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July 11, 2009

ゼンは急ぐ プラッチャヤー・ピンゲーオ 『チョコレート・ファイター』

090711_185250一人の少女が、この映画のために四年の歳月をかけて鍛えられた・・・ そうです。微笑みの国タイからやってきたアクション映画『チョコレート・ファイター』、ご紹介します。

お互い敵対する組織にあって、愛し合ってしまった一組の男女。女は男のためを思い、一人姿を隠します。やがて彼女は女の子を産みますが、子供は自閉症を患い、母もまた病の床についてしまいます。
母を救うためにお金が必要なことを知った女の子は、勇気を振り絞って母を搾取した悪党どもの元に向かいます。そうです。閉ざされた心を持つ彼女には、いつしか超人的な格闘能力が宿っていたのです・・・・

最後の一文を読んで「?」と思われた方もおられるでしょうが、そういう話なんで仕方がないのです。
かつて日本の時代劇にも「ハンディキャップもの」ともいうべきジャンルがありました。とある理由で社会からチャレンジされてるヒーローが、健常者の悪党どもをバッタバッタと切り倒すという映画ですね。失われた能力の代わりに他の能力が著しく研ぎ澄まされる・・・ そんな発想から生まれたのでしょう。代表的なヒーローといったら、なんと言っても『座頭市』。それに『丹下左膳』。しかし時経つ内に「そういうのって差別じゃない?」という見方が強まり、このジャンルは衰退していくことになりました(最近のコミックでは、けっこう義手系のヒーローが活躍してたりすんですがね)。
ですが他のアジア圏ですと、まだあまりそういうことは気にされてないようです。この『チョコレート・ファイター』もそんな「ハンデもの」の一本。ただヒロインのハンデが「自閉症」というところが、これまでにないというか、「これいいのかなあ?(^^;」という作品です。

ヒロインの名は「禅(ゼン)」。父が日本人(実は阿部寛)であることから、母がそう名づけたのですが、このこと一つとってもツッコミどころが豊富な映画であります。ヒロインと悪党があんだけ派手に暴れまわってるのに、警察はまったく来る気配もないし(笑)。しかしこの映画の真骨頂はなんと言ってもアクションにあります。
ゼンを演じるジージャー・ヤーニンさんはもともとテコンドーの選手であったということですが、そこからさらに猛トレーニングを積んだというだけあって、スパスパビュンビュンよく動きます。まさに目にも止まらぬ速さ。細身の剣が自在に宙を舞うようなアクションであります。

打撃はもっぱらキックが中心。ゼンちゃんは最初ふわふわしたスカートをはいてアクションをするのですが、丈が長い上に動きが素早いので、パンツはほとんど見えません。見えてもコンマ二秒くらい。そういうのを期待して見に行くとかなりガッカリすると思うので、前もって忠告しておきます。
・・・話を元に戻して。日本でキックというと仮面ライダーかジャイアント馬場をつい思い浮かべてしまいますが、もともとキックというのは弱者・・・小柄な人の武器ではないでしょうか。脚には腕の三倍の力が秘められていると言います。リーチの差も多少は補えますし、小柄な人が全力を持って大柄な人と戦うのであれば、脚に頼るらざるをえません。対して大柄な人は足技を使うとバランスを崩しやすい。テコンドー、ムエタイ、カラリパヤット、セパタクロー(あれ?)など、足技中心の格闘技が小柄な人が多いアジアで発展しているのは、そんな理由によるのではないかと。例外はブラジルのカポエラですが、あれだって手を縛られた奴隷が開発したものですから、「弱者の武器」という点では通じるものがあります。あ・・・ 「サバット」ってのもあったな・・・ まあいいや(おーい)

ただ、この映画でがんばっているのはヒロインだけではありません。やられ役の人たちも相当体を張っております。中にはマットも何も強いてないコンクリートの地面へ三階から落ちていった方もおられましたが・・・・ タイの方たちは香辛料の食いすぎで痛覚が麻痺しているのでしょうか? いや、そうでないことはエンドロールを見るとよくわかるんですが。普通こんなとこ見せねーだろ・・・という痛々しい映像のオンパレードです。最後に出てきたあの人、その後無事回復したのかしら・・・ そんなことまでつい気になってしまいました。

