« June 2009 | Main | August 2009 »

July 31, 2009

適当掲示板85&渚のカセット好きな歌だけ詰め込んで夏にアクセルハンドルを切れば海風がはしゃいで

毎度どうもっす。ご意見ご感想そのほかありましたらこちらで承っております。

さて。サマードリーム! 光る! 波をバーーーックにー!!

失礼しました。夏休みシーズン到来でございますね。今回はワタクシが個人的に興味ある夏のイベントなどをざざーっとご紹介します。奥さん、これを見ないとほんっとーに損しますよ!(もんた風に)


20061210205126夏といえば海! そして花火!!
わが街熱海市では、今年も恒例の海上花火大会が行われます。
八月は5日、9日、20日、23日、29日の20時20分から50分に行われる予定。
時間は30分と短いですが、打ち上げ場所のかなり近くから見られるので、迫力満点です。
詳しくは下記のHPをご覧ください。
http://www.ataminews.gr.jp/hanabi/
この文章、日付以外去年とまったく一緒なんですが、気づかれた方いますでしょうか・・・
実は先日噂に聞く隅田川の大会にも行ってきたんですが、花火見るよりビール飲む方にいそしんでました(^^;


2006082509582620060827140617夏といえば恐竜! そして昆虫!
これまた恒例となりつつある幕張メッセの恐竜展、今回は中国の恐竜をメインに据えたものが行われています。
http://www.kyoryu.jp/exhibition/index.html
メインは全長35メートルにも達するマメンチサウルス。こんだけでかいのに「マメっちい」とはこれいかに。

あと静岡限定の話題ですいませんが、昨年見逃した今森光彦氏の昆虫写真展が静岡アートギャラリーで開催されています。
http://www.art.shizuoka-city.or.jp/program/20090704imamori/index.html
近くのツインメッセでは「人体の不思議展」もやってるし、今回はなんとか見に行きたいものです・・・・
8月30日まで


090731_192145090731_192208夏といえば映画!(いつも見てるだろが)
八月のチェックしたい作品はとりあえず『サマーウォーズ』『G・I・ジョー』『オールライダー対大ショッカー』といったところですが、一番見たいのはこれ、『屋根裏のポムネンカ』

チェコ最後(なぜ?)の巨匠イジー・バルタが作り上げたアート版『トイ・ストーリー』
「クッションの雲を越えて キミに会いに行く」
ユーロスペース他で明日八月一日より公開。


090731_192412夏といえばロボット!
現在お台場は潮風公園に屹立している18メートルの等身大ガンダム。
これもぜひなんとかして見に行きたい・・・・
公開されているのは8月31日まで。確かに秋になったら台風であぶなそうだしね・・・

横浜開港150周年で来日された巨大グモさんも、まだ滞在されておられるようです。
http://event.yokohama150.org/event/bayside/detail1.html


2007010519055220080312163527夏といえばエジプト! このクソ暑いのになんでかよくわからないけどエジプト!
まずすでに横浜パシフィコで開催されている『海のエジプト展』
http://www.asahi.com/egypt/
「海底からよみがえる古代都市アレキサンドリアの至宝」
この海底から発掘してきたってところにロマンを感じるじゃーりませんか

今夏はエジプト関連の展示がもうひとつあります。
上野は東京都美術館で行われている『トリノエジプト展』がそれ
http://www.torino-egypt.com/
こちらの目玉はイタリアから借りてきたというツタンカーメン像
エジプトの展示も定期的にどっかでやってますが、同時期にかぶってしまうのは珍しい。最近流行ってるんですかね? エジプト

このほかにも古代文明系では上野科学博物館で行われている「インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン展」があります。

いやー 面白そうな催し、たくさんありますね♪
・・・・問題はどれほど行けるか、ってことだな・・・・

それではまた

| | Comments (15) | TrackBack (0)

July 29, 2009

新たなる破壊 庵野秀明 『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破』Bパート

090729_184358それでは調子にのって『ヱヴァンゲリヲン:破』の記事第二回。今回は主に設定面やなんとなく印象に残った細かい点などについてダラダラと。要するに覚書ですな・・・・ 情報源はもっぱらウィキペディアcoldsweats01。あと言うまでもなく完全ネタバレです。
Aパートの記事はコチラ

impact「ヱヴァ」
最初にぶったまげたのはいきなり出てきた仮設5号機。「しあわせはー あるいてこないー だーからあるいていくんだよ-」 歩いとらんやん! 滑走しとるやん!
前の記事で申しましたように、エヴァ初号機はチョウ、零号機は芋虫がモチーフでは・・・というのがわたしの持論(というか、勝手に思い込んでるだけ)
その線でいくならば、2号機はエビ、3号機は甲虫系、仮設5号機はクモ、マーク6(6号機)はトンボ、ってとこでしょうか
そうそう、4号機というのもありましたね。 ・・・・・今度こそ動くところが見られると思ったのに。思ったのにィィィ!!
あと零号機、TV版では速攻で青く塗り替えられましたが、今回は黄色のまんまですね。このほうが見分けやすくていいです
5号機は「仮設」というだけあって、まだ開発途上のものだったのでしょうか。そのうちプラモデルなどで完全体が明らかになることを祈りましょう


☆「使徒」
「序」では一応テレビでの登場順に倣っていた使徒さんたちですが、この「破」からはすっとばされた方がチラホラ出てき始めました。
一応おさらいしときますと、第1がセカンド・インパクトを起こしたヤツ。第2がリリス。ほんで「序」でエヴァシリーズと戦ってきたのが第4~第6。あとテレビ版ではサキエルとかサンダルとかそれぞれ固有名がありましたが、新劇場版の使徒はリリスを除きナンバーのみで呼ばれている模様。
今回まず最初に出てきたのが、仮設5号機と一戦やらかしていた骨だけの第3使徒。テレビでは第1と第3の間の「第2使徒」というのがずーっと謎の存在で、新劇場版では「第3」がそれにあたるのかと思っていたら、意外とあっさり出てきました。
次いで登場したのがヤジロベエのようなアメリカンクラッカーのような第7使徒。テレビでいうとクジラのような形をしていた第6使徒にあたるのでしょうけど、もはや完全に別物です。こうまで変わった理由はテレビ版の第八話の原画が紛失したからだとか。
そんで宇宙から落ちてきた桁外れの大きさを誇る第8使徒。テレビ版の第10使徒を発展させたものと思われます。同じくエヴァ3号機を乗っ取る第9使徒はテレビ版の第13を、クライマックスでエヴァシリーズを苦しめる第10
は、テレビ版の第14を発展させたものでしょう。
たしか「序」ラストで「残ったのはあと幾つ」みたいなことを言ってましたっけ。そうすると現段階で待機している使徒は・・・ すいません。忘れました
あとカヲル君は今回も使徒と考えていいんですよね?


☆音楽
あるところでは「懐メロ大全集」なんて言われてましたけど、今回は本当に古~いお歌がいろいろ用いられていました。この選曲センスのベタベタさは、庵野さんのお師匠である宮崎御大のそれと通じるものがあります。
個人的な感想を言わせてもらうと、『今日の日はさようなら』には正直ひきましたがcoldsweats01、『翼をください』はまあまあ良かったです。
ただ一番じ~んと来たのはシンジ君がクライマックスで戦うべきかどうか迷っていた際流れていた、『THANATOS-IF I CAN'T BE YOURS- 』インストゥルメンタル。旧劇場版の主題歌ということもあって、思い出深い曲なので・・・

宇多田ヒカルの『Beautiful World 』も最初は「前と同じじゃん」と思いましたが、やっぱしいい曲ですね。今回の一連の劇場版を象徴するような曲といえます。
アスカがシンジの部屋に入ってきて勝手に横になるシーンは、この曲の「キミの側で眠らせて」を意識してるのではないでしょうか。

あと音楽関連でいうと竹熊健太郎氏が「シンジの聞いているウォークマンは25曲目と26曲目ばかりリピートされてる」と指摘していました。25と26といエヴァ・・・・ わざわざ作り直された因縁の話数を思い出しますねsmile
しかし今回ではあるシーンで「27」に進むところありました。「こっからオリジナルの枷を解き放つよーん」という意思表示でしょうか。シンジ君は「壊れたんかな」とか言ってましたが


impactそのほか
・今回幸いにも災難を逃れたトウジ。ケンスケが「三号機のパイロットって誰なんだろう」と言っているシーンで、さびしげに無言でバスケットボールを放っていましたが・・・・ まぎらわしいったらありゃしねえ
そうそう、話の中でしか出てこなかった妹さんの顔が明らかになったのは良かったです。

・真っ赤の染まっている海の色。これは「序」の時からそうなっていたそうですがcoldsweats01。旧劇場版のラストシーンを連想させます。カヲル君の「今度こそ・・・」というセリフといい、新劇場版は、やはり旧劇場版以後の世界が舞台なんでしょうか。

・第3部のサブタイは「急」から「Q」になるとのこと。これはもしかして「急」と「?(question)」をひっかけているのでしょうか。前は第3部は総集編で、完結編が新規製作・・・ということになってたけど、もう全部一から作ることになったわけだから、わざわざ二つに分けることもないですもんねえ。

090729_184438さて、その「Q」は果たしていつ拝めることやら・・・ また2年後だったりして。そしてその後に『エヴァンゲリオン2』とかできちゃったりして・・・

