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September 29, 2009

20世紀の『X-MEN』をふりかえる④ ウルヴァリン傑作選

090929_190120ただいま『ウルヴァリン:X-MEN ゼロ』が好評公開中であります。ので、今回はいままでに邦訳されたアメコミの中で、ウルヴァリンに関する印象深いシーンをいくつかご紹介しましょう。ただ・・・ すいません・・・ 2009年9月現在、全部絶版です

・・・・・

それでは参りましょう。まずはこちらから

thunder「X-MEN #7」(1992年4月刊行 小学館プロダクション刊『X-MEN』第二巻に収録)
ウルヴァリンが過去に関わった事件がもとで、ドイツに拉致られてしまうX-MEN。なんとか脱出に成功するが、なおも決着をつけるためにウルヴァリンは一人戦いに赴こうとする。その際のサイクロップスとのやりとり

「ちっとばかし遣り残したことがある。許可を求めてるんじゃねえぞ」
「そんな必要はないさ。ただ、気をつけろよ。なにかあったらわたしたちを呼んでくれ」
「・・・・おかしなもんだな。チームに入る前はおれ一人で何でも切り抜けてきた。おれが変わったとは思わねえ ・・・・なのに、助けてくれる家族のような友達がいるってのを、こんなにいいもんだと感じるとはな」

先の映画でのローガンのことを思うとほろりとくるシーンです。最近『侍戦隊シンケンジャー』でクリソツなセリフがあったけど、偶然かぶってしまったのか、靖子さんがオマージュされたのかは不明


thunder「WOLVERINE #75」(1993年11月刊行 小学館プロダクション刊『X-MEN』第17巻に収録)

マグニートーとの一大決戦のあと、体中のアダマンチウムをすべてはぎとられたウルヴァリンは生死の境をさまよう。しかも彼をのせたX-MEN専用機ブラックバードも墜落の危機に瀕していた
混濁した意識の中、ローガンは先だって失った仲間イリアナの姿を見る

「さあ、いこうぜダーリン・・・ うわ? どうして突き飛ばすんだ・・・・」

そのころキリモミ状態のブラックバードでは、ジーン・グレイが今にも機外へ放り出されそうになるところだった

(光が・・・・受け入れてくれねえ! 戻れってことかよ! だが、どうやって?)
(ああ、ジーン・・・ あんたを呼んでる声がするぜジーン・・・ あれは俺の声か? あんたを呼んでるのは俺なのか? あんたの助けが必要なんだ)
(手を伸ばしてくれよ、ジーン・・・ つかまえて・・・・)「くれ!」

次の瞬間、はっしとジーンの手を握りしめるローガン

「ローガン!」「い、生き返ったの? わたしを助けるために?」
「そいつあ、逆だぜジーン・・・ 手を差し伸べてくれたのはあんたの方じゃないか・・・」

無事生還を遂げたローガンだったが、心身ともに傷ついた彼はこのあとしばらくチームを離れることになる


thunder『WEAON X』(1993年2月刊行 小学館プロダクション刊)
カナダ政府による「超人兵士製造計画」のために、ローガンが「ウェポンX」に改造されるまでを約120ページかけてじっくりねっちょり描いた作品。
以下は彼を改造した博士と助手の会話

「ただ・・・ いずれにしてもあの哀れな男はろくな人生は送れないと思うがね」「ミュータントだからな」「人間でもないし、人間性もない。・・・そう教授は言っていたよ」
「彼は人間なんです。博士、彼の目を・・・彼の目をご覧になりませんでしたか?  彼の瞳の奥には・・・ 気づきませんでしたか? 彼は・・・ 彼は人間だったんです ・・・ただ、怪物に変えられてしまっただけなんです」

会話中に出てくる「教授」とはエグゼビア教授のことではありません。念のため


thunder「THE UNCANNY X-MEN #205」(1986年2月刊行 小学館プロダクション刊「マーヴルX」第8号に収録)

『X-MEN』本誌に掲載されたものの、ほぼ番外編的な内容のエピソード。またしても(笑)激闘のあと意識が混乱したローガンは、パンツ一丁で雪の町をさまよう。彼がたまたま出会ったのは、子供たちで結成されたヒーローチーム「パワーパック」のエナジャイザーだった。

「ボクハダレ? キミヲシッテイルノニ ジブンガダレカ・・・ ワカラナイ・・・・」
 
もろ日本語で呟くウルヴァリン

「あたしのパパがそんな目をしてたわ・・・ ママが死にかけた時、世の中のだいじなものがぜんぶなくなったみたいな悲しい目だった」

いろいろあって記憶を取り戻し、追っ手も片付けたウルヴァリンにエナジャイザーは言う

「あなたのこと怖かった」
「悪かった・・・ 今は?」
「すこしね・・・」


最後はこちら
「THE UNCANNY X-MEN #337」(1996年10月刊行 小学館プロダクション刊『X-MEN ゼロ・トレランス』第一巻収録)

ダークサイドが暴走してヒーローたちのほとんどを死なせてしまった(実際は異次元に飛ばされてた)エグゼビア教授。なんとか正気に返ったものの、自分のしでかした罪の大きさに、教授は深く悩み苦しむ。雨にうたれて悄然とする教授に、ローガンはそっと話しかける。

「なあ、教授。自分の中の獣と戦う苦しさは俺が一番わかってる」

「君が戦っているのは自分自身の中の獣だ」「広い目で見れば、誰もが毎日行っていることだ」「私の経験を君自身のような小さなものと一緒にしないでくれ」

「HA! よく言うぜ。だがその手にゃ乗らないぜ。そう言えば俺が怒って帰るかと思ったかい?」
「俺は知っての通り一匹狼だった。仲間なんざいらねえと思ってたさ」「最初にあんたにXメンに入ってくれって頼まれた時はよ、デパートメントH(カナダの諜報機関)と縁を切れると思ったから応じたのさ」「だがXメンに残ったのは・・・別の理由だ」「あんたさ」「俺だけじゃないぜ、チャック。あんたが壁を作るとは悲しいぜ・・・・」

ローガンが去った後、教授は天を見上げる。その顔に伝うのは雨粒と果たして・・・

090929_185803このほか新潮から刊行された別ヴァージョン『アルティメット X-MEN』にも当然ウルヴァリンは登場しますが、こちらの彼はあまりにも性格がねじくれまがっていて、あまり好きではありません(まあもともとそういう人だったんだけど)

その後も無理矢理3チームかけもちさせられたりとか、別のヒーローチーム「アヴェンジャーズ」に加入させられたりとか、いろいろあったようですが、近年の事情は英語にはうといわたくしにはさっぱりわかりません。

毎度同じ事を書いていてホント恐縮ですが、出版社のみなさん、どうぞ翻訳の方、よろしくお願いいたします。

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September 26, 2009

レクイエム・フォー・リアル ダーレン・アロノフスキー 『レスラー』

090926_180245以前二枚目俳優として人気を博したミッキー・ローク、起死回生の一発(まーその前にも『シン・シティ』がありましたけど)
本年度アカデミー賞主演男優賞・助演女優賞にノミネートされた『レスラー』。当地区では首都圏より三ヶ月ばかり遅れての上映です。

