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June 28, 2010

適当掲示板97&体を夏にシテ過激にさあ行こう夏を制する者だけが恋を制するもう覚悟をきめちゃって

みなさん、こんばんばん。SGA屋伍一です。当ブログに関するご意見ご感想、そのほかもろもろはこちらにどうぞ書き込んでやってください。

さて、気温的にはもうすっかり夏でございますね。そんなわけで今日は今夏行われる個人的に楽しみなイベント等をご紹介いたします。

090805_204604090823_204852夏と言えば海。そして花火。
今年もあります熱海市の海上花火大会。今夏の日程は
7/25(日)・7/30(金)
8/5(木)・8/11(水)・8/19(木)・8/22(日)・8/29(日)
の各20:20から20:50までとなっております。
花火を見上げながらかっ喰らうビールと焼き鳥。こいつがまたたまんねえんだ! くーっ(オヤジ)


090116_183005100628_175447夏といえば映画!(いつも見てますがー)
今夏最も楽しみな映画といえば、まず『ダークナイト』のクリストファー・ノーランがサイバーパンクに挑んだ『インセプション』。あのオモチャたちが10年ぶりに帰ってきた!な『トイ・ストーリー3』。そして『クレヨンしんちゃん 大人帝国の逆襲』の原恵一監督の最新作『カラフル』といったとこでしょうか。地味なミニシアター系では『ネコを探して』も面白そう。
そのほか『アデル』『エアベンダー』『必死剣 鳥刺し』『プレデターズ』『ヒックとドラゴン』『仮面ライダーW』はてさて全部見られますことやら。『借りぐらしのアリエッティ』も付き合いで見る予定。
あと先日ショートショートフィルムフェスで応援にいった片岡翔監督の人気作『くらげくん』が、ぴあフィルムフェスで上映されるので、そちらも見にいってきます。くわしくはコチラをどうぞ。

090606_120616091002_045139夏といえば恐竜。そして昆虫。
今年は六本木ヒルズは森アーツギャラリーというところで『地球最古の恐竜展 天空の恐竜ミュージアム』なるイベントが開催されます。今回は「最古」と「高層ビルの52階」というところが売りですね。公式サイトはコチラ 恐竜系では横浜アリーナで『ウォーキング・ウィズ・ダイナソー』というのも行われますが、わたしにはちょっとチケットが高めなのでスルーcrying
また江戸東京博物館ではすでに『大昆虫博』なるイベントが開催中。虫好きの方はお見逃しなく。

Buryugeru090815_114408夏といえばアート。そしてイベント。
こないだたまたまポスターを見てえらいひきつけられてしまったのが、渋谷はBunkamuraミュージアムで開催予定の『ブリューゲル版画の世界』。なんですかこのヘンテコセンスは! わけのわからない虫やら生き物やらが蠢く怪しい世界。見たい! 
上野では来月三日よりシャガール展も開催。でもこっちはわたしにはちょっと難しそうcoldsweats01
また、昨年末お台場をにぎわせた等身大ガンダムが、今度は静岡市は東静岡広場にビームサーベル付きで再登場。前回見逃された方はこの機会にぜひ。

さて、今年はどれだけ行けるかな~ そしてお金はどれほどもつかな・・・shock


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June 26, 2010

おれは鉄製 ジョン・ファヴロー 『アイアンマン2』 ムダ知識編

100626_183746♪ドカッ ドカッといこうぜ おれは鉄製だい

それでは『アイアンマン2』。英語の読めないアメコミファンの立場から、原作と比較した使えないムダ知識披露させていただきます。完全ネタバレなのでご注意ください。一応まじめに語ってみた「解読編」はコチラ

☆アーマーの変遷
劇場版では1・・・ブリキロボ 2・・・原型・未塗装 3・・・塗装済み 4・・・3のマイナーチェンジ 5・・・携帯型 6・・・新エネルギー対応型のパワーアップ という流れでしたが、原作では1・・・ドラム缶に手足 2・・・金色のドラム缶 3~5・・・現在の原型 6・・・よりごつくなったパワーアップバージョン となっております
特に違うのはマーク2。マーク3開発時にまっ金金に塗られたアーマーが画像にだけ一瞬表れましたが、あれは原作版マーク2へのオマージュなのかも
あと映画版のマーク5。こういうのは原作にも出てきたのか? すいません、わかりません。ただ1990に作られたアニメのOPに、その原型らしきものを見ることができます
http://www.youtube.com/watch?v=4EgdKjZNu1k&NR=1
この動画の20秒あたり。寄せ木細工のようで味がありますね。
あと原作のマーク6も赤・銀の配色で胸のマークは三角なのですが、読者に不評だったため速攻で元の形に近いマーク7へと変えられてしまいました


☆ウィップラッシュ/ジャスティン・ハマー

すいません・・・ この人たちよくわかりません。わたしが知らないくらいだからたいした悪役じゃないと思います(ゴラア!)。ウィキペディアには一応彼らの項目があるので、お知りになりたい方はそちらへどうぞ。
その辺読んでみますと、ハマーはともかくウィップラッシュの方はややイメージが異なるような。
ファヴロー監督はウィップラッシュについて「『シン・シティ』のマーヴと『レスラー』のラムを足して割ったようなキャラにしたかった」と語ってますが、わたしにはどっちかといえば『ダークナイト』のジョーカーをたぶんに意識したようなキャラに思えました

☆ウォーマシン

すいません・・・ この人のこともよく知りません(おーい)。ただ原作では映画のようにマーク2を改修したものではなく、一から新規に作り起こしたものだったと思いました。
中の人のジム・ローデスは映画ではエリート風のお坊ちゃま、という印象ですが、原作では東南アジアでゲリラとバリバリ戦っていた歴戦の勇士です。

☆ブラック・ウィドウ

スカーレット・ヨハンソンが演じるスーパーヒロイン。スカーレットなのにブラックかよ! というツッコミはひとまずおいといて。
近代史にくわしい人であれば、本名「ナターシャ・ロマノフ」を聞いてピンとくるはず。そう、実は彼女はロシア最後の皇帝ニコライ二世の娘アナスタシアそのひと。いったい幾つなんだ!?
たしかソ連からのスパイとしてアメリカに送り込まれるも、デアデビルと戦ううちに正義に目覚めてアヴェンジャーズに加盟したんじゃなかったかな。幼少時ウルヴァリンに助けられた過去もあり。

