スピード1番、ガードは2番 スティーブン・ソマーズ 『G.I.ジョー』
・・・・惨事のやぐらはエッフェル塔、ってか。
本日はちょい後発のサマームービー『G.I.ジョー』をご紹介いたします。
ストーリーはいたって簡単。ナノマシンによりあらゆるものを食い尽くす新兵器「ナノタイド」(これ、けっこうクリーンな兵器でない?)。それを利用して世界征服を企む悪の組織と、世界各国のエキスパートにより構成された秘密部隊「G.I.ジョー」の戦いを描いた作品。
対立する組織に元恋人や兄弟弟子がいたりするのが、すごい偶然であります。
「G.I.ジョー」とはもともとアメリカで作られた兵隊さんのフィギュア・シリーズ。長年に渡って人気を博し、80年代にはそれをもとにしたアニメも作られました。このアニメ、日本でも『トランスフォーマー』に続けとばかりに放映されましたが、巨大ロボの集団戦に比べると、ガキンチョの目にはイマイチ地味に映ったものでした。
そしてまた今回もTFのあとを追うように公開・・・ 配給さん! ジョーの立場のことも少しは考えてやってください!
さて、監督は5年ぶりにメガホンを取ったスティーブン・ソマーズ。この人は善玉と悪玉のチーム戦を描くのが好きですね。ほんで明らかに悪玉・悪女の方に力が入ってる(笑)
悪の組織コブラのメンバーをざっと見てみますと、白装束のイケメン忍者にメガネボインのお姉さん、肉体を変形できる変装の名人に、ガスマスクを着けたマッドサイエンティスト・・・・ どいつもこいつもインパクトありすぎです。
んで、この悪いヤツラ、ジョーたちに比べると人数的には劣勢ながら、十分互角にわたりあい、それぞれ納得のいく結末まで用意されています。だいたいこの映画、悪者に始まって悪者で終ってるし。ソマっちの悪者への偏愛ぶりがよくわかりました。わたしもクライマックスで大軍勢に攻め込まれている彼らを見ていたら、なんだか応援してあげたい気分になっちゃったし
かといって善玉にまったく魅力がないかというと、そんなことはありません。わたしがなによりも魅かれたのは主役二人が装着する「加速スーツ」。正直に言うと、このスーツが目当てでこの映画を見に行ったようなものです。やはり小学校時代いつも徒競走でビリ近くだったものとしては、「人より早く動ける」というところに病的な憧れがあるのです。
その加速スーツ、期待に違わずシャカシャカピョコピョコよく動いてました。かっこいいというより、そこだけ早回しされてるようなユーモラスな動きでしたが、それはそれで面白かったです。
おしむらくはこのスーツ、中盤くらいしか出番がないということ。最初から最後までずーっと着ててくれればよかったのになあ。
また、割と個性に乏しいジョーズの中で、一人強烈にキャラ立ちしているのがレイ・パーク演じる「スネーク・アイズ」。全身黒装束に身を包んだ現代のニンジャ。顔はバイザーで隠され、いかなる時も一言も言葉を発しない(任務に支障はないのか?)。浮浪児だったところを相撲部屋のようなお寺に拾われ、そこで拳法を拾得。さらに子供時代は白人だったはずなのに、大きくなってからは黒人になってる? 謎・謎・謎の男でございます。
このスネークアイズの回想シーン、「どこだここは」と言いたくなるような日本が出てきて笑えます。最近ハリウッドの日本描写もわりかししっかりしてきたので、こういうの見るとむしろほっとするような(笑)
あと激しい追跡劇や争奪戦を繰り広げたあと、最後は敵の本拠地になぐりこみ・・・ というこの構成、007によく似ています。ちょうど007がたくさんいてチームを組んでいるような、そんな映画と言えるかもしれません。あのシリーズをほうふつとさせるような珍兵器も、次から次へと出てきますし。「最近の007はリアルになっちゃってさびしいよなー」という方にはぜひおすすめです。
というわけでこの劇場版『G.I.ジョー』、個人的にはなかなか気に入りました。やっぱり夏にはこんなスカッとのどごしさわやかな、見終わったあと何も残らない映画がよく似合います。
ちなみに隣のイラストはアニメ版コブラコマンダーさん。動いているところは下記URLから見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=lmrT0bCFEIY&feature=related
♪G.I.ジョー いま翼ひろげ G.I.ジョー 時を越えて飛べ
Comments
こちらにもお邪魔します♪
観終わった後、何~にも残りませんでしたが(笑)、それなりに面白かったですよね!
これで、、、好みのイケメンでも出ていれば、わたくしボーボーと燃えたんだろうなぁ(笑)
韓国映画を観ないので(汗)ビョンホンさんの出る映画は初めて観ましたが、結構活躍していましたね~お喜びのご婦人がたも多いことでしょう。
どうやら続編も決まったようだし、顔を変形させた方がどういう戦法に出てくるか、、、楽しみです(一応・笑)
Posted by: 由香 | August 23, 2009 05:48 PM
SGAさんこんばんわ♪
ハイパースーツ目当てという点では自分もSGAさんと同じですね♪予告編でミサイルをアクロバティックにかわすシーンは何度観ても凄いと思ってしまいましたし、腕に装着してるガトリングも男のマロンを刺激してくれる見事なまでのぶっ放しっぷりでテンション上がりまくりでしたね~♪
でも当初ハイパースーツの加速装置って『クロックアップか!』っていうツッコミを入れる準備をしてたんですが、自分が思ってたのとはちょっと違った加速の仕方でしたねそれにハイパースーツもパリの攻防戦のみの使用だったので、個人的にはもうちょっと使用頻度を上げて欲しかったかもしれません。
まあでもその辺りは是非続編でパワーアップをして、ハイパースーツもやり過ぎなくらい大暴れする内容にしてほしいですねぇ。
Posted by: メビウス | August 23, 2009 07:06 PM
私もこれ、観たあとなんも残りませんでした〜
寝不足だったせいもあるかな〜
細かいところが全然思い出せません
加速スーツはもっと着ててほしかったですね。
あれがメインだと思ってたのに。
ラスト敵の本拠地でも着てなかった?ですよね。
結局いちばん萌えたのは忍者だった
ビョン様もスネークアイズもなかなかカッコ良かったです!