かつて全米を熱狂させた人気プロレスラー、ランディ。その必殺技「ラム・ジャム」で血祭りに上げられた者は、数知れず。だが年齢を重ねるにつれ、ランディは人気と体力の衰えを次第に実感せざるをえなくなっていく。そして、ある日の試合の直後、とうとう昏倒してしまうランディ。医者はこれ以上プロレスを続けていくのは自殺行為だと諭す。傷心のランディは、行きつけのバーで働いているストリッパー、キャシディに救いを求めようとするが・・・

「一度覚えたらやめられない。ボクシングには、そういう麻薬のような魅力があるという」(森川ジョージ 『はじめの一歩』より ちょいうろ覚え)

以下はどんどんネタバレしていきますので、未見の方はご注意ください

punch

punch

punch

punch

この映画を見てわたしがまず思い浮かべたのは、ボクシング漫画の金字塔『あしたのジョー』。リングへ向かえば死が待つとわかっていながら、愛する女に微笑んで別れを告げる主人公。
ただジョーとランディにはいろいろと違うところもあります。それはジョーがプロボクサーで、ランディがプロレスラーだから。
ボクサーにとって何よりも大事なのは、目の前の相手に勝つこと。そのために地味な試合展開をせざるをえない時もあります。また、目の前の相手を100%憎みきらなければ勝つことはむずかしい、とも言われてます。
それに対しプロレスで優先されるべきことは、まず観客を沸かせること。そのためにすすんで負け役を引き受けることさえ珍しくありません。そしてリングを降りた彼らは、試合での様子とはうって変わってとても仲良しだったりします。まあプロレスラーは普通のプロスポーツと違って年間150とか200もの試合をこなさねばならないので、それくらい現場環境がよくないとやっていけないのかもしれません。


そしてこれは深刻な中毒・依存症を描いた映画だとも思いました。体によくないと知りつつ、長年続けてきたある習慣。そしてとうとう医者に「これ以上やると死んじゃうよ」と言われてしまう。そこで一念発起して、中毒を克服しようとがんばるものの、現実の辛さに耐え切れず、結局元の状態に戻ってしまう・・・・

「プロレス」を「アルコール・ドラッグ」に置き換えてみてもまったく違和感ありません。実際痛みに耐えるために、怪しげなドラッグもバンバン打っちゃってるしshock 
リングの上での苦痛はハンパなものではありません。首から落ちたり、パイプ椅子で殴られたり、自分でカミソリで額を切ったり。極めつけは画鋲みたいなものをブスブス打ち付けられてしまったりする。なんでそこまで痛い目にあわなければならないのか。そうすればお客さんが沸くから。そしてその歓声が、何にも増して心地よいから。

そしてここが、ランディがただのジャンキーとは違っているところです。彼の中毒は、人を感動させることができる。彼が全身全霊を打ってプレイしてるのがわかるゆえに、そして何よりもプロレスを愛していることが伝わるゆえに、ファンは我を忘れてランディの名を呼びます。
言ってみればある意味後ろ向きなテーマを扱っているにもかかわらず、この映画がこんなにも感動的でさわやかなのは、その辺に理由があるような気がします。

考えてみれば、このブログも似たようなものかもしれません。一円たりとも儲けられるわけではないのに、どうして約五年もの間、知力と時間と労力を費やして(時には睡眠時間を削って・・・)、シコシコくだらない記事を書き続けていられるのか・・・
それは少数ではあっても、定期的にこのブログを読んでくれる人たちがいるから。非常にわずかではあるけれど、記事に反応してくれる人たちがいるから。

人は言う・・・ そろそろやめ時ではないかと・・・  だがこのブログをやめていいと言えるのは、このオレのファンたちだけダーーーーッ!!


(し~~~~~~~ん)


あら?

090926_180327・・・というわけで見事復活を果たしたローク氏。次の出演作はなんと『アイアンマン2』だそうで。せっかくヒューマンドラマで評価されたのに、すぐ次がアメコミものってどうなのよ? という気もしますが、主演のロバート・ダウ二ーJR.との「どん底経験コンビ」にはなにやら期待できそうな気がします。こちらの公開は全米で来年の春。楽しみですね!

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September 25, 2009

愛という字のもとに ~大河ドラマ『天地人』より⑪ 「会津狸合戦ぽんぽこ」の巻 

兼続 「直江兼続です」
景勝 「上杉景勝じゃ!」
兼続 「『天地人』もぼちぼちクライマックスです・・・」
景勝 「兼続・・・ わしゃいま猛烈に感動している・・・ 愛だの恋だのにうつつをぬかしていたへにゃへにゃ侍のお前に、よもや天下の覇王、徳川家康に啖呵を切るほどの度胸があったとは! まこと武士の誉れよ!」
兼続 「ああ~ あれね~」
景勝 「おい! なんだよ! その冷めたリアクション!」
兼続 「実はね~ あれ、自分でもあんましよく覚えてないんですよ」
景勝 「覚えてないって・・・ お前あんなに怒ってたじゃねえか!」
兼続 「正直に言うとあの日はけっこう酒が入ってまして・・・・ なんかヤツの顔を思い浮かべたら、わけもなくムラムラしてきちゃったんですね。ほんで気がついたら一括送信した後でして。いやー、酒の勢いっておっかないですねえ」
景勝 「『おっかねえ』じゃねえよ! そんな適当なことで上杉家が存亡の危機にさらされていたとは・・・」
兼続 「よくあることですよ。酔った勢いで告白メール送ったものの、あとで見たらとんでもない文章だったとか。愛人に送るはずのメールを間違えて本妻に送っちゃったりとか」
景勝 「それはお主自身の体験か?」
兼続 「ピュ~ ピュ~ピュピュピュ~(口笛)」
景勝 「まったく・・・・・経験から何も学ばんやつめ!」
兼続 「そっ それはともかくそれがし前から疑問に思ってることがあるのですよ!」
景勝 「なんじゃい!」
兼続 「家康殿の頭についているあのこぶ・・・ あれはいったいなんなのでしょう?」
景勝 「普通にたんこぶなんじゃないか?」
兼続 「だって20年も30年も同じところにたんこぶがあるんですよっ! おかしいと思いませんか!?」
景勝 「きっとあれだ。家康殿は毎日おなじところに額をうちつけて、頭を鍛えておるんじゃないか?」
兼続 「そんなことしたら鍛えるどころか頭がパーになりますよ!」
景勝 「だな。パーになったのはむしろ太閤の方だったし・・・」
兼続 「あそこに非常時のための栄養を蓄えているという説もあるそうです」
景勝 「・・・・ラクダじゃねーんだから
兼続 「あとサクランボを種ごと食べてしまったために、もうじき桜の芽が飛び出てくるのかもしれません」
景勝 「タマタマ山だっけ」
兼続 「『アタマ山』です!」
景勝 「しかしタヌキのあれはけっこうでかいと聞くぜ?」
兼続 「んっとにもー この人はどうしても話をそっちに持ってきたがるんだから・・・」
景勝 「あるいは何かのスイッチなのかもしれん」
兼続 「リロ! スイッチいい子にする!」
景勝 「そりゃスティッチだ!
兼続 「すいっち~ おん!」
景勝 「ワン! ツー! スリー!」
兼続 「文福茶釜がビートを刻む~」
景勝 「ヒローキ~ チェインジ~ ポコイダんあ~」
兼続 「石田三成ぶっとばせ~ 東照権現・ポコイダ~」
景勝 「ちぇいんじ~ ちぇいんじ~ ・・・って、いつまでやらせんだ!」
兼続 「ま、それはともかくこれではっきりしました。ヤツは悪の組織に作られたタヌキ型怪人だということが!」
景勝 「えー。キ○イダーは正義の味方だぜ~?」
兼続 「キカ○ダーじゃありません! ポコイダーです!」
景勝 「うーん 確かにそっちの方はヒーローと呼べるかどうか、微妙なところだな・・・(そもそも知ってる人がどれほどいるか・・・)」
兼続 「との・・・ わかりました! それが今回のテーマです。すなわち『歴史上の人物の行動が正義か否かは、見るものの視点によってどうとでもなる』 ・・・・そういうことではありますまいか」
景勝 「兼続・・・ お主なかなか鋭いことを言うではないか!」
兼続 「えへへ。それほどでも」
景勝 「だがそれではオチはつかん!
兼続 「あら?」