☆ニック・フューリー

秘密諜報組織「シールド」の長。映画では黒人ですが、オリジナルは普通に白人。ただし別世界を舞台にした「アルティメット」シリーズでは黒人でした(ややこしい)
単体の作品を持たないものの、マーヴル・ユニバースを結び合わせるキャラである彼は、当然スパイダーマンやX-MENとも知り合いです。ただ基本的にお国の側の人間なため、NGOであるヒーローたちとは対立することもしばしば。
たしか15年くらい前パニッシャーに射殺されてたと思ったんですが、最近『アストニッシング X-MEN』(2004)というのを読んでみたら普通に生きてました。まあよくあることです。

☆スタークが新元素開発のために、「ちょっとこれを下に入れてくれ」とおもむろに引っ張り出す物体。それは伝説の戦士キャプテン・アメリカが常に愛用していた盾。・・・なぜそこにそんなもんがあるんだ!?
ちなみにキャプテン・アメリカとは第二次大戦時政府が特殊な血清により作り上げたスーパー・ソルジャー。大戦末期に北極付近で撃墜され、たぶん『アイアンマン2』の時点では極地で氷漬けになってるはず。
そんな彼の映画はノスタルジー職人ジョー・ジョンストンの手により、2011年7月に公開予定。たぶん第二次大戦時の話になるような気がします。

☆エンドクレジットのあと、意味ありげに砂漠に落ちていたごついハンマー。あのハンマーは、やはりアヴェンジャーズの一員である雷神ソーの持ち物。その高慢さゆえに、父オーディンの手で神々の世界から放逐されたソー。彼は足の不自由な青年に姿を変えられて平凡な生活を送っているが、自慢のハンマーを一振りするとたちまち元の威厳ある姿に変身する。
そんなソーさんの映画は2011年5月に公開予定。監督は古典アレンジの名手ケネス・ブラナー。
これまで一応現実にありそげな路線で(そうか?)やってきたアヴァンジャーズ・プロジェクトですが、この作品ではいきなり神様世界に突入してしまいます。

080822_115409とまあ自慢げにダラダラと語ってきましたが、公式見たらだいたい同じようなこと書いてあったよ・・・

『アイアンマン2』は現在全国の劇場で絶賛公開中。『告白』に押され気味なので、みなさんもっと応援してやってください!

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June 23, 2010

明日の映画の星新一 ショートショートフィルムフェスティバル アジア2010 A&J プログラムG 『Mr.バブルガム』ほか

100623_182053先日原宿ほかで行われていた短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル」、ちょこっと行ってまいりました。仲良くさせていただいている我想一個人映画美的女人blogのmigさんの弟さんが出品なさっているということで、微力ながら応援に参加してきたというわけ。

わたしが見たのは「アジア・インターナショナル&ジャパン」部門のプログラムG。それではてきぱきと紹介してまいります。まず目的だった片岡翔監督の作品から。

movie『Mr.バブルガム』 片岡翔(日本)

公園で遺書を書いていたサラリーマンの宇佐美。そこへ風変わりな女子高生がやってきて、強引に共同制作を申し出るが

タイトルにある「風船ガム」のように、ポップではかなく可愛らしい作品。さえない中年男のもとに使わされた、キュートな死神のお話と考えることもできるかも。
死のうとする者は生き、生きようとする者は死ぬ。そんな人生の皮肉が込められた一本。
ヒロインの噛んだガムを宇佐美がくちゃくちゃと噛み直すシーンがありましたが、まあ彼女の噛んだガムだったらわたしも喜んで噛むかもな。あと地面に落ちたガムは洗って食べればいいと思います。

この作品、見事に本大会のジャパン部門観客賞を受賞。おめでとうございます!

他の作品もご紹介しましょう。

movie『Yakiniku』 大眉俊二(日本)

鉄板の上の焼き肉をモチーフに温暖化防止を訴えた作品。「ストップ!温暖化部門」にも入っている一本で、本プログラム中最短の1分41秒。
こういう一発ネタみたいな作品はけっこう好きです。問題はこれを見て「焼き肉食いてー」と思う人はいるだろうけど、「地球を大切にしなきゃ」と思う人がどれほどいるか、ということですね。


movie『撮影禁止!』 Bahman Moshar(イラン)

街中で無許可で写真を撮っていたため、逮捕された若い女性。彼女は自分を見張っている兵士になんとか逃がしてほしいと頼み込むが・・・

監督の実体験に基づくお話。イランでは普通の町並みでも写真を撮るには許可がいるそうで。全く関わりの無かった二人が写真を通じてひと時心を通い合わせるという、ちょっとリリカルなお話。
女性にだまされやすいわたしとしては、主人公に感情移入しつつも「お前脇が甘いんだよ!」とつっこまずにはいられませんでした。息切らせて戻ってみたら、ヒロインがにっこり、なんてあんなラストありえません。逃げた女は戻ってこないのですcrying


movie『Midnight Bar』 渡辺浩司(日本)

深夜のバー。一人の客が「実はガンを宣告された」と告白したことから、重苦しい雰囲気に包まれる店内。同席していた女性の言葉が、さらにその場を凍りつかせる。

短い中に二段オチを盛り込んだことを、「詰め込みすぎ」と見るか「意外な展開」と見るかで評価が分かれそうな一本。監督は亡くされた友人のレクイエムのためにこの映画を撮られたそうなので、どうしてもああいい風にもっていきたかったのでしょう。
わたしが思ったのは「バーテンさんって本当に大変だな」ということ。去年の新年会でおばさんに絡みつかれて困惑していた若いバーテンさんのことを思い出しました。「オヤジが倒れてわたしが切り盛りしなくちゃならなくって」と言っていたあの彼は、今もまだあの店を続けているのだろうか。


movie『宿題』 Hye-ryeom Yoon(韓国)

問題が解けない少年に業を煮やし、こめかみに銃を突きつける母親。果たして少年の運命は。

これまた3分44秒とごくごく短い作品。永井豪は『ススムちゃん大ショック』か筒井康隆の某短編(タイトル忘れた)を思い出しました。韓国のお受験というのは相当厳しいそうなので、その辺を風刺しているのかもしれません。
何より怖いのはこの映画を笑顔の素敵な美人さんが撮っておられるということです。


movie『変わりゆく地、プーケット』 Aditya Assarat(タイ)

休暇でプーケットを訪れた有名女優のジン。どこか浮かない様子の彼女を元気付けようと、雇われた運転手のポンはとっておきの場所へ案内する。
家族の崩壊を描いた作品のあとに、絆の再生を描いた作品をもってくるとは、本プログラムなかなかに心憎い構成です。
飾り気のない女優さんの笑顔と、風光明媚なプーケットの景色に心癒される一本。ただとなりで見ていた×××さんはお疲れだったのか豪快に寝ておられました。


090207_191431六本中四本が「見知らぬ者同士の出会い」を描いていたのが印象的でありました。映画もそうかもしれません。見知らぬもの同士が出会い、共に一本の作品を作り上げ、また別れていく。わたしは別に何かを作っているわけではありませんが、偶然でもふとした機会に訪れたそんな出会いをこれからも大切にしていきたいな、と思いました。

・・・おお、なんか知らんがうまくまとまったぞ!

