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September 29, 2010

適当掲示板100枚達成いたしました 愛は永遠に

090520_174953毎度どうもでやんす。当ブログに関するご意見・ご感想そのほかよろずありましたら、こちらに書き込んでやってください。
さて、この「SGA屋物語紹介所」ごく初期から続けていた「適当掲示板」もとうとう百枚目とあいなりました。まあ、毎度そんなに書き込みがあるわけではないのですが、惰性でなんとか続けてきました(笑)。しかしそれだけにこちらにコメントをくださる皆様は、本当にありがたき方たちです。

そんなわけで特に芸もないですけど、この掲示板で特に思い出深い記事を振りかえってみます。自分語りで申し訳ありませんが、よろしくお付き合いのほど。

Ith4_2_thumbなんでもどうぞ(掲示板代わり)
これが記念すべき第一回。全部でたった三行という超手抜きな内容でした。
みなもと太郎先生の個展に行った直後だったので、その関連の書き込みが幾つかありますね。「風雲児たち長屋」のみなさんに初めてお会いした時のことが思い出されます。

適当掲示板9&愛・地球博報告
ああ~ こんなイベントもありました。氷漬けのマンモス、どんな感じだったかなあ・・・ もう思い出せない(笑)
ちなみにここに書かれてる360度マルチスクリーン、現在は上野の科学博物館に置いてあります。


Bbs173_thumb適当掲示板12&Oさんの話
わたしもそんなに交友範囲が広いわけではありませんけど、そんな中で特に忘れられない方が同僚のOさん。ゲイで子持ちで超天然という、変わったエピソードには事欠かない方でした。そんなOさんとプーケットの大津波に関するお話。Oさんに関してはコチラでもネタにさせていただきました。Oさん、今も元気で両刀やってんのかなあ。

適当掲示板17&水曜SP 幻の珍鳥を追って
これはまあ、そんなに大した記事でもないんですけど、わたしの配達区域になんでか身元不明のノラ孔雀がうろついていたことがありまして。その時のお話。記事本文よりも、むしろ秦太さんのコメントを読んでほしい。おったまげます。


20060815161640適当掲示板38&10匹くらいニャンコちゃん小行進
適当掲示板77&10匹くらいニャンコちゃん小行進2009
適当掲示板89&ぼくのネコ友達を紹介します
いわゆるひとつの・・・というか三つのニャンコ画像記事。
母に「お前の携帯画像はネコばかりだな」と言われましたが、その通りです。前回からまた少したまったので、そのうちやります。
打倒岩合光昭(やめんか!)


090331_182848適当掲示板39&脱力王者パン太くん
適当掲示板55&ニャンコ先生との対話 男のケジメ編
適当掲示板73&ある日のSGA屋伍一80(エイティ)
最近ほったらかしにしてるシリーズ記事三つ。
こんなくだらないネタでもひねり出すのにはそれなりに労力がかかるのですwobbly で、怠けているうちにだいぶ間が空いてしまいました。その内またやるかは五里霧中。「ある日の~」くらいはまあ、胸の傷が癒えたらやるかも(笑)


20070627171831適当掲示板49&記事500件突破記念&成り立ちが知りたいバトン
あー、これは特に思い出深いな~ 記事500件を突破した記念に、当時お世話になっていたオン友さんたちの似顔絵を妄想で描くという、無謀なチャレンジをしたのでございました。みなさん無断で描いたにも関わらず、暖かいお言葉をくださったのがありがたかったですね。今でも変らずお付き合いいただいている方もいれば、ネットからほぼ撤退されてしまった方もおられ・・・ さめざめ~crying

適当掲示板86&SGA屋文庫の100作
コチラは何の記念でもありませんが、いままで読んだ面白かった作品で、文庫が現在オンラインで比較的容易に入手できるもの100作選んでみました。すんげー面倒くさかったです(笑) 実は今年バージョン2をやろうかとも思っていたのですが、モタモタしてるうちに時期をすぎてしまいました。


100301_192532適当掲示板92&映画ゼロ年代マイベストほか
適当掲示板96&映画ゼロ年代ワースト&ベストいろいろ
最後はゼロ年代映画のマイベスト&ワーストを。映画通の方が読んだら失笑もののセレクトです(笑) 実は今年の1位2位ももうだいたい頭の中で決まってるのですが、これがまた恥ずかしいランキングになりそう・・・


果たしてこの掲示板、いつまで続くのやら。お見苦しいとは思いますが、どうぞ引き続きつきあってやってください。そしてこれまでお相手してくださった方々に深く御礼申し上げます。

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September 27, 2010

工場の八人 ジャン・ピエール・ジュネ 『ミックマック』

100927_183933『アメリ』で大ヒットを飛ばしたジャン・ピエール・ジュネ監督の最新作『ミックマック』を、本日はご紹介します。

幼い頃、父親を地雷の爆発で失ったバジルは、いろいろ苦労した後、なんとかレンタルビデオ店の仕事を得る。ところがある夜銃撃事件に巻き込まれた彼は、脳天の微妙な位置に弾丸を喰らってしまう。命は取り留めたものの、職も住む場所も失ったバジル。彼を拾ったのは川原で廃品を修理しているプラカールという老人だった。父の命を奪った地雷。自分に埋め込まれた弾丸。偶然それぞれの製造会社を発見したバジルは、修理工場の仲間たちの助けを得て、彼らに復讐を挑む。

『ミックマック』とはイタズラの意味。そのタイトルが示すように、この作品もなんか人を食ったような映画です。まず冒頭の数分で、一気に主人公バジルの半生が語られます。あまりにもスピーディーかつ省略気味なので、この辺はしっかり見ていないと話がわからなくなってしまうでしょう。バジルが仇を見つけるくだりもかなり唐突というか、強引です(笑)
バジルがめぐり合うことになる仲間たちも、実にヘンテコぞろい。体を折り曲げられる軟体女に、人間ロケットの最長飛距離記録を持つ男。なんでも瞬時に計算できる「計算機少女」に、かつてギロチンの刃を首で受け止めた老人・・・etc。どなたもこなたも一風変わった大道芸人のような者ばかり。
さらに彼らが企む復讐の仕方というのが、またみょうちきりんであります。兵器会社の親玉たちを、殺そうとするのではなく、様々ないたずらというか嫌がらせをしかけて懲らしめようとする。ですからこの映画では、死人は本当に必要最低限しか出ません。この辺がこの映画の最も重要な部分であるかもしれません。人殺しに対して殺しで報いようとすれば、彼らと同じ罪を犯すことになってしまう。ならば暴力に対しては、イタズラ・・・あるいは羞恥プレイで裁くべきではなかろうか。そんなメッセージを、作品から受け取りました。かつて『エイリアン4』などで人をバカスカ殺しまくっていたジュネ監督ですが、その辺いったい、どのような心境の変化があったのでしょうか。