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September 23, 2009

俺たちミュータント・ブラザーズ ギャビン・フッド 『ウルヴァリン:X-MEN ゼロ』

090919_141714『X-MEN ファイナル・ディシジョン』から約三年。さんざんやるやる言ってたスピンオフの第一弾が、ようやっとベールを脱ぎました。メンバーの中でも最も注目を浴びる男、野獣戦士ウルヴァリンのプリクゥエルです。

19世紀カナダ。環境と肉体の変化におそれおののく一人の少年がいた。彼の名はローガン。しかし彼は一人ではなかった。同じ境遇の兄、ビクターとかばいあいながら、ローガンは戦争の20世紀を強かに生き延びる。
だがいつしかローガンは、兄の残酷性に嫌悪感を抱くようになっていく。そしてついにあるミッションで、彼は属していた秘密部隊をぬけることを決めた。故郷カナダに戻り、平穏な暮らしに安らぎを覚えるローガン。しかし幸福は長くはつづかなかった・・・・

少し前にスピンオフの候補でタイトルにあがってたものというと、この『ウルヴァリン』のほかに『ヤング・マグニートー』『X-MEN:ファーストクラス(第一期生)』がありました。タイトルから察せられるように、どれもこれも前日談ばかりです。
もしかしたらマーヴルはもう前三作のことは忘れて、一からX-MENサーガを語りたいのかな、とも思ったんですが、今作を見たら驚くほど『X-MEN2』と整合性が取れていて感心しました。特に宿敵ストライカー大佐を殺さずにどう決着をつけるのかと思ったら・・・ ふんふん。なるほど。こう来ましたか~みたいな。
ですがその代わり?『1』とは微妙に矛盾が生じています(笑) この第一作にもビクター=セイバートゥースが出ているのですが、ローガンもビクターもまるで初対面みたいな反応。二人とも相手のことを忘れてしまったのではという線も考えられますが、今回ビクターは一度も「セイバートゥース」とは呼ばれてないので、もしかしたら「1」のビクターとは普通に別人なのかもしれません。能力も名前も共通してるので、非常にややこしいですけどね。

今回主なテーマになっているのは、X-MEN本来の「差別との戦い」ではなく、ローガン=ウルヴァリンの孤独と、兄弟という複雑な絆について。

幼くして両親と別れた彼は、以後長い歳月を通じて、孤独の道を歩み続けることになります。彼と関わるものには、大抵の場合「死」が待ち受けているので。また、彼のように永久不老の体を持つものは、普通の人々と交わって暮らしていくのは、とてもむずかしいものでしょう。唯一彼の孤独を理解できそうなのは、よりによって血と暴力に狂ったあの兄のみ。二人は少年時代からずっと一緒だったようですが、ビクターがローガンの心けを理解できたとはとても思えません。そういう意味ではたとえずっと兄が傍らにいたとしても、ローガンは孤独だったのでは。イカはラストシーンまで完バレしてますので、未見の方はお控えください。

bleah

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そんなローガンもとうとう自分の全てを与えてもいい、と思えるような女性に出会います。しかしこれまた厳しい現実が、彼の前に立ちふさがります。それをも乗り越え、百年以上の孤独が癒される時がついに来るのかと思いきや・・・・

わたしとしてはこの結末に深く感じ入るものがありました。普通なら女の亡骸をかき抱いて、涙涙のエンドとなるはずなのに、脳を撃たれたローガンはひっかかるものを感じながらも、「知らない」と呟きます。
彼女がローガンに示した無償の愛情を知るものは、もはや誰もおりません。強いていうなら、我々観客だけがそれを知っている。この辺になんとも言えない物悲しさ、荒涼感、そしてなぜだか心安らぐものを感じたのでした。
もしかしたら後にローガンがジーン・グレイに魅かれたのは、彼女の中にかつて愛した女の面影を、無意識に感じ取ったからかもしれません。あのヒロイン、ファムケ・ヤンセン演じるジーンと、微妙に似ていたと思いませんか? え? 思わない?

・・・・・

ともかく、誰とも深く関わることのできないローガン。彼が安住の地をいつか見つけることはできるのか? その答えは劇場版『X-MEN』三部作へ・・・となるわけです。

ほかに目立っていたキャラとしては、今までで一番役に立っていたと思われる(涙)サイクロップス。実は彼は死んではおらず、湖畔でねっころがっているだけでは・・・とわたしは信じています。
あとチョイ役ながら強い印象を残すガンビット。最近はともかく(・・・)90年代では大人気だったキャラクターです。そのころからX-MENに入ったわたしとしては、ローガン・サイク・ガンビットのそろい踏みは実に心震えるものがありました。

そしてシリアスな世界観を一人ぶちこわしてくれるデッドプール、ことウェイド。映画でも大活躍でしたが、原作ではもっとぶちきれたキャラでして。
体は全てガン細胞。そのためいささか精神に以上を来たしていて、のべつまくなしにアメリカンジョークを吐き続けていたりします。そして極め付けに、彼にはなんと「第4の壁をぶち壊す」というとんでもない技があったりします。これについては説明すると長くなるので、「デッドプール 第4の壁」で検索してみてください。
噂によれば彼を主人公にしたスピンオフも、すでに企画にあがっているとか。・・・・いったいどんな代物ができるのだろう・・・・ すっげえ見てみたいです!

