歴史は夜狂いだす ショーン・レヴィ 『ナイトミュージアム2』
博物館の展示品が命を得て夜な夜な動き出し、人々を食い殺していた(違)あの事件から2年後。夜警だったラリーは発明で大もうけし、一躍セレブの仲間入りを果たしていた。
一方で展示品たちはバーチャル化のあおりを受けて引退が決定。ラリーはそれを止めようとするが、力及ばず彼らはスミソニアン倉庫行きのトラックに積み込まれてしまう。
数日後、意気消沈するラリーのもとに、カウボーイ人形からの電話がかかってくる。ただならぬ気配を察したラリーは、仲間を救出すべくスミソニアンに向かった。
博物館好きにはたまらないアイデアで、(意外にも)大ヒットを飛ばした『ナイトミュージアム』(レビュー?はコチラ)の続編。
前作では駄目駄目オヤジだったラリーが今回は人間的にも社会的にも立派な大人になってしまっていて、ちょっとさびしい。懐中電灯を武器にした華麗なアクションまで決めてくれちゃったりします。
今回は舞台を「自然史博物館」から、スミソニアン博物館へとスケールアップ。こちらは博物館学で学んだことがありましたが、ひとつの博物館ではなく、ワシントンD.Cの中心部に設けられた19の博物館群の総称であります。
他の拠点の収集品をも合わせると、その数は一億を超えるというそれこそ「ハンパね~」規模。あまりにも膨大なゆえか、一本の映画では十分にカバーしきれなかった感も(笑)
「その人にとって本当の幸せとは何か」という、「1」にはなかった深遠なテーマもあり。ま、あくまでバカ映画なりにですが(笑) 監督も脚本も同じなのに、この違いはなんなんでしょうね~ もしかしたらアメリカの財政破綻を目の当たりしたレヴィ氏が、「商売で成功してお金が儲かればそれで幸せなのか?」なんて考えちゃったのかもしれません。
前作にはなかったものといえば、ヒロインのアメリア・イアハートに関するほろ甘苦いムードもそう。快活なキャラで映画をにぎわせてくれる彼女ですが、その命は一夜限り・・・というのがなんともさびしい。実物が最後の冒険で行方不明になっている、という史実を知ると、さらにしんみりしてしまいます。もっともそこは『ナイトミュージアム』らしく、さびしいだけでは終わりにしませんけど。演じるは『魔法にかけられて』でのお姫様役が記憶に新しいエイミー・アダムス。このひと、もうそれなりのトシのはずですが(つか、わたしのいっこ下・・・)、こういう不思議ちゃんのキャラがよく似合いますね♪
萌えたといえば、わたしがこの映画で一番萌えたのはスミソニアンにしまわれていた巨大ダコ。いやあ、本当に素晴らしいタコ描写でした! 『パイレーツ・オブ・カリビアン:デッドマンズ・チェスト』にも匹敵するタコ映画といっていいでしょう・・・ と思ったら劇場のチラシには「ダイオウイカ」とあり・・・アレ? たしかタコのような気がしたんだが・・・・
ネットを見ると、やはり「あれはタコだった」との意見が多い模様。う~ん、西洋人にとってはタコもイカも似たようなもんってことなんでしょうか? そりゃ両方食ったらおいしいけどさ(笑)。この映画は良い子のための学習映画としての側面もあるので、その辺キッチリしとかないといけないと思いますよー
さらにわたしが萌えたポイントとしては(いい加減ネタバレくさくなってきた・・・)、大魔神を彷彿とさせるようなリンカーン大統領とか(『GANTZ』みたいでもありました)、やけに生ナマしかったエジプトのホルス神とか(意外と大したことなかった)、前作から今作の間にいろいろあったオーウェン・ウィルソンとか(元気そうで良かった・・・)、どこぞの美術館の前衛作品のみなさんとかetcetc・・・・
あと「1」でもあったと思ったけど、ミニチュア人形のオクタヴィアヌスが「うおおおおおお!!」と勇猛果敢に突進したあと、急にロングにひいて「シーン」となる。このギャグがめちゃくちゃ好きです(笑)
さて、わたしがなんでこんなに博物館にこだわってるのか最後にお教えしましょう。子供のころ恐竜系の本を読むと、だいたい「博物館へ行って、化石を見てみよう!」なんてことが書いてあるわけですが、田舎にはそういう施設がなくて憧ればかりが募ってしまったからです。
そんなわけで(特に地方の)親御さんの皆さん、シルバーウィークにはお子さんとぜひ博物館へ。わたしも近日『海のエジプト展』へ行って来る予定。別に子供はいませんけどね・・・・
Comments
伍一さん
こんにちは〜
そうなんだ、タコが良かったんだ〜
キホンやってることは同じだけど絵に入るとか、モノクロキャラとか良かったし
エイミーアダムスも前回の紅一点女優より良かったし
やっぱりベンが続編もやったってところが一番♪
オーウェンはもっとみたかったけど。。。
スミソニアン、いつかは行ってみたいなぁ♪
Posted by: mig | September 10, 2009 10:15 AM
>migさま
おはよっすー
そうです・・・ タコが良かったんです・・・ わたし、やっぱり変ですかね?(変だよ)
次回はぜひイカにも出てもらって対決してほしいです
絵に入るシーンも面白かったです。あの写真、『ウォッチメン』のプロローグでパロディに使われてましたよね(笑)
ベンはこないだインタビューで「次をやるならルーブル博物館」と言ってました。もし実現したら、今度はかなり格調高いものになりそう・・・
Posted by: SGA屋伍一 | September 11, 2009 07:44 AM
こんばんは!
そうそう!あれイカなんですよね〜。
私もタコだと思ってましたが、チラシにはダイオウイカって
書いてあって、へぇ〜〜〜!って思いましたよー。
博物館や美術館って楽しいですよねー。私も好きですよ。
結構1日楽しめます、広すぎると足が疲れちゃいますけど・・・(笑)
Posted by: ルナ | September 24, 2009 11:05 PM
>ルナさま
こんばんは
おかえしありがとうございます
あれねー
「チラシを書いた人が間違えた」という説もありまして(笑) もう一回見てきて確認してこようかしら・・・
そういえば先日行った上野の科学博物館には、1メートルくらいのイカが展示してありました。そっちはまちがいなくイカでした。ハイ
博物館、楽しいですよね。スミソニアンも行ってみたいですけど、あまりの広さに途中で行き倒れてしまうかも
Posted by: SGA屋伍一 | September 25, 2009 09:33 PM