片岡監督の作品は近日開催される「ぴあフィルムフェスティバル」でも上映される予定。上映されるのは監督によると「こっちの方が評判が良かった」という『くらげくん』なる作品。小学生のボーイズラブを描いたという実に風変わりな題材。ご興味おありの方はぜひ足を運ばれてみてください。

場所・時間は東京国立近代美術館フィルムセンター(京橋駅)で7/18(日)16:15~と 7/27(火)13:15~の二回となっております。

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June 21, 2010

会長・島鋼鉄 ジョン・ファヴロー 『アイアンマン2』解読編

100621_172711自らの正体が「アイアンマン」であることを明かしたトニー・スターク。だがそのために彼は悪の怪人たちから絶えず狙われる身となった。まず人工心臓「エンゼル・ハート」を取り付けて蘇生したレスラー、ランディ・ザ・ラム・ロビンソン。前作で倒したはずのジェフ・ブリッジスも、心臓強化装置「クレイジー・ハート」の力で復活する。強敵たちを前にピンチに陥った彼は、謎の男に助けられる。彼はトニーに手を差し伸べて言った。「君も我々の仲間に加わるんだ。ようこそ、Gフォースへ!!

本当のあらすじはコチラ前作の記事もついでに。おふざけはこれくらいにして今回はトニー・スタークという男に関してじっくりと語りたいと思います。
アイアンマンというのは実に特異なヒーローであります。ヒーローというのは普通正体を隠し、普段は目立たないよう行動するものです(例外といえばファンタスティック・フォーくらい?)。しかし彼は正体を明かしたあともそれまでと変わることなく、派手なセレブライフを満喫します。マスコミや国からバッシングを受けてもどこ吹く風。スターよろしく舞台の上で踊るわ、レースに参加するわ、豪勢なパーティーを開催するわ。
底抜けに脳天気なのか? いや、わたしはそうしたポーズは、彼の心を守るための「もう一つの鎧」であると思っています。

原作ではトニーは精神的にもろいところを多く持った人間として描かれています。そのもろさのあまり、酒びたりになってアル中になったことすらありました。
映画ではそこまで極端には描かれていませんでしたが、セリフの中に時折そういう面が垣間見えます。恐らく彼は生まれてから様々なプレッシャーにさいなまれてきたのでしょう。
偉大な父親の威圧感、大会社の社長としての緊張感、ライバルたちからのねたみ・・・ 前作でテロリストたちにとらえられてからは、会社が犯した罪に対する自責の念や、徐々に毒素に蝕まれていく恐怖も加わったはず。
しかし彼はそうした弱みをみせまいと、時として傲慢とも思えるような態度を取り続けます。そのように「全然平気だよーん」とツッパリつづけることで、目に見えない鎧をまとうことで、自分のもろい心を守ってきたのだと思います。

そんな彼がピンチに陥った時、文字通りの鎧を作って脱出しようと考えたのは、至極当然のことだったのかもしれません。この「パワードスーツをまとう」というところがまた、他のメジャーなアメコミヒーローと異なるところであります。
スパイダーマンやスーパーマンを彼らたらしめているのは、あのスーツやマスクではありません。彼らはスーツやマスクを身につけていなくても、基本的にはなんら変わることはありません。そのままでも使おうと思えばその能力を使うことができます。超能力を持たないバットマンでさえ同じです。あのコスチュームを着なくても、ブルース・ウェインの身体能力は低下したりはしません。せいぜい隠し武器が使えない程度でしょう。

しかしアイアンマンはそうではありません。あのスーツがなければ、彼の戦闘力は常人とほぼ変わらないでしょう。人工心臓というハンデがある分、下手をすると一般人よりも「弱い」存在であると言えるかも。劇中で「アーマーはわたしの一部だ」というセリフがありますが、ある意味確かにそう言えます。

ただ鎧を着ていては人の体温を感じることはできません。心の鎧に関しても同じことが言えます。誰に対しても弱みを見せまいとするその姿勢にゆえに、トニーは愛する人や親友にさえ、その本心をさらけ出すことができません。助けようと差し伸べられた手もつかめないし、余命がいくばくもないというのに、そのことを誰にも言えない。
とはいえ彼を想う人たちの気持ちは、やがてその心にわずかな変化をもたらしていきます。

いつかトニーが心の底から誰かに頼ることができるようになったら、自分の気持ちを素直に打ち明けられるようになったら、その時彼は「アイアンマン」から卒業できるのかもしれません。ただ、きっとそれはまだまだ先のことになるでしょう。

100505_104216『アイアンマン2』に関しては、もう一回オタクの視点から、ムダ知識をダラダラと述べた記事を書く予定。ご期待せずにお待ちください。


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June 19, 2010

あなたの罪を数えましょう 湊かなえ・中島哲也 『告白』

100619_174322『下妻物語』『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督が、ベストセラーを完全映画化。いま最も注目されている映画といっても過言ではない『告白』。ご紹介いたします。

それは三学期の終了式の出来事。担任の森口悠子は、生徒たちを前に淡々とHRを続ける。牛乳が体にいいこと。教師を辞めること。いままでの教師人生。最愛の娘への思い。娘の死。次第に異様な空気に包まれていく教室。そして森口は衝撃的な一言を放つ。「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

中島監督といえばファンキーでC調な作風で知られている作家。あの「悲しくて悲しくてとてもやりきれない」『嫌われ松子』でさえ、あんなににぎやかな映画にしてしまわれる人。
ところが今回はおふざけはごくごく最小限にとどめられていて、全編にわたり神経が磨り減ってしまうような緊張感がみなぎっております。