ちょうど先日の読売夕刊にジュネ監督のインタビューがあり、そこではこんなことが語られていました。「『白雪姫と七人の小人』、復讐、武器商人、長い間頭の中にあった三つのテーマが、一つになった」 武器商人と復讐はともかく、そこに『白雪姫』をくっつけてしまうあたりがすごいっていやすごいですね(笑)
さらにセルジオ・レオーネのマカロニ・ウエスタンや、黒澤明の『用心棒』、『トイ・ストーリー』や『スパイ大作戦』などもイメージにあったそうです。そのように好きなものを色々アレンジして、自分の好きなように組み合わせてしまうあたりは、まるで劇中に出てくる修理屋さんたちみたいであります。

そんな風に王道的な娯楽作品が元ネタにはあるようですが、この映画をちょっと独特なものにしているのは、先にも述べたシュールなストーリー展開と、ジュネ監督ならではの美術センス。例えばバジルたちが根城にしている工場など、廃品で溢れかえっていて、鉄骨やパイプなんかがいたるところに突き出しているのですが、妙にほんのりと輝いて見えたりします。この映画を彩っているパリの空もそう。どこか霞がかっていて黒い煙がたなびいてはいても、それはそれで美しいというか。薄汚れているんだけど汚く見えない。そういうセンスは『エイリアン4』にも確かにあったような気がします。

100927_183958そんな『ミックマック』は現在主に関東の都市部で上映中。その後全国各地を回るようです。息のあったチームプレイものが大好き、という方に特におすすめします。

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September 25, 2010

探しものはニャンですか ミリアム・トネロット 『ネコを探して』

081118_101112まだ終ってないマイ・アニメ祭り(笑)。今日はその中でも一番変り種のこんな作品を。フランス発のネコ・ドキュメンタリー『ネコを探して』ご紹介します。

「わたし」が飼っていたネコのクロが、突然姿を消してしまった。「わたし」が困り果てていると、なんとクロは部屋の鏡の中にいた。クロを追って鏡の中に入っていく「わたし」。そして彼女は世界のネコたちにめぐり合う旅に出かける。

幾つかのパートに別れていて、その合間合間をアニメでつなぐという構成。昔なつかしの『まんがはじめて物語』を思い出させます。出てくるネコたちは、日本の駅長ネコ「たま」や、イギリスの鉄道員ネコ「エリカ」、さらにアメリカの患者の死を告げるネコ「オスカー」など。こうしたチョイスからもわかるように、単にネコを描いた作品というよりは、「ネコと人との関わり」を追った映画となっています。時折人間のせいで迷惑をこうむってるネコも登場し、「かわいいネコちゃんが見た~いheart04」という目的で鑑賞すると、ちょっと痛い目を見るかも。

そもそも、最初のパートがいきなりわが国の「水俣病」を題材にしています。なぜ水俣病が出てくるかというと、そもそもこの公害病に苦しめられたのは人間よりネコが先であり、その後も企業側が偽の証拠をでっちあげるためにネコを大量に解剖したのだそうです。まあ、いきなりコレですから。
その後もなんでか日仏合作でもなかろうに、日本がよく登場します。そんでその大体が批判的な内容だったりします。そんなんばっかりじゃないよ! 普通に仲良くやってる例だってたくさんあるよ! ・・・と言いたくもなりますが、確かにペット遺棄などで保健所に連れて行かれるネコが絶えないのも事実。そうした現実を見せ付けられますと、本当に暗い気分になりますorz

さらに作品では各時代の思想家・社会が、ネコに託したイメージについても語ります。ある時は自由と自立の象徴として、ある時は資本主義の道具として。ちょっとそれはこじつけじゃないかな、とも思いましたが、まあそういう視点があっても面白いかもしれません。
ネコを主題にした文芸作品で有名なものといえば、『我輩は猫である』と『黒猫』。前者については映画の中で少々語られておりますが(ていうか、これフランスでも一般的に読まれてるんですね)、後者に関しては完全にスルー。だのに司会役を務めるのが「クロ」だというのがちょっとおかしい(笑)。もちろんこのネコ、誰かを呪ったり復讐したりするわけではありません。ただもしかすると、「人間に迷惑をかけられた代表」として、やはりポーのあれを意識しているのかも・・・ というのは考えすぎでしょうか。考えすぎですね。

また、「猫の手も借りたい」という諺が示すように猫というのは本来役に立たないものですが、この映画には人のために大いに働いてくれている猫もいろいろ登場します。まあそういう例は本当に一握りだと思いますけど、それでも「猫だってこれだけのことができる」と教えてもらいました。

091107_062423そんな『ネコを探して』。メインの劇場である渋谷はイメージフォーラムでも、もう少しやっている模様。さらに全国の各劇場を転々と回っていくようです。
正直エキサイティングな映画ではないし、眠い時にいくと確実にウトウトしてしまうと思いますが、ネコを飼っている人はなるたけ見ておいたほうがいいと思います。大事なパートナーについて、じっくり考えてみるためにも。これは人間にも言えることですが、身勝手な愛情は相手にとって迷惑でしかありません。そういう風にならないように、気をつけたいニャンheart01(キモイshock

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September 23, 2010

ラスベガスでブッ潰れる トッド・フィリップス 『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

100922_193339例によって首都圏から数ヶ月遅れで上映。そして既に終了。ほんでもって来月上旬にはDVDが出ます・・・ これといったスターが出ていないにも関わらず、全米No.1となった『ハングオーバー!』ご紹介します。

ステイツには・・・ 結婚前夜に花婿がどんなにハメを外してもかまわないという習慣が・・・ 存在するっ!!

