君の力は百万ボルト ティム・バートン 『アリス・イン・ワンダーランド』
不思議の国での冒険から数年後。美しい娘に成長したアリスは、ある資産家の息子から求婚される。いたたまれず逃げ出した彼女は、木の根っこに開いていた穴の中へと落下。そこにひろがっていたのは、彼女の記憶からすでに薄れつつあるあの不思議の国だった・・・
最近すっかりヒットメーカーと化しているティム・バートン&ジョニー・デップコンビの最新作。名作『不思議の国のアリス』を映画化ということですが、そのまんまじゃなくて原作の後日談という面白いアプローチをしております。2010年もっとも公開が待たれていた作品といっても過言ではないかと。
ただ・・・今回のレビューは言い訳から始まります・・・
言い訳のその一は、まずわたくし『アリス』の原作を読んだことがありません。だいたいおおまかな話は飲み込めたのですが、前もって読んでおいたほうが、きっと一層深くこの映画を味わえたと思います。
言い訳その二。わたくし大抵の映画は眠くても「入場料がもったいない!」と必死で起きているのですが、今回はなぜだがジョニデが出たあたりからモーレツな眠気に襲われて、最後までずーっとうつらうつらしながらみておりました。ああ、もったいねえ!! たぶんこれは映画が悪かったのではなく、ヘトヘトに疲れてる上に満腹状態で鑑賞に臨んだせい、そしてそんな状態で3Dヴァージョンを選んでしまったせいでしょう。やっぱりあの仕様というのは、視神経にけっこうな負担がかかるようです。
そんな体たらくだったというのに、感想文など書いていいものだろうか・・・・ いいや、書いちゃえ。というわけで、それなりに気づいた点をいくつか
まずわたしがあちこちで聞き及んだところでは、『アリス』ってかなり難解というか、シュールなお話のようで。意味不明な詩やセリフがたくさんあって、ストーリーもまるで脈絡がなく進んでいくとか。まるで夢の中の話・・・そう、つげ義春の『ねじ式』を思い浮かべてしまいます。
しかし今回のバートン版は非常にわかりやすいお話でありました。こういうの、RPGやコミックとかでよくありそうな気がするなあ。現世からやってきた主人公が、異世界の危機を救うため、仲間とともに悪者に立ち向かっていくという。
テーマも明快、そしてとても現代的であります。女性であるアリスは、果たして金持ちのボンボンと結婚して主婦になるしか道はないのか? 「決してそんなことはない」とバートンは語ります。女性とて自分の夢のために剣を取り、戦い、冒険すべきであると訴えます。
というか、このお話かなり女性上位的ですよね・・・ 異世界を支配しているのは二人の女王だし、世界の危機を救うのもまた女子であります。主要な男性キャラクターも二人ばかり出てきますが、これがまた見てくれといい中身といい実に見事なヘナチョコだったりして(笑)。
そういえばこんなに女性が前面に出ているバートン作品も珍しいですね。わたーしーが覚えてるかぎりーではー 大概の場合彼の作品に出てくる女性というのは、主人公をそっと影から支えるとか、あるいは残酷な運命に翻弄されたりするはかなげなキャラがほとんどだったように思えます。この変化は一体いかなる理由によるものなのか・・・ とりあえず、よくわかりません。ごめんなさい。
公開一週目の興行収入は軽く『アバター』を超えたという『アリス・イン・ワンダーランド』。今年を代表するヒット作品となることはまちがいないでしょう。
わたしも余裕があったらもう一回見てこようかなあ・・・ まだまだやってそうだし・・・
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ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」や「鏡の国のアリス」は
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ティム・バートン+ジョニー・デップだし、楽しみにしていた作品です。
もちろん3Dで観ましたが、アバターほどの臨場感は感じませんでした。
でも、なんか飛び出す絵本みたいで美しい映像でした。
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作品情報
タイトル:アリス・イン・ワンダーランド
制作:2010年・アメリカ
監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイほか
あらすじ:不思議の国の冒険から13年後。19歳に成長したアリスは、母親に勧められ富豪たちが集まる席で婚約を発表することになっていたが、彼女は自分にはまだ早すぎると半ば困惑していた。そんな時彼女の前に白ウサギが現れ、彼を追いかけ穴に落ちた彼女は再び不思議の世界へ飛び込むことになる。しかし、そこは赤の女王に支配さ... [Read More]
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監督:ティム・バートン
出演:ミア・ミシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ
評価:70点
DMMレンタル第2弾。
レンタルなので2D。
うーん、こんなものか。
もっとエキセントリックできらびやかで夢の中のがっつり異常な世界を想像....... [Read More]
Tracked on August 30, 2010 10:42 PM
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まずは近況報告から…
昨日、2010年9月11日(土曜日)は夜勤明けで朝7時頃に寝たにも関わらず、何故か午前中に起床。
で、午後からは娘のリクエストでイオン八幡東ショッピングセンターに行く事に。
私としては特に目的も無...... [Read More]
Tracked on November 23, 2010 10:22 PM
Comments
こんばんは〜^^
無事帰ったかな??