ビジュアルもこれまでは極彩色の華やかなものとは違い、薄暗いどんよりとした、しかし透明感のあるバックが多様されています。個人的になんだかとても落ち着くというか、郷愁を誘うような映像でした。
わたしのように学校にいい思い出ばかりあるわけでない者にとっては、そのイメージは決して青空のようにさわやかなものではありません。それでもそこを思い出し、久しぶりに目にすると、どうにも懐かしくてたまらないのです。

わたしたちはエンターテイメントを楽しむときに、「この人はこういう性格で、こういう風に考えてるんだろうな」と想像します。そして大抵はその通りだったりします。
しかし現実はどうか。果たしてその人が自分の思うとおりの人で、何を考えているのか。それを確かめるのはとても難しい場合があります。
この映画の登場人物たちは、それぞれ、気にかかる人が「きっとこういう人に違いない」と信じます。我々観客もほぼ彼女たちと同じ見方をすることでしょう。
しかし少年A、少年B、そして森口は淡々とした告白でそうした想像を裏切ってくれます。その重苦しさは並大抵のものではありません。

ただ松たか子演じる「森口先生」に関しては・・・ とここから映画は愚か原作の結末までネタバレしてるのでお気をつけください。

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最後に森口がああいう行動に出たのはなぜなのか? 単に復讐のためだったのか?
わたしは本当に教育のためであったのだと考えます。理由は美月と再会したあと、彼女が雨の中号泣するシーン。あそこで彼女は憎むべき存在だった修哉の別の面を知り、激しく動揺したのでは? 実はここは、原作にはない映画オリジナルのシーンです。
中島監督という方は、噂を聞く限りではいろいろ曲者なところもあるようですが、これまでの作品を見る限りでは、基本的に優しい人、愛情豊かな人だと思います。子供も決して嫌いではないはず。ただそれをストレートに出すのに、どうしても照れがあるというか。これまた原作にはないラストの「なーんてね」。これなどもそんな深い意味はなく、単に中島監督一流の「照れ隠し」なのでは、と考えます。
だから修哉の母親が建物ごとふっとぶのはあくまで彼のイメージであり、「あそこに爆弾を置いた」というのは森口先生のハッタリなのではないでしょうか。

・・・とまあ言ってるそばからまたしても勝手な思い込みをダラダラと述べてしまいました。説得力ゼロですね(笑)

100619_174342映画ファンの評価する映画と、世間一般でバカ売れしてる映画というのは往々にしてズレがあるものです。しかしこの『告白』は映画ファンからも高く評価され、興行成績も並外れている。そういう映画はここ最近ほかに思い当たりません。自分としても、ここ数年見た邦画の中ではもっとも衝撃的な作品でした。
そういうわけで原作も昨日一気に読んでしまいました(←のせられやすい)。こちらのレビューも近々書きたいものですが、そういえば読書感想も三本ばかりたまってたなあ・・・ あはは・・・

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June 16, 2010

冷血なテジュさん パク・チャヌク 『渇き』

100616_173753「復讐三部作」で知られるパク・チャヌク監督最新作。毎度おなじみのフレーズですが、首都圏から二ヶ月ほど遅れて上映。そして既に終了しました。『渇き』。

とある難病の臨床実験に志願した神父のサンヒョンは、ウィルスの副作用のためいわゆる「吸血鬼」へと変身してしまう。超人的な体力と血に対する渇望に悩むサンヒョン。そんな折、彼は旧友の妻であるテジュと出会う。テジュは夫と姑に仕える生活から逃げ出したいという願望を抱いていた。やがてサンヒョンとテジュは強く魅かれあうようになるが、それは果てしない悲劇の連鎖へとつながっていく。

なんでか知りませんけど、韓国ではキリスト教を奉じている方が多いそうで。実に国民の三割がクリスチャンなんだそうです。そのキリスト教の重要な教理の一つに「原罪」というものがあります。つまり人間というのは生まれつき罪深い存在であり、常に神の許しを願う必要がある・・・ そんな教え。
日本人からしたら「何も悪いことなんざしてねえのになんで謝らなきゃいかんのだ」と言いたくなるかもしれませんが、ともかくこの『渇き』もまた、人の罪深さというか「業」を描いた作品であります。

その罪深さを知っているがゆえに、己を律し、欲望を制してきたサンヒョン。しかし欲望というものは押さえ込めば押さえ込むほど、マグマのように内でたぎり続けるもので。それが何かの拍子に縄目を解かれてしまった日には、それこそ目も当てられないことになってしまいます。それでもその暴走をなんとか最小限にとどめようとするサンヒョンの「あがき」が見ていて悲しゅうございました。
一方ヒロインのテジュも家族の中でこき使われて、内に激しいエネルギーを秘めていました。彼女もまたサンヒョンと出会ったことをきっかけにそれを爆発させていくわけですが、興味深かったのはサンヒョンがまだ良心のとがめを感じているのに対し、テジュは精神の方もどんどん怪物化していくこと。これで顔立ちはすこぶる可愛らしいのですから、タチが悪いことこのうえありません。
最初は地味だったのにいつの間にかサンヒョンをいいように振り回していくテジュを見ていて、なんだか『痴人の愛』などを思い出したりしました。


監督パク・チャヌク氏の作品は他に『JSA』と『オールド・ボーイ』しか見てないのですが、まず風変わりな謎や異常な状況を作り、そこから論理的にそれらを解明していくところがすごいな、と思ってました。
しかし今回はもっぱら暴走するだけで、そういう謎解きの要素はほとんどなかったですね。合間合間にポカンとしてしまうようなギャグもあり。これじゃまるでポン・ジュノみたい(笑) まあ論理的に謎を組み立てるよりも、勢いのまま暴走してしまうほうがよほどラクなので、気持ちはわからないでもないですが。

以後、ほぼ結末ネタバレであります。

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ban
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moon3
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我慢することをやめて欲望の赴くままに生きたら、それで幸せになれるのか? 少なくともサンヒョンとテジュはそうではありませんでした。やはり願いは願いにとどめ、果たされない方が幸せだったのか。生きるってつくづく難しいものであります。
彼らのやったことはやはり許されないことなんでしょうけど、わがままを言わせてもらえば、わたしはどんなに罪を犯し続けてもサンヒョンとテジュに生き続けてほしかった。だってせっかく死の淵から生き返ってきて、結局死ぬしかなかった・・・ってあまりにも悲しすぎるじゃありませんか。
ただ一つの慰めは、一人で死んでいったサンヒョンが、二度目の時は一緒に死ぬことのできる相手を得られた、ということです。