090919_132524前三作には及ばなかったものの、この作品をのヒットを受けて、『ウルヴァリン2』も企画されているとか。冒頭にあげた企画も含めて、なにやら「スピンオフの花盛り」状態であります。・・・・普通に4を作ろうという気はないのか?

とはいえ、いろいろ企画が上がっているのは嬉しい限り。頼むから日本ではDVDスルーとかになりませんように・・・・

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September 18, 2009

適当掲示板87&夏の元気なご報告2009

090918_172455みなさん、こんばんは。・・・・グラサン見つかりました(笑) 当ブログに関するご意見、ご感想、その他なんでも(カミソリ以外)受け付けております

さて・・・ 夏ももう終わりですね・・・ って、とっくに終っとるがな!!
なんかいまさらの気もしますが、2009年の夏の出来事を絵日記風に振り返ってみます。

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はちがついつかと にじゅうさんにち
じもとのはなびたいかいを おともだちたちとけんぶつしてきました
あとじゅうよっかに ちかくのかいがんで てもちはなびをたのしみました

はなびをみながら(しながら) のむびーるは とてもおいしいです
びーるのためにはなびがある そういってもかごんではない
やきとりがあると なおいいです

あとひちがつまつには うわさにきく すみだがわのはなびたいかいにも いってきました
そのさいには なかよくさせていただいている 「がそういちこじんえいがびてきにょにんぶろぐ」の みぐさんとおあいできて とてもうれしかったです


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はちがつじゅうごにち
おだいばにきつりつしていた いちぶんのいちとうしんだいがんだむを けんぶつしてきました
「なにこのあにめ・・・ わけわかんねー」といいながら おんえあをみていた あのひからさんじゅうねん
まさかこのようなものが じっさいにみられようとは
やはり じゅうはちめーとるのおおきさは だてじゃなかったです
ぜひまたていきてきに このようなものをつくってほしいとおもいました


090820_071046 はちがつじゅうくにち
しずおかあーとぎゃらりーというところで かいさいされていた 「いまもりみつひこしゃしんてん こんちゅうよんおくねんのたび」を かんしょうしてきました
しのとるしゃしんは げいじゅつてきにも がくじゅつてきにも かちがたかいものですが
なによりもまず あいじょうと ゆーもあが かんじられます 
そのいんぱくとは ごくおさないおこさまのめさえ くぎつけにしてしまうほど
ずろくをかっておけばよかったと あとでさんざんこうかいしました

あと にじゅうににちは とうきょうのおともだちたちと あきはばらでからおけたいかいにきょうじました
みんなすごくうまいんですけど まにあっくなうたばかりれんぱつされるので こころもちあっとうされました(わらい)


せんせい、すいません しゅくだいのていしゅつが こんなにおそくなってしまいました
らいねんは もっときちんとやろうとおもってます

せんじつ よこはまへ「うみのえじぷとてん」もみにいってきたのですが
それについては またごじつごほうこくいたします 

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September 16, 2009

11人の平成ライダー 『仮面ライダーディケイド』を語る③

090916_125054先日壮絶な最終回を迎えた『仮面ライダーディケイド』。その後半の展開と結末について語ります。
一回目の記事はコチラ。二回目の記事はコチラ。劇場版の記事はコチラ

九つの世界を巡り終えたディケイドたち。だが、彼らはさらに別の世界へと導かれる。世界は九つだけではなかったのだ。
さらに旅を続けていく中で、絆を深めていく士、ユウスケ、夏海、海東。ニヒルだった士も、いつしか仲間たちとのふれあいに安らぎを感じるようになっていく。だが各世界の崩壊はすぐそこにまで迫っていた・・・

後半の流れをざっと振り返ると、まず「ネガの世界」で夏海を、「ディエンドの世界」で海東をクローズアップし、続く「シンケンジャーの世界」「RXの世界」で士に「居場所」「仲間」の大切さを認識させる。「アマゾンの世界」・・・はどういう意味があったのかよくわかりませんcoldsweats01。「RXの世界」と共に劇場版への期待をあおるためでしょうか。
『ディケイド』というのは士が自分の世界を求めて旅するお話でもありました。しかしストーリーが進むにつれ、その人の居場所というのは文字通りの空間ではなく、誰かの心の中にある・・・人と人の絆にあるのではないか・・・ということが示唆されていきます。
う~ん、ええ話やな~と感じ入っていたところに、あの最終回ですよ!

見終わったあとには思わず呆然となってしまいましたが、冷静になってみると、あんなシーンどこかで見たような気がしました。そう、それは原作版『仮面ライダー』の第4話「13人の仮面ライダー」。
ショッカーが作り出した12人の仮面ライダーに取り囲まれ、窮地に陥る一号、本郷猛。なんとか脱出を試みるも、奮闘もむなしく、ついに彼の体を銃火が貫く・・・ テレビの延長で手を出したお子様たちに、深いトラウマを与えた衝撃のエピソードでした。

考えてみれば、石ノ森章太郎のヒーロー漫画で「ニコニコ笑ってハッピーエンド」というものがどれほどあったでしょう。
兄弟たちを瞬殺し、以後罪の意識に苛まれていくであろうキカイダー。
いままで戦ってきた相手がみな親兄弟であることを知り、愕然とする嵐。
愛していた母に裏切られ、その倒壊を目にし絶叫するロボット刑事。
一緒に住んでいた一家の家を粉々にぶちこわし、いずこかへと去っていくロボコン(アレ?)。
自分がやがて新世界の魔王となるのでは、という恐怖に怯え、「オレは誰なんだ!?」と絶叫する仮面ライダーBlack・・・

本当に石ノ森先生という方は・・・ なんつーかこー・・・

というわけで、平成ライダーもシリーズ10作目にして、とうとう石ノ森漫画においついた、ということができるのでは。でもそれじゃみんな納得しないだろうから(笑)、劇場版で続きをやるようですけど、もしかしたらスタッフは本当にあそこで終わりにしたいのかもしれません。

あと平成ライダーとして特に強調されてる要素が、「ディケイドが世界の破壊者である」という点。
普通ヒーローというのは「救世主」であるはずです。まわりも彼らにそれを期待し、口々にほめそやします。
ところが、平成ライダーの連中というのは逆に世界を滅ぼしかねないようなヤツが多い。クウガ、ブレイド、キバ・・・ そこまでいかずとも、アギトやファイズとて本来は世界に仇なすはずの存在です。また龍騎は同じライダー12人を殺さねば生き残れない、という宿命を帯びています。
そんな正義の味方からはほど遠いやつらが、さまざまな経験を積んで、自分の宿命を打ち破っていく。
ひねくれ者のわたしが平成ライダーにひかれるのは、その辺にあるような気がします。

090916_125141にしても、ディケイドほど最初から最後まで悪者よばわりされたヒーローも、また珍しい。
果たして彼は「破壊者」から「救世主」になることができるのか?

