスでブッ潰れる トッド・フィリップス 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』
例によって首都圏から数ヶ月遅れで上映。そして既に終了。ほんでもって来月上旬にはDVDが出ます・・・ これといったスターが出ていないにも関わらず、全米No.1となった『ハングオーバー!』ご紹介します。
ステイツには・・・ 結婚前夜に花婿がどんなにハメを外してもかまわないという習慣が・・・ 存在するっ!!
結婚を控えたダグ、不良教師のフィル、堅物の歯医者ステュは仲の良い悪友同士。これにダグの義弟のモジャ男くんを加え、ラスベガスで派手な独身さよならパーティーを行うことにあいなった。すさまじい乱痴気さわぎの後、男たちは前夜の記憶と花婿のダグが(い)なくなっていることに気づく。そしてなぜかクロ-ゼットには赤ん坊が、トイレにはトラがいるのであった・・・・
単なるバカ映画を想像しておりましたが、いや、これなかなか「ミステリー」してますよ。わずかな手がかりを元に、失われた記憶をたどり、消えた友人を探し出そうとする三人。しかしタイムリミットは刻々と迫っていく・・・・
で、真相のてがかりも冒頭にちゃんと提示されていたりします。問題は真相にまっすぐいくのではなく、お話の七割が回り道だってことですね(笑)。しかしこの回り道がけっこう楽しい。トラとか某有名ボクサーとか全裸の中国人マフィアとか、出す必然性はまったくないのですが、「次は何が出てくるんだ?」とわくわくさせられました。そんでただ出すだけじゃなくて、どのネタもちゃんと回収してあるあたりが見事です。
タイトルの「ハングオーバー」とは英語で二日酔いの意味。まあ・・・これ正確には二日酔いではなく「ラリリ」の話だと思うのですが、その辺最近世間の目が特にきびしくなってるので、あえて深くはつっこまないことにします。
それに、お酒だけでも記憶が飛んじゃうってことはわりとありますしね。酔っ払いには大きく分けて寝ちゃうタイプと、無意識に動いているタイプがいるようです。後者なんかは正気になった時、「何かとんでもないことをやらかしたのでは・・・」と相当びびってしまうようですね。ていうか、友達が先日まさにそんな経験をしてました。翌日奥さんが「こんなことしてたよ」と言ってもまるで記憶になかったそうです。いやあ、酒は魔物ですね。その手の覚えがある人はどうぞお気をつけください。
個人的に楽しかったのは、出てくるベガスのホテルが超豪華だったことでしょうか。たぶんわたしは一生あんなとこに泊まることはないと思うのですが、まるで四人と一緒に豪遊している気分になってしまいました。旅行番組では、こういう感覚は味わえないと思います。
あと情けない、頭悪い、むさくるしいフィルたちですが、そんな彼らが何があってもダグを見捨てないところには感動しました。だって記憶をたどればたどるほど、どんどん自分たちがヤバイ連中と関わっていたことがわかってくるんですよ。わたしだったら「悪いがこれ以上は手に負えん!」と尻尾巻いて逃げちゃうけどなあ。だからわたしには友達が少ないのでしょうか。そんなわけで彼らの友情には大いに感動しましたが、できればお尻とか乳毛とかは見せないでほしかったです。
さて、映画ファンならご存知だと思いますが、この映画本当なら日本ではDVD限定となる予定でした。ところが名物評論家の町山智之さんらが公開の署名を呼びかけたところ、すぐにも多くの署名が集まったとのこと。
そうすっとあれだなあ。今後公開が危うい面白そうな映画は、全部町山氏に声をかけてもらえばいいんじゃないかな? ・・・と言いたいところですが、実際はそう簡単にはいかないようです。
今現在も『キックアス』は公開が決まったものの、『ファンタスティック・ミスター・フォックス』や『スコット・ピルグリムVSセカイ』などは宙ぶらりん状態。微力ながらこうしたバカ映画が不遇されている状況を叫び続けて行きたいものです。どこでもいいからかけとくれー
Comments
この作品はもしかしたら「ROOKIES」並みの友情映画とも言えるかもしれないですよ。バカをしている部分は楽しいのですが、そんなことを一緒に出来る悪友の存在が堪らなく羨ましくもあります。あと義理のとうちゃんも^^
しかしこの公開時と今とではブラッドリー・クーパーの知名度が月とすっぽんな気が…(苦笑)
Posted by: KLY | September 24, 2010 01:16 AM
>KLYさん
毎度ありがとうございます。
『ROOKIES』なみ・・・ というと、「夢にときめけ明日に輝け俺たちのラスベガス!」とか、歯が抜けてもタイソンに殴られても「こんなの全然痛くねえよ!」とか、うっかり結婚しちゃっても「絶対誰にも言うっじゃねえぞ!」とかそういうことでしょうか
まあわたしは付き合うならもう少し常識人のほうがいいかな(^^;
ブラッドリー、わたしも一応名前覚えました
Posted by: SGA屋伍一 | September 24, 2010 07:03 PM
あら?SGAさんも酔っぱらって自分の歯ぬいちゃった?