テレビシリーズの思い出を振り返るOパートもぼちぼち書きます。気の向いた方は読んでやってつかあさい。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 27, 2009

知ってたつもり!? アレックス・プロヤス 『ノウィング』

090727_181216時は現代まっただ中。50年前のタイムカプセルの中から出てきた、数字がびっしりと書かれた奇妙な一枚の紙。それをたまたま手にすることになった天文学者のジョンは、数字にある規則性があることに気づく。それはこれまでに起きた大惨事を予告するものだった。そしてその表には、まだ起きていない惨事が三つ予告されていた・・・・・


毎年毎年本当によく作られるディザスター・ムービー。地球が破滅の危機に直面するのも、なんだか夏冬の恒例行事となってきた感があります。この映画も予告を見たときは新味が感じられず、スルーしよっかなーなんて考えていたのですが、ネットでの評判を見ると見事に賛否両論まっぷたつで、なんかこう・・・香ばしいじゃないですか!
そんなわけで張り切って見に行くことにしましたcoldsweats01 節操? ありませんよ! そんなものは!
で、実際に鑑賞してみたところ、人によって意見が分かれるのが大変よくわかりました(笑) いいところと悪いところが均等に混ざり合っているような、そんな感じ。
いいところからあげていきましょうか。まず全体からみればわずかでありますが、非常に気合の入った映像が幾つかあります。またストーリー運びがうまい。次にはなにが起きるんだ?と観客をハラハラさせてくれます。
そしていわゆる衝撃の結末。
こっから先はラストまでばらしちゃうので、未見の方は避難されてください。

airplane
airplane
airplane
subway
subway
subway
sun
sun
sun


ディザスター・ムービーって危機感をあおるだけあおって、「結局大丈夫でした」というものがほとんどじゃないですか。プロ安監督はそういうパターンを裏切りたかったのではないでしょうか。ただ、反対派が怒ってるのはこのラストにあるのかも。みんなディザスター・ムービーに期待してるのは意外性よりも、予定調和ですからね。
あと日本人って「宇○人」に拒否反応を示す人も多い気がします。

いつの間にか「悪いところ」へ話がシフトしてしまいました。このまま行っちゃいましょう。わたしがこの映画で一番ぽか~んとしてしまったのは、「あの数字表、結局何の意味があったんだ!?」ということでしたcoldsweats01
できるだけ好意的に解釈しましょう。あの予言は宇○人がわざわざ子供たちに知らせたものではなく、敏感な子供たちがたまたま宇○人の思念をラジオの電波の如くキャッチしてしまったものではないかと。んで、そういう子供たちってのは人類の中でも宇○人たちに比較的近しい存在であるゆえ、必然的に再スタートのための要員として選ばれることになったんではないかと。

じゃあ宇○人たちはなぜ次から次へと惨事を引き起こし続けてきたのか? ああいう災害を起こすことで、人類が「我々は間違っていた」と反省するのを待っていたのでしょうか? しかし地球滅亡の前に列車事故を起こしたところで、全人類が反省するわきゃないですよね。メッセージってのはもっとわかりやすくなきゃダメです。
あるいは、あれらの惨事は宇○人が起こしたものではなく、単にこれから起きることを超能力で予知していただけなのか。しかしなんのためにそんなことを? ・・・・振り出しに戻りました。結局「宇○人の考えることはよくわからん」ということで逃げるしかないようです。


そんな苦しいところもありますが、それでもこの映画はわたしたちにしばし思索にふける材料を与えてくれます。
それはわたしたちが今いるこの環境が、非常に緻密なバランスの上に成り立っている、ということです。太陽が軽くくしゃみをしただけで、人類ウン千年の歴史が「あっ」という間に消滅してしまうほどに。

例えば映画でも言及されていた太陽と地球の距離。わずか半径一個分ずれただけで、地球全体が赤道直下になってしまったり、北極南極になってしまったりするわけです。

さらには太陽に面しての地軸の傾き。この傾きなくして四季は訪れません。そのほかにも地球の大きさや水の特異性や空気の中の気体の混合率とか・・・・etcetc。それらのどれか一つが欠けただけでも、この多様性に富んだ環境はうまれなかったことでしょう。それらのことを考えると、「誰かがもともとそのように調節したのだ」と結論する人が多いのもうなずけます。実際日本人以外の多くの民族はそんな風に考えています。
一方で「宇宙にはこんだけ多くの星があるんだから、そういう星がたまたまあってもおかしくない」と考える人もいます。要は星の数と確率の小数点の桁数とどちらが多いか、という問題ですね。
ともあれ、わたしたちが今いるところが、全宇宙の中でも極めて特殊な位地である、ということは確かです。

090727_181255難点も幾つかあるものの、監督の「これまでと違うものが作りたい」という姿勢は評価したい映画でした。

思いっきり焼け焦げてた人類&地球ですが、年末にはまた新しい危機に直面するみたいです。ローランド・エメリッヒ監督の『2012』がそれ。こんなあらすじのようです。「古代マヤ人は2012年に人類が滅亡すると予言していた・・・・」

あれ? なんかどっかで聞いたような・・・・

| | Comments (12) | TrackBack (7)

July 25, 2009

猟奇的な彼氏 ナ・ホンジン 『チェイサー』

090724_132124ジュンホはソウルでデリヘルの店を任されているさえない中年男。ある時、彼の店で働いている女の子が相次いで姿を消すという事件が起きる。いなくなったデリヘル嬢二人は、同じ番号に呼び出されていた。果たしてまたかかってくるそのナンバー。彼女たちが売り払われたと思ったジュンホは、その男を罠にかける。やはり店で働いているミジンを囮にし、犯人の居場所を突き止めようと考えたのだ。だが彼は知らなかった。電話の向こうにいるのが、血も凍りつくような殺人鬼であるということを・・・

『シュリ』のころから、わりかし定期的にわが国でもかかるようになった韓国映画。『冬ソナ』のようなメロドラマあり、社会問題に材を取ったアクションあり、キム・ギドクをはじめとするアート系あり、はたまた『D-WARS』のような大珍品あり・・・・ いったい何が飛び出すかわからないゴッタ煮のような状態であります。

で、この『チェイサー』は公開前から「なんかすごいらしい」という噂を聞いていまして。実際予告編を見ますと岩井俊二、大林宣彦、黒澤清、清水崇、西川美和、松尾スズキ、若松考二ほか大勢のそうそうたるメンバーが「大絶賛!」とある。「そんなにスゴイのかーっ!!」と、内容もろくに知らんのに楽しみにしておりました。近所でかからなかったため、見られたのは公開から三月も経ってからでしたが・・・・

それはさておき。この作品、確かにすごい映画でした。どうすごいのかというと、とにかく焼けどしそうなくらい熱いspa。スクリーンからソウルの放つ熱気がムンムンと漂ってくるかのようでした。
わたし前は韓国の人も日本人とそんなに気質は変わらんだろ、と思っていましたが、ちょっと違うようです。あちらの方たちは、わたしたちよりも情熱的で、生きるのに一生懸命、という気がします。そしてその情熱は、時として危ういものを孕むときもあります。

主人公のジュンホ(桑田圭祐似)はまさにその熱さを体現したような男。冒頭こそけだるいムードを漂わせたろくでなしのような印象でありますが、一度スイッチが入ると獣のような執拗さで標的を追い回します。
そんな人間くさいジュンホとどこまでも対照的なのが、彼と対峙することになる連続殺人鬼ヨンミン(可愛らしい名前だ・・・)。
二人は「暴力的な人間」ということでは共通していますが、その印象は著しく異なります。ジュンホの暴力は見ていてとても爽快であります。特にいけすかない同業者に椅子を叩きつけたり、ドライバーにケリを入れて車から逃走するシーンなどは本当に胸がすくようでした。わたしたちがひごろイライラをつのらせている社会の理不尽なことに対し、ジュンホが代わりに暴れてくれているようで。

それに対しヨンミンの暴力は極めておぞましく、見ていて背筋が凍りつくようです。少なくとも最初のうちは彼がなんで女たちを次々と手にかけるのかさっぱりわからないし、無抵抗のか弱きものをいたぶる姿には心底恐怖と嫌悪感を感じます。彼からはごくたまにしか感情というものが感じられません。韓民族のみならず、人類全体から見て極めてイレギュラーな存在。人はそういう理解しがたいものを恐れるものであります。

情熱的で人間的なジュンちゃんと、無感情で非人間的なヨンさま。そんな二人のおっかけっこを描いた作品、ということでこの映画は『チェイサー(追撃者)』というタイトルになったんでしょうけど、これには文字通りの追跡劇だけでなく、精神的なそれも含まれてるように思えます。

以下はぼちぼち本バレしていきます。未見の方は避難されてください・・・・

ユンミンが犯行を重ねた理由というのは、本編ではとうとうはっきりとは明かされませんでした。しかし本編の中に見られる幾つかの描写・・・・「悪いモノを全部出すんだ」というセリフなど・・・・から、あれは彼なりの「正義の鉄槌」だったのではなかろうかと考えています。あるいはそう思い込むことで、自分の歪んだ欲望を正当化していたのか。
おおよそヨンミンとかけ離れていたジュンホですが、大きな悲劇を経て、クライマックスでは敵の境地にたどりつきます。ジュンホが追いついたようにも思えるし、ユンミンの持つ闇に追いつかれてしまったようにも思える。そんなところにこの映画のシンプルなタイトルの深みを感じるのでした。