その答えは、冬の劇場版にて(明かされるといいなあ)

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September 15, 2009

21世紀中年 堤幸彦 『20世紀少年 最終章 ぼくらの旗』

090915_120131♪ぐ~たらんら~ す~だらんら~

世界中で殺人ウィルスがばらまかれ、膨大な数の人命が失われてから数年後。「ともだち」の支配はさらに力を増し、彼は実質世界の支配者となっていた。
災厄を生き残ったカンナは「ともだち」と雌雄を決すべく、武装集団を率いて決死の覚悟を固める。そんな彼女の前に、再び姿を現したオッチョは言った。「ケンジは生きているかもしれない・・・・」
そしていびつに作り変えられた東京に、グータラ節が高らかに鳴り響く・・・・

昨年の晩夏から始まった『20世紀少年』映画版もいつのまにやら最終章。時の経つのは早いものです・・・
今回は結末からなにから完バレしてますので、未見の方はどうぞ避難を。ついでに書いておくと第一章のレビューはコチラ。第二章のレビューはコチラ。原作の解説はコチラでありんす。

うろ覚えですけど、『スクリーム』のオタク君が言うには第3作のセオリーは、「シリーズの原点に立ち返り、全ての謎が明らかにされる」というものじゃなかったかな。その点で言えばこの最終章、まんずまんずの出来ではなかったでしょうか。
「原点に立ち返る」という点では第一作の主人公であるケンジがカムバックしますし、「血のおおみそか」をもたらした巨大ロボット(笑)も再び姿を現します。そんで「全ての謎が明らかにされる」という点では、最大の謎である「ともだちの正体」を含めて、ほとんど全ての真相が明かされたような気がします。というか、細かい謎はよる年波のせいか、もう忘れました(笑)
今回解説場面において、「ドクター山根」なる人名が出てきましたが、とっさに誰だか思い出せませんでしたし・・・ 年はとりたくないものですね・・・

不満もそれなりにあります。一番の不満は「最後の希望」と言われてたカンナが、クライマックスにおいてどんな活躍をするかと期待してたら、ただ会場でケンジを待ってるだけだったこと。できたらケンジと一緒に「ともだち」を倒すのに一役買ってほしかったなあ。まあ彼女の役割は戦うことではなく、「できるだけ多くの人をウィルスから守ること」だったのかもしれませんが。

しかしまあ先にも述べたように、巨大ロボットの再登場にはかなり楽しんでしまいましたし。やっぱわたしにとって『20世紀少年』は東宝の怪獣・怪人映画の系譜につらなるものなので。正直言うと背景が暗闇だった一作目の時の方が迫力があったような気もしますけど、オマケにUFOも飛んでるので足して合格というとこでしょうか。

そんな風に「ま。いいんじゃないの」的な評価だった最終章ですが、見終わってから数日後も、やけに強く記憶に残る場面がありました。それはエンドロール後のケンジの回想?場面。それも特に最後の最後あたりのところです。

中学校の窓の外から、一人身を投げようとする仮面の少年。その彼の耳に、突然T-REXの『20世紀少年』が響きます。彼が屋上に行くと、そこには寝そべっているかつてのケンジがいました。「ねえ、ともだちになってくれる?」 そう一方的に問いかけ、少年はそこをあとにします。しかし彼の前にもう一人のケンジが現れ、こう言いました。「お前、それでいいのか? もう一度行って、そのお面を外せ・・・」

十代の少年少女が一番気になることと言ったら、それは同年代の友達からどう見られているか、ということ。馬鹿にされたくない、嫌われたくない・・・ その一心で自分を殺し、いつも仮面をつけているように感じられる子もいることでしょう。でもそうして出来た「ともだち」というのは、本当の友達と言えるのでしょうか。
たとえ数は少なくても、仮面をつけなくてもいい・・・遠慮なく話せて、いつも素のままでいられる・・・ そんな友達こそが、真の友達だと、わたしは思います。また、そういう友達と出会えることは何にも勝る宝であります。

この場面はタイムスリップではなく、ヴァーチャル体験でしかありません。だからケンジがなにをやったところで悲劇を防げるわけではなく、彼が過去の過ちを再認識するだけのことなのですが。
それでもこのラストに、とても心安らぐものを感じました。

090915_120202世間の評価は決して高くないようですが(笑)、興行的には大成功のようですし、制作陣もほっと一息というとこでしょうか。
いろいろネタを探すのも大変でしょうけど、邦画界に次なる花火を期待いたします。

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September 13, 2009

野生、在れ ジャック・ロンドン 『荒野の呼び声』

090911_125958またジャック・ロンドンです。今回は『白い牙』『海の狼』と並んで彼の三大犬系作品と呼ばれている(というか、わたしが勝手にそう呼んでる)うちの一作、『荒野の呼び声』を紹介します。まちがってずっと勘違いしていた『太古の呼び声』についてはコチラをどうぞ。ちなみに『海の狼』には、犬も狼も出てきません。

カリフォルニアのとある判事の邸宅で、なに不自由なく暮らしていた大柄な雑種犬バック。彼はある日園丁のよからぬたくらみにより、ゴールドラッシュに沸くアラスカはクロンダイク支流へ、橇犬として売られてしまう。
そこで彼を待っていたのは棍棒による教育、仲間であるはずの犬たちとの闘争、そして想像を絶する寒さと激務・・・・
だがバックは持ち前のしぶとさでそれらの艱難を耐え抜き、いつしか橇犬として頂点を極めていく。

冒頭の一文が奮ってます。「バックは新聞を読まなかった」 そりゃそうだ。犬なんだから
不勉強なんで確かなことは言えませんが、当時動物を小説の主人公にするというのは、かなりの冒険だったのではないでしょうか。・・・と思ったらちょうどこの三年前にシートンの『狼王ロボ』が発表されてました。ロンドンがかの作品にインスパイアされたどうかは、はっきり言って不明。ご存知の方いらっしゃいましたらよろしくメカドッグです(つか、『ジャングル・ブック』もあった・・・・)。

犬と人との関わりを描いた話というと、最近公開されている『HACHI』や『ボルト』のような心温まるお話を想像する方もおられるかもしれません。しかしロンドンにそんなセンチメンタリズムは通用しません
相変わらずのドライ&コールド、ブラッド&バイオレンスな内容です。なんせ「こいつ重要キャラかなー」と思ってた犬が、ガブッとかまれて非常にあっけなく死んでしまう。また、バックとライバルであるスピッツ(種類ではなく固有名)との戦いはひたすらえぐくて、姑息で、容赦ないです。そしてクライマックスにはタランティーノもかくやというほどの、大殺戮が展開。犬を溺愛されてる方が読んだら絶対「犬はこんなんじゃない! ってか、犬カワイソウすぎ!cryingと号泣すること間違いありません。

ロンドンの犬に対する視線は、非常に冷静で客観的です。それは恐らく彼がアラスカにいたころに、実際に多くの橇犬と接した経験により培われたものでしょう。どんなに過酷な労働でも、彼らはそれをなすことに誇りと喜びを覚える・・・・なんて文章にも「なるほど」と思わせられます。先日筒○康隆先生が朝日新聞にて当作品のことを「少し犬を擬人化しすぎではないか」と評してましたが、あなたはいったいどこを読んでたんだ! フンガーsign03dash