さて、タイの映画界ではメロドラマや芸術作品も普通に作られてるそうですが、日本に来るのは専らアクションものばっかりですねえ。『マッハ!!!!!!!!』『七人のマッハ!!!!!!!』『トム・ヤム・クン!』『ロケットマン!』『マーキュリーマン』・・・ って『ロケットマン!』以外全部同じ監督の作品じゃねーか(笑) その『ロケットマン!』からちょっと変な方向に行ったので、この『チョコレート・ファイター』で軌道修正ということでしょうか。

090711_185352少し前本国では、『1』の主演であるトニー・ジャーが監督した『マッハ2!!!!!!!!』(仮題)も公開されたそうです。この映画、撮影途中で監督が失踪するとか金銭トラブルがあったとか、いろいろ大変だったようで。そのせいか知りませんが日本で公開するのかどうか、いまだにちゃんとした話を聞きません。こちらでも無事に公開されるといいですねー

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Comments

最近、観たい映画があんまりないんですけど
これは観ようと思ってます♪
この主演の女の子、スゴすぎですよね。
お話がアレでもアクションだけで満足できそう。
うちの方では来週末あたりから1週間だけやるみたいです。

『トムヤムクン!』までは観たけど、『ロケットマン』『マーキュリーマン』は
知らないわ・・・sweat02

Posted by: kenko | July 13, 2009 at 07:34 PM

>kenkoさま

こんばんはhappy01 毎度ありがとうございます!
これはねー 本当にアクションだけで満足できると思いますよ。ストーリーに関しては、あまり深く考えないほうがいいかと(笑)

きっと見終わったあと、kenkoさんもヒュン!ヒュン!と回し蹴りがしたくなるんじゃないかなー
あと個人的な話ですが、ヒロインがウチの姉ちゃんに微妙に似てたので、パンツが見えなくてよかったと思いましたcoldsweats01

実は上記に挙げた作品で見てるのは『マッハ!!!!!!!!』だけ[E:coldsweats01
『ロケットマン!』は馬の代わりにロケットに乗ってやってくる(!?)カウボーイの話で、『マーキュリーマン』はタイ製『スパイダーマン』みたいな話だとか

Posted by: SGA屋伍一 | July 13, 2009 at 08:45 PM

SGA屋伍一様

やっと観てきました♪
ジージャーちゃん、すごかった!!!
ツッコミどころは多々あれど、観てる間はまったく気にならないほど
ジージャーの動きに見とれてました〜
あんな細身の身体でめっちゃパワフル。
そっか、足技中心の格闘技は小柄な人向けなのかもですね。
私にもできるかな〜(ムリ〜)

SGAさんのお姉様、ジージャーちゃんに似てるとは
美人さんですね。
口元がカワイイな〜と思いながら観てました。

そうそう、エンドロールの映像見てると、やられ役の人たちは
大抵血だらけだったcoldsweats01
3階から下に落ちたシーンにはビックリでした・・・

Posted by: kenko | July 31, 2009 at 08:54 PM

>kenkoさま

こんばんは
ジージャーちゃんって、ジャージャー(・ビンクス)と名前似ていてややこしいよね・・・

そんなこと思うのわたしだけかな?

>私にもできるかな〜(ムリ〜)

できるできる! だって拳虎と書いてkenkoと読むんでしょ!?(敬称略)

あー、あとうちの姉ちゃんに似てるというのはあくまでも「そこはかとなく」であって、ジージャーちゃんの方が1.5倍増しくらい可愛いです
人の話をあんまし聞いてないところとすぐ暴力に訴えるところは似てます

エンドロールには本当にビックリでしたよね・・・ あんな映像流しちゃうこと自体ビックリでした。香港映画だったらほのぼのしたNG集を流すところなのにね・・・

Posted by: SGA屋伍一 | August 01, 2009 at 07:09 PM

こんばんは!
ハンデ持ちの英雄に,自閉症をもってくるのは?とは思いますよね。
自閉症でも,特にある種の能力が突出しているケースをサヴァン症候群と呼ぶそうですが
主に映像記憶能力とか数字の記憶能力とか(レインマンがそうですね)
一度聞いた曲をそっくりそのまま弾けるとか
そういう能力は聞いたことあるけど,身体能力ってのは無理な気もします。
でも,この監督さんのストーリーやキャラ設定って
きっと何でもアリなんだろうから,深く考えずに観るべきものなのでしょうね。

