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December 15, 2009

サムのがばいばあちゃん サム・ライミ 『スペル』

091215_075557わたくし、ホラーはあまり得意ではありません。もともと怖がりな性分なものですから。
でもあまりにも「大傑作!」「衝撃の結末!」なんて噂を聞くと、その言葉にだまされてつい観にいってしまうことも稀にあります。去年でいうと『ミスト』なんかがそうでした。

今回ご紹介する『スペル』も、馴染み深いブロガーさんたちが大絶賛されていたので、おっかないのを我慢してがんばって鑑賞してきました。その結果は?
その前にまず、あらすじから紹介いたしましょう。

とある銀行で働くOLのクリスティンは、恋に仕事に一生懸命な女の子。いろいろ順調に行っていた矢先、一人の老女が不動産ローンの延長を申し込みにやってくる。昇進のことが頭にあったクリスティンは彼女の願いを退けたのだが、実はその老女は魔術に通じたジプシーであった。駐車場で老女に襲われて以降、クリスティンの周囲には奇怪な現象が起きるようになる。果たしてクリスティンは老女の呪いから逃れて、無事彼氏とゴールインすることができるのだろうか・・・・

えー、最初はかなりおっかなかったです こういうのに慣れてないせいもあるし、予期せぬところから「ガバッ」と襲い掛かってくるおばあちゃんが怖い。またひたひたと迫ってくる得体の知れない存在がこれまた怖い。

「こんなの見るんじゃなかったよー! 帰りたいよー! おかあちゃーん!(でもお金もったいないしー!)
状態でありました。

ところがクリスティンが呪いを解こうとパパイヤ鈴木みたいな霊能者に相談するあたりから、ちょっとムードが変わってきまして。愛する彼との結婚を果たそうと、懸命にがんばるクリスちゃん。その空回りっぷりがなんだかだんだんおかしくなってきます。そうやって余裕が出てくると、悪魔の嫌がらせもなんだかいちいちユーモラスというか、シャレが効いてるように見えてきたりして。「あー、ハエがこういう風になっちゃうの、あるある」みたいな。
そういえばこの映画、ホラーでありながら血はほとんど流れていなかったような。代わりに痰というか粘液はてんこもり(笑)。
そんなテンションが終盤に向かうにつれどんどんエスカレートして、最後の衝撃の結末には、思わず大爆笑でございました


このお話の力は、そういった手の込んだ怪奇現象はもちろんのことですが、ヒロインのキャラにも負うところが大きいと思います。
基本的に性格の素直なよい子なんだけど、どこか天然っぽいというか不思議ちゃんなところがあり。普通は「わーっ」と取り乱して泣きそうな場面でも、なんだか「ぽかーん」としていたり、一度思い込んだら「ええっ」と思っちゃうような行動にも出たり。かと思えば泣きながらでかいアイスをもりもり食っていたり。はっきり申しましょう。萌えました(笑)
この子だったら例え地獄に堕ちたとしても、きゃあきゃあわめきながら、それなりに元気にやっていくんじゃないでしょうか

あとそんなに見てるわけじゃありませんが、ライミ作品のキャラクターって、うっかり屋さんとか、その場の感情に流されやすい人が多い気がします。そんな等身大の彼ら・彼女らだからこそ、見ていてすっと感情移入できるわけで。やきもきすることも多いですけどね(笑)

さて、冒頭の流れでわたしはあるライミ作品を思い出しました。それは彼の代表作のひとつ、『スパイダーマン』。思えばあの話も、つい年寄りに冷たくしたがために、あとあとまで苦しむことになる、という話でした。
ライミさんはおじいちゃん・おばあちゃんが大好きなのでしょうか。それとも昔老人に冷たくしたことがあって、それを悔いているのか。「年寄りの少しのわがままくらいかなえてやらんかい! それもできんようなヤツは、地獄に落とされても当然だ!」・・・・そういうことが言いたいのかな? 

