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August 02, 2009

怪物総進撃 ロブ・レターマン 『モンスターVSエイリアン』

090802_185318日の下で語られることの、すべてが真実とは限らないー

アメリカの歴史にあって、あまりにおぞましすぎるゆえに、その存在をひたかくしにされてきた異形の者たち。彼らの名は「モンスター」。突如として飛来した謎の隕石の力により、15メートルにも巨大化してしまったスーザンも、望まずしてその一員となった。本来なら政府の庇護のもと、一生を飼い殺しで終えるはずだった彼らだったが、隕石を追ってやってきた宇宙よりの侵略者が、怪物たちの運命を大きく変えることに。
核兵器を使うことをためらうアメリカ政府は、モンスターらに命を賭してエイリアンを撃退することを命じる。スーザンたちは、その過酷なミッションを見事果たすことができるだろうか?


・・・・・。おっと。うっかりかっこよく紹介してしまったな。これまでにも『シュレック』や『カンフーパンダ』などでヒットを飛ばしてきた、ドリームワークスのCGアニメ最新作。
実はわたし、ドリワーさんのCGアニメにはそれほど心魅かれたことはなくて。なんかピクサーに比べると、「とりあえず動物に変わったことでもさせときゃいいだろ」みたいな発想が多いんですよね。
でもしかし、今回そのタイトルを聞いたときにはさすがにあっけに取られましたよ・・・・

モンスターVSエイリアン・・・・

モンスターVSエイリアンですよ!!

もー、このタイトルだけで及第点あげるよ、って感じですね。バカ映画好きとしては。ゴジラとエイリアンって果たしてどっちが強いんだろう・・・ しょうねんじだいのときめきがふたたびむねによみがえりますよね(棒読みで)

ではそんな華麗な面々を紹介いたしましょう。まずヒロインのスーザン。そこそこ可愛く、まあまあがんばってました。おしまい。そうそう、ベッキーは吹替え上手でしたよ。
次いで怪物たちの頭脳とも言えるコックローチ博士。禁断の実験の結果ゴキブリと融合してしまったという喜劇の科学者。そのあまりにも『ザ・フライ』な出自には大爆笑ですが、デザイン的にもちっとなんとかならなかったのかな・・・・ 思ったんですけど、怪物に表情はいりませんね。アクションだけで勝負してほしいものです。

さらに加えて半魚人がモデルらしきミッシング・リンク。アマゾンではなくビーチでギャルたちを追っかけてたところなどは、キャメロン幻の名作『殺人魚フライング・キラー』を思い出させます。
そしてモンスターチームの目玉ともいえる不定形生物ボブ。変幻自在に形を変えて器用なところを見せてくれます。誕生の経緯などは、なんとなく『妖怪人間べム』みたい。
この二匹はミッションでほとんど役に立ってません。ただお笑いを取ることだけに専念しています。マジメな映画だったら予算の無駄でしかありませんが、コメディでは極めて重要な存在です。

んで、わたしがもっとも萌えたのが体長100メートルにも及ぶ大怪獣ムシザウルス。目の焦点があっていないところがたまらなく可愛いです
また、ヱイリアンが繰り出すどでかいポットみたいなロボットも、とてもキュートです。なんか言いたげなんだけど、しゃべる機能がついていないため何も言えないところが大変おくゆかしい。
この二体は楕円を基調としてデザインされているせいか、なんだか見ていてほのぼのとした安心感を抱かせます。人を怖がらせなきゃいけないモンスターが、安心感を与えてどーすんだ、という気はしますが。

この二体が橋を挟んで相対するところが個人的に一番興奮したあたり。なぜ!? どうしてこんなにもかわいいあなたたちが戦い合わねばならないの!? 
わりかしどうでもいい(あっ)スーザンも建物の上から上を飛び歩いて、縦横無尽の活躍を見せてくれます。