それにしても「ロケットマン」って・・・どんなんだ?
これが面白かったから,「マッハ!」も観てる最中ですし
「トム・ヤム・クン」くらいまでは観ようかな~と思っちょります。

Posted by: なな | November 16, 2009 at 10:31 PM

>ななさま

こんばんは。お返しありがとうございます

医療面からの解説ありがとうございます。へ~ 実際にあるんですね! 『レインマン』みたいな例って
ちょっと「サヴァン症候群」で検索してみたら、ズラズラ名前出てきたのですが、知らない人ばかり。やっと最後の方で山下清さんのお名前を見つけました(笑)
音楽家・芸術家という肩書きの人が多いですね。「格闘家」というのはやっぱりなかったです

ロケットマンとやらは、わたしも未見ですが、ヘンテコな西部劇のようです。ヒーローがなぜかロケットに乗ってやってくるという
・・・・
なかなか奥が深いですよね、タイ映画・・・

そういえば『マッハ』にも主人公の仲間に情けないおデブさんがいたなあ。監督はこういうキャラが好きなんでしょうか

Posted by: SGA屋伍一 | November 17, 2009 at 06:37 PM

伍一さん
こんばんはー☆
観てたのね!

皆これいつの間にか(笑)観ていたようで?びっくり。
わたしはタラちゃんがベスト8にいれるまで全然ノーチェックだったから観れて良かった〜★
ホンモノのアクションはやっぱり凄い!

伍一さんも最後のイラストに書いてるジャージメガネ男が面白くて、もっと対決が観たかったなぁ〜

Posted by: mig | January 08, 2010 at 09:27 PM

>migさま

おはよっすhappy01 お返しありがとう

わたしは某mixiでやりとりしてる人から強烈にすすめられて見ました(笑)
タイトルからこの内容が想像できなくて、スルーしちゃった人もいっぱいいいるんじゃないでしょうか
『少女マッハ!!!!!!!!』とかにしておけば良かったのに

ジャージメガネ君のアクションもすごかったですよね。彼はきっと骨がないんじゃないかな。全身ムチ人間とでもいうべきか

Posted by: SGA屋伍一 | January 09, 2010 at 07:28 AM

SGAさんこんばんわ♪

遅れ馳せながら自分もようやく観る事が出来ました。昨年中にレンタルをしてベスト選出にノミネートさせようかと思ってたものの、レンタルのタイミングがあまりに悪過ぎたため結局自分で買ってしまいましたwでも待たされただけあって凄い面白かったです。

ストーリーにそれほど真新しさはなくとも、それを補ってあまりあるジージャーのノースタントアクションは予想していた以上に凄過ぎましたねぇ~。戦う場所もを変わればテコンドーにムエタイとファイトスタイルもたびたび変わっていたので、何度スゲースゲーを連呼してた事か・・^^;
ケンシロウを真似たのかブルース・リーを真似たのか定かじゃないですが、製氷場で木霊させた怪鳥音が個人的にはツボでした(笑


>やられ役の人たちも相当体を張っております。


同感ですね。最後のNGシーンを観ると尚更そう思います。ジージャーも痛い思いをしてましたが、それ以上にやられ役の人達の体張りまくりのスタントは、痛そうと言うよりも凄惨を極めています・・。ジージャーの蹴りがモロに入ってる人を見て思いっきり顔をしかめてしまいました・・sweat02

Posted by: メビウス | January 20, 2010 at 03:50 AM

>メビウスさま

おはよっすー
おお、DVD買われたんですか。この映画、DVDになってからまたじわじわとあちこちで話題になってますね。普通ソフト化の際にこんなに盛り上がることってあんましないんですけど

で、メビウスさんには相当ツボだったようで。いままでのレディアクションというと、ミシェル・ヨーやチャン・ツィィーなどが思い浮かびますが、彼女らのアクションは様式的というか、舞踏的なものでしたよね。それがこのジージャーちゃんは生傷だらけでもろガチアクションですから、本当にすごいっす

ジージャーちゃん、蹴りの勢いを殺してるようなところもありましたが、すべてのシーンでそうはできなかったようで。タイアクションの現場ってマジでデンジャラスですよね・・・
日本でも一昔前はこんな感じだったみたいですけど

ガチアクションには心から敬意を表しますが、安全確認もきちっとしとこうね!と思うSGAでした

Posted by: SGA屋伍一 | January 20, 2010 at 07:41 AM

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