お前の罪をカウントダウン 『仮面ライダーW』を語る①
いつも風が吹いている地方都市、風都(個人的には湘南のあたりでは、と踏んでます)。町では、奇怪な姿と能力を持つ超人「ドーパント」による犯罪が相次いでいた。だが弱きものが危機に陥った時、さっそうと現れてドーパントを追い払う者がいた。人々はいつしか彼を「仮面ライダー」と呼ぶようになる。しかし人々は知らなかった。彼は実は「彼」ではなく「彼ら」・・・二人で一人の存在「W(ダブル)」であるということを。
・・・つーわけで平成版仮面ライダーシリーズ第11作『仮面ライダーW』について語らせてもらいます。
「平成ライダー総出演!」であった『ディケイド』の後だけに、次回作のスタッフは盛り上げるのが大変だろうなーと思っておりましたが、なかなかどうして。がんばってるじゃないですか。
まず度肝を抜かれるのが、左右で真っ二つに別れているそのカラーリング。こちとら『キカイダー』『メタルダー』なんかで一応免疫がありますが、小さなお子さんたちはきっと「なんじゃこりゃー」と思われたことでしょう。まあ、毎年のことかもしれませんが。そういや『笑う犬』に出てきた「センターマン」というのもありました。
しかし最初は微妙であったデザインも、見慣れてくるうちに、また動いているうちにかっこよく見えてくるというもの。これまた毎年のことであります。
そしてこのW、状況に応じて左右の色がそれぞれ三色ずつ、合計9パターンに変化いたします。それぞれに異なる能力が秘められていて、目まぐるしい変化が見ていて飽きません。
一見まるっきり独自のようでいて、随所に石ノ森オマージュも込められております。まず主人公の片割れの名が「しょうたろう」(笑)。デザインは先にも述べたように「キカイダー」を彷彿とさせます。マフラーをたなびかせていて、一番基本の形態が「黒+緑」、そして「サイクロン」という名称からは当然初代仮面ライダーを思い出させます。
さらに「翔太郎」が気障な探偵で、マシンにでかいタービンがついてるところなどは知る人ぞ知るマイナーヒーロー「怪傑ズバット」と似ております。額に大きく英字のイニシャルが入っているところも共通しておりますね。
ストーリー面で申しますと、「主人公が二人」というところがまた新機軸であります。もともと平成ライダーは「副主人公」の存在が極めて重要なシリーズでありましたが、ここまでそれを前面に出したのは『W』が初めてでしょう。この辺は『相棒』の影響もあるでしょうか。
加えて「探偵が主人公」ということで、いわゆるハードボイルドをテーマ・・・というかパロディにしたスタイルが取られております。マーロウにせよ、サム・スペードにせよ、HBの私立探偵というものは、基本的に自分のホームグラウンドで活躍するもの。というわけで、この作品では「風都」という架空の都市が作り上げられることになりました。
この風都の独特な設定や造形、そこに住む人々も、『W』の魅力のひとつです。
毎度おちゃらけをやっているようで、意外としっかりしているのが、この作品におけるヒーローの役割。
普通ヒーローものにおいては、正義の味方が誰かを助けたら、それであとはめでたしめでたしであります。しかし『W』においては、人々にとって試練はこれからも続くであろうことが示唆されます。そう、Wは彼らの問題すべてを解決できるわけではなく、あくまで変わるきっかけを作る者、手助けをする者にすぎないのですね。
そんなところがなかなか渋くていいじゃないですか。
メインライターは三条陸氏。今回初めて知った名でありましたが、調べてみたらこの人、『OUT』でよくくだらない記事書いてたあの「すた」さんだったのか! いやあ、こんなところで再会できようとは。ちなみにほかには『ダイの大冒険』原作や、『キューティーハニー THE LIVE』の脚本を手がけていたそうです。相棒の「じん」さんは今どうしてるんんだろう?
