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June 05, 2009

深夜特急プラス1 マチュー・カソヴィッツ 『バビロン A.D.』

090605_210613ああ・・・ もう大体公開終っちまってる・・・

そんなわけでいまさらの感もありますが、ヴィン・ディーゼル主演のSFアクション『バビロンA.D.』紹介いたします。「ベーリング海峡冬景色」というのも考えました。

時は近未来。お話は東欧某国より始まります。やばい仕事を専門に請け負うトーロップは、マフィアの顔役から、「一人の少女を、こっそり六日間でアメリカまで連れてってほしい」と頼まれます。ひっかかるものを感じつつトーロップが「積荷」の受け渡し場所に行くと、そこには少女のほかにもう一人、お付のおばさんが待っていました。なんだかんだでとにかく目的地に向かうことになった三人。しかし彼らの行く手には様々な妨害や関門が待ち受けます。

近未来といっても戦争・疫病で荒廃した世界という設定なので、壮麗な未来都市が映し出されるわけではなく、ただただ退廃しております。そんな世界観は少し前の『トゥモロー・ワールド』とも似てます。そういやあれもわけありの女の子をどこかへ逃がす話でした。

ですから移動手段も当然超マシンではなく、我々がよく知る自動車・列車etc。地味なようで、様々な乗り物を乗り継ぐ行程は見ていてなかなか楽しかったです。
旅のルートがまたちょっと面白い。ユーラシア→北米東海岸となると、間にでんと太平洋が横たわっているため、当然空路か海路を想定します。しかし世界地図をよく見ると、このニ大陸、上のほうはかなーり接近してるんですね。ほとんど陸路だけでいけないこともない。
ただこのルートははっきり言って過酷です。特に冬場はめちゃくちゃ寒そう。しかし氷が張らないとある程度歩いていけないし、苦労して歩いたとしても結局は船に乗らなきゃ渡れないところもあり・・・・ こんな不便な道、わざわざ行こうとするのは難民か電波少年くらいのもんでしょう。人が苦労してるところを見るのはなかなか楽しいものですが。

主役にここのところおとなしめのアクション俳優・ヴィン・ディーゼル。お尋ね者なんだけど、一応やることに筋は通っていて、なぜだか子供だけには優しい。
このキャラ、彼が以前演じた「リディック」そのまんまじゃないですか(笑)。ヴィンさんはそのほかにも『アイアン・ジャイアント』や『キャプテン・ウルフ』でも似たようなヒーローをやっていました。彼はよほどこのタイプの主人公がお気に入りのようです。
また先にも書いたようにロッテンマイヤーみたいなお付のおばさんが出てきます。このおばさん、意外にも腕っ節が強くてびっくりさせてくれます。なんでこんなに強いのかと思ってよく見たら、ミッシェル・ヨーでしたcoldsweats01

かように個性豊かな当作品ですが、世間的な評判はあんまりよろしくなく。たぶん不満の理由は終盤の展開があまりにも矢継ぎ早で説明不足だったりとか、クライマックスの盛り上がりがイマイチ物足りないとか、そんなところだと思います。
実はこの作品にはある不幸な経緯がありまして。先月の『映画秘宝』に出ていたんですが、ちゃんとできてたものを、会社が勝手にぶったぎって尺をちぢめてしまったんだとか。そんで激怒した監督が「もうこんなのオレの作品じゃない」と言ったとか・・・・
ちなみにわたしはその事情を知った上で観にいきました。すんごいとんでもで尻切れな終り方だったらそうしようと、ビクビクしながら見てましたが、それなりにお話はすっきり終っていて、胸をなでおろした次第です。

それにしてもカソヴィッツ監督は悪くないのに、「出来が悪い」と文句を言われるのはとても気の毒。映画監督って、なんだか割りに合わないお仕事ですね・・・

090605_210641そんなわけでDVDでは本来のヴァージョンが見られるかもしれません。「ユーラシアから北米まで徒歩で行けないかな」と思っている方は、参考までにぜひごらんください。

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Comments

あー。それなら納得ですねえ。
事情を知らない私は「テレビシリーズのパイロット版ならこれでエエけどなあ…設定とかは面白いだけに、もったいないなあ〜〜」って思って見終えました。

だってね、『リディック』も観ましたが、ヴィン・ディーゼルって尻切れトンボ・連続ものの第一話的な終わり方した映画ばっかりの印象がありまして…
だから今回もそうかと思ってしまいましたのよ。

ユーラシアから北米…マンモスの道ですかね。暑いの苦手な私は氷河期のほうが暮らしやすいかも…
ところで鉄檻デスマッチではなぜかK1のジェローム・レバンナが出ててびっくりしましたよ。
昔時代劇に馬場が出てたようなもんかしら。

Posted by: よろづ屋TOM | June 05, 2009 at 11:18 PM

こんばんは。
すげーおもしろかったんだけど、おかしいなぁ。
5月のエンタメ系のヒットはGOEMONとコレですよ!
天使と悪魔の何倍も楽しかったんですけれど。
天悪のバチカンの撮り方より、こちらの世界紀行の方が何倍も映像の醍醐味を感じましたもの。
ヴィンディーよりか、ジェイソン・ステイサムの方が好きかなーって思ってたのですが、ヴィンヴィンもなかなかいいじゃないですかー。
でりばりーぼーい。