結婚を控えたダグ、不良教師のフィル、堅物の歯医者ステュは仲の良い悪友同士。これにダグの義弟のモジャ男くんを加え、ラスベガスで派手な独身さよならパーティーを行うことにあいなった。すさまじい乱痴気さわぎの後、男たちは前夜の記憶と花婿のダグが(い)なくなっていることに気づく。そしてなぜかクロ-ゼットには赤ん坊が、トイレにはトラがいるのであった・・・・


単なるバカ映画を想像しておりましたが、いや、これなかなか「ミステリー」してますよ。わずかな手がかりを元に、失われた記憶をたどり、消えた友人を探し出そうとする三人。しかしタイムリミットは刻々と迫っていく・・・・
で、真相のてがかりも冒頭にちゃんと提示されていたりします。問題は真相にまっすぐいくのではなく、お話の七割が回り道だってことですね(笑)。しかしこの回り道がけっこう楽しい。トラとか某有名ボクサーとか全裸の中国人マフィアとか、出す必然性はまったくないのですが、「次は何が出てくるんだ?」とわくわくさせられました。そんでただ出すだけじゃなくて、どのネタもちゃんと回収してあるあたりが見事です。


タイトルの「ハングオーバー」とは英語で二日酔いの意味。まあ・・・これ正確には二日酔いではなく「ラリリ」の話だと思うのですが、その辺最近世間の目が特にきびしくなってるので、あえて深くはつっこまないことにします。
それに、お酒だけでも記憶が飛んじゃうってことはわりとありますしね。酔っ払いには大きく分けて寝ちゃうタイプと、無意識に動いているタイプがいるようです。後者なんかは正気になった時、「何かとんでもないことをやらかしたのでは・・・」と相当びびってしまうようですね。ていうか、友達が先日まさにそんな経験をしてました。翌日奥さんが「こんなことしてたよ」と言ってもまるで記憶になかったそうです。いやあ、酒は魔物ですね。その手の覚えがある人はどうぞお気をつけください。


個人的に楽しかったのは、出てくるベガスのホテルが超豪華だったことでしょうか。たぶんわたしは一生あんなとこに泊まることはないと思うのですが、まるで四人と一緒に豪遊している気分になってしまいました。旅行番組では、こういう感覚は味わえないと思います。
あと情けない、頭悪い、むさくるしいフィルたちですが、そんな彼らが何があってもダグを見捨てないところには感動しました。だって記憶をたどればたどるほど、どんどん自分たちがヤバイ連中と関わっていたことがわかってくるんですよ。わたしだったら「悪いがこれ以上は手に負えん!」と尻尾巻いて逃げちゃうけどなあ。だからわたしには友達が少ないのでしょうか。そんなわけで彼らの友情には大いに感動しましたが、できればお尻とか乳毛とかは見せないでほしかったです。


さて、映画ファンならご存知だと思いますが、この映画本当なら日本ではDVD限定となる予定でした。ところが名物評論家の町山智之さんらが公開の署名を呼びかけたところ、すぐにも多くの署名が集まったとのこと。
そうすっとあれだなあ。今後公開が危うい面白そうな映画は、全部町山氏に声をかけてもらえばいいんじゃないかな? ・・・と言いたいところですが、実際はそう簡単にはいかないようです。

20061017222535今現在も『キックアス』は公開が決まったものの、『ファンタスティック・ミスター・フォックス』や『スコット・ピルグリムVSセカイ』などは宙ぶらりん状態。微力ながらこうしたバカ映画が不遇されている状況を叫び続けて行きたいものです。どこでもいいからかけとくれー

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September 20, 2010

ドラスティック・フォー ジョー・カーナハン 『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』

100920_18031880年代に人気を博したあのテレビドラマが、映画になって帰ってきた! でももう公開大体終っちゃったっぽい・・・(またかよ!)。えー、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』ご紹介いたしますcoldsweats01

様々な特殊技能に長けた4人の精鋭からなるα部隊、通称「Aチーム」は、数多くの不可能と思えるミッションを、大胆な作戦で成功させてきた。イラク戦争末期、彼らは「ゲリラがドル紙幣の原版を持ち出そうとしている」との情報をキャッチ。ただちにその奪取に向うが、それは巧妙に仕組まれた罠であった。

実はオリジナルのテレビドラマは断片的にしか見たことがありません。日本版では「コング」と呼ばれていたモヒカンさんの「大統領だって殴ってみせるぜ!」という決め台詞が印象に残っているくらい。とりあえずウィキでオリジナルの方の項を見てみますと、今回の映画は直接的な続編というよりか、また一から作り直したリメイク作品のようであります。
そんななじみの薄いわたしがどうして見る気になったかというと、予告で見たらそりゃあもう高いところのシーンがいっぱい写っていたから。前にも書きましたけど、わたし高いところ大好きなんですよ。何とかと煙は高いところが好きとは、よくいったもんです。実際本編でも高いところから落ちかけたり、落ちたり、飛んだり、また落ちたりとそんなのばっかし。いやあ、大変見ごたえありました。

この辺でメンバーをざっと紹介しますと、まず天才軍師でリーダーのハンニバル。
ついで交渉や物資調達が担当のイケメン・フェイス。
さらに腕っ節と車関係が得意分野のB.A。いまどき見なくなったきりりとしたモヒカンがチャームポイント。
最後に天才的なパイロットの腕を持つマードック。
そんな四人が「俺たちは道理の通らぬ世の中に敢えて挑戦する、頼りになる神出鬼没の、『特攻野郎Aチーム』! 助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!」とババーンと見栄を切るわけです。うん、こりゃ確かに面白そうだ。ニ十年以上経ってようやく気がつきました。

四人組というのは、大体一人くらい子供だったり(ダルタニヤン)、守られる存在であったり(三蔵法師)、すぐ裏切ったり(峰不二子)と、オミソ的なメンバーが含まれているもの。しかしAチームにおいてはそういうお荷物は特に見当たりません。強いて言うならハンニバル以外の三名が、みな平等にチームの足をひっぱったりします。フェイスは美女を見るとすぐちょっかいを出すし、B.Aは飛行機恐怖症のため、任務の最中にパニックに陥ったりします。マードックにいたっては半分異常者のようなところがあり、そのエキセントリックな振る舞いでもってみんなを混乱させます。まあそんな欠点の目立つ連中が、肝心なときにはびしっと決めてくれるところが人気の秘密かもしれません。