実はわたしとしては久々にトラウマとなってしまった映画ですがshock、随所にユーモアがちりばめられているところが多少救いでありました。ヒロインの命が今にも危ないというとき、別の場所では大統領にウンコが投げつけられていたり。そして売店のおばちゃんのあまりの脳天気さには腹立たしい反面、もう笑うしかありません。現実はいつだって残酷でバカバカしいものです・・・・ これは一応映画ですけど。

救いといえば、ラストシーンにミジンコくらいの「救い」を感じたのはわたしだけでしょうか。二人はこれから親子として暮らしていくのでしょうか。確かにジュンホのような社会不適格者に子供が育てられるとは思えないし、少女も間接的とはいえ母を死に追いやった彼を許しはしないでしょう。なにより、このフグ毒のような映画に、そんな甘ったるい話は似合わない。
それでも、カルテに書かれた「保護者」の名前に、眠る少女の手をぎゅっと握るジュンホの姿に、そんな未来を求めてしまうのです。罪深いこの男にとって贖罪の方法は、もはやそれしか残されていないのですから。

090724_132051韓国映画恐るべし、の思いを新たにした一本でした。まーわたしもせいぜい十本くらしか見てないんですけどcoldsweats01

ちなみにこれまで一番うちのめされたのは『シルミド』、一番慰められたのは『トンマッコルへようこそ』です。こちらを見て韓国映画に興味を抱かれた方々には、それらもおすすめします。

| | Comments (10) | TrackBack (1)

July 22, 2009

カラー交じりの兄弟 ミッシェル・オスロ 『アズールとアスマール』

090721_190139青い瞳を持つ貴族の少年アズール。彼はアラビア人の乳母に、彼女の息子アスマールと兄弟のようにして育てられる。だがやがてアズールは寄宿学校へ行かされることになり、アスマールは主人の不興を買った母ともども故国へと追いやられ、二人は離れ離れになってしまう。
成長したアズールは乳母から聞いた「ジンの女王」の話が忘れられず、海を越えた冒険の旅に出る。しかし彼がたどりついたその土地では、青い目は災いを呼ぶものとして忌み嫌われていた・・・・

最近のジブリさんは海外の名作アニメの配給などもやっておりまして、これもその内の一本。その風変わりな絵にひきつけられ、前々から興味を持っていたところ、先日某所で特集上映があり、ようやく拝見することができました。まーDVDも普通に出てるんですけど。
他のラインナップが、後の作品に多大な影響を与えた記念碑的なものがほとんどなのに対し、こちらはフランスで2006年公開とわりと最近のもの。時の洗礼は受けていなくても、十分過去の名作に比肩しうると考えたのでしょうね。ジブリさんは。

さてその画風ですが、ハリウッドのCGアニメとも、日本のセルアニメとも全く異なった印象を受けます。陳腐な表現ですが、絵本の絵(モザイク風)がそのまま動いているような。百聞は一見に如かず。とりあえず予告編をご覧ください。NHKは『みんなのうた』にも、こんな感じのがあったかなー 幾何学模様と溢れんばかりの豊かな色彩。時折チカチカと明滅するちいさな光。昨年の『落下の王国』のヴィジュアルにも少し似ています。
序盤は割りと地味で暗ーい展開が続くのですが、主人公二人が再会してからは、物語はおとぎ話の世界へとどんどん突き進んでいきます。
以下はさらにネタバレしていきますので、これから見ようかな、という方は避難してください。


この手のお話に欠かせないのが、難関を突破するための貴重なアイテム。わたしにはアズールがそれを手に入れるくだりが大変興味深かったです。青い目が忌み嫌われていると知ったアズールは、目を閉じて盲人のフリをします。しかしそれがきっかけとなって、彼は重要なアイテムを二つもゲットすることになります。これはつまり目に見えることだけに頼るんじゃない、という監督のメッセージなんではないかと。
あともう一つ重要なアイテムがあるのですが、それに関しても力で奪い取るのではなく、兄弟を思いやる気持ちから得られたものであります。難関を乗り越えるには、競争しあうのではなく、協力しあうことが大事・・・ そんな声も聞こえてくるかのようです。

しかしこのお話で最も重要な教訓は、やはり人種に優劣などない、ということ。赤や青、黄色や緑・・・様々な色にどれが優れている、ということなどないように。そして、色は文字通り色々あったほうが楽しいものです。

そういやこの映画が公開される少し前には9.11の影響で世界的に中東系への敵意が高まったり、極右政党である国民戦線が台頭してきたり、さらには黒人の若者の死がきっかけになってパリ暴動なんてのが起きたり・・・・おフランスもそれなりに波乱の時期だったようです。そんな中にあってこういう映画を作るオスロ監督の勇気にはほとほと感服いたします。その甲斐あってか?極右政党も最近はだいぶ勢いが弱まってきたみたいですが。

090721_190113まあこんなめんどくせ~~~こと考えずとも、ファンタジーの世界に身をゆだねているだけで、十分楽しめる作品であります。オスロ監督の想像した新世紀のアラビアン・ナイト、とも言えるでしょう。

次回のジブリ配給作品は『ウォレスとグルミット』の最新作。待ってました! たとえ新作映像が全体の三分の一ほどであっても、オレは見る!

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 18, 2009

仮面らいだーディケイド 急転の20~24話総集編

そのいち ネガの世界

090718_131618「ふふふ。ネガの世界へようこそ」

「あれ? 世界は全部で九つっていう話じゃなかったのか?」
「ふふふ。話というのは違ってくるものですよ・・・」
「まったく・・・ こっちは無料奉仕でやってるっていうのに・・・ ぶつぶつ
で、ここはどんな世界なのよ?」


090718_131817「それは彼らを見ればわかります・・・」

「どうせ俺たちなんか・・・」
「オレをキライなヤツはいらない・・・」
「僕だけが英雄なんだ・・・・」

「なんだこりゃ。見事にダメなヤツラの吹き溜まりだな」
「そう。ここはネガティブな人だけが住む世界なのです」


090718_131618「あなたの役目はこの世界の人々を少しでも明るくしてあげることです」
「まかせとけ! とっておきの小話で、みんなをどっかんどっかん笑わせてやらあ!
それではいきま~す。ねえキミ、今度の劇場版のサブタイ、なんて言うか知ってる?」
「オールライダーVS大ショッカー、じゃなかったでしたっけ」
「ああ、しょっかー。なんつって。あはは」


090718_131923「ああ! 真っ暗になっちゃったじゃないですか!」
「見えん! 何も見えん!」
「この世の終わりだ・・・」
「どうせ僕なんか・・・・」

「・・・・・今のうちにこっそり逃げるとするか」


そのに ディエンドの世界

090310_130405「えーと。今度は何の世界だ?」

「ディエンドの世界だって
なんでもこの世界はゴキブリに支配されているらしい」
「・・・・そいつは確かに環境的にTHE ENDって感じだな
つまり、この世界でのオレの役割はゴキブリ駆除ってことだな?」
「たぶんね」


090718_132046「簡単簡単

ゴキブリ退治にはやっぱりホウ酸ダンゴだよな

ふむふむ。このゼリーが虫をひきよせるか

これをあちこちに置いておいて、あとは寝るだけ♪」


090718_132143翌日

「うう~」
「どうしたユウスケ! しっかりしろ! やつらにやられたのか!」

「うう~ つい甘い匂いにつられてしまった・・・」

「え?」


そのさん シンケンジャーの世界

090310_130405「えーと。今度は何の世界だ?」
「『シンケンジャーの世界』らしい。この世界では外道衆という怨念を持つ妖怪たちが、人々を苦しめているようだ
俺たちの使命は戦隊と協力してそいつらを・・・
あれ? ツカサどうした?」
「ど、どうもしねえよ!」
「さてはお前、オバケとか妖怪とかが苦手なクチだろ?」
「ばばばバカ野郎! 仮面ライダーに苦手なもんなんてあるか!」


090310_130332r「そういえば思い出した・・・・

昔このあたりは墓場だったそうだ・・・

なぜか夜の2時くらいになると、決まって誰かの歌い声が聞こえてくるとか

そしてある晩オレは見てしまった・・・」

090718_132315きいいやあああ!! お願いやめてやめて!crying

「そいつの頭にはなんと・・・・

毛が三本しかなかったんだ!

