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August 06, 2009

発明と転職の20年 ニック・パーク 『ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢』

20060424162837♪パンパカパンパカパパ~ン パカパカ~パカパカ~!!

すいません! 今日はいつもよりはしゃいでます! クレイアニメの最高峰『ウォレスとグルミット』最新作、『ベーカリー街の悪夢』、紹介しちゃうぜウヒョ~!!ヽ(´▽`)/

ロンドンでも指折りのパン屋さんたちが集まるベーカリー街。そこに我らが発明王ウォレスと、忠犬グルミットの姿もあった。たしか前作ではウサギ駆除、前々作では窓拭き業をやっていたはずだが・・・ どうも一つの仕事が長く続かない性分のようです。
街には恐ろしいニュースがありました。なんと次々と何者かの手によってパン屋たちが殺害されているという。恐怖に怯えながらも「考えてみりゃ商売敵が減ってラッキーだ」と、 ウォレスさんいきなり問題発言。
ま、そんな感じで商売を続けるW&G。ある日ウォレスはパンのCMで有名な松たか子・・・ではなく、パイエラという女優と知り合います。いつものように速攻で恋に落ちるウォレス。前にいい感じだった資産家のマダムはどうしたんだ!? どうやら飽きが早いのは仕事だけではないよう。
二人の仲は急速に深まり、ついには婚約を取り交わすまでに。ウォレスもいよいよ寅さん卒業か!? しかしグルミットは気づいてしまったのでした。その幸せの背後に、例の殺人鬼の影がしのびよっていることに・・・・
ひいいいいいいいい!!

えー、今回のウォ・グル、前作までとは少々毛色が違ってまして。なんと作中で殺人が起きてしまうという。これまで一滴の血も流れなかったウォ・グルがいったいなぜ? アードマン・アニメーションにいったい何が起きているのか!? 
恐怖はそれだけにとどまらず、なんと○○が○○に○○られてしまうシーンさえあります。親御さんのみなさんは、よく考えられてからお子さんと一緒にご覧になってください!
ま、わたしゃ別に全然かまいませんけど。

ほかの特色といえば、今回はヒッチコック風味のサスペンス仕立てになっているということ。一時の油断も死につながりかねない緊張感が、絶えずスクリーンにみなぎっています(本当か?)
あと表題ともなってるパン。いやー、パンを使ってあんなことやこんなことまで出来てしまうんですね。伊東家の食卓も真っ青の裏ワザが連発されます。そんなんありえねーだろというツッコミはそっと胸にしまってください。
いつものオートメーション・メカ描写も、パンをからめたものとなっております。クライマックスにはなんと○○○○○○のあのメカも登場! 乞うご期待!

さて、今年は『ウォレスとグルミット』のシリーズ20周年を記念して、第一作から第三作までが特別同時上映となっております。その辺についてもさらっと書いてみましょう。

☆『チーズ・ホリデー』
好物のチーズが切れたことに気づいたウォレス氏は、チーズで出来ていると言われる月へ行くことにします。ロケットを飛ばしたその先には、コインで動く奇妙なロボットがいて・・・・
ひたすら脈絡のない、シュールなストーリーが展開されます。それがまた独特な味わいになっていたりして。十年以上前に見たときは「なんか地味だな」と思ったものでしたが、今回スクリーンで見たらなかなか面白かった。特に広大なチーズの平野のヴィジュアルは印象深いです。

☆『ペンギンに気をつけろ!』
家計が逼迫し始めたウォレス家は、間借り人を募集することにします。やってきたのは一羽のペンギン。一応礼儀正しいものの、このペンギン、なにか怪しい・・・
シリーズ中一番好きなのはこの作品かも。ペンギン・自動ズボン・汽車のオモチャ・巻尺のエレベーター・手袋の変装・グルミットの黄色いレインコート・クライマックスの一大アクション・そして「きゅぽっ」
すべてがいとおしい。レンタルでシリーズのどれを借りようか迷ったら、まずこちらをご覧ください。

☆『危機一髪!』
窓拭き業を始めたウォレスとグルミット。そのころ街では羊が大量に誘拐されるという事件が起きていた。そんな折、ウォレス家に一匹の迷子の羊がやってくる・・・
この作品は目玉は羊です。ドサドサ転がりまわったかと思えば、華麗なチームワークを見せてくれたり。羊好きにはたまりません。この羊のキャラが人気が出て『ひつじのショーン』というスピンオフまで制作されました。メカ描写では窓拭き用のサイドカーが、びっくり仰天のギミック&アクションで楽しませてくれます。

二十年の流れをざざーっと見てみると、一人と一匹の造形に微妙な違いがあることがわかって感慨深いですね。六年かかったという『チーズホリデー』なんか一作品の中だけでもちょこちょこ変わってるし(笑)

20071117174255シリーズにはこのほかに長編『野菜畑で大ピンチ!』と1,2分程度の作品が十本収められた『おすすめ生活』があります。それらも大変おすすめ。
なんつーか、わたしにとっては「あるだけでありがたい」、そんなシリーズであります。

♪パンパカパンパカパパーン

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Comments

私もこのシリーズ大好きなんですよ〜。
今回は、殺人シーンがあったり、ラストが・・・
ちょっと毒が強かったですよねー。
でも、映画のワンシーンがいっぱい盛り込まれたりで
面白かったです。

シリーズでは、やはり「ペンギンに気をつけろ!」が最高ですよね。
あのペンギンさん悪い奴なのに、妙にキュートなんですよねー。
それにしても、グルミットは賢いし可愛いですよね(^_^)

Posted by: ルナ | September 01, 2009 01:42 AM

>ルナさま

こんにちは。この記事張り切って書いた割には何の反応もなかったので(笑)、コメントいただいて大変嬉しいです

今回は毒があり、皮肉も利いてましたね・・・ でももしかしたらこれが本来のイギリスのコメディのタッチなんでしょうか?
なんせマザーグースやモンティ・パイソンの国ですし

こないだあるウォレス好きの人と話をしたのですが、「やっぱりペンギンの『きゅぽっ』が最高だよねー」と盛り上がりました(笑)
『おすすめ生活』の中で「ペンギンの逆襲」という番組がちょろっとかかるシーンがあるんですが、ぜひ逆襲・・・というか、また再登場してほしいですね!

Posted by: SGA屋伍一 | September 01, 2009 12:47 PM

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Tracked on September 01, 2009 01:42 AM

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