100616_173821昨年から話題作が続いた韓国映画ですが、ここらへんでとりあえず一段落、というところでしょうか。それともわたしが単に知らないだけか? どなたか面白そうな情報知っていたら教えてくだしゃんせ~


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June 14, 2010

おお戦場は緑 ポ-ル・グリーングラス 『グリーン・ゾーン』

100614_180113♪グリーン・ゾーン 青空には 小鳥が歌い 
これ、まだやってたよな? 監督ポール・グリーングラス×主演マット・デイモンの『ボーン』コンビが送る軍事謀略アクション『グリーン・ゾーン』ご紹介します。

戦争がほぼ収束したイラク。アメリカは戦争の発端となった大量破壊兵器を発見すべく、捜索隊を組織し、その任に当たらせる。だが情報をもとに幾ら探しても、破壊兵器は見つからない。隊長のミラーは情報の出所に疑問を抱き、独自にその謎に迫ろうとする。

中東を舞台にした軍事モノといえば、まっさきに思いだすのは先日アカデミー作品賞を受賞した『ハート・ロッカー』。ちょうどこの映画は『ハート・ロッカー』の前日談のようなものかもしれません。つまり、「イラクの現在の混乱はいかにしてもたらされたのか」。それをわかりやすく説明したものとなっております。原作はラジャフ・チャンドラセカラン氏の『インペリアル・ライフ・イン・ザ・エメラルド・シティ』。ノンフィクションだそうなので、一応この映画も「事実に基づいた作品」ということになるのでしょう。

先に『ハート・ロッカー』があったせいで、どうもいろいろと比べたくなってしまいます。主人公の性格なんかは『ハート・ロッカー』より単純ですね。迷いもなくブレもなく、自分の決めた道をひたすらまっすぐに進むタイプ。彼の敵はもっぱら自分の内面にではなく、外側に存在しています。
ただ『ハート・ロッカー』がほとんど主人公一人に焦点をあてていたのに対し、こちらでは実に様々な人々の思惑が描かれます。アメリカ主導の統治を望むもの。イラクはイラク人が治めるべきだと主張する者。アメリカとイラクそれぞれに両方の意見の者がいて、さらにそれらも穏健派と過激派に分かれていて・・・ 当たり前のことですけど、十人いれば十人の意見がある。そんなことをあらためて思わせられます。
また、腐敗した利己的な権力者でさえ、平和のためには旗頭になってもらわねばならない・・・ そんな現実のほろ苦さも描かれていました。

監督ポール・グリーングラス氏には9.11の同時多発テロを描いた『ユナイテッド93』という作品があります。これとて米国の正義をたからかに謳った映画ではないようですが、見るものとしては、やはりアメリカ人側に感情移入してしまうのはいたし方なきことでしょう。
そこでまあ、今度は公平に?アメリカの悪い面も描くことにしたのではないでしょうか。『ボーン』もそんなお話ですけど、あれはやっぱりフィクションですから。そういうニュートラルな視点は大いに歓迎したいところであります。

100614_180143というわけでエンターテイメント風の予告・ポスターに期待していくと、ちょっと肩透かしを食うかもしれません。十分お勉強にはなる映画ではありますが~

そのグリーングラス監督、予定されていた『ボーン』第4作は降板してしまったそうで・・・ ひどいわ! 信じてたのに! ちなみにマット・デイモンは「彼がいないならやらない。もし戻ってくればやる」とコメント。なぜだ!? 君たちはできてるのか!?
この二人にはぜひジェイソン・ボーンのその後を描いてほしかったので、わたしとしては監督の心変わりを心から望む次第です。はい。

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June 09, 2010

ニューヨークの王様 神山健治 『劇場版 東のエデンⅠ  The King of Eden』

100609_185333それでは劇場版『東のエデン』パート1参ります。今回はテレビシリーズともどもネタを完バレしてますので、どうぞご了承ください。

身を挺してミサイル攻撃から日本を救った滝沢は、咲の前から忽然と姿を消した。カメラにとらえられていた彼の姿は、若者たちの間で「キング」と名づけられ、噂を呼ぶ。数ヵ月後、咲は滝沢の残した言葉を頼りにニューヨークへ赴く。彼を見つけ出し、その支えとなるために・・・・

アメリカを舞台に、めぐりあう少年と少女。しかし少年は記憶を失っていて・・・・ テレビシリーズ第一話を思い出させる始まりです。違うのは、場所がNYであることと、滝沢が服を着ていること。
今回未登場のセレソン4人がどんな風に出てくるのか楽しみにしていたのですが、出てきたのは一名のみ。その上思わせぶりな割りには、なかなかにしょぼい野郎でした。
わたくし「もしや・・・」と思ってついネタバレを調べてしまいました。そしたら残り三名はどうやらちゃんとした形では出てこないようで。なんじゃそら・・・ だったら最初から数減らしておけばよかったのに。まあそうするとサッカーチームの数にはならなくなってしまうわけですが。

一番印象に残った場面は、やはり夜の遊園地で滝沢が自分の子供のころを思い出すくだり。「子供のころ、母親は忙しかったから、俺は一人で映画ばかり見させられてたんだ・・・」 確かオダギリジョーもインタビューでそんなこと言ってたなあ。もしかしたらタッ君のモデルってオダギリだったりして(笑)

タッ君と咲っぺがときめいている間に、「東のエデン」チームは二人を全力でサポートします。そしてしのぎを削るセレソンNo.1とNo.2。いったい日本をどういう風にもっていけばいいのか。どう変えればいいのか。彼らは思い思いに自分の信じる道を語ります。
「エデン」というタイトルから思ったのですが、いまの日本ってキリストの時代のイスラエルと色々似ているなあと。
そこそこの資力と平安さえ得ているものの、常に強国の言いなりで、指導者たちは腐敗し、格差は広がる一方。人々はそんな袋小路から連れ出してくれるような、救世主がいればいいのに・・・と願います(あきらめの方が強いかもしれませんが)。
その線でいきますと、滝沢君はそんな現代日本のキリストのようなキャラとして考えられたのでしょう。この劇場版1は、キリストの復活のくだりを描いたエピソード。死から甦った救世主は、果たして日本をどう導くのか。