「やめてと言っているのにいいい!! キュウwobbly

果たして地球の運命は。つづく


オマケ:ライダー名作劇場 フランツ・カフカ原作 『変身』 第四回


090321_194425090609_135456ある朝、突然巨大なクワガタ虫に変形してしまった二代目仮面ライダークウガ。こと小野寺ユウスケ。
両親はそんな彼を見ていて口論を始めるのだった
「どうしたらいいんだ・・・・」 
「こんなことが知られたら、あたし恥ずかしくてオチオチ近所も出歩けないわ!」
「まったくお前はいつもそうやって自分のことばっかり・・・・」


090718_132649「すまん・・・ 用事を思いだした・・・ すぐ戻る・・・」

「ウソよ! どこかの女のとこへ行くんでしょ!
知ってるんだから、アタシ!」

「いや、そうじゃなくてすぐそこの林まで汁を吸いに・・・
ごにょごにょ」


090321_194425「かあちゃーん
腹減ったよー
なんか食わしてよー」
「もう・・・ 本当にみんなアタシのことなんかお構いなしで、好き勝手ばっかり・・・
世の中どうなってるのかしら!? もうガマンできない!」


090718_132956090321_194425r「今日のおやつはリンゴよ! 今投げるから落とさずしっかり受け取りなさいよ!」

「わーい・・・ って何でそんなにでかいの!? マジでそれ投げんの? ちょっと勘弁・・・」

ひゅーん


次回いよいよ感動のフィナーレ(予定)


| | Comments (6) | TrackBack (1)

July 17, 2009

ある日の空のコインロッカー 伊坂幸太郎 『ラッシュライフ』

20080222182420映画関連で来た方すいません。またしても小説の記事です。伊坂幸太郎氏のデビューニ作目となる『ラッシュライフ』ご紹介いたします。

長年の夢をあっさり潰された元画商。父親に死なれて救いを求める青年。お互いの配偶者を殺そうと目論む不倫カップル。仕事も家族も失った中年男性。崖っぷちな彼らの四つの物語が、時にすれ違い、時に交差します。
それぞれを結びつけるのは「風変わりな泥棒」「名探偵兼救世主」「身元不明の死体」「一丁の拳銃」「みすぼらしい老犬」そして「『何か特別な日に』と書かれた高い塔」・・・・

ちょうど少し前に見た映画『バーン・アフター・リーディング』を思わせるような構成とストーリー。一つ前に読んだ『重力ピエロ』はその名の通り重ための話でしたが、こちらは全体的に軽いというか、せかせかした印象でした。

これまで他に『チルドレン』『死神の精度』『アヒルと鴨のコインロッカー』『オーデュボンの祈り』(こないだまでオーデュ「ポ」ンだと思ってたよ・・・)など読んできましたが、今日はこれら六作品から読み取れる「伊坂作品の特徴」についてダラダラと述べていきます。

one「リンク」
伊坂作品の特色としてよく挙げられるのがこの作品の枠を超えた「リンク」。ある作品の主人公が別の作品で通りすがりに登場したり、ある作品に出てきた事件が、別の作品で噂として語られていたり。
単なる遊び心なのかもしれませんが、そうした技法は実際の世界には主役も脇役もなく、それぞれの人生において誰もが主人公である・・・ということを思い出させます。
伊坂さんのこのアイデアはもともと島田荘司や夢枕獏の諸作に触発されたものだそうで。この話を知ったときはちょっと意外でした。だって三人とも作風が全然違うんだもん(笑)。ただ『ラッシュライフ』では伊坂さんにしては珍しく、島田荘司ばりの本格ミステリーに挑戦した話がありました。
『ラッシュライフ』はさしずめ四本の中篇を一本の長編とすることで、このリンク遊びを存分に織り交ぜた作品と言えます。
作品間のリンクに関しては、ファンサイトのこのページに詳しく書かれています。


two「伊坂作品によくいる人々」
頻度の高い順にあげていきます。

1:凡人
伊坂作品の重要キャラは大抵持たざるものというか、社会的地位の低い人である場合が多いです。どんなのがいるかといえばまず失業者、低所得労働者、何をやってるんだかわけのわからんヤツ、職業的犯罪者・・・・など。比較的マシなのといえば貧乏学生とかしがないサラリーマンとか。「死神」ってのもいましたが・・・
伊坂先生もさぞやお金持ちになられたことかと思いますが、この庶民派テイストを忘れないでほしいものですね。

2:泥棒 もしくは強盗
伊坂ワールドではよく盗人が登場します。で、おおむね同情的、もしくは肯定的に描かれています。彼の基準では盗みは大した罪ではないようで。その代わり(?)、弱者を虐げることは「即刻死刑にしていいんじゃね?」くらいの嫌悪感をもって書かれています。この辺からイサコー氏の善悪の基準が読み取れるような

3:もうじき死んじゃいそうな人
出てきた時点で「ああ、この人死んじゃうだろうな」的な気配を漂わせている人もよく出てきます。『死神の精度』なんてそんなキャラのオンパレードです。『ラッシュライフ』で言うと、信者たちによって着々と暗殺計画がすすめられている新興宗教の教祖様。ただ「死んじゃうんだろうな」と思わせて、たまーに生き延びたりする場合もないではないです。

4:美人・美青年
脇役にアクセントとして「すごい美人」「すごい美青年」が出てくるのも毎回のお約束。ただ細かい描写はほとんどないので、読者は自分が思う「美人」を想像するほかありません。

5:芸術愛好家
作品によって音楽だったり、絵画だったり。伊坂先生の趣味が反映されているのでしょうか。氏は映画もよく見られるそうなので、映画ネタもちょくちょく出てきます。

6:動物好き
動物とそれに関わる人間の話もよくあります。上の方で「弱者を虐げるものは悪」と書きましたが、その弱者には動物も含まれます。彼の中では動物の命も人間の命も等価なのかもしれません。


なんとなく伊坂さんが好きそうな人間というのが、どんな人なのかわかってくるような。

話を『ラッシュライフ』に戻して。わたしが四つのエピソードでもっとも真剣に読んでたのは、リストラ中年の豊田さんのパート。わたしに一番近い人種のような気がして(笑) ただ身の不幸を嘆いていた豊田さんが、一匹の犬と出会うことで少しずつ変わっていく様子が心地よいです。さらに最後にはこの話で一番いいとこまでもっていってしまう。
「いいえ、既に人生は・・・・」 普通なら聞いていてどんより暗くなるようなセリフが、ここではなんともかっこよく、かつ小気味よく胸に響きます。

お話は流れるだけ流れると、やや唐突にパタッと終わりを迎えます。まるで「あとは自分で想像してよ」とでも言わんばかりに。なんつーか、450ページも読んだわりには、「だからナンなのよ?」と言いたくなるような。でもそれがかえって気持ちいいようなそんな作品でありました。

20080720195245ちなみに劇場版は四つのエピソードを、それぞれ四人の監督が担当するという実験的な試みがなされているそうです。『重力ピエロ』よりぐっと公回規模が小さいので、わたしの住む地域ではやらないようですが・・・

次は角川文庫から出ている『グラスホッパー』など読んでみる予定。殺し屋が主人公だそうで。
む~ん。のわ~~~~る~~~

| | Comments (8) | TrackBack (3)

July 14, 2009

天まであがる ジェームズ・マーシュ 『マン・オン・ワイヤー』

090714_174636マン・オン・ワイヤー
終わりにしない
悲しいけれど
きりがないのさ


1974年、こともあろうにNY貿易センタービル(通称「ツインタワー」)の間にロープを張って、綱渡りをやらかした男がいました。
彼の名はフランス出身の曲芸師フィリップ・プティ。プティさんはツインタワーが出来ると聞いたその時から、いつかそのてっぺんをロープで歩くことを夢見ていたのでした。これはその計画が立てられてから、いかにして実現までにいたったかを追ったドキュメンタリー映画です。

バカとなんとかは高いところが好きと申しますが、わたしは高いところが好きでして。ま、この田舎町では高いところといっても、せいぜい十回建てのビルくらいしかありませんが。そのてっぺんでお尻を緊張でピリピリさせながら、「ぐふふ・・・ 愚民どもめ・・・」と下界を見下ろすのはなかなか気持ちのいいものです。

ま、これくらいのおバカはどこにでもいる大したことないおバカであります。しかしなんたることか高度411メートルのツインタワーのてっぺんで、綱渡りをやったおバカさまがいる。そのことを知った時には感動で胸がうち震えました。当然無許可。当然即逮捕。命綱はないので、足を踏み外せば間違いなくあの世行き。しかもまったく自発的な行為なので、膨大な時間と労力を費やしながら、報酬は一切なし。まさに超ド級のおバカ。キング・オブ・おバカということができましょう。下々のおバカとしては、ただ頭を垂れるのみです。

やはり興味を抱かずにいられないのはプティさんの人間性でしょうか。「常に創造し続ける」「反骨精神を持ち続けることが大事だ」なんて求道的なことを言ったかと思えば、「意味なんかねーから素晴らしいんじゃねーか」「オレ、チャレンジって言葉嫌いなんだよね(これは『映画秘宝』のインタビューより)」なんて言って煙に巻く。
この人を食った子供のようなところに協力者たちは魅せられて、何の見かえりも求めず彼の夢の実現に力を貸したのでしょう。

そしてわたしはこの「いたずら」が、あのツインタワーで行われたということが、なんとも意義深いことに思えるのです。
まず、これと同じことは、どこの誰にも二度と出来ません。なぜなら事件の舞台であったツインタワーは、もうこの世に存在しないのですから。
そして、貿易センタービルといえば、誰でも思い出すのは2001年の9月11日に起きたあの凄惨な事件のことでしょう。しかしここで起きたのはあの悪夢のような事件だけではなくて、こんなおとぎ話のような愉快な出来事もあったんだ・・・ そんな風に思うと、少しなぐさめられるような気がします。
ちなみにこの映画の原作である『To Reach the Clouds』が書かれてる最中に、あの事件は起きたそうです。プティ氏は本の最後で「あの塔を再び建てよう」と呼びかけていますが、果たしてその夢は実現するのか・・・・