そしてサブライターに『クウガ』以来九年ぶりのライダー参加となる荒川稔久氏。この辺もっと注目されていいと思うんだけど・・・・
お話はこれからWの半身であるフィリップの出自や、変身キーである「ガイアメモリー」の謎、そして翔太郎の師である鳴海荘平は生きているのか・・・という方向で進んでいくようですが、その辺はだいたい年末の劇場版『ビギンズ・ナイト』で明かされてしまうような気がします。
この劇場版、前作『ディケイド』完結編と抱き合わせの上、噂によるとディケイドとの共演部分もあるとか。
・・・・もちろん見に行きますとも。はい。踊らされてるなー
最近「お前の罪を数えろ!」がくせになってしまっている伍一でやんした。
Comments
こんばんは。
・・・てか、『OUT』を知ってるアナタって。
三条さんというと、私が知ってる本当に最後の頃のジャンプの『ダイ』しか知らなかったですね。
この人の色々な履歴を見ると、打ち切りもあったりして、ホント両刃の剣っぽい人かなあと
荒川さん、戦隊の方ではちょこちょこ書いているので、そんなに久しぶりって感じがしなかったんですが、ライダーでは2度目ですか。
両方食ってる人間には、なじみのあるお名前なんですけどねー。
デカとマジもこの方がメインだったり参加なさってたりだったかと
猫にベルトが余りにもシュールで、ありゃいくら何でも本人(本猫)の意思じゃあなかろうと
というか…ああいう系統の動物にはベルトって、抜けちゃいますよね
ハツカネズミとかも
フィリップが1回、ソファに座っている状態でスクランブルがかかった時は、
「あ、ソファに『ぽふっ』かな」
と思ったら、そのまま倒れて床にガッシャーン。
「演出…鬼や。」
と思いました
「さあ、お前の体重を数えろ!」ぐさっ(←自爆)
Posted by: 高野正宗 | November 03, 2009 07:53 PM
み~ん。。。ごぶ。。。帰ってきました。覚えてる?
>この辺は『相棒』の影響もあるでしょうか。
それは気づかなかった。。。ボクはフィリップが、いわゆる『アームチェアディテクティブ』として機能するのかと思っていたが、3回目くらいであっさり元気に外出してたという。。。
でもWのいちばんの魅力は腕が伸びるところだと思うよ!! あとマシンマンの『カタルシスウェーブ』っぽくない?
でも前回の放送はすっごい新展開だったよね、ライダーが1回も出てこないでひたすら半袖短パンの若者たちがず~っと走ってるという、、、あれはもはや仮面ライダーとはいえない、まるで駅伝でも見てるようで、それはそれでドラマチックだったけど。。。
Posted by: 裏山&さん(56歳)。。。 | November 03, 2009 11:43 PM
毎年毎年インパクトのある姿を披露しては物議を醸し出す平成ライダーですけども、電車やら鬼やらをずっと見続けてきたので、自分も免疫みたいなのが付いてあんまり驚かなくなっちゃいましたねぇ~。むしろ斬新なスタイルほど『カッコイイ・・・』と思えるようになってきてダブルもまた然りなのですが、職場の後輩はヒビキ以降のライダーのデザインが気に入らないらしく、飲み会があってはあーだこーだと討論してたりしますw
でも『ビギンズナイト』は個人的にちょっと不安の方が大きいですねぇ。テレビの方と絡む内容は、正直そのままテレビの方でやった方がいいとも思っちゃいますし、ディケイドはディケイドとして観たいので共演が余計なものになるんじゃないかという懸念も少なからずありますねぇ~・・。
出来れば自分の今年のベスト映画10本の中にオールライダー対大ショッカーと一緒に加えたい所でもあるので、不安が杞憂である事を願うばかりですね~。
Posted by: メビウス | November 04, 2009 01:08 AM
>高野正宗さま
おはようございます
『OUT』は中一から大学二年まで休止をはさみつつ買っておりました。はずかしながら(笑)
三条さん、そのころはかなりアナーキーなイメージの方だったのですが、クリエイターに転進してからは割りと健康的なもの作ってたんだなー、と
荒川さんは塚田Pと相性がいいようですね。デカ・マジもこの人と組んでやってたんじゃなかったかな
一番のヒット作は『クウガ』をのぞけば『セー○ームーン』なのかもしれませんが、わたしゃそっちの方は数える程度しか見てません。信じてください
前に読んだ特撮系の本で「ネコがベースの怪人ってのはそれだけで弱そう」と書いてありましたが、例のスミトロドンはこのイメージをうちやぶってくれるんmでは・・・と期待しております。しかし誰がこんなアイデア思いついたんだろう?
体重もきついですけど、お若いコたちが跳ね回っているのをみると、エイジを数えるのも辛いなーと思う伍一でやんした
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2009 07:26 AM
伍一さん、ご無沙汰してます。
Wももちろん毎週観てるんですが、私はなんか痛々しくてツライ方が多いですねー。
どーもフィリップ君が気持ち悪いってのと、なんで大阪弁もしゃべらへんのにヒロイン?を大阪出身としてるのかもひっかかってるんです。
まあお子様向けと割り切れということなんでしょうが…
気絶するフィリップの設定もよぉ解らんのです。(-_-;)
もっとバロム1なノリを思ってたもので。
あとガイアメモリーがどーも現金に化ける文鎮に見える。私はしませんけど。
ちなみにカバちゃん似のしょーたろー君、服装とかはカジュアルな探偵物語って気がします。
なんやかんや申してますが、結局テレビのは全部きっちり観るんですけどね。
しかしすたさんとは懐かしい。
Posted by: よろづ屋TOM | November 04, 2009 04:53 PM
>裏山&さん(56歳)さま
こんばんばん。少し見ない間にずいぶん歳を取りましたね・・・
あなたのことを忘れたことは片時だって・・・あります。ごめんなさい
なにはともあれご復帰オメデトウ
フィリップという名はマーロウからきてるんだろうけど、この名前で頭脳派というのはやっぱりちょっと違和感w
それにしても裏山さんはとっくに脱落してるかと思ってたら、まだ見てくれていて嬉しいっすよ! やっぱり腕が伸びるから?