これ、わたしも中盤眠くなっちゃったわ。
3Dってけっこう画面が暗くなるから、眠くなるみたいね〜。
コララインでも私は眠気きちゃったし
アバター超えってことはやっぱり今年の興行ナンバーワンになるかな。
Posted by: mig | May 05, 2010 10:33 PM
>migさん
昨日はお世話になりました
実はあのあと新宿でも別な人と飲んだりしてて、家に着いたのが12時半とかだったりして・・・
>これ、わたしも中盤眠くなっちゃったわ
おっと本音が出た 劇場によっては暗くならないメガネもあるんだね。ウチの近所のヤツは暗くなるヤツばっかりで。なってたっけ。エクスパンダー? 違うな・・・
『アリス』の正念場はGWが終ったこれからじゃないでしょうかね。果たしてどこまで伸びるかな?
Posted by: SGA屋伍一 | May 06, 2010 08:20 PM
こんばんは!
やっぱり、ハラハラ感やドキドキ感をあまり感じないストーリーなので
眠くなる気持ちもわかりますよ〜。
私は、原作のファンなのでアリスのドレスはやっぱ青なのねぇ〜とか
いう細かいコトを楽しんで観ました!
そういうファンには、受けはいいみたいですが一般的にはどうかなぁ〜。
3Dの技術的には、アバター越えはしてないですけど・・・。
Posted by: ルナ | May 06, 2010 11:34 PM
おお~!!うつらうつらでしたか~
大丈夫です!!SGA屋伍一さん!!貴方だけではありません!!
ジョニーファンの私でさえ、一瞬うつらうつらでしたもの。
ちょっと退屈な展開だったと思うんですぅ~
奇抜なキャラは楽しかったけど、お話にあまり魅力がなかったような、、、
もうちょっと弾けていれば、疲れていても満腹でも眠くならなかったと思うわ~
Posted by: 由香 | May 06, 2010 11:50 PM
SGAさんのイラスト、なんでARMS?と思ったら
ARMSってアリスをモチーフにしてたんですね。
ジョニデが登場してから最後まで・・・ということは
半分以上はうつらうつらしてたってことか(笑)
私「シャーロックホームズ」のときそんな感じだったかも
もったいないですよね。。。
映画のあとに原作を読んでみたのですが
「ねじ式」の方がまだとっつきやすい!といってもいいくらい
狂ってました。
英語の分かる人が原文で読んだ方が楽しめるんだろうなーとか思ったり。
赤の女王もかわいそうだったけど、あっさり首を切られてしまう
ジャバウォッキーもかわいそうでした。
Posted by: kenko | May 07, 2010 02:35 PM
SGAさんこんばんわ♪
睡魔こそ襲ってきませんでしたが、自分も原作などを未読なのもあり本作の内容にはイマイチ乗り切れず終わってしまったもんですから、もしSGAさんと同じコンディションだったらまぶたが重くなってたかもしれませんね~?
『タイタンの戦い』もそうだったのですが、最近映像『だけ』っていう作品しか観てないような気がする自分だったり・・・(汗
っていうかやっぱりSGAさんも『ARMS』を思い浮かべましたかw正直自分もソッチのアリス絡みの方がピンと来ました^^;
Posted by: メビウス | May 08, 2010 12:13 AM
こんにちは。先日は、ありがとうございました。
ティム・バートンがアリスを!というので、期待しすぎたようです。
トンデるところもなく、フツーの、少女成長物語になってました。
キャラクターは、原作っぽく、しっかり作ってますけどねー。
Posted by: ボー | May 09, 2010 06:29 PM
>ルナさん
こんばんは。お返事が遅れてどうも申し訳ございませんでした
m( _ _)m
眠くなったのにはたぶん3Dメガネをかけると暗くなってしまうから、という理由もあったと思います。暗くならない方式のメガネもあるそうですが。あとやっぱり大盛りラーメンを食っていたから、というのも大きいですね・・・
でもいろんな方のレビューを読んで、原作アリスにだいぶ興味がわいてきましたよ。とりあえずこの映画は、その入門編の役割は果たしてくれました(^^;
とりあえずGW中は大盛況だったようなので、子供たちは楽しかったんじゃないでしょうかね?