100609_185358_2できたらもう少し劇場版らしい派手なアクションなど欲しかったところですが、まあ今回はつなぎということで我慢しましょう。
そして話は劇場版パート2で真の完結を迎えるわけですが、これ近場でやってくれるのかなあ。わたしが『Ⅰ』を見にいったら平日の昼とはいえ客が二人しかいなかったので、なんだかイヤな予感がします。
ジョ○ランド沼○さん、おたくの誠意、信じてますよ!
もちろん主要都市部では(『Ⅱ』も含めて)もう公開終了。最悪の場合はDVDか・・・

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June 07, 2010

ゲイは身を滅ぼす? グレン・フィカーラ ジョン・レクア 『フィリップ、君を愛してる!』

20080701182735あいしてるーってさーいきーん いわーなく なったのーはー

首都圏より二ヶ月ばかり遅れて上映(そしてもう終了)。『フィリップ、君を愛してる!』ご紹介いたします。

ゲイであることをひたかくしにしてきたスティーブンは、交通事故にあったことをきっかけに、自分に思い切り正直に生きることを決意する。だが恋人(もちろん男)と豪遊するうちに金が足りなくなったスティーブンは、詐欺の道に足を踏み入れる。最初はそれなりにうまくいっていたが、やがて発覚。ところが服役中のスティーブンに思いもかけない幸運が訪れる。所内でモロ好みの男性、フィリップとめぐりあったのだ。

冒頭に実にいかしたスーパーが入ります。「本当にあった話」。間をおいて「本当なんだってば」。
事実は小説よりも奇なりと申しますが、これがいかに突飛で馬鹿馬鹿しいお話であることをよく表している二文だと思いました。
ときどき興奮するとオネエ言葉が出てしまうので、一部の方からはゲイかと思われているかもしれませんけど、わたしは普通に女子が好きです。ゆえに「男同士の恋物語」にはやや腰がひけてしまうのですが、それでもなおこの映画には「見たい」と思わせるだけのものがありました。それは「脱獄」。

後半スティーブンは実に四度もの脱獄にチャレンジするのですが、脱獄ってそう簡単にできるもんじゃありませんよね。一体どんな方法でそいつに四度も成功したのか? いつか自分が何らかの理由で収監されたときに役立つかもしれない・・・ そんな風に思って鑑賞に踏み切りました。もちろんその辺も大いに楽しみましたが、見てみて一番印象に残ったのはスティーブン・ラッセルという人間の個性。本当にこの男、面白すぎです。

冒頭こそごく平凡な人生を歩んでいたはずなのに、とあることをきっかけにどんどん常人の人生から逸脱していくスティーブン。ハイテンションで、自由奔放で、次に何をやらかすのか予想もつきません。
あと脱獄や詐欺の才能には恵まれているのに、「保身」の才能がまるでなかったりします。その才能がちょっとでもあれば、逃げた端からまた捕まらなくても済んだだろうに。
まあ彼にはたとえ捕まる危険を冒してでも、どうしても恋人に伝えねばならないことがあったのですね。エキセントリックで嘘まみれな生き様の裏で、実はただ本当の「愛」がほしかった・・・ そんなごく人並みの願望を抱いているところが、また面白くもあり、物悲しくもあり。
「ゲイは金がかかる」とつぶやくスティーブン。わたしゃ門外漢ですけど、それはちょっと違うんじゃないかと思いました。実際彼が愛したフィリップは「お金なんかそんなにいらない」みたいなことを言ってましたし。
恐らく生活苦のために養子に出されたスティーブンは、「お金がなければ愛は失われてしまう」という思い込みでもあったんではないでしょうか。あと、人というのは自分にある種の才能があることに気づくと、そいつをいかしてしまいたくなるものです。たとえそれが詐欺の才能であっても。

以下、結末に若干触れています。未見の方はお気をつけください。

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「自由に生きる!」ことを決意したスティーブンでしたが、皮肉なことにその生き方を追い求めた結果、彼が行き着くのは決まって刑務所。最後にはもっとも不自由極まりない生き方を強いられることになります。にも関わらず、ラストにおける彼の顔はとても晴れやかです。自由とは、状況の問題ではなく、精神の問題なのかもしれません。

100516_171234それにしても、確かに詐欺は悪いことですけど、誰も傷つけていない人間(叫び屋は別として)を、懲役167年ってい不公平じゃないですかねえ。彼は満足してるかもしれませんが、なんらかの恩赦でまたスティーブン・ラッセルが日の下に出られることを、わたしは願ってやみません。たぶんそしたら周りの人間は、またいろいろ迷惑をこうむることになるでしょうけど・・・

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June 05, 2010

ジェームス・ディ-ンとは関係ありません 神山健治 『東のエデン』

100604_181318本日は昨年好評のうちにテレビ放映されたアニメ『東のエデン』を紹介いたします。なぜいまごろかと申しますと、ついこないだようやく劇場版のパート1『The King of Eden』を見ることができたから・・・という全く個人的な事情。それではまずあらすじから。

近未来の日本。いずこからかミサイル攻撃を受けるも、死傷者が一人も出なかった「うかつな月曜日」事件から三ヵ月後。女子大生・森見咲は、卒業旅行で訪れたワシントンで、素っ裸の青年に遭遇する。彼の名は滝沢朗。滝沢は謎の大物「ミスターアウトサイド」により選ばれた「セレソン」の一人で、他の11人と共に日本の救世主を目指す生き残りゲームに参加させられていた。偶然行動を共にするうちに、咲は次第に滝沢に魅かれていく・・・・

この生き残りゲームというのをもう少し説明しますと、セレソンは各々100億円がチャージされている携帯を持たされています。この資金をしょうもないことに使い続けたり、日本を救えないまま使い果たしたりすると、「サポーター」と呼ばれる12番目のセレソンにより抹殺されます。また一人がみごと日本を救った暁には、他の生き残ったメンバーはやはりこの世から消え去ることになります。

そうした大掛かりな生き残りゲームは、『バトル・ロワイヤル』や『デス・ノート』、はたまた『仮面ライダー龍騎』などを連想させます。が、『東のエデン』がそれらと違うのは、すんげ~ほのぼのとしているというところ。
セレソンたちが必死にタマの取り合いをしている脇で、ヒロインの咲ちゃんの恋や将来への悩みがえんえんと語られたりします(正直この辺ちょい恥ずかしかった・・・)。『ハチミツとクローバー』の羽海野チカさん原案のキャラクターが、さらにふんわか度を増していたりして。そんな一見不釣合いな要素が同時進行で語られていくところが、このアニメの独特な点でした。

