新たなる破滅 庵野秀明 『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破』 0パート
先日二回目を見てきました『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破』。本日はそのベースとなっているTV版7~19話の思い出などを少々。
ついでながらAパートの記事はコチラ。Bパートの記事はコチラ。1~6話の思い出はコチラ。
この『破』ですが、6話分しか扱わなかった『序』に比べると、明らかにカバーする量が増えてますよね・・・ 実に約二倍。しかしまあこの辺はトウジ関連の17~19話をのぞけば基本的に一話完結ペースなので、切りやすいところもいろいろあるというか。
まず間奏的というか番外編的な第七話。これはまあミサトさんのキャラを掘り下げるためのエピソードですね。もちろん新劇場版からはカットされました
そして冒頭部分のベースとなった8~10話。いわば「アスカ登場編」とでもいいましょうか。実はこの辺がわたしが『エヴァ』で一番盛り下がってたあたりです(笑)
やっぱり~ 自分は~ 硬派な人間(笑)なので~ あんましラブコメとか好きじゃないんですよ!(あっ でも『めぞん一刻』とかは好きです)。せっかくハードな作風に「認めてやってもいいかな」と思ってたのに、「『面白いロボットアニメを見せてやる』とか言いながら、しょせんお前らのやりたいことはキャピキャピ美少女アニメか!」とむなしい怒りを燃やしたものでした。
ただ11話はコミカルなムードは依然として残っていたものの、エヴァ三機の揃い踏みや「限られた条件の中での戦闘」という要素がなかなかに心地よく、多少は機嫌が治りました。ちなみにここも新劇場版ではカット。
そして12話。これまた絶体絶命の危機をどうやって乗り切るか、というドキドキ感。そして「初めてほめてもらったんだ・・・」というシンジ君の笑顔。「をを、序盤のムードが帰ってきた」とひとまず胸をなでおろしたのでした。あとから振り返ってみると、『エヴァ』という物語が明るかったのは本当にこの7~12話くらいで、今にしてみれば「それなりに貴重な部分だったかなあ」と思わないでもないです。
続く13話はリツコさんのキャラを掘り下げるエピソード。14話は今までの流れを振り返り、謎を再確認する総集編的な位置づけ。んで、15話はシンジと父、ミサトと加治の不器用なコミュニケーションを描いたお話。
14話の斬新な演出には関心したものの、三回続けて戦闘シーンがほとんどないのはどういうことかと。別な意味で『エヴァ』が心配になってきたりして。ただほとんど人間関係だけを描いた15話は、部分的に新劇場版でもコミック版でも使われているので、意外と重要なエピソードだったようです。
さらに16話。巨大なスーパーボールに取り込まれてしまったシンジと初号機のお話。電車の中で向かい合う幼いシンジと今のシンジ。こういった心理描写にようやく「『エヴァ』ってとんでもなくすごい作品のかも・・・」と思ったりして。というわけでわたしのベストエピソードの一つなんですが、これまた劇場版からもコミック版からもカット。ああ・・・ 不憫・・・
せめて桜・稲垣早季さんの迫真の演技をご覧ください。1分25秒あたりから
http://www.youtube.com/watch?v=VYUHg1BSudc&feature=related
そんで『エヴァ』のひとつのクライマックスとも言える17~19話。18話などは「嫌な話」といってしまえばそれまでですが、このインパクトというか緊迫感は、アニメ史上有数のものと言えるんではないでしょうか。わたしも「なんとか助かってほしい・・・!」と思いながら、口をあんぐりあけてブラウン管を見守っておりましたよ。大量の血で真っ赤に染まる信号機が、また衝撃的でありました。
ただ、すぐ次の回で十分にカタルシスを与えてくれているのは救いでした。ここまで展開が急だと普通はついていけなかったりするものですが、すっかりシンジ君にシンクロしていたせいか、まったく気になりませんでした。
ほとんどアニメなど見ない友人が『エヴァ』を見ていて、一番印象に残ったのがこのあたりだったそうです。そのせいか、そのあとはほとんど覚えていませんでした(笑)
と、いうわけで順当にいくなら残りはあと七話分ですが、もう完全にテレビシリーズとは違う方向に行っちゃう気がするなあ。わたしはそれでも全然かまいませんけど。制作スタッフに言いたいことはただ一つ
「真のサービスとはお客さんをあまり待たせないことです!」
以上。
Comments
こんばんわ。
お墓参りで思わず涙しました。顛末はブログにて。
>「エヴァ」
たたんだ風呂敷をまた広げてしまうか・・・・・・
んで、4足歩行タイプとか出したりして今回庵野氏は
何がやりたいのか判らない・・・・・・・・・。
>「真のサービスとはお客さんを
>あまり待たせないことです!」
今時の客はそれを当たり前だと思うんだろうけど
それは違うよ。少しぐらい待たされても笑ってしまおう
なぐらいがいい。お互い、思い上がっちゃいかん。
ところで・・・・・・・・・・・・・・
今週の「大河」サブタイトルは見事に当ててしまったものの
やはり真の「故郷」を欲す私からはムカつく「茶番」に
見えてしまうわけで・・・・・・・・・・見なかった。
信長も秀吉も生まれた土地を大事にしなかったから
最後は家康に掠め取られるのじゃ!