先にも述べましたが、この犯行には幾人かの協力者がいなくてはなし得ないものでした。特にプティ氏の妻と一人の親友は、長年に渡って彼を心身ともにサポートします。けれどもプティ氏が偉業を成し遂げた途端、彼らとプティ氏との距離は遠いものになってしまいます。それはもしかしたら、途方もない夢をかなえたことの、代償のようなものだったのかもしれません。

しかしその後もプティ氏は世界をまたにかけて、ワイヤーの上を歩き続けます。時にエッフェル塔とシャイヨ宮の間を。時にイスラエルとアラブの国境線をまたいで。今度は公認で(笑)
グランドキャニオンの崖から崖を渡る計画もあるそうなのですが、現場に着いた途端スポンサーが「これ、マジで死んじゃうから」と怖気づいて逃げ出したため、この計画は現在無期延期状態のようです。

090714_174708プティさんが塔のてっぺんで空中に足を踏み出す時、わたしも共に雲が浮かぶ高さを歩いているような気がいたしました。
そう、この映画を見ていると、自分もなんだか綱渡りがやりたくなってしまうんですよね。・・・・いや、やりませんけど。

『マン・オン・ワイヤー』、ぼちぼち公開終了が近づいている劇場もあるようですが、この恐怖と恍惚はぜひ映画館で味わってください。

| | Comments (10) | TrackBack (3)

July 13, 2009

愛という字のもとに~ 大河ドラマ『天地人』より⑧ 「京都迷走案内」の巻

兼続 「直江兼続です」
景勝 「上杉景勝じゃ!」
兼続 「長かった京都旅行もいよいよ終わりか・・・ なんだかさびしいですね」
景勝 「っつか、わしはこの旅行中恥ずかしくてたまらんかったわい・・・」
兼続 「なにがですか?」
景勝 「お前の兜のまん前にぶらさがってる、その『愛heart04』の字がに決まってんだろうが!」
兼続 「ええーっ みんな『ロマンチックで素敵heart04』って大好評だったじゃないですか!」
景勝 「そりゃバカにしてたんだ! 京都の人間の言うことを真に受けてどうする!」
兼続 「殿・・・ 恐れながら申しあげまする。人心荒廃し環境が破壊されつつある昨今、たとえ人から笑われようとも、みなに『愛heart04』を広めていくことこそが、上に立つものの使命とは思われませぬか!?」
景勝 「・・・もっともらしいことを言っておるがな、お主、その『愛heart04』の字はおせん殿が、無理矢理つけたものであろう? 『出張先でもアタシのことを忘れないようにannoy 浮気しないようにpunch』ってことで」
兼続 「ななな・・・ 何を申されまするかwobbly わわわわたしはつつつ妻を真剣に愛しててて」
景勝 「ほほう。お主今回滞在した旅館の女将といい仲だったと聞いたが、あれはどうなのかのう?」
兼続 「ドキッshock
景勝 「あと長澤まさみと、くの一忍法帖に没頭してたという話も聞いたが・・・」
兼続 「ドキッドキッshockshock
景勝 「良き夫のような顔をしていて、裏ではそのような乱交ぶり。島耕作にも劣らぬエロ将軍のお前が、『愛heart04』について語るなどとは片腹痛いわ! 言っておくがな。決して羨ましいから言っておるのではないぞ
兼続 「わわわ、わたしが言っているのはそのような狭い範囲の愛ではありません! もっと世界規模のグローバルでワイドなラブのことであります!」
景勝 「ならば問おう兼続。おぬしの言う、その『愛shine』とはいったいなんじゃ!?」
兼続 「・・・・あのー。この展開、いい加減ワンパターンで皆さんも『またかよgawk』と思われてるのでは・・・」
景勝 「ふふん、その手はくわんぞ。そうやってうまくごまかすつもりだな?」
兼続 「ドキッドキッshockshock
?  「・・・そう。そいっつはっかなしすぎるよっ」

(ここでドラゴンアッシュ『El alma』をおかけください)

景勝 「あ・・・あなたは、セクスィー武将!!
武将 「愛の定義すら語れぬあなたに、その兜をかぶる資格はありません。即刻それを外してほしいものですね!」
兼続 「そういうあんたこそ、ついてるのは『愛』じゃなくて『恋』の字じゃないですか! 大体誰です? あんた?」
景勝 「知らんのか! 紅白歌合戦にも出たんだぞ!」
兼続 「あー 思い出してきました。去年のいまごろ沖縄でポコ死にしてた人ですよね。この人、殿と字面が似ててややこしくないですか?」
武将 「その無礼なもの言い・・・ 我慢なりませんよ! フェロモン香水を喰らうがいい!spa
兼続 「バカめ! それが有効なのは女人のみじゃ! 男子のわしらには何の意味もない! って、あれ?coldsweats02
景勝 「ああ~んheart04 も~ダメ~んheart04
兼続 「ととと殿sign02 あんたてっきりムッツリスケベなのかと思ったら・・・ そっちの道の人だったんですか!?」
景勝 「少し違うな、兼続・・・ これは上杉家に代々伝わる男女両道、二刀流の伝統なのじゃ! うっふ~んheart04
武将 「やってみたはいいですが・・・・ 気色悪いですね! これは!
兼続 「もう~ シャレにならなくなっちゃったじゃないですか! 責任取ってくださいよ!」
武将 「のんのん♪ それではまたどこかで、お会いしましょうheart04

(ここでまたドラゴンアッシュ『El alma』をおかけください)

兼続 「あんにゃろ~ 散らかすだけ散らかして、オチを押し付けてかえりやがったannoy
景勝 「そう、兼続・・・ 『愛heart04』とは結局なんなのじゃ?」
兼続 「えーとーですねー 広く人をいつくしむ心・・・ですかね?coldsweats01
景勝 「つまり・・・男も女もわけへだてなく、そういうことだな?」
兼続 「・・・・・・ いい加減勘弁してください・・・・crying

090713_180412

| | Comments (4) | TrackBack (1)

July 11, 2009

ゼンは急ぐ プラッチャヤー・ピンゲーオ 『チョコレート・ファイター』

090711_185250一人の少女が、この映画のために四年の歳月をかけて鍛えられた・・・ そうです。微笑みの国タイからやってきたアクション映画『チョコレート・ファイター』、ご紹介します。

お互い敵対する組織にあって、愛し合ってしまった一組の男女。女は男のためを思い、一人姿を隠します。やがて彼女は女の子を産みますが、子供は自閉症を患い、母もまた病の床についてしまいます。
母を救うためにお金が必要なことを知った女の子は、勇気を振り絞って母を搾取した悪党どもの元に向かいます。そうです。閉ざされた心を持つ彼女には、いつしか超人的な格闘能力が宿っていたのです・・・・

最後の一文を読んで「?」と思われた方もおられるでしょうが、そういう話なんで仕方がないのです。
かつて日本の時代劇にも「ハンディキャップもの」ともいうべきジャンルがありました。とある理由で社会からチャレンジされてるヒーローが、健常者の悪党どもをバッタバッタと切り倒すという映画ですね。失われた能力の代わりに他の能力が著しく研ぎ澄まされる・・・ そんな発想から生まれたのでしょう。代表的なヒーローといったら、なんと言っても『座頭市』。それに『丹下左膳』。しかし時経つ内に「そういうのって差別じゃない?」という見方が強まり、このジャンルは衰退していくことになりました(最近のコミックでは、けっこう義手系のヒーローが活躍してたりすんですがね)。
ですが他のアジア圏ですと、まだあまりそういうことは気にされてないようです。この『チョコレート・ファイター』もそんな「ハンデもの」の一本。ただヒロインのハンデが「自閉症」というところが、これまでにないというか、「これいいのかなあ?(^^;」という作品です。

ヒロインの名は「禅(ゼン)」。父が日本人(実は阿部寛)であることから、母がそう名づけたのですが、このこと一つとってもツッコミどころが豊富な映画であります。ヒロインと悪党があんだけ派手に暴れまわってるのに、警察はまったく来る気配もないし(笑)。しかしこの映画の真骨頂はなんと言ってもアクションにあります。
ゼンを演じるジージャー・ヤーニンさんはもともとテコンドーの選手であったということですが、そこからさらに猛トレーニングを積んだというだけあって、スパスパビュンビュンよく動きます。まさに目にも止まらぬ速さ。細身の剣が自在に宙を舞うようなアクションであります。

打撃はもっぱらキックが中心。ゼンちゃんは最初ふわふわしたスカートをはいてアクションをするのですが、丈が長い上に動きが素早いので、パンツはほとんど見えません。見えてもコンマ二秒くらい。そういうのを期待して見に行くとかなりガッカリすると思うので、前もって忠告しておきます。
・・・話を元に戻して。日本でキックというと仮面ライダーかジャイアント馬場をつい思い浮かべてしまいますが、もともとキックというのは弱者・・・小柄な人の武器ではないでしょうか。脚には腕の三倍の力が秘められていると言います。リーチの差も多少は補えますし、小柄な人が全力を持って大柄な人と戦うのであれば、脚に頼るらざるをえません。対して大柄な人は足技を使うとバランスを崩しやすい。テコンドー、ムエタイ、カラリパヤット、セパタクロー(あれ?)など、足技中心の格闘技が小柄な人が多いアジアで発展しているのは、そんな理由によるのではないかと。例外はブラジルのカポエラですが、あれだって手を縛られた奴隷が開発したものですから、「弱者の武器」という点では通じるものがあります。あ・・・ 「サバット」ってのもあったな・・・ まあいいや(おーい)

