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October 09, 2009

おいでませ魔神温泉 永井豪・今川泰宏 『真マジンガー 衝撃!Z編』

091009_133318本日は先日好評のうちにテレビ放映を終了したアニメーション『真マジンガー 衝撃!Z編』をお送りいたします。

時は過ぎ去りし近未来(?)。古代ミケーネの恐るべき兵器「機械獣」を発掘した魔人Dr.ヘルは、世界征服の野望を実行に移そうとする。だがその計画には日本で研究されている新エネルギー「光子力」が必要不可欠であった。
かくてDr.ヘルは、その知識を有する科学者兜十蔵の屋敷を襲撃する。しかし十蔵はこのことあるを予期してか、ヘルに対抗しうる巨大ロボット・マジンガーZを建造していた。マジンガーを孫の甲児にゆだねた十蔵は言う。「お前は神にも悪魔にもなれる!」
その言葉にとまどいながらも、Dr.ヘルとの戦いに身を投じていく甲児。果たして彼が選ぶのは神の裁きか、悪魔の滅びか・・・

『マジンガーZ』といえば、アニメにうとい人でも名前くらいはご存知かと。それまでロボットは勝手に動くか、リモコンで動かすものと相場が決まっていましたが、この『マジンガー』の登場以降、日本アニメでは「乗るもの」が主流になっていきます(専門家に言わせると、そういうのは「ロボット」ではないそうですが・・・)。恐らくこの作品がなければ『ガンダム』も『エヴァ』もなかったか、少なくともだいぶ違った形になっていたはず。

この『真マジンガー』は『マジンガーZ』を「原作」に近い形で再現し、さらに独自のアレンジもふんだんに加えた作品であります。「原作」といっても『マジンガー』の場合と普通とはちょっと違ってまして。まずアニメ制作会社と原作者が共同で企画を練り、ほぼ同時進行でテレビと漫画で同タイトルの作品を発表していく、というものでした。ほかには石ノ森章太郎先生の作品なんかもよくこういうスタイルがとられております。
で、こういうやり方、「テレビと同じことをやってもしゃあない」ということで、漫画ヴァージョンが作者の情熱のままに暴走してしまうということもよくありました(笑)。その最たる例が、やはり永井豪原作の『デビルマン』でしょう。
そこへいくと『マジンガー』の方はそんなにテレビとは乖離していないものの、やはり甲児くんの性格がちょい凶暴だったりとか、博士たちがヒロインの服を脱がそうとしたりとか、当時のテレビではやれなかったような描写もいろいろあります。またいい意味でワンパターンだったテレビ版とは違い、Dr.ヘルが多用な戦術を駆使してマジンガーを苦しめたりします。今回の『真マジンガー』では「原作」のそうした部分が忠実に生かされていました。

とはいえ「原作クラッシャー」の異名を持つ今川監督。それだけでは終りません。まず永井豪の他作品『あばしり一家』や『バイオレンス・ジャック』のキャラクターが、タイトルの枠を超えて多数登場。別のアニメの主役ロボであった「グロイザーX」まででてきた日にゃ、懐かしさのあまり泣きそうになりました。
さらに『Z』の続編や派生的作品の要素もほぼすべて取り込んで、マジンガー世界の再構築を試みております。

加えて特に目立っていたのが、サブキャラクター「あしゅら男爵」へのひいきっぷり。このあしゅら男爵、半身は男性でもう半身は女性という奇怪なデザインで、Dr.ヘルの忠実な部下という設定。オリジナルではそれなりに重要な存在ではあったものの、Dr.ヘルの複数いる部下の一人、くらいのポジションでありました。それが『真マジンガー』では旧作にはなかったていねいな出自が用意され、出番も存在感も大幅にアップ。ついには戦いの勝敗のカギを握る役まで任されてしまいます。今川監督、ほんとーにこのキャラ好きなんですね・・・

そしてなによりたまげたのが、富士の裾野が舞台だった旧作に対し、こちらでは湯の町熱海がメインの舞台となっているところ。なぜ・・・ なぜ熱海なんでしょう・・・
だたっぴろい富士裾野だったら巨大ロボットが暴れてもあまり人々に迷惑にはなりませんが、観光都市でそんなものが取っ組み合いを演じたら被害は甚大です。頼む! 俺の住む町を、郷土を壊さないでくれ~!!cryingと思いつつも、いつも見慣れた風景がアニメとして出てくるのにはなんだか不思議な気分でした。
そう、スタッフの方々、非常にていねいにロケハンしてらっしゃいます。海岸から見える町並みや、数々の観光名所はほんとそのまんま。さらには(入り口だけだったけど)秘○館まで登場するという懲りよう。
こんだけ熱海をフィーチャーしてくれているというのに、市からの反応はまったくなし。そんなことだから財政危機宣言とか出ちゃうんですよ!

091009_132119というわけで、この『真マジンガー』、ノスタルジーとともに地元の景色が楽しめるという点で、非常に(わたしにとって)貴重なアニメでありました。
有名な話だからばらしちゃうと、旧『Z』はメタメタにやられたZを、後継機グレートマジンガーが助けたところで幕となります。『真マジンガー』はそういうラストではありませんでしたが、やはり思いっきり続編につなげる形で「終わり」となりました。
次が『グレート編』なのは当然読めるとして、さらに次は『グレンダイザー編』となるのか、『マジンカイザー編』となるのか。はたまた『ゴッドマジンガー編』となるのか。そして舞台は熱海のままなのか。興味はつきません。

『真マジンガー 衝撃!Z編』はDVDが順次発売予定。思う存分ぶち壊される熱海を、どうぞその目に焼き付けてください。

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