え~ ただ、犬は人になつくものであり、犬を心から愛している人というのも、またいるもの。この小説にもそれなりにそういうエピソードがあります。というか、それまでがあまりに過酷なんで、そのくだりがまたひきたつんですよね。

この物語はワン公バックの一代記でもありますが、当時のクロンダイクに生きる人々を生き生きと描いた作品でもあります。シビアな仕事に情熱を燃やす者、なんとなく来ちゃった者、一攫千金を夢見る者・・・・
なかには「勘違い」的な例もあるものの、彼らは基本的に漂白の民です。ひとつところにとどまらず、旅から旅への毎日を送る。たとえ金塊を手に入れたとしても、それでセレブなお屋敷を立てたりはせず、やっぱり放浪の生活を続けるのではないかな・・・ そんな気がいたします。中には不慮の事態で突然命を失う者もいるわけですけど、それもたぶん覚悟の上ではなかろうかと。

そんなリアルでハードな『荒野の呼び声』ですが、おしまいのわずか2、3ページのところでロマンティックが大暴走。「オオカミ」がしばし眺めたあと、悲しげに吼える「黄色い物」とは何なのか? それに気づいた時、わたしはとめどなく涙と鼻水を流し続けたのでありました。

20071114192323100年前の小説なのに、メチャクチャ面白く、かつ感動するこの作品。今年読んだ中で、そしてロンドンの作品の中でも一番のお気に入りとなりました。
現在では岩波文庫版と、『野性の呼び声』のタイトルで出ている光文社古典新訳文庫版が手に入りやすいようです。

満月を見ると、吼えたくなるのはなぜでしょう? それは太古に眠らされた野性が、悠久の時を超えて呼覚まされるから。アオ~~~ン

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September 09, 2009

歴史は夜狂いだす ショーン・レヴィ 『ナイトミュージアム2』

090606_113825博物館の展示品が命を得て夜な夜な動き出し、人々を食い殺していた(違)あの事件から2年後。夜警だったラリーは発明で大もうけし、一躍セレブの仲間入りを果たしていた。
一方で展示品たちはバーチャル化のあおりを受けて引退が決定。ラリーはそれを止めようとするが、力及ばず彼らはスミソニアン倉庫行きのトラックに積み込まれてしまう。
数日後、意気消沈するラリーのもとに、カウボーイ人形からの電話がかかってくる。ただならぬ気配を察したラリーは、仲間を救出すべくスミソニアンに向かった。

博物館好きにはたまらないアイデアで、(意外にも)大ヒットを飛ばした『ナイトミュージアム』(レビュー?はコチラ)の続編。
前作では駄目駄目オヤジだったラリーが今回は人間的にも社会的にも立派な大人になってしまっていて、ちょっとさびしい。懐中電灯を武器にした華麗なアクションまで決めてくれちゃったりします。
今回は舞台を「自然史博物館」から、スミソニアン博物館へとスケールアップ。こちらは博物館学で学んだことがありましたが、ひとつの博物館ではなく、ワシントンD.Cの中心部に設けられた19の博物館群の総称であります。
他の拠点の収集品をも合わせると、その数は一億を超えるというそれこそ「ハンパね~」規模。あまりにも膨大なゆえか、一本の映画では十分にカバーしきれなかった感も(笑)

「その人にとって本当の幸せとは何か」という、「1」にはなかった深遠なテーマもあり。ま、あくまでバカ映画なりにですが(笑) 監督も脚本も同じなのに、この違いはなんなんでしょうね~ もしかしたらアメリカの財政破綻を目の当たりしたレヴィ氏が、「商売で成功してお金が儲かればそれで幸せなのか?」なんて考えちゃったのかもしれません。
前作にはなかったものといえば、ヒロインのアメリア・イアハートに関するほろ甘苦いムードもそう。快活なキャラで映画をにぎわせてくれる彼女ですが、その命は一夜限り・・・というのがなんともさびしい。実物が最後の冒険で行方不明になっている、という史実を知ると、さらにしんみりしてしまいます。もっともそこは『ナイトミュージアム』らしく、さびしいだけでは終わりにしませんけど。演じるは『魔法にかけられて』でのお姫様役が記憶に新しいエイミー・アダムス。このひと、もうそれなりのトシのはずですが(つか、わたしのいっこ下・・・)、こういう不思議ちゃんのキャラがよく似合いますね♪

萌えたといえば、わたしがこの映画で一番萌えたのはスミソニアンにしまわれていた巨大ダコ。いやあ、本当に素晴らしいタコ描写でした! 『パイレーツ・オブ・カリビアン:デッドマンズ・チェスト』にも匹敵するタコ映画といっていいでしょう・・・ と思ったら劇場のチラシには「ダイオウイカ」とあり・・・アレ? たしかタコのような気がしたんだが・・・・
ネットを見ると、やはり「あれはタコだった」との意見が多い模様。う~ん、西洋人にとってはタコもイカも似たようなもんってことなんでしょうか? そりゃ両方食ったらおいしいけどさ(笑)。この映画は良い子のための学習映画としての側面もあるので、その辺キッチリしとかないといけないと思いますよー

さらにわたしが萌えたポイントとしては(いい加減ネタバレくさくなってきた・・・)、大魔神を彷彿とさせるようなリンカーン大統領とか(『GANTZ』みたいでもありました)、やけに生ナマしかったエジプトのホルス神とか(意外と大したことなかった)、前作から今作の間にいろいろあったオーウェン・ウィルソンとか(元気そうで良かった・・・)、どこぞの美術館の前衛作品のみなさんとかetcetc・・・・
あと「1」でもあったと思ったけど、ミニチュア人形のオクタヴィアヌスが「うおおおおおお!!」と勇猛果敢に突進したあと、急にロングにひいて「シーン」となる。このギャグがめちゃくちゃ好きです(笑)

20060821184439さて、わたしがなんでこんなに博物館にこだわってるのか最後にお教えしましょう。子供のころ恐竜系の本を読むと、だいたい「博物館へ行って、化石を見てみよう!」なんてことが書いてあるわけですが、田舎にはそういう施設がなくて憧ればかりが募ってしまったからです。
そんなわけで(特に地方の)親御さんの皆さん、シルバーウィークにはお子さんとぜひ博物館へ。わたしも近日『海のエジプト展』へ行って来る予定。別に子供はいませんけどね・・・・

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September 08, 2009

仮面らいだーディケイド 大団円の25~31話総集編+α

そのいち RXの世界?

090908_130120「今回はRXの世界の隣の世界にやってきました~」

「お前が世界の破壊者ディケイドか・・・・

オレの名は、ブラァァァック!!