ただ、この映画でがんばっているのはヒロインだけではありません。やられ役の人たちも相当体を張っております。中にはマットも何も強いてないコンクリートの地面へ三階から落ちていった方もおられましたが・・・・ タイの方たちは香辛料の食いすぎで痛覚が麻痺しているのでしょうか? いや、そうでないことはエンドロールを見るとよくわかるんですが。普通こんなとこ見せねーだろ・・・という痛々しい映像のオンパレードです。最後に出てきたあの人、その後無事回復したのかしら・・・ そんなことまでつい気になってしまいました。

さて、タイの映画界ではメロドラマや芸術作品も普通に作られてるそうですが、日本に来るのは専らアクションものばっかりですねえ。『マッハ!!!!!!!!』『七人のマッハ!!!!!!!』『トム・ヤム・クン!』『ロケットマン!』『マーキュリーマン』・・・ って『ロケットマン!』以外全部同じ監督の作品じゃねーか(笑) その『ロケットマン!』からちょっと変な方向に行ったので、この『チョコレート・ファイター』で軌道修正ということでしょうか。

090711_185352少し前本国では、『1』の主演であるトニー・ジャーが監督した『マッハ2!!!!!!!!』(仮題)も公開されたそうです。この映画、撮影途中で監督が失踪するとか金銭トラブルがあったとか、いろいろ大変だったようで。そのせいか知りませんが日本で公開するのかどうか、いまだにちゃんとした話を聞きません。こちらでも無事に公開されるといいですねー

| | Comments (10) | TrackBack (2)

July 08, 2009

適当掲示板84&いい年こいてディズニーシー

当ブログに関するご意見・ご感想そのほかありましたらこちらにお寄せください

さて、もう先々週の話ですが、実に五年ぶりに東京ディズニーシーに行ってきました。ランドの方はもう最後に行ったのがいつなのか思い出せません。
先回は中高年も一緒だったのでステージやゆるい系のアトラクションを中心に回ったのですが、今回は若い方がメインだったのでほぼ全ての絶叫系につきあわされました。中には初めて乗る機体?もあり。

090626_163636特に強烈だったのがこの「タワー・オブ・テラー」
オバケ屋敷のようなものかと思って気軽に入っていったら、小さめの劇場のような部屋に連れて行かれます。するとその部屋全体がキリキリとエレベーター状に上昇していくではありませんか。
「このあとどうなるの?」
「落ちるんですよ」
「落ちるって・・・・ ああああああああああ!!

・・・・・貴重な体験でしたshock


090626_135038もうひとつ忘れがたいのがこの「レイジングスピリッツ」
ぱっと見た限りでは「小ぶりのジェットコースター」という感じだったので、これまたほいほいと搭乗したところ
「これ、一回転宙返りしますから」
「ちょっと待て! 降りる!」
「大丈夫ですよ。でんぐり返しとかしたことあるでしょ」
「それとこれとはわけがちが(ゴトンゴトン)あああああああああ!!

でも意外と気持ちよかったです。宙返り。

090626_112641090626_120949そのほかの激しい系のアトラクションには、「ストームライダー」「センター・オブ・ジ・アース」「インディー・ジョーンズ・アドベンチャー:クリスタル・スカルの魔宮」などがあります。
この中で特にきついのは「センター・オブ・ジ・アース」。これまたコースの途中で思いっきり急降下するところがあるのでshock
そこへいくと「インディ」はまだラクな方かなー。スピードは速いですけど、一応目の付いてる方向へ進んでくれるので・・・・


090626_182011090626_184254昼過ぎになるとさすがに絶叫系も乗りつくしたので、以降はステージを中心に回りました。「マーメイド・ドラグーン・シアター」にて行われているミュージカル「アンダー・ザ・シー」は前にも見たことがありましたが、今回もそのすごさに圧倒されました。造形美術もさることながら、演者のほとんど宙釣りになって演技しているのだから驚きです。
画像は野外で行われている「オーバー・ザ・ウェイブ」。楽しむにはやや童心に帰ることが必要・・・・


そのほかに適当に撮った画像など並べておきます

090626_102323090626_102446090626_114404090626_120524
 wave

 wave

 wave

 wave


090626_121208090626_124727090626_140928090626_143240
 wave

 wave

 wave

 wave


090626_134037b思いのほか空いていて、いろいろサクサク乗れたのは助かりました。その分かなり歩き回ったので、老体にはやや堪えましたが・・・

ランドでは先日『モンスターズ・インク』のアトラクションがオープンし、シーでも秋には『ニモ』の、そして2012年には大々的な『トイ・ストーリー』のアトラクションを作るそうです。やけにピクサー系に力を入れているようで。

いずれ試してみたいものですけど、次はまたいつ行けるかわかりません。ひょっとしてこれが最後だったりして・・・

| | Comments (8) | TrackBack (0)

July 07, 2009

新たなる破裂 庵野秀明 『新劇場版ヱヴァンゲリヲン:破』Aパート

090707_172309本当ならもうとっくに終ってるはずなのに、いまごろ第二弾が公開の『新劇場版ヱヴァンゲリヲン』シリーズ。第一弾『序』の記事はこの辺とかこの辺とかこの辺に書いてありますんで、気の向いた方はごらんください。

1~6話をまとめて少しアレンジを加えた・・・という感じの『序』でしたが、今回は重要なイベントこそ消化しているものの、ほとんど新規作り起こしの内容でした。その分それこそ「新作」を見る興奮が味わえた気がします。

今回はメンドくさいのでもうしょっぱなからネタバレ全開で、思ったことをダラダラと書かせていただきます。これから見ようかという方は今の内に避難されてください。


☆「シンジとゲンドウ」

当初はこの『エヴァ』という物語は父と子の葛藤を描いた話だと思ってましたが、関連本をいろいろ読んだ今はちょっと違うように感じています。シンジが少年のままの庵野監督だとすると、碇司令は大人・公人としての庵野監督なのでは。
つまり『エヴァ』とは二人の自分がえんえんと言い争ってるような、そんなアニメだったんではないでしょうか(笑)
テレビシリーズのころの庵野さんってたぶん自分のことが嫌いだったんだと思います。だから二人はあんなにも仲が悪い。もしかしたら好きになれるかも・・・・と思いながら、結局やっぱむずかしいなあ~ みたいな、そんなオチだったと考えています。

今回も目は合わせないは電話には出ないわあんまし変わってないようにも思えましたが、後半「おや」と思わせるセリフがありました。エヴァで本部をぶっ壊そうとしたシンジに、テレビ版では「お前には失望した」と語っていたゲンさんですが、今回は「シンジ、大人になれ」とそれこそ大人の発言をしています。この歩み寄りに、なんだか庵
野監督の変化を感じたのでした。何がその変化を生じさせたのか。そのヒントは


☆ごはん

にあるような気がします。この『破』ですが、尺に余裕がないにも関わらずやたらと食事・料理にまつわるシーンが多いように感じられました。綾波もアスカもシンジに一層心を開いたきっかけは彼の手弁当でしたし、二人がシンジに対し接近を試みようとするツールもまた料理だったりする。
平成ライダーからの影響か(監督が平成ライダーのファンというのは有名な話です)とも思ったのですが、まあやはり本当のところは、監督がこの十年で「誰かにご飯を作ってもらう・誰かと一緒にご飯を食べる」その喜びに目覚めたからからではないでしょうか。
同じ釜の飯を食うことにより、人はコミュニケーションをはかり、共同体として成長していくわけです。
ただ理解しがたいのは、この映画にはエヴァ・使徒のお食事シーンもあるのですが、そいつが上記のシーンとはうってかわってえらい凄惨であること。食事というより「食い殺す」といったほうが正しい。
人のお食事シーンとエヴァのお食事シーンに何らかの関わりがあるのかどうかは、まだよくわかりません。


☆アスカ

テレビ版では三話でほぼ綾波と同じ地位を得たアスカですが、今回はサブ的な位置のままで終りそうな感じです。テレビ版後半から旧劇場版にいたるあたりでは、アスカはその勝気な性格とは裏腹に絶えず「死の匂い」を漂わせているキャラでした。旧劇場版のラストシーンなんか思いっきり彼女が殺されかけてるところでしたし。この辺なんだか庵野監督の執着というか「憎悪」が感じられるような・・・
今回も登場してまもないのにいきなり死亡か!?と思われましたが、幸い一命はとりとめた様子。テレビ版でのあのシーン(第18話)に関して監督は「本当はやっちまいたかった」と語っております。それができなかったのは某ブレーンとの間に「子供は殺さない」という約束があったからだそうです。コミック版でああいいう結末になったのは監督の本来の意を汲んでのことなのか・・・・
しかし今回も監督は子供を殺せませんでした。生ぬるいという意見もあるでしょうが、わたしはこれでよかったと思ってます。