次々と現れる個性的なセレソンたちと、滝沢の相対。失われた滝沢の過去についての謎。滝沢と咲の恋の行方。誰が果たして生き残るのか。そしてゲームの主催者である「ミスターアウトサイド」とは何者で、何が目的なのか・・・・ そんな風に巧みにストーリーをひっぱりながら、スタッフは現代の若者たちに積極的にメッセージを送ってもいます。
どんづまりのようでありながら、のんびりとした空気も漂う日本。この日本をどうしたらいいのか。一人一人は日本のために何ができるのか。決して押し付けがましくならない程度に、そんなテーマが織り込まれていました。ここんとこ「世界を変えたい」系のヒーローをよく見かけますが、範囲を一国に狭めただけで、ぐっと現実感が増してくるから不思議です(笑)

100604_181352このアニメが放映されていた「ノイタミナ」という枠は基本的に全13話なのですが、話数が十話を越えても一向にセレソンが出揃わず、「どうするのかいな・・・・」と思っていたら案の定劇場版につなげられてしまいましたwobbly。その劇場版は「The King of Eden」と「Paradise Lost」の二部からなっており、既に主要都市では公開を終えています。

そんなわけで次の次くらいに、劇場版第一部について語りたいと思います。

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June 02, 2010

適当掲示板96&映画ゼロ年代ワースト&ベストいろいろ

実にひさしぶり~の連日更新。当ブログに関するご意見・ご感想・そのほかもろもろありましたら、こちらへお寄せください。

さて。かれこれ一月前、都内某所でさる映画ファンの集まりなどありまして。そこで色々おしゃべりしているうちに、「やっぱウチ・・・ 映画のこと好きやねん!」ということにあらためて気づかされました。
そこで思い出したのが昨年書いた映画ゼロ年代ベストの記事。やはり十年を一つの記事で語るというには限界があり、いろいろ語り足りないことがあったのでした。
そこでもう2010年も半ばに来た今頃になって、補足記事など書かせていただきます。こんな時期にもなってまだゼロ年代とか言ってるの、ウチくらいなもんでしょうね!


それではまずベスト監督から

090429_1604151位:ブラッド・バード 『アイアン・ジャイアント』『Mr.インクレディブル』
やることなすこと全てツボ。愛してます!
2位:クリント・イーストウッド 『硫黄島からの手紙』『グラン・トリノ』
老いてなお高みを目指す世界のオヤジ
3位:ニック・パーク 『ウォレスとグルミット 野菜畑で危機一髪!』『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』
粘土一筋25年! すげえぜ!
4位:紀里谷和明 『CASSHERN』『GOEMON』
すいません・・・ 『CASSHERN』が邦画マイベストなもんで・・・
5位:ギレルモ・デル・トロ 『パンズ・ラビリンス』『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』
一作ごとに着実にレベルアップしていく稀有なクリエイター
200604241628376位 金子修介 『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 怪獣総攻撃』『デスノート』
日本の怪獣はこの人に撮らせろ!
7位 原恵一 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』『河童のクゥと夏休み』
8位 細田守 『時をかける少女』『サマーウォーズ』
恐らく宮崎駿なきあと(殺すな)、日本のアニメ界をしょって立つのはこの二人でしょう。
9位 サム・ライミ 『スパイダーマン』『スパイダーマン2』
ゼロ年代もっとも成功を収めた監督の一人。らーみあー
10位 ポール・W・S・アンダーソン 『バイオハザード』『エイリアンVSプレデター』
限定空間でのお遊びをやらせたら、彼の右に出る者はいません

次点にチャウ・シンチー、ピーター・ジャクソン、アンドリュー・スタントン、ピート・ドクター、ジョン・ファブロー、クリストファー・ノーラン他多数


続きましてこないだのスマステーションに触発されて(笑)「アメコミヒーロー映画ベスト10」行ってみます。
200610181802381位:『X-MEN ファイナル・ディシジョン』
娯楽畑のブレット・ラトナー監督作品ということで不当に低く評価されておりますが、わたしはこの作品こそが原作X-MENのテーマを最も忠実に語った作品だと思ってます。
2位:『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』
一分といえどスキがないその驚異的な面白さを評価して
3位:『スパイダーマン』
4位:『ダークナイト』
ともにアメコミ映画のエポック・メイキングとなった作品。『スパイダーマン』のヒットは後続への道を開き、『ダークナイト』でその一つの頂点を迎えました。
5位:『アイアンマン』
ジョン・ファブローはオモチャの心をよくわかっています。続編公開まであと少し!
200705141714126位:『ウォッチメン』
その徹底した再現度に、無限の原作愛を感じました。
7位:『ファンタスティック・フォー』
これもよくまとまったいい作品だと思うのだけど、あまり語られることのない不遇の作品weep
8位:『スーパーマン・リターンズ』
ブライアン・シンガーのビジュアルセンスが、もっとも遺憾なく発揮された作品。
9位:『インクレディブル・ハルク』
これはヒーロー映画というか怪獣映画ですが・・・ まあいいや(笑)
10位:『リーグ・オブ・レジェンド』
原作者には嫌われたようですが、サービスてんこ盛りのいい映画だと思います。


さて、続きましては「バカ映画ベスト10」 わたしの思うバカ映画の定義とは・・・「馬鹿馬鹿しい映画」のことです! ハイ!

Skk2_thumb1位:『少林サッカー』
2位:『魁!! クロマティ高校 THE MOVIE』
共に世界に誇る東洋バカ映画の金字塔。ゼロ年代を彩ったバカ映画は数あれど、この二本を越えたものはないと断言
3位:『俺たちフィギュアスケーター』
こちらはベストハリウッドおバカ。これのおかげで今年の冬季五輪は燃えました。
4位:『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ栄光のヤキニクロード』
すいません・・・ 地元が舞台なもんで・・・ ってそれを抜きにしてもわたしはけっこう笑えましたよ!
5位:『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』
ここでも来た! ヒーローなのにおバカ!
200612271856216位:『銀河ヒッチハイクガイド』
英国発おバカ。まったり加減が素敵です
7位:『Mr.インクレディブル』
ここでもキタ! ピクサー代表おバカ。
8位:『ダージリン急行』
ロードムービーおバカ。旅のバカはかき捨て!
9位:『スペル』
ホラーなのにおバカ!
10位:『少年メリケンサック』
これはいいクドカン。パンクだからおバカ!

