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February 13, 2010

モンスターズ・キング モーリス・センダック スパイク・ジョーンズ 『かいじゅうたちのいるところ』

100213_194807_2かいじゅうたちのいるところ・・・・ そりゃぶっちゃけうちの実家のことではありますまいか。モーリス・センダックの名作絵本を、鬼才というか超個性派のスパイク・ジョーンズが映画化。『かいじゅうたちのいるところ』、ご紹介いたします。

母と姉の三人で暮らす小さな男の子のマックス。ある晩母親とケンカをしたマックスは、家を飛び出してしまう。たまたま川岸で見つけた小船に乗って、マックスが着いた場所はかいじゅうたちが暮らす不思議な島だった。

わたしが聞いたところによりますと、この映画一度完成してから、その後一年もの間お蔵入りしてたそうです。スパイク・ジョーンズが「オレ様に任せたということは・・・どうなるかわかってンだろうな!」と言ったかどうかはわかりませんが、かなり好き放題に作ったようで。しかしできたものを見てワーナーの幹部さんたちは「こんなもんかけられるわけねえだろがーっ!!」と大激怒。実際テスト試写を見せられた子供たちはギャンギャン泣き出すという有様で、結局いろいろ手直しが加えられることになり、ようやく公開に至ったというわけ。
当初できたヴァージョンがいったいどういうものだったのか、ちょっとだけ見てみたい気もします。
さて、わたくし予告編などを観てまず思い出したのがピクサーの名作『モンスターズ・インク』。毛むくじゃらの怪物に子供がひしとつかまっている絵から、なんとなくあのアニメを連想したのですね。それでこの映画にもあんな風な笑えてあたたかいそういうムードを期待していたのですが、これが微妙にはずれてまして。かいじゅうたちはかいじゅうなのにけっこうリアルな人間関係に苦しんでいたりして、思った以上に現実的?なお話でした。
それまでアメリカのありがちな家庭の話だったのに、急に時空を越えてファンタジーの領域に入ってしまうあたり、面食らう方もおられることでしょう。ただこの話、家出した少年がどこかのお金持ちの屋敷にでも少しの間やっかいになった・・・と考えるとしっくり来るような。

家族であるならば、本当はプライバシーなんていらないし、寝る時だって一緒がいい。でもいつの間にか事情ができて、バラバラで過ごすことが多くなり、お互いぎこちなくなってしまう。かいじゅうたちのケンカを見ているうちに、そんなどこかの「家庭の事情」が思い浮かんでしまいました。K・Wが連れ歩いてる二匹のフクロウは、たぶんコンピューター・・・彼女の仕事のことを表しているんじゃないでしょうか。

また、かいじゅうたちはすぐにいじけたりとか、意地悪だったりとか、短気だったりとか、みな子供っぽさを持っています。でもなりはでかいし、力もハンパじゃない。そんなかいじゅうたちが、子供のまま大きくなってしまったオトナたちのように見えてしまいました。まさにそういう大人子供な自分には、色々と痛いところのある映画でした(^^;

ただ、気に入ったところも色々あります。ヴィジュアル的には大変素晴らしく、マックスとかいじゅうが砂漠をテクテク歩いてく図や、彼らがこしらえるヘンテコなとりでなんかは特に印象に残りました。またCG全盛の時代にあえて気ぐるみというアナクロな技術を使い、ここまで独特な世界を作り上げたことも評価してます。

20080106190141ちなみにこの「かいじゅう」、原題では「wild things」となっています。直訳すると「野蛮なモノ」というところでしょうか。「モノ」というと、なんだか生き物というよりは、心の中に宿る何かみたいな気がしませんか?

レビューを書くのがぐずぐずしているうちに、近所のシネコンではぼちぼち公開が終りそうです。ただ本国ではまあまあヒットしたようで、ワーナーのお偉いさんたちもホッと一息というとこでしょうか。がおー

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Comments

こんばんは!
原作の絵本は好きなんですけど、これは・・・・
かなり残念な作品でした!
なんか、もう少し楽しいトコがあっても良かったのでは・・・と
思ったのですが、手直しされてあれって事は、
お蔵入りしていた元の作品!って・・・いったい???
たしかに、それが観てみたいですね〜(笑)

Posted by: ルナ | February 16, 2010 12:06 AM

>ルナさま

こんばんは! ご来訪ありがとうございます
わたしは原作は読んだことないんですけど、もっとシンプルで短いお話みたいですね

たぶん最初にできたバージョンは、かいじゅうたちが共食いを始めるとか、マックス君が食べられてしまうとか、そんな内容だったのでは
スパイク・ジョーンズならやりかねない・・・

Posted by: SGA屋伍一 | February 16, 2010 07:36 PM

伍一さんこんばんは★

またまた意見が違っちゃったねー。
これはもう既に今年のベスト3位以内確定!
(笑)
wild things そうそう、かいじゅうっていうのもちょっと違うんだよね。
よーくみると、足の指がやけにおおきかったり、
ひとりひとり悩み抱えてたり、人間みたいなかいじゅうたちがCGじゃなく、着ぐるみってところもあったかくてそこにいるリアルさあって大好きな映画〜
DVD早くでないかなー

Posted by: mig | February 16, 2010 10:29 PM

いまわたしのコメントレスにも追加したんだけど、
ワイルドシングス areが入るケド、
あれ好きな映画なの〜♪
二転三転して。そういえば昨日みたニコの新作も
ワニやら蛇やら、イグアナまで出て来て、
「ワイルドシングス」にちょっと雰囲気似ていたかも、、、、

Posted by: mig | February 16, 2010 10:44 PM

>migさん

おはようございます お返しありがとうございます!

