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August 24, 2010

エイドリアンVSプレデター 二ムロッド・アーントル 『プレデターズ』

100824_182139あら気がついたら一週間更新さぼってた(笑) そんな間にこの映画も上映終了 サマーム-ビーの先陣を切って、すでにその役割を終えた『プレデターズ』についてダラダラと語ります。

目が覚めたら突然空中でスカイダイブしていた傭兵のAさん。なんとか無事に着地したAさんは、似たような経緯で不時着してきた者たちと出会います。マフィア、ヤクザ、ロシア兵、イスラエル兵、サイコキラー・・・ 彼らはみな殺人のプロフェッショナルでした。お互い不信感がぬぐえない彼らでしたが、ひとまず手を組みその地を脱出することに。彼らは知りませんでした。そこが宇宙の狩りマニア「プレデター」の猟場であるということを・・・

まずわたしの『プレデター』シリーズに関する印象を。1987年の第一作はテレビでなんかやりながら見た覚えがあります。感想は「どうも盛り上がりに欠ける話だなあ」というものでした(ファンの方すいません)。まあこれは『プレデター』に限らずジョン・マクティアナン監督の特性とでも申しましょうか。『ダイ・ハード』しかり、『13ウォリアーズ』しかり。そういや最近撮ってませんね、映画。

そんで第二作は未見。わたしがプレデターさんのかっこよさに目覚めたのは2004年の『エイリアンVSプレデター』でした。槍や手裏剣など多彩な武器をひゅんひゅん操り、あの最強の宇宙生物エイリアンをさえ一刀で断ち切るその強さ。「これまで頭のゴテゴテしたダサい宇宙人とか思ってて、本当ゴメン!」と心の底から謝ったものでした。

というわけでこの度の新作『プレデターズ』。今度は未知の惑星を部隊に、人間VSプレデターの死闘が描かれています。正直言うとエイリアンさんと互角に渡り合ったプレデターさんが、いまさらホモ・サピエンスなんか相手にしなくてもねえ・・・とも思ったのですが、いやいや、なかなかやがんばってましたよ、ホモ・サピエンス(笑)。エイリアンさんが登場しない分、ストーリーにいろいろ工夫がなされていました。プレデターさんのねちっこさの描写とか、人間チームの個性の書き分けなどにね。

超科学を武器に人間どもをいたぶるプレデターさん。「大人気ないなあ」と最初は思います。でも考えてみれば人間だってこすい方法を使って、動物や鳥や魚をハンティングしたりするじゃないですか。もしかしたらこの設定は、「たまには動物さんたちの身になってみたら?」という作者からのメッセージなのかも。おお、なんかこれ、すごい高尚な映画って気がしてきたよ!?

あとですね、前半ではプレデターさんたちの方がとてもおっかなく見えるんですが、お話が進むにつれ、本当に怖いのは生き残るためには手段を選ばない「人間の心」であることも明らかになっていきます。

が(笑)、

やっぱりねえ~ ヤクザがプレデターと日本刀でチャンバラやってる時点で、そういう高尚なメッセージも宇宙の彼方に飛んでいってしまうのが悲しいですね・・・ ややこしいことは考えず、『バトル・ロワイヤル』のノリで生き残りゲームを楽しむのが正解でしょうか。はい。

主演にエイドリアン・ブロディ。わたくしこの人の映画は『キングコング』と『ダージリン急行』くらいしか見てないのですが、なんかこう、「受難の人」という印象です。いまハリウッドで理由もなくひどい目にあう人物をやらせたら、たぶんナンバー1かと。本人もそれをわかっているのか、さして嘆きもせず「はいはいまたですか」って感じで災難を受け流しております。

ウィキペディアを見てみますと、ロバート・ロドリゲス氏がかつて描いたボツのスクリプトなど出ているのですが、これがなかなか面白そうなんですよね。この辺もいつか日の目を見ないものかしら。

Krkh042まあどんな形にせよ、またいつかプレデターさんのいかした活躍がみたいものです。今度はミラクル七号や『宇宙戦争』のトリポッド、はたまた『地球が静止する日』のゴートなどを登場させて、「最強宇宙人決定バトルロイヤル」などさせてみるのはいかがでしょう。

それでは最後はこの言葉でしめましょう。「エイドリアーン!!