次点に『ホット・ファズ』。リバイバルおバカ大賞は『地下鉄のザジ』です。


さて・・・・ それでは最後にゼロ年代わたしを泣かせてくれたワーストムービー10本ご紹介しましょう。ワーストに順位を付けるのもむなしいので、こちらに限っては年代順にあげていくことにします。くれぐれも申しておきますが、わたしにとってダメだったということでお見逃しください・・・

20061229174053・『マグノリア』(2000)
なんかもっと壮大なオチを期待してたんす・・・
・『RED SHADOW 赤影』(2001)
『サムライ・フィクション』は好きだったんですが・・・
・『グリーン・ディステニー』(2001)
登場人物全員のモノの考え方についていけませんでした・・・
・『とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』(2001)
これはハム太郎が悪かったのではなく、見にいった私が悪かったのです・・・(ゴジラの同時上映だったので・・・)
『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』(2002)
何度も書いてますけど「つづきは三年後」ってそりゃねえだろと・・・
20080617190932・『キューティー・ハニー』(2004)
この時は「庵野さんもとうとう終った・・・」とか思いましたね・・・・(笑)
『真夜中の弥次さん喜多さん』(2005)
荒川良々の巨大な尻が忘れられません・・・
『ジャーヘッド』(2006)
退屈な人たちを見ているのは退屈でした・・・
『大日本人』(2007)
これ、もしかしてこの中で最強かも・・・(笑)
『リボルバー』(2008)
その後もちなおしたからすごいよね、ガイさん・・・

次点は『バーン・アフター・リーディング』

長々最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

このしょうもない掲示板もあと五回で100回目を向かえます。アホなりに引き続きがんばります~

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June 01, 2010

遠い星から来たクー ゲオルギー・ダネリヤ 『不思議惑星 キン・ザ・ザ』

100530_211952前項でも書きましたが、かれこれ15日ほど前高田馬場は早稲田松竹へ『ひなぎく』と『不思議惑星 キン・ザ・ザ』の二本立てを見にいってきました。今日は『キン・ザ・ザ』の方を紹介いたします。

ロシアがまだギリギリソ連だったある日。建築技師のマシコフは、街角で宇宙人と名乗る奇妙な男と出会う。マシコフが面白半分に彼の持つ装置のボタンを押すと、そこはあっという間に知らない世界。男の姿はなく、マシコフと居合わせた音大生ゲテバンは、広大な砂漠の真ん真ん中に放り出されてしまう。
途方にくれた彼らの前に、釣鐘のような形の飛行物体が飛んでくる。中から現れたのは薄汚れた格好のオヤジとじいさん。彼らにとってマッチが非常に高価なものであることを知ったマシコフは、それを利用してなんとか我が家に帰ろうとするのだが。

いろんな方が言ってると思いますが・・・・ 変な映画です(笑)
まず宇宙SFなのに宇宙のシーンが全くありません。映るのはほとんどだだっぴろい砂漠ばかり。そこに住む人々の習慣がまたみょうちくりん。特におかしいのが「クー」。彼らの言語の単語は大体両手で数えるほどしかなく、99%は「クー」といえば通じてしまいます。んなムチャな・・・
ほかにも中東あたりの文化レベルとどっこいどっこいのくせに、時々とんでもない科学技術を披露したり。そんなところでなぜかマッチが宝石なみに貴重なものとされたり・・・
この奇妙奇天烈でシュールな世界観、なんとなく藤子F不二夫の漫画を彷彿とさせます。

そんな漫画みたいな世界に放り出されたのが、いちいち真面目くさったおじさんというのがまたおかしい。冒頭でテレポートするシーンで、ちょい動揺しながらも「・・・近所の砂漠だろ」なんて言ったりします。普通もっと取り乱すだろ。そんな彼でも次から次へと襲い来るカルチャーショックにはさすがに耐え切れなくなり、次第に憔悴しはじめます。主演の俳優さんはどちらかというとこういうバカSFより社会派ドラマなんかが似合いそうな方で、その困惑した表情はまるで「なんでオレ、こんな映画に出ちゃったんだろ・・・・」とでも言っているかのようでしたw
このおじさんにからむいのが、根はいいヤツなんだけどボヤキが多く手癖の悪いゲテバン。そして関西の悪徳商人を地で行くような宇宙人のコンビ。この二人、隠し砦の三悪人も舌をまくほどの強欲さであります。そしてどっか抜けている(笑)
そんな四人がメインなものですから、お話はなかなか先に進まず、進んだと思ったらまた逆戻りしたりして。「果たしてこの話、ちゃんと終るんだろうか?」と不安になること請け合い。しかしそうしたまったり展開を乗り越えたあとには、銀河を超えた感動があなたを待っていることでしょう。本当です。信じてください。

この映画が公開されたのは1986年。ハレー彗星が飛来してきた年ですね。それよりもっと古い時代の作品のように思えてならないのですが。そんなレトロな映画でありながら、『キン・ザ・ザ』は公開されるや1520万人もの観客を動員。いまなお「クー」はロシアで伝説的な一発ギャグとして通用するとか。
この映画、資本主義を揶揄するようなセリフが多数あるのですが、だからといって決して共産主義を礼賛しているわけではなく。むしろおちょくってるようなところすらあるような。
そんな映画が大ヒットしてしまうのですから、ほどなくしてソ連が崩壊してしまったのも、なんか納得してしまいます。この辺共産主義思想に勢いがあったころの『ひなぎく』が、当局からこっぴどく怒られたのと実に対照的であります。

100514_181030そんな『不思議惑星 キン・ザ・ザ』。ウィキによりますとロシアでは「2008年にアニメ版を公開予定」とあるのですが、まったく噂を聞かないのはなぜなんだろう(笑)。さらに検索してみると、どうやら公開が順調に遅れていることがわかりました。ようつべにもニュース番組で流れた動画がちらほら挙がってます。
果たして無事完成するのか? したとして日本で公開されるのか? 作品の内容にふさわしく極めて五里霧中ではありますが、気長に待つことといたします。く~~~ぅ

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