☆ダミープラグ

これはどっちかっつーと新劇場版というよりテレビ版での話なんですが、今回新たに気づいたということでcoldsweats01
シンジが入ってない偽のプラグを拒絶するエヴァ。この辺から当時の制作の状況が伝わってくるような。
このころになるともういい加減スケジュールが破綻してきて、このままではラストがまともにできそうにない・・・ということがわかっていたようです。ちゃんと終わりまでもっていくには、非常な手段=局の言うことを聞いて、ほどほどに手を抜いて乗り切るしかない。これが碇司令=大人としての庵野監督としての心情。
しかし手を抜くくらいならぶっこわれても構わない。むしろ自分でぶっ壊す。これがシンジ君=子供のままの監督の心情。結局子供の部分が勝った・・・のかな?coldsweats01
当時の監督は「思い通りにいかないとごねる」ということでは定評のあった方のようです。まあまがりなりにも劇場版でちゃんと完結できたのだから、『エヴァ』は幸運な作品でした。


☆翼をください

一度はエヴァを降りることを決意したシンジですが、綾波が食われたのを見てもう一度戦う決意をします。テレビ版では加治に促されて、「自分にしかできない仕事だから」という感じでありましたが、今回はあくまで綾波個人を助けたいという思いで戦場に戻ります。
誰かを助けるためにこんなにも熱くなるシンジ君・・・・ 旧バージョンとは明らかに違います。ここは『翼をください』よりもユーミンの『守ってあげたい』の方がマッチしているような気もしますが。


090707_184636せいぜい19話あたりまでかな~と思いきや、最後の数分で一気に「まごころを、君に」まで行ってしまった感のある『破』。恐らく完結編となる『Q』ではまた新たなる物語が見られることでしょう。

参考文献は『スキゾ・エヴァンゲリオン』『パラノ・エヴァンゲリオン』(太田出版)、『監督不行届』(安野モヨコ著)でした。
調子にのってまたAパートとつけてしまったから、Bパートも・・・やるの?

| | Comments (4) | TrackBack (2)

July 05, 2009

サルだっていいじゃない ジョナサン・モストウ 『ターミネーター3』

20060425172949現在好評?公開中の『ターミネーター4』。それに関する記事を読んでわたしがあらためて知ったのは「『ターミネーター3』ってそんなに評判が悪かったのか?」ということでした。いや、わたしはこの映画普通に面白いと思ってたんですけどねえ。そういやこの映画が公開されたころって、ブログもほとんどなかったような気がするし、誰かと一緒に見に行くというのも十回に一回くらい。当然誰かと意見を交わすこともなく、映画鑑賞ってつくづく孤独な趣味でありました。しみじみ

っと、話が横にそれました。みなさんの『Tさん』に対する意見をざっとまとめてみますと「最悪」「超駄作」「なかったことにしてほしい」「ジョン・コナーがサル顔すぎる」「うんこ」
・・・・・

そこまで・・・ そこまで言わなくてもいいじゃないですか!!crying サルだって、サルだってぼくらと同じ人間です!(←ちがいます)

そこで今回はわたしがなぜ『Tさん』を面白いと思うのか、その理由についてネチネチと解説していきます。こんな記事書くとお得意様の皆様からそろってひんしゅくをかいそうな気がするけど、まあいいや。書いちゃえ。
あの、どうか「本当にこいつバカよね~」って感じでうすら笑いでも浮かべながら、見逃していただければ幸いですcoldsweats01

それではさっそくまいりましょう。

one「冒頭でうらぶれてるジョン・コナー」

いや、世が世なら「救世主さま」とあがめたてまつられてるジョンくんがですよ、この世界ではうっかり世界を救ってしまったためにほとんどプータロー状態ですよ。その辺がなんとも「運命の皮肉」ってヤツを感じさせるじゃないですか。
少し時間の流れが変わっただけで、超セレブもフリーターになっていたかもしれない。逆にその辺のあんちゃんが総理大臣になっていたかもしれない。そう考えるとなんだか面白くありませんか?
それにしてもこの状態のジョンくんを見ると、彼にとって本当に幸せなのはどっちの世界なんだろうな・・・とつい考えてしまいます。そりゃあやっぱりプータローでも安全に暮らせる世界のほうが幸せだと思いますけど。

two「スカイネットの設定」
それまでは単に「すげえコンピューター」くらいの設定だったスカイネット。ですがこの作品ではその設定にやや補足というか変更が加えられています。スカイネットとは一個のコンピューターではなく、多数あるコンピューターが一つのプログラムにより相互かつ緊密に結び合わされたもの、すなわちネットワークであると。
実は人間の「意思」「自我」、これはどのようにして生じるのかということに関し、次のような説があります。人間の脳には1000億あるといわれる神経細胞があります。これがそれぞれ約千個ほどのシナプスにつながれることにより、膨大な数の情報交換が行われるわけです。それによって「意思」というものが形成されるのではないか・・・・というもの。
だから超緊密なネットワークが完成した途端に機械に自我が生じてしまうというのは、ある意味非常に説得力があるわけです。そうするとこの我々が使用しているインターネットにももしかして意思が生じてるんじゃないの? という疑惑も生じてきますが、まあ世界中のPCより一個の人間の脳細胞の数の方がずっと多いし、情報交換も脳の方がずっと頻繁なので、たぶん大丈夫・・・・だと思うんですが。

three「あれ? 審判の日、来ちゃったよ?みたいな」

『T2』でスカ誕生の原因となったT-800の回路が消滅したことにより、回避されたかと思った「審判の日」。ですがこの『Tさん』では何の説明もなくスカイネットが開発され、「審判の日」が到来してしまいます。

この辺が特に「ここが変だよ」と言われてしまう部分でありますが、ちょっと待ってください。変といえば『T2』のラストもどこかおかしい。だってスカちんが誕生しなければカイル・リースが過去に送られることもなく、当然サラ・コナーと結ばれることもなく、ジョン・コナーが生まれることもない。だから本当ならT-800がずぶずぶと溶けていった瞬間に、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の1シーンのごとく、ジョン君もスーッと消えていってしまうはずなのです。
『Tさん』冒頭でジョン君がビクビクしてるのはそのせいかもしれません。「時の異物」である自分が存在していることが、歴史が変わっていない証明ではないかと。

たださらに遡って考えますと、そもそもジョン・コナーが存在したからこそターミネーターが過去に送り込まれた。そしてそれを追いかける形でカイルが送り込まれた・・・ ということは、カイルが過去に送られなくてもジョンは存在しえたということか? ううううん~ なんだか「タマゴが先かニワトリが先か」みたいな話になってきましたがwobbly

学者さんやSF作家はタイムスリップによって過去が帰られたなら、歴史はどうなるか、ということに関し次のような説を述べています。
1:その瞬間に歴史が変わる
2:その瞬間に歴史が分岐する
3:歴史の細かいところは変わるが、おおまかな流れは変わらない

実際のところは本当にタイムスリップをしないとわからないと思いますがcoldsweats01、たぶん『ターミネーター』シリーズは「3」の考えで作られてるのではないでしょうか。
恐らくカイルが過去に送られずとも、別の男性によってジョン・コナーは誕生するのでしょう。同様にスカイネットが開発されること、「審判の日」が下ることも避けられない事実なんでしょう。

four「T-1萌え」

この作品には正式なターミネーター第一号「T-1」が登場します。これがシュワちゃんとはまったく似ても似つかない、手はガトリング、足はキャタピラでボディはドラム缶みたいなシルエット。
「そういや電話も昔は真っ黒でダイヤル式だったよなー」みたいなノスタルジックな気分に浸らせてくれます。

five「サプライズ・エンディング」

ちょっとthreeと重なるところもありますが、わたし『T3』っててっきりまた審判の日が回避されて、「めでたしめでたし」で終ると思ってたんですよねー それが見事にこちらの予想を裏切ってくれました。やっぱし映画ってのは観客の度肝を抜いてナンボですよ。
・・・・ただみなさんが怒ってらっしゃるのはこのエンドに関してなのかもしれませんね・・・ せっかくきれいにまとまってたモンを、散らかすだけ散らかして逃げた、みたいな終り方ですからcoldsweats01

six「漠然とした不安感」
わたしは『ターミネーター』シリーズが他のアクションSFと違うのは、ラストシーンに漂う漠然とした不安感にあると思ってます。『1』は近い将来災厄が下ることを暗示して終わり、『2』も一応ハッピーエンドではありますが、「未来はどうなるかわからない」みたいなナレーションで幕を閉じます。
で、『3』では結局審判の日が来てジョンも死ぬかもしれないと、不安をあおるだけあおって終ってしまいます。卑怯な手かもしれませんが、予定調和な終わり方よりもこういうエンドの方が記憶に残るものなのですよ。
考えてみたら『4』はその点物足りなかったかも。

20060427154444どうでしょう。『ターミネーター3』がいかに傑作であるかわかっていただけたでしょうか。
ここまで読んで「いや、それはおかしいだろ」と思われた皆さん、その思いはそっと胸にしまっておいてください。わたしはいつ何時、誰の挑戦でもうけません(笑)
3、2、1、ダァーッ!!rock

| | Comments (12) | TrackBack (1)