Posted by: kenko | August 24, 2009 06:47 PM
>由香さん
こちらにもサンクスです
この映画、評判悪くもないけど、決してよくもないですね
「メカ萌え」「発明萌え」がないと楽しむのは厳しいかも
由香さんはビョンホン氏には萌えませんでしたか? 彼、原田泰造によく似てますよね。もしかして本人?
変装の人は続編では黒人になってて「we can change!」とか言ってるような気がします(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2009 07:24 AM
>メビウスさん
おはようございます
来ましたメカ萌え仲間(笑) このスーツ、やっぱりアイアンマンの影響なんでしょうか? それともやっぱり平成ライダー?
動きのヘンテコぶりでは『G.I.ジョー』が一番だと思います(笑)
あと野暮ですけどメビウスさん、ロマンがマロンになってますよ・・・
それともパリ→マロングラッセというハイレベルなギャグなのか? 恐るべし!
続編でのパワーアップ案としては、さらに音速までスピードアップできるようにするとか。もちろん街は大破壊、装着者も命の保証はありません(G4?)
あと今回見分けがつきにくかったので、二つ以上ある場合はカラーリングを変えてほしいな、と
Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2009 07:32 AM
>kenkoさま
こんばんは
人によっては「のどごしさわやか」にくわえて「眠くなる」という効果もあるようで、ますますビールみたいな映画ですね
わたしゃけっこうハイテンションになれましたけど。ヨッパライ状態で楽しんでました(笑)
加速スーツのシーンはお金がかかるんでしょうね。やっぱし
幸い本国ではヒットしてるようなので、次回はTF同様もっと予算がもらえますように
忍者よかったですよね! いや、ここはニンジャと書くべきか?
善玉が黒で悪者が白というのも面白かったです
Posted by: SGA屋伍一 | August 25, 2009 07:37 AM
こんばんは!
ほんとに喉ごし爽やかで,後に何も残らない作品ですが
夏はこんなのもいいですよね~~,生ビールのようです。
>明らかに悪玉・悪女の方に力が入ってる(笑)
たしかに~~。どいつもこいつも笑えちゃうほどひねりのあるキャラでしたー。
そんでもって悪玉は不滅のままラストを迎えてるし。
ビョンホンさんの忍者も実は死んでない・・・ってことになりそうな予感しますし。
彼が出るなら,続編もきっと観に行きます。
出ないなら・・・・うーん,それでもDVDでは観ると思います。
肩が凝ったときなんか,ズガーン!ドドーンと,
ストレス解消にもってこいですから。
Posted by: なな | August 28, 2009 10:04 PM
>ななさん
おはようございます。すいません。昨日つづけてお返事書こうと思ったのですが、睡魔の前にばったり倒れてしまいました
正直に言うと夏場はビールよりもドラフト1などの「その他の醸造酒」を飲むことのほうが多いです。発泡酒よりもさらに1ランク低いやつ。貧乏なので・・・
ななさんはそんなにビョンホンがお好きなのですか・・・ そうそう、『JSA』見た時も「このひと原田泰造に似てるなあ」と思ったものでした(笑)
この映画ってもろ少年漫画の世界ですよね。少年漫画では死体があがらないうちは死んだものとはみなされません。「崖から落ちた」とか、「水中に没した」なんて場合はまずまちがいなく生きてます
実際敵の親玉だって、ねえ?
わたしはこういう映画、一ヶ月に一本は見ないと駄目ですね。禁断症状が出ます。来月は『ウルヴァリン』があるので一安心♪
Posted by: SGA屋伍一 | August 29, 2009 07:11 AM
見てきました。ビョンホン目当てで。
この映画、完璧に「子供向け」でしたよね。
アニメや特撮ヒーローのテンプレばかり。
そんな作品に大人たちが全力を注ぎ込むんだから、面白くないわけがない。
去年のダークナイトのようなリアルでシリアスな解釈も好きですけど、この作品のようなツッコミを入れることがナンセンスな作品も面白いですよね。
見終わったあと、フィギュア欲しいな~。なんて思っちゃいました。
Posted by: 大吉 | August 29, 2009 08:30 PM
>大吉さま
こんばんは! ビョンホン氏がお好きだったんですね。彼はじき公開の韓国産西部劇、『グッド・バッド・ウィアード』にも出るみたいですよ
いやあ、すばらしい男児向け映画でしたね(笑)
スティーブン・ソマーズのこの飾らなさというか、自分の好きなことだけ一直線!という作風には、本当に惚れ惚れとします
映画をたくさん見ている人たちにはどちらかといえばこういうの、冷遇されがちなんですか、そのせいかムキになって持ち上げてしまったりしますね・・・ 先の『T3』『T4』もそうですが
そうそう、フィギュアほしいですよね! ただ先日トイザラス行った時には見かけなかったような? わたしが見過ごしてしまっただけかな
『トランスフォーマー』は目立つ位置にでーんと固まって置いてあったんですが
Posted by: SGA屋伍一 | August 29, 2009 11:22 PM