Posted by: かえる | June 06, 2009 at 01:56 AM

>よろづ屋TOMさま

こんばんは! こちらご覧になってたんですね~
確かに組織があれしきで諦めるとも思えないし、続きを作ろうと思えばまだまだ作れどうですよね ・・・・作らないだろうけど

『リディック』もけっこう期待して観にいったんですが、結果は・・・(笑) 前日談の『ピッチブラック』のほうがよくまとまってますよね
それでも続編ができたら観にいくつもりだったんですが

TOMさんは冬の方が耐えやすいですか。わたしはまだ夏のほうがいいかなあ。寒さは時として死につながるので・・・ 冬の方がおいしいものも色々あるし

K-1には詳しくないので、あれがジェローム・レバンナだったとは知りませんでした。時代劇といえば『GOEMON』にもチェ・ホンマンが出てたなあ

ところでTOMさんは『BLOOD+』って見てました? これのエンド、あれとそっくりだと思うんですが

Posted by: SGA屋伍一 | June 06, 2009 at 11:02 PM

>かえるさま

こんばんは! おかえしありがとうございます

>5月のエンタメ系のヒットはGOEMONとコレですよ!

わたしとかえるさんって、実はセンス近いんじゃないですか? ・・・なんですか! そのいやそうな顔は!
ご安心ください。先月わたしが一番面白かった映画は『天元突破グレンラガン 螺巌編』です
この二本も良かったですけど

『天使と悪魔』については見てないのでなんとも。自分だったら普通に楽しめそうな気もしますが、いまひとつ吸引力を感じないというか。『ダヴィンチ・コード』原作はそこそこ面白かったですけどね

ヴィンヴィンもステイサムも好感の持てる野郎どもですよね。去年は『リボルバー』より『バンク・ジョブ』を見ておくべきだった・・・
『トランスポーター3』はどうなんだろ? わたし『2』見てないからなー

Posted by: SGA屋伍一 | June 06, 2009 at 11:09 PM

『BLOOD+』!あああああっ。ほんまやぁ〜。Σ( ̄ロ ̄lll)
エウレカ黒髪バージョンな可愛いサヤと、つるんぺんでおとろしいディーゼル君なんで、脳内ではまったく繋がりませんでした。
ふむふむ。なるほどねえ〜。

たしかに凍死もありなんですが、寒いのは着込む、火を使うでなんとかなっても、気温40度50度では皮も脱げないし、もう死ぬしかないかと。
なんたって夏は何でもかんでもあっちゅー間に腐るのが困りますしぃ。

あ。トランスポーター、『2』ならわたし記事書いてます。▼オモロかったですよ。ネタバレ無しなんで読んだってください。

http://tomzone-blog3.blog.drecom.jp/archive/38

Posted by: よろづ屋TOM | June 08, 2009 at 08:07 PM

>よろづ屋TOMさま

お返事ありがとうございまする
なぜわたしが『BLOOD+』を思い出したかといえば、それは今『ラスト・ブラッド』をやってるから(笑)
たぶんこれは観にいかないような気がします・・・
『BLOOD+』の方はそれなりに良き作品だったと思ってます。惜しむらくは一年もやらくてよかったんじゃないかな、ってことですね

>気温40度50度では皮も脱げないし、もう死ぬしかないかと。

そんなに気温が上がるとは・・・・
大阪は赤道直下ですか!?
そう、考えてみりゃ暑さでくたばることは少なくても、食中毒でぽっくり行くことは十分ありえますよね
わたしも気をつけよっと

『トランスポーター2』の記事、後ほど読ませていただきますgood


Posted by: SGA屋伍一 | June 09, 2009 at 06:56 PM

あ。過去に40度はありましたが、もちろん大阪でそれ以上はありません(今のところ。)調子に乗りました。すんません。
(>_<;)でも大阪の平均気温が鹿児島より上回るのは事実です。
緑が極端に少ない大阪、コンクリート&アスファルトジャングルならではの暑さなので、そんなとこに室外機を置くしかないため、エアコンも効きにくいのです。
ああ。早く秋になれ。夏、いらん…というのは毎年の口癖です。

Posted by: よろづ屋TOM | June 10, 2009 at 12:27 AM

>よろづ屋TOMさま

おはようございます
謝られることはないですよ(笑) さすがに冗談か否かくらいの区別はつきますから
でもこの調子で温暖化がすすめば、50度も実現してしまうかも・・・
暑いけどガクガクブルブルですね・・・・

今年の夏が去年より暑くならないことを祈るばかりです

ちなみにわたしは花粉症ゆえ春が一番堪えます
外仕事なんで暑さも寒さも梅雨も堪えますが、あれにくらべればまだ耐えられるかな~

Posted by: SGA屋伍一 | June 10, 2009 at 07:30 AM

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クッキングをして、赤ワインを飲むヴィン・ディーゼルっていいかも。 放射能汚染地帯が点在する近未来。新セルビアに住む傭兵のトーロップはマフィアのゴルスキーから、オーロラという少女をアメリカへと運ぶ仕事を請けた。マッチョにアクションなお人のヴィン・ディーゼルは私の担当外で、たぶん主演作を観たことはない。でも、世界をまたにかけての近未来ものっていうのは劇場鑑賞必見でしょう。なにしろ、監督はおフランス人のマチュー・カソヴィッツだから、コテコテのハリウッド大作とは一線を画するテイストも期待できるんじゃな... [Read More]

Tracked on June 06, 2009 at 01:48 AM

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