SGAやんもどう生きようが勝手だけど
生まれた土地は大事にしてください。
いや、関係ない愚痴になってごめん。
ところで、最近寝る前は「風雲児たち」読むようになりました。
「語る会」が懐かしいまさとしでした。
Posted by: まさとし3055 | August 25, 2009 11:03 PM
あーー!!ともだち!!!
ともだち最終章もいよいよ今週末ですね。
最近、公開されてすぐに観ておかないと観るのがめんどうになって結局観ない、というパターンが多いので、
とっとと観に行こうと思ってます。
実はテレビシリーズの何話がどのエピソードだったか、あんまり覚えてないんですけど・・・
言われてみればごっそりカットされてる話がいっぱいありますね。
シンジとアスカが息をぴったり合わせるためにダンスしたりとか
正直どうでも良かったので、なくなって良かったです。
また2年くらいなら全然待てるけど、それ以上はちょっと待ちきれないですね〜
Posted by: kenko | August 26, 2009 04:09 PM
>まさとし3055さま
毎度だす。今年の夏もぼちぼち終わりですね。まさとしさんにはぜひ『サマーウォーズ』をみてほしいです
>えば
わたしとしては今回の一連の劇場版は「2」への壮大な布石ではないかと勝手に思ってますよ(笑)
これまでの彼の言動などからして、前回よりも前向きで健康的な結末を迎えるんでは
>少しぐらい待たされても笑ってしまおう
なぐらいがいい。お互い、思い上がっちゃいかん。
目からウロコです。そういえばこのブログのモットーは「謙虚になまぬるく」だった・・・
よく忘れるけどね
『天地人』最新話はまだ見てないのです。一応再放送で見る予定
家康・政宗に配置換えがあったのは知ってたけど、上杉家にもあったんですね
とりあえず郷土は大事にしていきたいと思います。わし、ここでしか暮らしたことないし。海と山が両方望めるいいとこでっせ
語る会・・・ そろそろやらんですかね? 長屋ではセンセが「年内は無理」とかおっしゃってたけど・・・
Posted by: SGA屋伍一 | August 26, 2009 08:29 PM
>kenkoさま
こちらにもどうもありがとうございまする~
第一章がちょうど去年のいまごろでしたっけ? 月日がたつのははやいものですね・・・
原作とは異なるEND、しかとこの目で確かめてこようと思います。まあ原作最後まで読んでないんですけどね
はたしてシンジ、じゃなくてケンジはサードインパクトをとめることができるのか!?
>正直どうでも良かったので、なくなって良かったです
まったく同感です(笑) わたしあの辺、あまりに恥ずかしくて早送りしながら見てましたから・・・
ただあのアスカがシンジに夜這いをかける(違)シーンは、このエピソードからの流用なんですよね。ちょっとアレンジを加えただけで、ずいぶん印象が変わって見えるもんだなあと
あとカットされたエピソードでは、リツコさんがコンピューターウィルス相手にほとんど一人で奮闘する話が思い出深いです
公開時期も気になるけど、監督がまた壊れたりしないか心配です・・・
Posted by: SGA屋伍一 | August 26, 2009 08:47 PM