記事を書くのに時間がかかったのは、単にグズだからです(笑) 『インビクタス』『パルナサス』『ラブリー・ボーン』ももう観てるんだけどねえ。書けるのはいつのことやら

migさんは大満足だったようで。今年はおろか、テン年代ベストもほぼ当確かな?(気が早すぎ

彼らは「かいじゅう」というよりか、「かいぶつ」か「ようかい」「ようせい」に近いような。でも「かいじゅう」という言葉は、特に子供たちをひきつけるんですよね(笑) わたしはずっと無言だった牛かいじゅうが気に入ってます

ワイルドシングスは実はまだ見てません。ケビン・ベーコン好きなmigさんだったらご覧になってるだろうと思いましたよ。確かデニース・リチャーズも出てたような・・・ 彼女最近見ないなー

ニコさんに蛇と言ったら、わたしは『スネーク・アイズ』を思い出すかな。あれには実際には蛇、出てこないけど

Posted by: SGA屋伍一 | February 17, 2010 07:19 AM

こんにちは~♪
ちょっとご無沙汰しておりました。
最近妙~に寒いですがお元気でしょうか。

で、、、この映画ですが、今年最初に劇場鑑賞致しました。
想像では、子ども向けの映画だろうと思ったのですが、大人目線の大人のための映画だったように思いました。
絵本が好きな幼稚園児が観ても退屈だろうなぁ~なんて考えちゃいましたよ。
私としては、もうちょっと違う映画を期待したので、イマイチだったなぁ~ってのが正直なところですが、、、着ぐるみかいじゅうさんたちはちょっと気に入りました♪温かみがあったので^^

Posted by: 由香 | February 17, 2010 01:00 PM

>由香さん

おはようございます! 今朝は大層な雪でございましたね!
最近腹の調子を崩してちょっと苦しかったですが、もう回復しました。由香さんも寒いので体にはどうぞお気をつけください!

で、この映画ですけど、スパイク・ジョーンズ自らが「子供のために作ったつもりはない」とか言ってましたね 困ったおっさんです・・・

ちなみにわたしの後ろに座ってたお子さんの反応は
「かいじゅうまだ? かいじゅうまだ?」
「こわいー こわいー」
「もうおわり? もうおわり?」
でした

もっと大きくなってから、また見て欲しいものです

それはともかく、かいじゅうさんたちはあったかそうで良かったですね! この季節は一家に一台あんな生き物がほしいものです。家に入れられるかとか、飯食わせるのが大変、といった問題もありますけどー

Posted by: SGA屋伍一 | February 18, 2010 07:58 AM

最近あんまりお邪魔できてなくて出遅れましたー
今日から復活!がおー!

>テスト試写を見せられた子供たちはギャンギャン泣き出すという有様

ええー そうなんだ
確かにちょっと怖いシーンありましたけど、もともとスパイクさんが作ったものはもっと凄そうですね。
そっちも観てみたいな。

泣くようなシーンじゃないところでもなぜか泣けちゃったりして
かなりお気に入りの作品です。
アナログなかいじゅうたちがとても魅力的だったし、
砂漠のシーンとか素晴らしかったですよね。
キャロルが「ただの犬だよ」と言っていた巨大な生き物とか
KWのお腹の中のアライグマとか、いろいろツボでした。

Posted by: kenko | February 18, 2010 02:59 PM

>kenkoさん

おはようございます! 復活おめでとうございます~ それじゃ遠慮なくまたお邪魔するとしますか。っていつもあんまり遠慮してないけどね

実はキャロルがぶちきれてマックスを追い掛け回すシーンとか、鳥さんの腕をひきちぎるシーンなんかは大人のわたしでもちょっと怖かったっす。もしああいうのがさらにエスカレートしていたならば・・・・ ガクブル
でもこの「かいじゅうの怖さを描きたかった」というのも監督のねらいのひとつみたいですね

「ただの犬」のギャグはなんだか吉田戦車的でした(笑) 「ただの」じゃないよ! でかいよ!
KWがフクロウめがけて石をぶんなげて、「この子たちこれが好きなの♪」というのも、わけわかんなくてナイスでした

ちょっと今時間がないので、また今晩にでもそちらにお邪魔します。よろしく~

Posted by: SGA屋伍一 | February 19, 2010 07:11 AM

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