でもこの映画の場合、やっぱりどう考えても逆恨みですよね~(笑)。

091215_074540というわけで、苦手なホラーであるにも関わらず、まんずまんず楽しむことができた『スペル』。

でも・・・ あの・・・ 怒らないで読んでくださいね?
この映画を「大傑作!!」と絶賛しているひとたちって、やっぱりちょっとどこかおかしいと思います(笑)

ですが、わたしはそんな愉快な皆さんが大好きです。これからもお付き合いのほどよろしゅ~

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Comments

伍一さん!
み〜た〜なー!(笑)

というか、そんなにこの映画へん?
自分は変な人間ってわかってるけど
この映画そんなに変じゃないでしょう、
ヘンじゃなくて、タンジュンに面白いのよ あはは

きっと伍一さん面白いっていうのを認めたくないんだよね
はじめは帰ろうかと思っちゃった?
でも最後には笑えたようで良かった。
これ二回も観るわたしってどうなのー
おまけにもちろん今年のベストテンいり確実!てへへ。

婆さんもいいけどパパイヤスズキと
どんくさそうなのに頑張るヒロインが可愛すぎない所と、ジャスティンロングの優しさがイイの〜♪


Posted by: mig | December 15, 2009 10:19 PM

>migさま

御返しありがとうござります

み~た~よ~!!(笑)

・・・失礼な発言どうぞお許しください。考えてみりゃ自分のほうがmigさんよりよほどヘンなヤツだ・・・

でもこの映画はやっぱりヘンだと思います。わたしがあまりホラーを見ないせいもあるけど、こういう風に「怖がらせつつ笑わせる」という映画、ほかにはなかなか思いつかない

それゆえ、すぐ消滅しがちなわたしの記憶にも、末永く刻まれることでしょう

ヒロインもばあちゃんも個性的でしたが、周りの連中の微妙な役立たずっぷりがまたおかしかったです
ヤギとかハエもよかった

Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2009 07:23 AM

こちらにもお邪魔します♪
一部のブロガーさんの評価がとっても高いので、怖がりな私も観に行きました~(笑)

だけど、、、面白さがイマイチ分からなかったかなぁ~
というか、、、怖い映画だと思って観に行ったので、途中で怖いのか可笑しいのか頭が混乱したのですよ~
ちょうどコーヒーだと思って飲んだらコーラだった時のような妙な感じでした。
一番印象に残ったのはお婆さんの汚さかな・・・

Posted by: 由香 | December 16, 2009 08:17 AM

みましたねー!スペル!
サムのがばいばあちゃんて(笑)
てゆーかSGAさんホラー苦手って分かってるのに
無理に薦めてごめんなさい
でも「ソウ」に比べたら怖いというより笑えるシーンいっぱいで楽しかったでしょ??

クリスティンに萌えました?(笑)
フツーっぽく見えてけっこう激しい性格ですよね。そこがイイ♪

Posted by: kenko | December 16, 2009 04:05 PM

>由香さま

こちらにもありがとうございます!
そうですね。普段シネコンでかかる映画の中では、かなりの変化球でしたね
ただ『スパイダーマン』でも思ったんですが、まずありえない設定を整えて、そこから縦横無尽にアイデアを繰り出す才能はすごいな、と思います

>ちょうどコーヒーだと思って飲んだらコーラだった時のような妙な感じでした

いいたとえですね(笑) ま、醤油じゃなくてまだよかったのでは

おばあさんの技では「粘液口移し」が特に背筋に来ました しかも何度も何度も・・・

Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2009 08:49 PM

>kenkoさま

すいません、こちらからうかがおうと思ってたんですが
すごかったです、おばあちゃん。島田洋七もビックリですね・・・
ちなみに佐賀は化け猫の伝説で有名なところでもあるのですよ

>無理に薦めてごめんなさい

いえいえ。薦めてくれたのはkenkoさんだけじゃないから。あなた一人が気に病むことはありません(笑)
というか、序盤はともかく中盤以降は本当に楽しんでましたよ♪
ハエのシーンとヤギのシーンが特にツボにはまりました
お墓での大格闘もね(笑)

クリスティンはラブコメに出てきそうなキャラなのに、あんな目にあったりこんな目にあったりしてたのが気の毒でした・・・ と言いつつ、笑いながら見てたけど

Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2009 08:55 PM

ゴム。。。『スペル』、『グラントリノ』とほぼ同じ内容だったでしょ。ラストシーンはまったく同じで。オマージュを捧げてたんだと思うよ。

いつもまったく関係ない話ばかりして恐縮なのですが、『坂の上の雲』ってなんで毎回90分なの? 大河じゃないの? あれ? ゴム。。。

Posted by: 裏山等。。。 | December 17, 2009 11:09 PM

>裏山等。。。 さん

>『スペル』、『グラントリノ』とほぼ同じ内容だったでしょ

ええ、まったく・・・ってどこがやねん!