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2010 06:42 PM
>由香さん
おや。由香さんもですか・・・ 他にも「眠くなった」という意見よく聞きますね。「バリバリ大興奮だったぜい!」という意見はほとんど聞きません
これ、もしかしてサブリミナル効果で「あなたは眠くな~る」みたいな信号が送られてるんじゃないかな。ワンダーランドってかドリームランドですね。そういやこの映画作ってるの某「夢の国」だったっけ・・・
ジョニデは今回もなかなか弾けていたと思います。ただ、そうですね。スィーニー・トッドやウォリー・ウォンカと比べて重要度が低かったことが、映画全体の弾けっぷりにつながらなかったのか
『ウルフマン』『タイタンの戦い』も見ましたので、記事書いたらまたお邪魔いたします(^^)/
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2010 07:00 PM
>kenkoさん
こんばんは。お返事が遅れてすいませんでした
m(_ _)m
kenkoさんは『ARMS』読んだことなかったのですね。「ジャバウォック」「ナイト」「ホワイトラビット」「クイーン・オブ・ハート」という名の成体金属を移植された、四人の少年少女の戦いを描いたお話なんですが・・・ どうです? 面白そうでしょ?
>「ねじ式」の方がまだとっつきやすい!といってもいいくらい
狂ってました
すげえ(笑) それどんな話なんだ・・・ ますます興味が湧いてきましたよ・・・
そんなお話が時を超えて世界中の子供たちから愛されているというのも、またすごい話ですね!
ジャバウォッキー(そんなマンガもあったな・・・)がかわいそう、というのがkenkoさんらしいですね。わたしはむしろ赤の女王よりハートの眼帯の人がかわいそうだと思いました・・・ 自業自得か?
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2010 07:08 PM
>メビウスさん
こんばんは。お返事遅れてすいません
m(_ _)m
メビウスさんも置いていかれちゃいましたか。やっぱり『アリス』より『第9地区』を選ぶべきだったと思いますよ。あなたは(しつこい)。あれには重いテーマもあるし。ってあれ? あったかな?(おーい)
やっぱりアリスがジャバウォックと合体するべきだったと思いますよ。そんでバンダースナッチと壮絶な戦いを繰り広げるべきでしたね・・・ ってだからそりゃ『ARMS』か
基本男子よりも女子に向けて作られた作品なんでしょう。ボーイズの我々が置いてけぼりになったのは、そういうことなのかも。それなりに面白いところもありましたけどね(寝てた分際で・・・)
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2010 07:30 PM
>ボーさん
こんばんは。返事が遅れてすいません。こないだはこちらこそお相手していただいて、ありがとうございました!
ティム・バートンとアリス。ばっちり相性がいいようでいて、少し物足りなかったのは、今回彼の持ち味である「趣味の悪さ」がそれほど感じられなかったからかもしれません
しかしまあ、この映画を見て、わたしは原作に興味が沸いてきましたよ。ってか、本当は映画見る前に読んでおいたほうが良かったんだろうけど
Posted by: SGA屋伍一 | May 10, 2010 07:48 PM
まぁ、勿体無いってのはわかりますけどね。でもでも、私なんてしょっちゅう映画観てて寝ますから、もう言い訳もなにもできません。その日の体調とか天気によっても左右しますが、映画で寝るってのは大半が「つまらないから」なんですよね(必ずしも正比例はしないんですけど)。「アリス」はかろうじて寝ませんでしたが、やっぱりその程度の映画だったと思ってマス。だって10日しか経ってないけど、ほとんど何も覚えてませんから。記憶に残らない映画なんですよねー。
Posted by: かおる | May 14, 2010 02:30 PM
>かおるさん
こちらにもありがとうございます!
わたしはね~ ケチンボというか貧乏性なんですよ(笑) 「金を払った以上、1分たりともムダにするものか!」みたいな
「眠たかったら寝ちまえ~い」というかおるさんのように、太っ腹になれればいいのですけど
とはいえ、最近は以前よりうつらうつらしてしまうことが多くなりました・・・ やはり年のせいでしょうか
あと見ている時はハッピーエンドだととても落ち着くんですけど、予定調和の映画って、すぐ忘れてしまったりしますよね。頭にきてもひどい結末の話はよく覚えていたりして(笑) むずかしいものです
Posted by: SGA屋伍一 | May 15, 2010 09:06 PM