あと見所としてはやっぱりハンニバルの組み立てる奇想天外な作戦でしょうか。エアバッグやら強力な磁石やら「?」と思うようなものを用意して、目を丸くするようなアクロバットを披露していくメンバーたち。わたしが一番たまげたのは、上空からパラシュートもついてない戦車で脱出して、どうやって着陸するのかと思ったら・・・・ いや、これは一応伏せときましょう。とにかく三分に一回は「そんなうまく行くわけねーだろ!」とつっこめること請け合いです。

100920_180343正義を貫くことは決して出世の役には立たないし、カネも儲からないということもよくわかる『特攻野郎Aチーム』(ザ・ムービー)。気になった方はDVDでぜひ。でもこれ劇場で見たほうが楽しいだろうなー(だから遅えっつーの)


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September 18, 2010

共産圏ひとりぼっち アゴタ・クリストフ 『ふたりの証拠』

100918_142604「いまさら『悪童日記』三部作をふりかえる」の第二弾。今回は『ふたりの証拠』を取り上げます。のっけからいきなり第一作『悪童日記』の結末をばらしていますので、未読の方はまずそちらからお読みください。

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いいですか?

自らの父親を犠牲にして、一人だけ国境を渡ることに決めた双子たち。故郷に残った片割れのリュカは、村はずれで今までと変わらぬ暮らしを営んでいた。そんなリュカの家に一組の母子が転がり込んでくる。父親の子を生んでしまったヤスミーヌと、足の悪い幼子マティアス。リュカはマティアスを自分の子供のように可愛がる一方で、次第に街に住む未亡人・クララと深い仲になっていく。

舞台はもちろん、前作と同じハンガリー。しかし戦争中だというのに奇妙な活気に満ちていた村は、共産圏の統治下に入ったことにより、やるせない空気で満ち満ちています。
禁書だらけで意味をなさない図書館、すっかりさびれてしまった酒場街、秘密警察の暴挙によりひどい傷を負った人々・・・・
そんなうすら寒い町の様子が、半身を失って孤独に苦しむリュカの姿にとてもよく似合っているというか。

彼がマティアスに愛情を注ぐのは別れた兄弟の代わりとしてであり、クララに魅かれていくのは彼女に母の面影を見たからかもしれません。しかしリュカの身勝手な愛情は当然のことながら実を結ぶことはなく、彼を一層深い孤独の中へと追いやっていきます。


著者アゴタ・クリストフ氏はやはりハンガリーで生まれ育ちながら、戦後の圧政に耐えかねて、スイスに亡命したという経歴の方です。恐らくは故郷への思いに後ろ髪ひかれながら、その決断をくだされたことでしょう。
分かたれた双子の片方は、故郷で生きていきたいという自分を、もう片方は新天地で希望を見出したいと願った自分を表しているのかもしれません。もしかしたらこうなっていたであろうもう一人の自分。彼女は果たせなかった望みを小説の主人公に託しますが、どうしてか彼に充足した生活を与えません。人というものは、どこでどう決断したとしても、結局は孤独と後悔に苛まれるものだと言うかのように。


久しぶりに読み返して印象的だった人物に、リュカが仲良くなる本屋のヴィクトールという男がいます。彼はずっと生涯で一冊の本を書きたいと願いながらも、なかなかペンを進めることができません。この三部作が発表されて十年。世界中の多くのファンがアゴタ女史の新作を心待ちにしていたと思います。しかし第四長編『昨日』はあまり秀でた作品とは言えず、以後彼女はわずかな戯曲・短編しか著していません。結果的に三冊と見ることもできましょうが、この双子の物語こそが、彼女にとっての「生涯で一冊の本」だったと言えるのかも。ただこの世には生きている間に一冊も書くことのできない人がほとんどなことを思うと、その一冊がこれほどな傑作であるというだけでわたしはアゴタさんが羨ましかったりします。


他にも前作に引き続き、多くの印象的な人物・エピソードが登場します。小銭を恵んで少女の股をのぞいていたあの司祭もそのまま出てきます。どうしょうもない男だと思っていましたが、今作では彼とリュカとのやりとりについ涙ぐんでしまったり。人の醜い面を描きながらも、どの人物も不思議と同情を誘うのは、著者の胸に宿っている深い哀しみゆえでしょうか。

100918_142711長い間待ち望まれた再会がついに果たされる・・・と思いきや、非常に衝撃的な文章でもって幕を閉じる『ふたりの証拠』。しかしまだ彼らの物語は終わりません。完結編『第三の嘘』のレビューも近日中に書く予定です。

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September 14, 2010

床の下のチビ子 米林宏昌 『借りぐらしのアリエッティ』

100914_184845ぼくはあの年の夏、母の育った古い屋敷で一週間だけ過ごした そこでぼくは、母の言っていた土人の少女に出会ったー

ウラウラタンタンウラウラタンタンウラアーッ!!

失礼しました。天下に名高きスタジオジブリ最新作、『ジャングルはいつも晴れのちグゥ』ではなく『借りぐらしのアリエッティ』、ご紹介します。

病気の療養のため、祖母の屋敷にやってきた少年翔は、そこで昔から言い伝えられていた小人の姿を目にする。なんとか小人の少女と仲良くなりたいと願う翔だったが、小人たちにとって人間は脅威でしかない。しかし小人の少女「アリエッティ」は持ち前の負けん気と好奇心から、とうとう翔と言葉を交わしてしまう。

とまあこのあらすじからわかるように、今回はとてもミニマムなお話です。広いとはいえ、大体一軒のお家とその周辺に収まってしまうストーリー。けれども小人の視点からしてみれば、そんな限られた空間にもひとつの宇宙が広がっているのですね。タンスは高くそびえる絶壁であり、ネズミは獰猛な猛獣であります。また取るに足りない待ち針や角砂糖の一粒でも、彼らにとっては貴重なお宝だったりする。アリエッティと同じ目線に立って冒険したり、お宝を収集したりするのはとても楽しいじゃあーりませんか。そして失敗するととても悲しいcrying