「ぶらっく?」


090908_130156「さすが大人って感じだな・・・」
「単に血糖値が心配なのかもしれんぞ。オレは砂糖たっぷりのカフェモカで」
「じゃあぼくはキリマンジャロお願いします」

「ええい、仕方ない・・・
今淹れてきてやるから待ってろ!」
「あら? いいひと?」


そのに アマゾンの世界

090908_130230「ふふふ・・・ アマゾンの世界へようこそ」

「カイト!」

「この世界はすごいぞ・・・ 家にいながら、パソコンで自由に買い物ができるんだ」

「なるほど・・・ こいつは便利だ!」


090908_130312「ただオレいま、金もってないんだよなー」
「心配しなくてもいい、ツカサ! このカードで支払いを済ませたまえ!」
「おお、ありがてえ! 恩に切るぜ、カイト!」
ピー
「『そのカードはお取り扱いできません』と出たが・・・」
「ああ、やっぱりね」
「おい!」


そのさん 劇場版オールライダー対大ショッカーの世界

090908_131633「オレの名はシャドームーン・・・
多くの世界に消滅の危機が迫っている
止めたければ、各世界のライダーを集めて最強の戦士を決めることだ!」
「最強のライダーだったら、いまさら決めるまでもないだろ」
「まさか・・・ 『このオレこそそうだ!』などと言うのではあるまいな!」
「残念だがそうじゃない
いま携帯で呼んだからちょっと待ってろ」


090908_131726ずしーんずしーん

「なんだ、この地響き・・・
うわむぎゅ」

「わざわざ来てもらってすいませんねえ、Jさん」
「なあこれ・・・ 反則ぽくね?」


そのよん ライダー大戦の世界

090908_130548「ディケイド・・・・
悪いがお前にはここで消えてもらう・・・」
「なんだと! オレがなにをしたって言うんだ!」
「お前の存在が多くの世界に歪みをもたらした・・・
オリジナルやらパラレルワールドやら劇場版やら
ついには同じライダーが二人同時に存在するようになってしまった・・・
お茶の間の皆さんは大混乱だ! その責任を取ってもらう!」


090310_130258090908_130758「お前らはさぞオレが原因のようなことを言うが・・・
混乱は今に始まったことじゃない!
この二人だって見るからにそっくりじゃないか!」

「ぐぬぬぬ・・・・」
「その二人は一応そこはかとなく違う箇所があるからいいのだ!」


090908_130903090908_130548「ならこの二人はどうだ?
こんなにそっくりな二人もそうはおるまい!」
「悔しいが確かに見分けがつかない!」
「まるで瓜二つだ!」
「どうだ? 必ずしもオレが原因とは限るまい?」
「うるさい! きっとそれもお前のせいだ!」
「なんだとおお!!」

ディケイドの旅はまだ終らない。12月の劇場版を待て

おまけ:ライダー名作劇場 フランツ・F・カフカ 『変身』

090908_131045母親にリンゴをぶつけられ重傷を負ったクウガことユウスケは、今まさに死の淵にいた。
「あたしはなんてことをしてしまったの・・・
ユウスケ、母さんを許して!」
「母さん・・・ ボクこそ悪い子でごめんよ・・・
エッチな本、本当はベッドの下に隠してたんだ・・・・」
「そんなことはいいのよ! お願いだから死なないで!」
「ごらん、パトラッシュ・・・ あれはルーベンスの絵だね・・・」

090908_131410がくっ

「ユウスケ! ユウスケ!」
「ユウスケエエ!!」
キラキラキラ~shine
「あなた、ユウスケが元の姿に・・・・!」
「奇跡だ・・・ 愛の奇跡だ!!」
「ユウスケ、ゆっくりお休みなさい・・・ 苦しみも悲しみもない世界で・・・」

090908_131224翌朝

「かあちゃ~ン~ メシ~」
「あたしやっぱり実家に帰らせていただきます」
「待つんだ! 龍子!」

                                                          『変身』・完

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September 07, 2009

素晴らしき哉、兼業 田中圭一 『マンガ家田中K一がゆく!』

090906_184610以前こんな記事で「漫画家マンガにハズレなし」という言葉を紹介しましたが、また新たに漫画家マンガの傑作が世に出ました。『マンガ家田中K一がゆく!』ご紹介いたします。

時は1980年代半ば。玩具メーカーに勤めるサラリーマン一年生、田中K一くんは、たまたまみかけた雑誌で自分がかつて描いた漫画を発見する。以前投稿した作品が、忘れた頃に採用されたのだ。
そのマンガが好評を博し、田中くんは本格的にデビューを飾ることになるのだが、それには一つ問題があった。彼の勤めるヨイコトーイ(タ○ラって書けよ)の社則には、「副業禁止」という事項があったのだ。
マンガ家になることは昔からの夢。さりとて玩具メーカーでの仕事も面白い。かくして田中くんは会社にひたかくしにしながら、コミック大爆発にお下劣ギャグマンガ『ドクターパニック(秩父山って書けよ)』を連載することになるのだが・・・・・

田中氏の名前を知ったのは高校生の頃。『らんま1/2』が看板だった少年サンデーに、『昆虫物語ピースケの冒険』というそれはけったいなマンガが月一で掲載されていたのでした。
「史上最強の昆虫」を目指すオケラのピースケが、ライバルたちと熾烈なバトルを繰り広げていく・・・という内容なのですが、問題なのはこのマンガに出てくる昆虫というのが、普通に着ぐるみを着たにーちゃんねーちゃんにしか見えない、ということ。そして休む間もなく連打される下ネタの数々(少年誌なのに・・・・)
そのあまりに強烈な個性にノックアウトされたわたしは、「こんなに面白いのに、なぜ普通に毎週載らないのだろう?」と考えていましたが、後になってわかりました。田中さんはサラリーマンと二足のわらじをはいていたので、とても週間連載などやる余裕はなかったのです。

サラリーマンで漫画家をやる・・・ たとえ月一連載だとしても、これは想像以上に過酷なことであります。まず本来の休日である土日はすべて作画でつぶれる。またマンガというのはただ絵を描けばいい、というものではありません。特にギャグマンガは、余裕を持ってネタを練る時間も必要です。さらに単行本を出す時には普段の作業に加えて、書き直しもしなければならない。とどめにヨイコトーイというかタ○ラは「死ぬほど忙しく」「休日出勤も珍しくない」バリバリ体育会系の会社だったという・・・・

普通死にますよね(笑)

実際田中さんも途中輪郭が乱れに乱れまくった状態で「まったくアイデアが浮かばなくなっちゃんですよー!!」「もう単行本なんて出なくたっていいよー!!」と叫ぶ有様。なのにこのマンガからは暗さや深刻さがまったく伝わってきません(笑)

それは兼業のきつさと同時に、田中さんがその二つの仕事をいかに愛し、楽しんでいるかがよく伝わってくるから。世の中には望まぬ仕事をしている人も多い中で、本当に自分のやりたい仕事を二つ同時にできている。これは確かに多大な苦労もふっとぶほどのパワーを与えてくれることかもしれません。田中氏お得意の下ネタも大いに深刻さをやわらげております(笑)