July 03, 2009

時には、ハチを愛するように ジーナ・プリンス・バイスウッド 『リリィ、はちみつ色の秘密』

090703_130121首都圏より三ヶ月ほど遅れて上映。

1960年代半ばのアメリカ南部。14歳の少女リリィは、幼いころ死に別れた母を未だに恋しく思っていた。妻に裏切られたと思っている父のT・レイは、そのことが不快で、リリィとよく衝突する。
そんな時ある事件がきっかけで、彼女たちの家で働く黒人のメイドが当局に捕まってしまう。リリィは父への反抗心も手伝って、彼女を警察から連れ出して、二人で見知らぬ土地へと向かう。
さっそく宿にも困ったリリィたちだったが、たまたま知った養蜂業者の家で働かせてもらうことになる。その養蜂業者は驚くべきことに黒人の女性だった。

原作は2005年に発表され、世界35カ国で翻訳されたベストセラー。一昔前のアメリカの話で、作家を志す子供が主人公というところは昨年の『テラビシアにかける橋』なんかを思い出したりしました。

この映画に興味をひかれた理由の一つは「養蜂」がモチーフとなっているところ。はちみつは甘味と滋養に富み、薬用としても効果があります。リリィにとってその仕事に携わるということは、まさしく母の愛情に触れるようなものだったのかもしれません。

「虫を愛する人は心清き人」という言葉があります。ウソです。ありません。たったいまわたしが考えました。
アメリカの人たちって虫のこと嫌いか興味ないかのどっちかだと思ってましたが、この映画に登場する女性たちはハチはもちろん、ゴキブリにすら愛情を注ぎます。・・・なんて優しいんだ・・・crying
わし、「虫のこと好き」とか言いながら、ゴキブリや蚊のことは差別してたよ・・・・ 反省しなくちゃな・・・ 潰すけど。ぷちゅdash

しかし作品は「あま~いheart04」だけではなく、彼女たちを取り巻く苦い現実をも描きます。特に当時のアメリカ南部は、未だ人種差別が色濃く根を下ろしている土地でありました。

女子供を容赦なく殴る男たち。見下げ果てた野郎どもです。こうした狂気の背景にはなにがあるのでしょうか。
ヒントになるのは2000年の映画『タイタンズを忘れない』。黒人のチームメイトを蔑んできた理由について、ある少年は「君たちが怖かったんだ」と告白します。
60年代はキング牧師の活動が脚光を浴び、黒人の権利拡大が叫ばれている時代でした。今まで慣れ親しんでいた社会が変わってしまうことが、自分たちの特権が失われてしまうことが白人たちには恐ろしかったのでしょう。そしてその恐怖を悟られまい、なめれまいと、常軌を逸した行動に出るわけです。

それに対し、リリィを見守るオーガスタのなんと力強いこと。ぶんぶん唸るハチの群れを前にしても少しも動じず、「大切なのはハチに愛を注ぐこと」と諭します。そう、ハチだって無闇やたらと人を刺すわけではありません。人が恐怖や敵意を示すからこそ刺すわけです。逆に愛情を示すならば、ハチも甘い蜜を提供してくれます。

今の日本はこの映画と違って、異なる人種がそれほど入り混じってるわけではありませんが、お隣の国々とは何かと衝突が絶えません。マスコミはマイナスな報道しかしないのでイヤになりますが、むこうさんにも「仲良くしたい」「歩み寄りたい」と思っている人々はきっといるはず。たとえ数が多くないとしても、そのわずかな人々のために、わたしは彼らと仲良くしていきたいと思っています。

もひとつ思ったのは、当時はまだ「親の愛は絶対」と信じられていた時代だったんだな・・・ということ。そりゃかの時代にもそれなりに虐待や育児放棄はあったと思いますが、少なくとも表面化はしてはなかったわけで。

痛ましいニュースが増えていることと、ミツバチが減少していることに、なんだか奇妙な符号が感じられたのでした。

090703_130139あ・・・ なんか湿っぽくなっちゃいましたね。ガラにもなくcoldsweats01

代わりといってはなんですが、最後にちょっといい話をひとつ。この映画、驚くべきことにメインキャストのほとんどがノーギャラで出演しているそうです。金と欲にまみれたこの世の中で、なんとも小気味いい話じゃございませんか。
世の中金じゃありません。愛です。そういうわけで、誰かわたしにも愛をください!あとやっぱりお金もほしいです! プリーズ・ラブ!&マネー!・・・って、またそんなシメかい!

| | Comments (8) | TrackBack (4)

July 01, 2009

トラック大将 復讐の流れ星 マイケル・ベイ 『トランスフォーマー:リベンジ』

090630_175655090630_182944全米の伝説となったあの抗争から二年。
恋人ミカエラと愛車クリスティーンとの三角関係に疲れ果てたサムは、故郷から遠く離れた東海岸の大学に進むことを決意する。入学一日目からイケイケ(死語)なおねーちゃんといい雰囲気になれたサムだったが、女と車が追いかけてきたことから、事態は結局もとの木阿弥に。
そのころ正義の走り屋集団「オートボックス」の店長暁アキラは、宇宙より迫り来る巨大な敵の出現を予感していた。

全日本のオタク少年たちの夢をかなえたあの劇場版トランスフォーマーが、二年ぶりに帰って参りました。一作目のレビューはコチラ
その年の映画秘宝ワースト1に選ばれたゆえ(ベストでも10位でしたが)、今回もまたぞろぶったたかれてるんだろうな・・・と思ったら、世間様の評価はそんなに悪くないようで。きっとみんなトランスフォーマーにはそんなに期待してないんだろうな(笑) かばう気まんまんでいたのに、なんか拍子抜け。ま、いいや。今回もホメ言葉しか書きませんから! ハイ!

よかった点の第一は、まず前回多かった「人間だけパート」が大幅に減ったことですかね。変わりにロボットの登場場面はかなり増えました。きっと「1」のヒットで予算いっぱいもらえたんだろうなー

あとわたしがツボだったのは、これがサイズの異なる友情物語であるということ。正義チームの司令官コンボイ(劇中ではオプティマス・プライムと呼ばれてますが、わたしが「コンボイ」という呼び名に慣れきっているので、あえてこの名で押し通します。ご了承ください)は、ウン百歳で身長十メートルくらいで形状記憶合金で宇宙人ですよ。だのにその辺のボンクラ青年と大差ないサムとの友情が成立してしまう。すばらしいじゃあーりませんか。本当に地球上で争っている場合じゃないですよ。
「君が思っている以上に我々は君を必要としている」なんて、ぐっとくるセリフまで言ってくれます。
それに対し「わりい。学校あるから」とすげないサム。このアホタレが!
しかしコンボイが自分をかばって倒れた時、ようやっとサムは彼との友情パワーを思い出します。

そしてサムは友情とつぐないのためにがんばるわけですが、彼のお供をする「旅の仲間」たちがすごい面子。やはりへなちょこなルームメイトや、双子の漫才師コンビや、敵から寝返った変態ロボットや、ブリーフフェチのリストラ中年や、ポンコツ寸前のロボット三等兵や・・・ そんなはみだし者たちが地球の命運をまかされてしまうんだから愉快愉快。一応米軍やかっこいい系のロボットもがんばってますが、彼らはあくまで脇固めです。

さらにはピラミッドからそんなものが出てきたり、昔なつかしのあれもこれもトランスフォーマーだった、なんて中坊気質丸出しのSFテイストがほほえましい。第二次大戦時乗り物の調子を悪くすると言われたグレムリンの伝説も、きっとヤツラの仕業ですよ。

・・・・マジメなことも少しは語っておこうかしら。悪の親玉の名前「Fallen」や「太古にもTFたちが地球に来ていた」という設定は、恐らくノアの箱舟の直前の「巨人伝説」を意識してるものと思われます。
また一生懸命働いてるのに国から「出てけ」と言われると反論できないコンボイたちには、なんか移民というか難民というか不法入国者の悲哀が漂っておりました。
こんなバカ映画でもそれなりにアメリカの背景や現状が感じられるのは面白いですね。

アメリカではずいぶん前から日本のロボアニメが輸入されていたのですが、なかなかうけいられませんでした。どうも向こうの人々はロボットに乗って戦うことが、「マシンに頼ってる」と感じられたようで。男ならてめえの肉体で勝負せんかい!と。
そんな状況に風穴を空けたのが、このトランスフォーマー。まあ連中は誰かが乗ってるわけではなくあれが彼らの「肉体」なんで、米人のみなさんも親しみがもてたようです。さらには、このTFのヒットがきっかけで、以後は「乗る」系のロボもそれなりに受けいられるにようになったみたいです。

090701_131036ちなみに上画像のロボットはブルドーザーが変形する「ランページ」というもの。なぜこれかというと、単にわたしがこういう乗り物が好きだからです。彼?が劇中のどこに登場していたのか、まったく思い出せないんですけどね(笑)。後半でガキョガキョ○○してたものの一体でしょうか。変形システムが複雑すぎて泣きたくなりましたが、あんなムチャ変形を再現してしまうこの技術はやはりたいしたもの。

この匠の技を手のひらで味わいたい方は、いますぐオモチャ屋さんへGO!です! タ○ラトミー、こんだけ宣伝してやったんだからなんかちょうだい!

| | Comments (8) | TrackBack (6)

« June 2009 | Main | August 2009 »