以下、ぼちぼち本バレ。未見の方は避難してください。

そんな風に中盤はすごく盛り上がった気がしたんですが、親玉のエイリアンが登場して以降は、あまりにも定番というか、よくある展開になってしまったような。ついこないだ、『スタートレック』を見たばっかしだったせいもあるかもしれません。このしっちゃかめっちゃかな連中なら、もっともっと話を面白くできたような気もするんだけどなー

これは推測ですけど、ドリームワークスの制作スケジュールというのは、わりかしタイトなものなんじゃないかな、と。お話をさらに練り上げたくても、いいアイデアが浮かぶ前にタイムアップとなってしまうのでは。
その点ピクサーなどはアイデアを考えていて、行き詰ってしまうと、いい案が出るまでそれこそ何年も何年も寝かしておくそうです。あの百発百中の実績には、そういう制作スタイルが大きく寄与しているのですね。もっとも、そんなのんびりした作り方が許されるのは、ピクサーくらいのものなのかもしれませんが・・・・

あとこんな風に思うのはわたしが映画オタクであるからであって、本来の観客層である子供たちが喜べばそれでいいのです。実際後半だって飛びぬけてはいないけど、普通に面白いし。正直に言うと、モンスターたちが死を覚悟した際、「お前たちとここまで来れて誇りに思うよ」「オレもだ」「じゃあまた明日ね!」と語るシーンには不覚にも目頭が熱くなりました。

最初に出てくるロゴマークをいじったギャグも、ドリームワークスならでは。ディズニー系ではちょっとできないと思います。

090802_185441『グレンラガン』『エウレカセブン』『ターミネーター4』『トランスフォーマー』『エヴァンゲリオン』そして本作と続いて来た今年のロボット祭りも、これにていよいよ終了ですかね・・・・ ちょっとさびしい。

でも忘れないで! あなたの心の中に、いつもロボはいるのです!


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Comments

こんばんわです。
後半だれた…てのは結構多い方の共通の意見のようです。仰るように私もあれは練り不足、時間切れかな、と思ってました。
でも、もしそうだとしても、ものを創る人には絶対にできない言い訳でもありますね。だから結果が全て。…とはいえ、よくがんばってたので『オススメ座CINEMA』で記事にしてトラバさせていただきました。
コックローチ博士のあの姿は50年代の『ハエ男』のデフォルメでしょう。ボブの出自は伝説のB級映画『アタック・オブ・キラーザ・トマト』かと。
で、楕円…というよりあれは多分ハンプディ・ダンプティ。昔からいろんなカタチで描かれる彼の絵って結構怖くないですか?
ところでロボット祭。次はテレビを楽しんでくださいよ。『マジンガーZ』なんか無茶苦茶なのになかなか面白いですよ。

Posted by: よろづ屋TOM | August 02, 2009 10:25 PM

>よろづ屋TOMさま

またしてもお越しいただきまことにありがとうございます。
だれた・・・とは思わなかったんですが、もうひとひねりというか、もう一回り弾けたクライマックスを期待してたのは確かですね~

>ものを創る人には絶対にできない言い訳でもありますね

ううむ・・・ TOMさんがいうと説得力がありますね・・・
限られた条件で最良のものを生み出してこそプロ、ということでしょうか

コックローチ博士は確かに大元をたどれば『蝿男の恐怖』ですよね。でもツギハギじゃなくて見事に融合しちゃってるところは『ザ・フライ』に近いな、と思いました

あとハンプティ・ダンプティはあんまし知らないのですが、わずかな記憶を呼び起こすと、確かに怪物的な容貌だったような
マザーグースは歌詞もけっこう不気味ですしね・・・

あ、『真マジンガー』は観てます。なんせ地元が舞台なもので(笑)
あれは非常にていねいにロケハンしてますね~ 秘宝館の手前で引き返すシロー君には大爆笑でした

Posted by: SGA屋伍一 | August 03, 2009 09:15 PM

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Tracked on August 02, 2009 10:11 PM

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