形態によってはタマやら棒やらが伸びてたりもするわけだが。なんかやらし・・・ いえ、なんでもありません・・・
前回の展開はたぶんセーラー○ーンの脚本の人だからです。こういうベタな青春ドラマが好きなんですよ。この人は
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2009 07:23 PM
>メビウスさま
こんばんばん。ようこそおいでませー
>むしろ斬新なスタイルほど『カッコイイ・・・』と思えるようになってきて
同感です。やはりライダーのデザインは度肝を抜いてナンボかと
正直いうとキバは少し無難にまとめちゃったかな、という思いはありました
ウルトラさんもようやくそのことに気づき始めたのか、最近少し暴走してますよね・・・
同僚さんは響鬼以降が気に入りませんか。龍騎や剣だって相当なもんだと思うけど(笑)
確かに今度の映画、中途半端に共演部分を作っちゃうと、なんだか微妙なものができてしまいそうな予感はします
しかし第一話の登場シーンにしびれた身としては、あれが劇場でまた見られるかと思うとワクワクするところもあったりして
ところでこの『ビギンズナイト』いうあからさまにバットマンなタイトルは、誰が考えたのでしょう~?
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2009 07:31 PM
>よろづ屋TOMさま
こんばんはっす。こちらこそすっかりご無沙汰しててすいません
おすすめシネマの方はひっこされるんですね。引き続き読ませていただきます
わたしもフィリップくんの髪留めは最初気になりました(笑) 男なのに髪留め! でも今はもう見慣れたかな
「要するに、慣れだ」(寄生獣の後藤さんより)
女の子が大阪出身なのはたぶんツッコミ担当だからでしょうね・・・
フィリップ君がぶったおれるのはわたしは気になりませんが、「中のコは痛いだろーなー」とか、「子供はフィリップの役はやりたがらないだろうなー」とは思います(笑)
キャラとしては面白いと思いますよー
それにしても「すた」さんがわかってくれる人がいるとは思いませなんだ(笑)
もしかしてTOMさん、イラストとか投稿されてました? 中坊のころはあのコーナー見ながら、「どうしたらこんな風にうまく描けるんだろーなー」なんて思ったものでした
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2009 07:40 PM
ありがとうございます!!そーなんですよ。そのうち…と思ってたのが不可抗力で強制退去です。
でもこれまで検索でひっかけてくださってたお客さんが来れなくなってしまうのが残念で。最近は映画館すらいってませんが、自宅派としてでもまた記事は増やしていきます。あらためてよろしくお願いします。
ところでこちらこそ“すた”さんが出てくるブログがあろうとは(これは他の方も同感でしょう)
私はOUTよりはマニフィック時代からのアニメック派だったんですが、ランデブーは創刊号を含めて今も宝物です。もうボロボロですけどね。
さすがにOUTへの投稿はしてませんが、伍一さんがここで書かれるまで記憶の彼方へ埋没してた名前なのは間違いないです。
───慣れかー。たしかにディケイドのデザインも慣れましたけどねー
Posted by: よろづ屋TOM | November 04, 2009 10:59 PM
>よろづ屋TOMさま
またまたどうも~
強制退去・・・ そんなことあるんですね・・・ ココログさんは大丈夫かしら
あたらしいところはジャストブログ・・・というんでしょうかね。引き続きのぞかせていただきます
OUTのころの正式なお名前は須田留貧さんといったようですね。「大人が子供のおもちゃを買ってもいいんだ」ということをわたしに教えてくれた方です。なんてことしてくれたんだ!
わたしが買いだしたのは10周年のちょい前くらいからなんで、読者としては中期くらいから、というとこでしょうか。WIKIの項見たら懐かしい名前がぞろぞろ出てきて泣きそうになりましたよ(笑)
TOMさんに「そのうち慣れますよ!」と言っときながら、コンプリートフォームだけは未だに目を疑う伍一でした
Posted by: SGA屋伍一 | November 05, 2009 06:07 PM