そんな設定を反映してか、物語もとてもささやかであります。例えば翔くんとアリエッティ、そんなに急に仲良くなれるわけではなく、序盤は一瞬目を合わせるだけとか、葉っぱごしに会話するとか、その程度の接触しかしていません。んで少しずつ歩み寄っていくのかと思ったら、中盤ではお互いキツイ言葉を応酬したりして(笑)
この翔くんの心無いことばにひいてしまう方も多かったようですが、わたしはむしろ彼の微妙なひねくれ具合が面白かったです。「君たちは滅びゆく種族なんだよ」というその言葉の裏には、同じようにか弱い命である自分に対しての醒めた視線があります。そのことに気づいて、キュンと母性愛に目覚めてしまうアリエッティ。やはり女の子の気を引くには、巧に同情を誘うのが最も有効的なようです。

冒頭にも述べられているように、これはそんなたった七日間の物語。一週間の間に出会い、すれ違い、打ち解け、そして互いに重要な存在になっていく。翔はアリエッティのためにひ弱な体にムチ打ち、アリエッティは彼に大きな勇気を与える。短い間ではあっても、そんな風に一生忘れられない思い出を作りあえるというのが、なんかすんばらし~じゃないですか。

とまあわたしはなかなかに好印象を抱いたのでありますが、どうもこの映画、ジブリ(というか宮崎駿氏)に思い入れの強い人ほど、なんかガッカリしてしまう傾向があるようで。やっぱりみんなジブリには、全身の気があわ立つような壮大なクライマックス(というかカタストロフィー)を期待してしまうのでしょうね。ただやはりあれは「世界の宮崎」だからこそできるモノであり、あそこまでイカレ・・・盛り上げられる人はそうそういるものではありません。わたしはジブリとは付かず離れずくらいの立場なんで、こういう丁寧なささやか路線でも丁寧であれば全然構わないのですが・・・ 難しいところであります。

100914_184913しかしまあ、結局夏映画でもっとも儲けたのは恐らくこの作品。そのことを考えると、ジブリブランドの力強さをあらためて思い知らされます。

そう言えば昔はこういう「小人系」のテレビアニメがちょこちょこありましたよね。『冒険コロボックル』『ニルスの不思議な旅』『とんがり帽子のメモル』『スプーンおばさん』・・・ 『アリエッティ』がヒットしたことだし、どうです、各局のみなさん。また作ってみるというのは。

『借りぐらしのアリエッティ』はまだまだ?全国で公開中であります。

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September 11, 2010

ダンシング・パートナー ドミニク・アベル フィオナ・ゴードン 『ルンバ!』

100911_185308と、いうわけで昨日に引き続きドミニク・アベル氏とフィオナ・ゴードンさんのサイレント風喜劇をご紹介しますよ。本日は第二作となる『ルンバ!』です。

教師として働いているドムとフィオナは仲の良い夫婦。お互い息のぴったりあったダンスパートナーでもある。ある日いつものようにダンス大会に参加した二人は、帰り道の途中災難に逢い、フィオナは片足を失ってしまう。ドムも重度の記憶障害を患う身となってしまった。それでもけなげに支えあう二人だったが、彼らの災難はまだ終ったわけではなかった・・・

前の記事でわたしがこの同時上映を見に行った理由について少し述べましたが、もうひとつ付け足しますと、それはズバリ二本立てだったから。同じ監督の作品を続けて二本って、リバイバルならともかく、新作ではかなり珍しいと思いませんか? それに一本の料金で二本見られるって、かなりお得な気がしますしねえ。
上映の順番は『アイスバーグ!』の方が先立ったので、こちらはついつい一本目と比較しながら見てしまいました。『アイスバーグ!』がかなりシュールな話だったのに比べると、こ『ルンバ!』はかなり分かりやすいお話です。ネタバレになるかもしれませんが、某メジャー韓流ドラマとちょっと似たところがあります。
また、淡色系が多かった印象の『アイスバーグ!』に対し、こちらは緑・紫・黄色などヴィヴィッドな色がたくさん用いられていました。
面白いのは夫婦を引き裂く「第三の男」として、前作にひきつづき長髪の大男が登場してるところ。彼の名はフィリップ・マルツといい、やはりアベル&ゴードンと一緒に道化師の修行を積んだ方だそうです。

冒頭のあらすじからわかるように、『ルンバ!』というタイトルとは裏腹に、二人は始まって早々に踊りができない体になってしまいます。たぶんこのタイトルは、二人の人生をも意味しているのかもしれません。まるでルンバのように、時に物悲しく、時にユーモラスで、時にゆるやかに、時に激しく。そんでもって出し抜けにぴたっと終る(笑)。そんな感じの映画です。
ですから全体的に見ればダンスのシーンは決して多くはないのですが、そのわずかなダンスのシーン(全部で三回あります)がどれもなかなか斬新でございました。体育館の床でレコードのようにぐるぐる回っていたり、打ちしおれた二人の後ろで影だけが躍っていたり。あるいは水平線上をまるでフロアのようにしてステップを踏んでいたり。『アイスバーグ!』もそうですが、こうした遊び心溢れる構図作りもこの二本の魅力です。

以下結末を明かしてます。ご了承ください。

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死んだと思っていた夫に、再びめぐり合うことのできたフィオナ。もっとも彼の記憶障害は全然治ってない感じなので、これから大変だろうな~と思いました(笑)。でもそう、生きてさえいればきっとなんとかるものなのでしょう。そんな風に感じるのは、つい先日亡くなったアニメ作家、今敏氏の壮絶な遺書を読んでしまったからかもしれません。

100911_191114現在アベル&ゴードンは第3作『妖精』を製作中。今度はファンタジーに挑むのでしょうか? ともかく、他に類を見ない面白い監督コンビなので、ひきつづきがんばってほしいものです。

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September 10, 2010

氷の世界 ドミニク・アベル フィオナ・ゴードン 『アイスバーグ!』

100910_184343_2あらー こちらモタモタしてたらメインの劇場では今日までだったんですねー ベルギーの道化師カップルが作ったサイレント風喜劇第一作『アイスバーグ!』、いまさらながらご紹介いたします。