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Comments

こんばんは、まさとし3055です。実は諸般の都合によりHN変えちゃいました。新HNよろしくお願いします。

んで「プレデター」ですが、実は第一作は映画館で見てます。
高校の図書委員やってたら、映画のタダ券もらえた事数回…行ってきた。

プレデターについてはエイリアン共々、お気に入りでありません…(汗。
一作目のエグイ印象が………どうしてもね。
併映が「エンゼルハート」と言うホラー(?)だったし。

Posted by: まあくん@葛城 | August 24, 2010 08:07 PM

う~ん…戦うのが人間でしかもタイマンだったら、残念ながらシュワちゃんにははるか遠く及ばないです。やっぱ比べちゃいますもん。弱い人間はがっちり守ってカウンターの日本代表の如くチームワークで戦って欲しかったのが正直なところです。

Posted by: KLY | August 25, 2010 12:22 AM

プレデターさん蟹・・・口が※になっとる(笑)

元祖プレデターファンの方にはたいそう評判が悪いみたいですけど、
私も熱烈元祖ファンのつもりなんですけど、なかなか楽しめてしまいました。
ヤクザVSプレデターもヘンテコでよかったです。

マクティアナン監督映画、『プレデター』も『ダイハード』も
めちゃ盛り上がるじゃないですかぁー
どっちも大好き生涯ベストに入れてもいいくらい。

Posted by: kenko | August 25, 2010 08:49 PM

>まあくん@葛城さん

こんばんはー おっ HNかわいくなりましたね! ひきつづきよろしく
プレデターだけでなくエイリアンもダメ? 甲殻類系の宇宙人がダメということでしょうか。リトル・グレイみたいのならOK?

わたしは『プレデター』は一回目は家で、二回目はバイト先の旅館で同僚らと見ました。で、ほとんど覚えてません(笑)
『エンゼル・ハート』はくっきりと覚えてます。こっちの方がよりエグくなかったですか? たしかにこの二本立てはイヤですね。夢にうなされそう・・・

Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2010 09:04 PM

>KLYさん

毎度ありがとうございます!
まあわけもわからずいきなり集められたにしては、連中そこそこがんばってたと思いますよ。自分のことしか考えてないのもいましたけど(笑)

ボツったスプリクトの中には、プレデターがシュワルツネッガーに再戦を申し込むというのがあったとか。わたしゃシュワちゃんにはそれほど思い入れはないですけど、『ターミネーターVSプレデター』というのは見たいかも。ちなみにアメコミには『バットマンVSプレデター』というのがあります・・・

Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2010 09:08 PM

>kenkoさん

あう。またまた出遅れてすいません・・・

プレデターさんはうろ覚えで描きました。その割にはうまく描けたと思うのですが・・・(どこがだっ)

あとプレデターさんについて好き勝手書いちゃってすいません。はー、彼にもけっこう熱心なファンがいるんですね。ただやはり世間的な認知度からいうとエイリアンさんに遠く及ばないような・・・

マクティアナン監督についてもくさしてすいません(三回目)。調べてみたら監督、少し前にFBIに嘘の証言をして捕まったとか。無事映画界に復帰できるといいんですがね

Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2010 09:25 PM

こんばんは
まだまだ暑いですね~
この作品,SGAさんとっくにご覧になってるのかと
勝手に解釈しておりました。

>理由もなくひどい目にあう人物をやらせたら、たぶんナンバー1
そうですねぇ,ご覧になっている2作品の他にも
「戦場のピアニスト」や「ジャケット」なんぞも,どM的なキャラで
いじめられまくっておりましたね。
私が思うに,彼の下がり眉がそういう苛められキャラにぴったりなので
そんな役ばっかし来るんじゃないでしょうか。
辛そうなお顔とは裏腹に見事な筋肉と運動能力も持っておられますが・・・・。

あのヤクザの剣道シーンは
真面目にやってるんでしょうが笑えますね~
いや,カッコいいんですが,あのキャラクター設定からして
すでに笑えます(彼の名前がまた笑えました)
…演じてるの中国の俳優さんだし。

Posted by: なな | August 26, 2010 12:08 AM

>ななさん

おはようござります。夏休みももうじき終わりですね
なんか7,8月は思った以上に忙しい上に『インセプション』や『トイストーリー3』を優先していたら、こちらはほぼ上映最終週になってしまいまして
余裕があったら『エアベンダー』も見たかったんだけどな~

E・ブロディ、やはり他の作品でもそうでしたか。ただ彼の場合毎回悲惨な目にあってても、作品ごとに微妙にキャラが違うのが演技達者なところだと思います。様々なMの演技分けができるというか。さすがオスカー俳優です

ヤクザが登場したのは北野武作品や『キル・ビル』の影響でしょうか。たしかにちょいとずっこけましたが、忍者やサムライを連れてこなかっただけまだましかも・・・

Posted by: SGA屋伍一 | August 26, 2010 07:11 AM

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