あとこれまでの作品と違うのは、なんと田中圭一のマンガなのに、普通に心が温まり、普通に感動するというところ。これに関しては田中氏自身も「新境地」と述べておられます。

以下は結末をばらしてありますので、「オレ、たぶん読まないよ」という方だけご覧ください・・・・

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いろいろあって、とうとう上司に田中君の副業がばれてしまう日がやってきます。田中君をかばおうと、自分の例を話すやはり兼業マンガ家のすえひろがり福(しりあがり寿って書けよ)に対し、上司はこう言い放ちます。

「関係ない・・・ あなたの上司が何を言ったかなんて関係ない」「ウチの会社は体育会系でルールにも厳しい」「残業も多いし休日出勤も頻繁にあります」「そんな中にあってこの田中は」「人より多く仕事し休日出勤にも不満ひとつ言わない」「そのうえこんなことまでしていたなんて」「がんばってたんだな おまえ

その言葉に耐え切れず、叫ぶ田中君

「所長、お願いです!」「会社に迷惑は絶対かけません」「だから・・・・」「だからこれからもマンガ家を続けさせてください!

すると上司は穏やかに微笑み
「わかったよ」「なにかあればオレが守ってやるから」「その代わり、そのうち会社が儲かるようなマンガも描いてくれ!」

そして泣き崩れる田中君・・・・

だのにその後、彼は『ヤング田中K一』というマンガでタ○ラのやばい内情を次から次へとぶちまけてしまいます。この恩知らず!! 素敵だ!!

090906_184632ま、そんな風にハートウォーミングな作品なんですが、このマンガ、かなりの度合いでフィクションが混じっているようです。作者自身がオマケのページで述べていることなので、まちがいありません。
こういうのは普通フィクション部分は脚色程度にとどめておくものだと思うのですが、そこはサービス精神豊かな田中さんのこと、「こうだったらもっと面白いのに」と思うと、ドンドンそっちの方へ進んで行っちゃうんでしょうね(笑)

というわけで、より正確な真実が知りたい方はやっぱり買ってください。角川書店よりちょい大判で発売中。1100円は高くないか!(←衝動買いしてしまった)

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September 04, 2009

仮面だらけの大運動会 『劇場版仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』

090903_145817なにはともあれ、公開第一週終末(あ、週末か)興行成績第1位、おめでとうございました。
と、いうわけで夏休みは終わったけど、シルバーウィークまでがんばってやってるんでしょうか? 『劇場版仮面ライダーディケイド』やっとこレビューいたします。こんだけ経ってるから、もうネタバレ全開で。これから見ようかという方は避難してください。

時空を越えて様々な世界をめぐり、その危機を救ってきた仮面ライダーディケイド=門矢士。自分の記憶を思い出せないまま戦い続けていた彼だったが、とうとう自分がもといた世界にたどりつく。そこには彼を待っていた妹・小夜がいた。再会を喜ぶ間もなく、消滅が加速していく世界。それを止める方法は各世界のライダーたちが戦い合い、最強の戦士を決めることだという。そして戦いの最中、士は自分が何者であったのかついに思い出す・・・・

平成ライダー10周年ということで、それまで登場したライダーたちが入れ替わり立ち代り登場しつづけてきた『ディケイド』。その集大成ということで、この劇場版には一号から今作まで、主役を務めた全25名のライダーが総登場します。
どっひゃ~━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!
ちなみに某スポーツ紙には「怪人たちより多い?」とスクープされていましたcoldsweats01
幼少のみぎりよりライダーに親しんでいたわたしにしてみれば、「そういやあんな人もいたこんな人もいた」と、ノスタルジックが止まらない状態でありましたよ。

ちなみにわたしが最初にオンエアを見たのは八代目にあたる「スカイライダー」(作品としては第六作)。仮面ライダーのくせに空を飛ぶという掟破りのライダーです。変身前を演じておられたのは村上弘明さん。ライダー俳優の中ではトップ5に入るくらいの出世株ではないでしょうか。あとの4人は藤岡弘、菅田俊、オダギリジョー、水嶋ヒロといったところ? 当然ながら?今回は全員出ていません。

そんなライダーチルドレン(第二世代だけど)なわたくしが、この映画で燃えた部分などざーっとあげてみたいと思います。
・アマゾンVS響鬼
「うっかり怪人が紛れ込んでしまった?」的なデザインの対決。そういえばシンは普通に「いいもん」として認知されていたけど、ライダーの皆さんは他の世界のこともよく勉強されておられるのでしょうか

ほかにも
・ストロンガーVSブレイド
の電気カブトムシ対決や、
・V3・スーパー1・ブラックRX・チーム
の「とりあえずおいしそうなとこ集めてみました」みたいな顔合わせにははしゃいじゃいましたね

お話の重要なカギを握るキャラとして登場するのが大浦龍宇一演じるシャドームーン。ライダーよりもライダーらしく、美しいそのデザインには登場時「ズキュウウウウン」と来るものがありましたねえ。ブラックさんに何か一言あるかと思いましたが、お互いオリジナルとは別人のようなので仕方ないですか。
別人といえばガクト演じるユウキジョウジは、どうやら劇中に登場する「ライダーマン」とはどうやら別人のようです。だからあの「かぽっ」とメットをかぶる変身シーンがなかったんですね。それってずるくない? あとあのよくバルタン星人の腕のようなものはいったいなんだったんでしょう。

そしてクライマックスは言うには及ばず。ダブルライダーキックや全員ライダーキックやジャンボライダーキックや・・・・ ってキックばっかしじゃねえか! でもまあライダーといえばキック。それはある意味正しいですね。
番宣的に登場したW君もなかなかのインパクトでした。主役を食わないように最後まで手伝わないあたりも気が利いてます。

あ、わたしストーリーについては何もふれてませんね・・・・ 察してください(笑)。毎年同じことを書いてますけど、やっぱしもう一時間でもあればもっと自然なものができるんではないでしょうか。あと門矢兄妹は世界にあんだけ迷惑かけたんだから、もう少し反省しましょう。


・・・・さて、みなさんテレビの方の最終回見ました? とんでもねえことやっちゃいましたね・・・・噂ではこの劇場版は「テレビ版最終回のあとの話」と聞いてましたが、例によって全然つながっておりません(笑)
本編の29話ラストから枝分かれした、「もうひとつの最終回」とみるのが一番自然でしょうか。あの「すごい」最終回についてはまた別記事でねっちょりぐっちょり書きます。

090903_151227ストーリー的にはアレなところもありましたが、パブロフの犬のごとくキャンキャン楽しんでしまった『オールライダー対大ショッカー』。サービス的にもかなり破格な作品であったと思います。この分では春の『電王』ともども今年の「えこひいき賞」を逃してしまうかも・・・・ いや、それともやはりこの作品こそが「えこひいき賞」にこそふさわしい!?
結果は四ヵ月後!(今年ももうあとそんだけですよ・・・)

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