単なるおバカムービーじゃなく、ちゃんとミステリーしてて
見応えありました。
次から次へと予想もしない展開で。
義弟アランくんのつかみどころのないヘンテコキャラも
最後には大好きになっちゃったし。
キックアス!
劇場公開決まって嬉しいです。
こっちに回ってくるのは、また数ヶ月遅れだろうけど。
これも町山さんのおかげみたいなもんかな?
Posted by: kenko | September 24, 2010 11:41 PM
>kenkoさん
押忍! 毎度お出でいただき、ありがとうございます!
押忍! 格闘家たるもの、歯を失うのは宿命なのであります! ゆえにその前に自分から抜いたのであります! ・・・真面目な話、佐竹雅昭さんなんかそれで総入れ歯にしちゃったって話ですからね・・・ 怖い世界ですよ・・・
これ、完全に男向けの映画だと思ってたけど、女性層からもそこそこウケがいいですね。自分が見に行った時も客の三分の二は女性だったし。まあ六人しかいなかったんだけど
義弟の彼・・・ あれは『レインマン』のパロディなのでしょうか・・・
『キックアス』は町山さんというか秘宝のおかげかもしれませんね。わたしはたぶん出張しないと見られない気がします
Posted by: SGA屋伍一 | September 25, 2010 08:36 PM
伍一ちゃん
こんばんは☆
私ね、すごいコレ楽しみにしてたんだけど
合わなかったのは下品な笑いに転びすぎたことかな、
というか下品でも面白いのもあるけど、これは笑いが受け付けなかった〜男性にはとくにすごくウケがいいよね、
ブラッドリーも好きだけどこの映画では魅力でてなかったし。
ハングオーバー(二日酔い)なら面白いのに、
単にアレで記憶なくしただけっていうのもイマイチすぎ。。。
うーん。
そうそう、「ファンタスティック・ミスター・フォックス」はyueがDVD持っててあちらで観る予定よ♪
翔がウェス好きだから相当観たがってるの。
Posted by: mig | September 27, 2010 12:25 AM
えー?っていうか誰の歯!?乳歯?!
Posted by: mig | September 27, 2010 12:27 AM
>migちゃんさん
おはよっす。お返しどうもありがとう
そうだね。低予算なのに全米大ヒット、そして署名で公開決定ともなれば、否が応でも期待しちゃうよね
下品でも面白いもの・・・というと、『メリーに首ったけ』とか『俺たちフィギュアスケーター』とかだろうか(笑)
これらにあって『ハングオーバー』にないものってなんだろう? 愛だな、愛! でも自分はこの映画もけっこう楽しんだよ。オッサンの裸は見たくなかったけどね・・・
そういえば『ファンタスティック~』はDVD化の話すら聞かないなあ migさん見たら感想教えてね
歯は数年前に抜いたマイ親知らずです。痛かったんだコレが
Posted by: SGA屋伍一 | September 27, 2010 08:15 AM
こんにちは~♪
数か月遅れでも上映してくれて良かったです♡ありがとうコ○ナ★
だって、ブラッドリー・クーパーを大画面で観れたんだも~ん^^
・・・・・と、相変わらずミーハー目線ですが(汗)、この映画は結構面白かったです。
あまりアメリカのコメディ映画とは相性の良くない私ですが、これは大丈夫でした。4人のキャラが面白くて。
ブラッドリー君はAチームでも4人組。他の映画でも大人数の中の一人―ってパターンが多かった気がしますが、今後ブレイクしまっせ~
Posted by: 由香 | September 30, 2010 05:54 PM
>由香さん
こんばんは~
そうそう、時々コ○ナは突然単館系をかけてくれますよね。本当はAチームだけ見て帰ろうと思ったんですが、帰りがけにたまたまこちらのポスターが目に入ってしまって、衝動的にハシゴしてしまいました(笑)
クーパーといえばわたしの場合重い浮かぶのはゲイリー・クーパーなんですが(いつの生まれだ)、ブラッドリー氏も記憶にインプットしておきます。そのうちババーンと主演できればいいですね
わたしのウケ度は70点くらいでした。まあまあいいほう? そういえば最近映画館で呼吸困難になるほど笑った記憶がないな・・・
Posted by: SGA屋伍一 | October 01, 2010 07:22 PM