フィオナはファーストフード店に勤める平凡な主婦。ある時彼女は、ちょっとした失敗がもとで店の冷凍庫に閉じ込められてしまう。なんとか命を拾ったフィオナだったが、その日からなぜか彼女は異常なまでに冷たい場所や、氷山に執着するようになる。やがてとうとう家を飛び出して北の海へと乗り出していくのだが・・・

ごく普通の主婦が急に何かに目覚めて家を飛び出すというストーリーは、イプセンの『人形の家』を想起させないでもないです。ただそれが女性の自立とか自我といったものではなく、「氷山」というのがなんともシュールなお話。
普通寒さで死にそうになったらトラウマか恐怖症にでもなりそうなものですが、どんどん冷気にとり付かれていくフィオナ。冷凍庫に閉じ込められたことが、機械的な日常に乾ききった彼女の心に、「生きなくては!」という情熱を呼び起こしたということでしょうか? うーん。こうやって理詰めで考えると、なんか面白くありませんね(笑)

わたしがこの映画をわざわざ遠くまで見に行こうと思った動機は、そうした突飛なお話もさることながら、とある紹介記事に「(バスター・)キートンの継承者」のように紹介されていたから。キートンを敬愛するものとしては、これはチェックしておかねばならないでしょう。ベルギーの人が作るお笑い映画ってどんなものだろう?という興味もありました。
で、見たところキートンのような生死に関わるようなアクロバットこそないものの、極端にセリフを減らして、なるたけ無表情でお話をすすめていくあたりは、確かに「グレート・ストーン・フェイス」の作風を思わせるものがあります。
もっとも、氷山に行くアテが出来た以降のフィオナには、徐々に表情に彩が出てきはじめます。アイスを両手に駆け出したり、子供のような絵を描いて「船長さ~ん」とつぶやく彼女は、まるで少女のようにキュート。この人もたぶんそれなりにいい年だと思うのですがね。

同じ家に住んでいるはずなのに、どうしてか妻のことをちゃんと見ていない夫のジュリアン。そんな夫婦のすれちがいを描いているせいか、全体的に「距離感」をモチーフにしたギャグが多かったように思います。すぐ後ろにいるのに全然気がつかなかったり、あるいはいないことに気づかずにえんえんとしゃべりつづけたり。あとちょっとで届くところなのに、ヒモのせいで届かなかったり。この辺は日本の伝統芸である「志村、うしろうしろ!」にも通じるものが・・・ いや、ないかな。また、すごい手間暇の末に伝言が届いたかと思いきや、「会いたくない」の一言でバッサリ断ち切られてしまったり(笑)

フィオナがひかれていくのが言葉の話せない船長さんであることや、あえてセリフを少なめにしてるあたりなども、「本当に大切なのは言葉ではなくて、相手をちゃんと見ること」を教えてくれているような気がします。

真っ白な中にポツンと赤が浮かんでいるような配色や、お笑い映画なのに妙に美しい海上の景色なども印象に残りました。

100910_184405そんな『アイスバーグ!』はやはりアベル&ゴードンの第二作『ルンバ!』とワンセットで、これから全国の主要都市をポチポチと回っていく予定。
『ルンバ!』の方は明日気力が持てば、続けて感想を書きますです・・・・

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September 07, 2010

大空魔竜バイキング ディーン・デュボア クリス・サンダース 『ヒックとドラゴン』

100907_181850久々の連日更新~ 映画の未消化レビューが6本もたまってしまったので(・・・)ちょっと自分にムチを入れてます。ピシピシ! ああんもっとお!

で、今日はこの作品。日本では初登場第八位くらいだったので「こりゃすぐ終っちゃうかな」とも思ったのですが、五週目に入った今もなんとかまだがんばってます! よかった、間に合って!
それではあらすじから。

そこは架空の北欧世界。バイキングとドラゴンたちは互いの生存をかけて激しい戦いを続けていた。族長の息子ヒックもまたドラゴンを倒そうと奮闘するが、体格に恵まれない彼はいつもみんなの足手まといとなってしまう。
だがある日、ヒックは自前の珍発明で「幻のドラゴン」を捕獲することに成功。喜びいさんで獲物をしとめようとしたヒックだったが、ドラゴンの哀れな姿を見て、どうしても殺せなくなってしまう・・・

これまでもドラゴン映画はたくさんありました。『サラマンダー』『ダンジョン&ドラゴン』『エラゴン』『燃えよドラゴン』・・・ しかしこの映画ほど多種多様なドラゴンが出てくる映画は、『D-WARS』を除けばほかにないでしょう。
しかもただ出てくるだけでなく、それぞれのドラゴンに習性、得意技、倒し方といった細かい設定がついていて、ちゃんとした見せ場まで用意されています。まさにお好きな人にはたまらない世界。ヒックの乗るドラゴンの名は英語では「トゥースレス(歯なし)」、字幕では「トゥース」となっているのですが、この際「トゥース」でとーすことにします。

さて、いつしか友情が芽生えてしまうヒックとトゥース。しかし二人はそれぞれ敵対する陣営に属しています。このあたり『ロミオとジュリエット』・・・というよりも、少し前に話題になった名作絵本『あらしのよるに』を思い出さないでもありません。
ここでヒックがトゥースを殺さなかった理由が、とても納得のいくものでした。こういう話、日本アニメでもちょくちょくあるのですが、大抵理由を問われると「そんなのボクにだって・・・わからないよ!」と叫ぶパターンが多かったようなcoldsweats01
しかしヒックは静かに確信をこめてこう語ります。「あいつがボクにおびえていたから」「まるで自分を見ているようだったから」
いま世界で続いてる多くの紛争は、きっと相手を得体の知れない怪物、到底理解できない存在と考えるから、いつまで経っても終らないのでしょう。ヒックのように、「相手も同じ感情を持つ者たち」ということに気づけるなら・・・ まあそれがなかなか難しいわけですが。

こうした丁寧な語り口が評判を呼び、この『ヒックとドラゴン』は本国では五週目にしてまた第1位に返り咲くという快挙を成し遂げたそうです。日本では残念ながらそこまでのブームとはならなかったようですが(・・・)、こと映画ファンからのこの作品に対する熱い支持には目を見張るものがあります。これまでピクサー以外のCGアニメでそこまでのラブコールを聞いたことはほとんどなかったので、正直びっくらこいたのでした。