わたしとしてはむしろ『カールじい』に強いグラントリノ臭を感じましたよ。今年の映画界はロボットとじじいの年でしたね

『坂の上の田村マロ』は、スペシャルドラマということで、全十三回を三つにわけて、今年・来年・再来年の各年末にやるらしいっす
毎週決まった時間に一時間半って、ちょっと面倒くさいな・・・と思いつつ見てます。だんだん

Posted by: SGA屋伍一 | December 18, 2009 08:38 AM

>全十三回を三つにわけて、今年・来年・再来年の各年末

なんだよ、それ!! 末期ガンとかの人はどうすんだよ。結末見れずにいっちゃったら。。。

>『スペル』、『グラントリノ』とほぼ同じ内容だったでしょ

同じだったじゃん。最後は死ぬし。。。あの倒れ方。その直前に青いドレスを買うじゃん。グラントリノのウォルトも死を覚悟してから、仕立て屋に行くんだよ。そんで死に装束として青いスーツを仕立て直すんだ。あのブスが犠牲となって死んで、呪いのボタンがあの童顔の彼氏に継承されるんだよ。。。グラントリノがそうであったように。。。

Posted by: 浦島太郎。。。 | December 18, 2009 10:30 PM

>浦島太郎。。。さま

こんばんは、はじめまして。。。って、あんた裏山さんでしょ!

末期ガンの人は原作を読めばいいんじゃないかな。バカ長いから、がんばって読まないといかんけどね

>同じだったじゃん。最後は死ぬし。。。あの倒れ方。その直前に青いドレスを買うじゃん。

ああなるほど! そいつは気がつかなかった!

・・・まあそういう見方もあっていいんじゃないかな、とだけ言っておきましょう
きっと彼氏はあのコの思い出を胸に、これからも強く逞しく生きていくんでしょうね

あとあのコはブスじゃないよ! ちょっと微妙なだけ!

Posted by: SGA屋伍一 | December 19, 2009 09:31 PM

こんにちは~久しぶりです!

実は 私もホラーとかスプラッターとか苦手なのですが、、コチラを観にいってしまいました!

でも、、何なのでしょうね この映画衝撃的なんですが、、なんか怖いを通り越して笑ってしまうところありませんでしたか?

ヒロインが、酷く人間くさく、これほどまでもヒロイン頑張れと思えるホラーというのもなんか面白いですよね!

Posted by: コブタです | December 20, 2009 10:36 PM

>コブタさま

お久しぶりです! 来ていただいて大変嬉しい~♪

>実は 私もホラーとかスプラッターとか苦手なのですが

ありゃ? そうだったんですか? コブタさんは確かSAWシリーズとか熱心に追いかけてた記憶があったので、勝手にホラーファンだと思い込んでました

前にどっかでも書いたんですけど、恐怖と笑いって実はけっこう近いと思うんですよね。ウメズ先生が『まことちゃん』描いているように
この映画は特にその境界線上をぶらついている気がします

>ヒロインが、酷く人間くさく、これほどまでもヒロイン頑張れと思えるホラー

まったくその通り。でもなぜかあんましカワイソウとも思えないんですよね・・・ なぜだろう? 上島竜平がおでんを熱がっているのを見て喜んでいるような感覚でしょうか

Posted by: SGA屋伍一 | December 21, 2009 08:47 PM

あれ〜?SGAさん、怖すぎた?これ。
それに、こんなこと書いてあったんだー!
知らなかった!ちょっと酷くなーい??
これが最高に好きな私はどうしたらええねん・・。
あ、そうそうこないだはお疲れ。
ちょっと返事が遅くなってごめんね。
面白かったよ、君のカラオケ。
替え歌メドレーとかさすがやね。

Posted by: とらねこ | December 27, 2009 08:35 PM

>とらねこさま

おはよっすー お忙しいところお返しどうもありがとう

出だしはかなり怖かったですよ。あの携帯のバッテリーががーっと減っていって、ばあちゃんの顔がUPになるところが怖さのピークでした

>これが最高に好きな私はどうしたらええねん・・。

すまん(笑) 「凡百でない非常に稀有なセンスを持つ人たちだけが、真価を理解できる」と解釈してくれたまえ。ものは言いようだなあ

こないだはこちらも長々とつきあっていただいてありがとうござりました。その後も忙しいようだけど、体の方は大丈夫かな?

替え歌メドレーは個人的にはいろいろ反省点が残っているのですよ(笑) とらねこさんのせくしーかつだいなみっくな歌声、また聴きたいな

Posted by: SGA屋伍一 | December 28, 2009 07:14 AM

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