以降は結末を明かしています。未見の方はご注意ください。

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ゴジラとの一大バトルのあと、ヒックには厳しい現実が待っていました。それは鉄の棒に代えられていた、自分の片足。子供にはかなりショックな場面かもしれません。
しかしその直後、その義足がトゥースに付けられた金具とカチッとはめられた場面で、その暗い気持ちもカラリと晴れました。その馬具(竜具?)がまるで、一人と一匹の強い絆を表しているようで。
少年は片足をなくしましたが、代わりに大きな翼を手に入れました。生きていく上で失うものは必ずある。しかし友のために必死でがんばる者は、もっと素晴らしい物を手に入れることができる・・・ そんな作者からのメッセージを受け取りました。

100907_181912この『ヒックとドラゴン』を見て、古のアニメ『小さなバイキング ビッケ』を思い出したという方も多いようです。実にタイムリーなことに、昨年ドイツでこの『ビッケ』実写版が公開。大ヒットとなり、先日調布で行われた「キンダーフィルムフェスティバル」でも最優秀賞を受賞したのですが、これがなんと日本では公開されないという・・・ なんとかなりませんかあ! 配給会社の方々!
そんな血の叫びをもって本項を終わりといたしますcrying

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September 06, 2010

適当掲示板99&花火&ブリューゲル版画展報告

毎度どうもっすー SGA屋伍一っすー 当ブログへのご意見・ご感想、その他もろもろありましたら、こちらにお寄せくだされば嬉しく思います。

さて、猛暑はまだまだ続いてますが、夏休みの時期はもう終了。今年はあんましお出かけできなかったな~ だもんで、憂さを晴らすように地元で花火を見にいったりやったりばかりしていました。

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ただ最近思うのは、わたし花火が好きというよりかは、花火を見ながら飲むビールが好きなんじゃないかということです。もはやわたしにとって花火とビールとは、決して切り離すことのできないものとなってしまいました。うぃ~ ひっくbeer


100825_140729で、一日だけ遠出してきたのが渋谷で行われていたブリューゲル版画展。すいませんが既に会期は終了しております・・・

正直言うとブリューゲルさんのことなどよく知らなかった(地名だと思ってたくらい・・・)のですが、ポスターにあったヘンテコな生き物たちにつられて、つい足を運んでしまったのでした。風景画や、当時の民衆の生活を描いた作品もありましたが、メインは宗教関係のもの。ポスターにあった変な生き物は、実は悪魔や人の罪深い性質を絵にしたものだったのですね。どんなのかというとこんなの。超いい加減な落書きですいません・・・

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とまあこんな感じで、魚や爬虫類系の生き物に人間の一部をムリヤリ合成したものが多かったです。ぱっくり開いたお口や、まん丸なお目目がなかなかにラブリー。水木しげる先生や杉浦茂先生の画風にも通じるものがあるような。ヘンテコなものを書く人は、名前の最後に「げる」とつくことが多いのかもしれません。

宗教画なんで「正直でありなさい! 欲望は身を滅ぼします!」みたいなまじめなメッセージがこめられているのですが、書かれているものがこんなにファンキーだと、あまり真剣に伝わってこないような(笑) たぶんブリューゲルさんも教育熱心である一方で、へんてこな悪魔たちを書くのが楽しくて楽しくてたまらなかったんではないでしょうか。そんな人間の中のパラドックスが感じられて、楽しい展覧会でありました。

次回はこのしょうもないコーナーもとうとう百回目。なんかどでかい企画をどどーんと!ということは全く考えてないので、どうぞ期待なさらないでくださいwobbly


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September 04, 2010

人生いろいろ、ごはんもいろいろ 原恵一 『カラフル』

100903_120926早いもんで2010年もあと三分の一ですが、先日「今年はもう越える感動はないかもな」という映画に出会ってしまいました。『クレヨンしんちゃん モーレツ!嵐を呼ぶオトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』などで知られる原恵一氏が、直木賞受賞作家森絵都氏の小説をアニメ化。『カラフル』をご紹介します。

「おめでとうございます! あなたは抽選に当たりました!」
罪を犯して死んだらしい「ボク」は、あの世でプラプラという風変わりな少年にそう告げられる。プラプラが言うには、「ボク」は自殺を図って仮死状態にある「小林真」という少年の人生を、半年間だけ引き継がねばならないらしい。気乗りしない「ボク」だったが、あの世の主の絶対の命令により、再び下界に舞い戻ることに。
「真」が生き返ったことに、気も狂わんばかりに喜ぶ両親。「ボク」はいぶかしむ。なぜ真は自殺など図ったのだろう・・・ しかし周りの人々の秘密を知るうちに、いつしか「ボク」は深い闇の中へと迷い込んでいく。

今回はネタバレ全開で参ります。できたら興味をもたれた方は明日にでも劇場に行って、それから以降を読んでください。

「ボク」の体験はどこか映画を見ることと似ています。他人の人生、他人の家族を、最初はただ眺めているような感じで過ごしていく。そしてだんだんと自分がなりすましている「小林真」に感情移入・・・というか、同化していきます。映画は二時間もあれば他人のストーリーから離れることができますが、「ボク」の場合はそうもいきません。興味なかったはずの人々と関わっていくうちに、いつしか精神的にがんじがらめになっていく「ボク」。風景に気を配る余裕のない彼の心の状態を表してか、前半の背景はどこか薄暗いトーンでまとめられています。そして、彼のほおばるスナック菓子のなんと味気なさそうなこと。

人の暗い色、醜い色しか見えなくなっていた「ボク」にどん詰まりから抜け出すきっかけを与えてくれたのは、一見冴えない風貌の同級生・早乙女くんでした。彼は今はもう走っていない砧線のあとをたどってみることで、物事を少し違った角度から見てみることを教えてくれます。すると「ボク」の周りの風景や食べ物が、次第に鮮やかな色合いを帯びていきます。
早乙女くんと学校帰りに食べる肉まん。父親に誘われて行った渓谷の、華やぐような紅葉の景色。その帰り道サービスエリアで「ボク」が食べるラーメン。わたしは映画の中でこれほど美味しそうなラーメンを今まで見たことがありません。小松左京先生は若き日にチャルメラの音を聞いて自殺を思いとどまったという話ですが、ラーメンには人を生きる方向に向わせる、そんな力があるようです。

ぶっきらぼうだった兄が垣間見せる、弟への思いやり。そしてそのあと家族で囲むしゃぶしゃぶの湯気。
陰鬱でしかなかった校舎の中までもが、黄昏の暖かい光で満たされていきます。
「それでも実写の力にはかなわないのでは」という方もおられましょう。しかしわたしはこうした感動をあえてアニメで呼び起こそうとしたところに、原監督のチャレンジ精神を感じました。それは写真が発明された今もなお、キャンバスに向い続けて新たなものを見出そうとする画家たちの姿勢に通ずるものがあります。

「友達と大勢で騒ぎながら学校に行ったり、帰りにどっかへ寄り道したり・・・・・・。ぼくが高校でしたいのは、そういう、めちゃくちゃふつうのことなんだよ」

ようやく家族を迎え入れることができた「ボク」は、食卓でそう語ります。しかし自分がそうした日々を送ることは決してない・・・ そんな「ボク」の心情を思うと、恥ずかしながらわたくしも「うぐえおごあ」と声を漏らして泣かずにはいられませんでしたcrying

100903_120955正直5月までは、「今年は昨年と比べると、胸にズキュウウウンと来る映画が少ないなあ」なんて思っていたのですが、6月の『告白』、7月の『トイ・ストーリー3』、そして8月の『カラフル』という流れは自分的にはものすごいビッグウェーブでした。そう、『告白』で人間のえぐい面をまざまざと見せつけられてショックを受けてしまった人たちに、ぜひこの映画を見て欲しいと思います。

今回お題が『カラフル』だけにイラストも色付きにしようかと思ったのですが、大変だったので結局いつもどおりcoldsweats01 カラフルだからいいんです! モノクロじゃダメなんです!

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September 02, 2010

どんどんばんばんドーパント 『仮面ライダーW FOREVER A to Z 運命のガイアメモリ』

100901_204842夏休みは終わったけど、こっちはまだ終ってなーい! ということで、劇場版仮面ライダー最新作ご紹介します。

ミュージアムとの最終決戦を控えた翔太郎とフィリップ。だがその矢先に、ミュージアムが開発した次世代型ガイアメモリ26本が、謎の傭兵チーム「NEVER」によって強奪されるという事件が起きる。その力を使い、風都の人々を恐怖に陥れるNEVERのリーダー・大道克己。一方そのころフィリップは、事件解決を依頼してきたICPO捜査官マリアに、母の面影を見出そうとしていた・・・

この時期にやる例年のライダー映画は、おおむね本編とはパラレルワールドで、「もうひとつの最終回」みたいなものをやることが多いです。例外といえば『電王』くらいでしょうか。
しかし今回の『W』劇場版は、見事に本編の合間にがっちりとはさまるミッシング・リンクのようなエピソード。といって、映画を見なくても本編のお話には支障はないようにできています。わからないことといえば、なぜ風都タワーが最終五話手前でぶっこわれているのか?ということくらい。

でもやっぱり一年『W』に親しんできた人は見ておいたほうがいいでしょう。なぜなら予算がほとんどこっちに行っちゃってるから(笑)わたくしすでに本編の最終回も見まして、いや、大変よい最終回だと思ったのですが、やはり劇場版と比べてみてみると、絵的にはいささか地味な印象をぬぐえません。
ライダー映画って時々素人目にも「お金かかってないなあ」というのがわかって悲しくなることがあるのですが、今回はかなり潤沢に資金を使っている様子です。この辺は塚田プロデューサーの手腕でしょうか。

どう豪華かというと、まずWの変化形態11種類が全て出てくる上、さらにアクセルの2形態に、劇場版初御目見えのジョーカーにエターナル。そして隠し玉二発までが用意されているという。思えばWは後半ほとんどエクストリーム形態にしか変身してなかったからな~ 目まぐるしく色の変わるダブルを見ながら、「あれ? これはどんな能力のヤツだっけ?」と必死に思い出してましたよcoldsweats01

さらに普段なら一時間一体の敵怪人が、今回は五体も出てきます。雑魚キャラもわらわら湧いてきたりして。序盤なんか思い切り苦戦してるし、「本当に時間内に全部倒せるのだろうか・・・」と不安になりました(笑)
その五人の中のメインが仮面ライダーエターナルとなる、元ソフィア松岡充。まあ彼は違和感なく普通に『W』の悪役を演じていたなあ、という印象。変身後のエターナルは大変素晴らしい造形でうっとりしましたけどね。悪の親玉が純白で、それに立ち向かうヒーローが真っ黒というのが面白いです。
さらに目立った怪人としては変身前のおみ足が素晴らしいヒート・ドーパントのお姉さん。そして作品を食いかねないほどのインパクトを放つルナ・ドーパントのオカマさん。
あまりにオカマの演技が板についていたので誰だか気づかなかったのですが、この方、実は元格闘家の須藤元気さんでした・・・ 須藤さん、あんた偉いよ・・・ 今までのプライドもかなぐり捨ててさあ・・・
と思ったら、Wikiによるとこのキャラをオカマにしようと言い出したのは須藤氏本人だったそうで。ほかにもかなり重症のアニメマニアであることなど、面白いことがいろいろ書いてありましたcoldsweats01

さて、ストーリーはと言いますと、ちょっとネタバレですが途中でフィリップくんが災難にあい、翔太郎くんが一人でがんばらなくてはならなくなります。普段頼りにしている相棒を助けるために、孤軍奮闘する翔太郎。まあ似たようなエピソードはテレビシリーズでもありましたけど、やはり劇場のでかいスクリーンで見ると力の入れ具合も変わってくるというもの。
風都の人々が愛してやまないシンボルだったのに、NEVERに占拠されて悪の基地と化してしまった「風都タワー」。その魔の城へ向って一人乗り込んでいく翔太郎=ジョーカー。こういうの燃えますですcrying。あ、照井竜もいたか・・・

100901_205052本編のまとめ記事に関しては、また日を改めまして(いつになるかなー(^^;)) 小林靖子姉さん脚本の『オーズ』も楽しみです。

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