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May 30, 2009

青春デンディケディケディケ 『劇場版 超仮面ライダー電王&ディケイド NEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』

090530_125642「さらば」と言ったその舌の根も乾かぬうちに、あの『電王』が帰ってきた!(笑)
そんなわけでいささか遅れ気味のレビューではありますが、最新作『超電王&ディケイド』紹介いたします。

母親を亡くし、事情で田舎に越してきた少年ユウは、慣れない環境に苛立つ日々を送っていた。ある日彼の前に、村の伝説に伝わる「鬼」たちが時空を越えて姿を現す。鬼たちに襲われたユウを助けたのは、時を管理する仮面ライダー「電王」とその仲間たちだった。鬼たちの狙いが自分が母から譲り受けた宝玉であることを知ったユウは、彼らとともに時を遡って鬼退治に同行することを申し出る。

ここのとこ、毎回義理でつきあってる(あっ)劇場版仮面ライダー。今回もほとんど期待しないで観にいったのですが・・・・ あれ? これは最近の中では一番いいんでないかい?
まあ一見さんお断りなスタイルは変わっておらず、ここ三年のライダーを見ていないとちんぷんかんぷんな要素はたくさんあるんですが、それでもそうしたファンサービスだけに終らない魅力が、本作からは感じられました。
その魅力は恐らく主人公であるユウ少年にあると思います。最初は無愛想で可愛げのない少年に思えるユウ。そんな彼がイマジン・デネブと出会い、ともに旅をしていくうちに、だんだん心をときほぐしていく。そんなところが見ていてまことにほほえましい。
またこのユウ少年を演じるのが沢木ルカちゃんという女の子なんですが、言われなければわからないくらい、自然にキリリとした美少年を演じていました。恐らく二重の意味で、今の彼女にしかできない役といえます。
そういや白倉Pは『Sh15uya』でも男装した女の子に主役をやらせていたっけなあ。

そして今回の映画でやけに目だっているのが、上にも書いたイマジン・デネブさん。本シリーズでは二号ライダー・ゼロノスと契約している、いわば脇の脇といったキャラクターなのですが、そのあまりのかいがいしい世話焼きっぷりにファンからは「オカン」と呼ばれて強い支持を得ています。わたしも一番泣かされたのは最終回の「しいたけ食べてねheart」だったしな(笑)。彼をメインにもってくるというのはかなり冒険だったと思いますが、それも『電王』という作品の人気を見越してのチャレンジだったのかもしれません。

さて、もう公開から一ヶ月も経ってますので、以下は完全ネタバレで思ったことをダラダラ書きます、これから、あるいはDVDで見るという方は避難されてください。


train冒頭のユウくんのモノローグ。「田舎なんて嫌いだ。・・・・どこもかしこも茶色っぽい」 世間一般では田舎といえば郷愁を感じるものと相場が決まっていますが、それを「茶色っぽい」と表現するところが面白い(笑)

train昭和十年のパートに『キバ』の妖怪トリオが登場。こいつら・・・ いったいなんで出てきたのだろう。でも何かと扱いの不憫な『キバ』のキャラが、こうした形でも出てきてくれるのは嬉しい。あとディエンドも結局なにがしたかったのだろう

trainNEW電王の幸太郎くん。前回以上に今回はいいとこなしだったな・・・ 本人がめげてなさそうなのが唯一の救いか

trainゲストヒロインを演じるは今をときめく南アッキーナ嬢。でも彼女は別にいなくてもよかったような・・・ 『電王』のお母さんはデネブさんお一人で十分です。

train一応タイトルにも入っているディケイド。例によって出番はちょっとだけでしだが、『電キバ』におけるキバよりはスムーズな絡み方だったと思います。

train鬼の親玉である敵ライダーを演じるは、篠井英介さんと柳沢慎吾さん。「いつの世も負けた方が鬼なのだ!」 何気にドキッとするこというよな・・・
彼らが悪事を働く様子があまりに楽しそうで、お亡くなりになるシーンにはついホロリと来てしまいました。特に「兄ちゃんならきっとできるぜ! 頭いいからよ!」には泣いたcrying

trainジ-クも加わったウィングクライマックスフォーム(でいいのか?)。彼の羽がようやっと役立っていました

trainキングライナー・・・・・そういやこんなものもあったな・・・ ラストはすごい! 電車対戦艦! いまだかつてない戦い! つか、おもいついても普通やらんcoldsweats01

trainせっかくデネブさんメインなんだから、ここはお得意の「しいたけ攻撃」を繰り出してほしいところでしたが、そしたら早々とオチがばれてしまうか・・・
「契約じゃなくて、約束だったな」 改変された過去をしっかりと記憶している侑人。靖子さん、もしかしたらここの記事の最後の方、読んでてくれたのかしら・・・ ドキドキheart04(妄想乙)

090530_131238東Aさんも開き直ったのか、今回は「完結」どころか「新シリーズ第一弾」と銘打たれてました。恐らく秋か冬ごろに新ライダー『?』と絡む第二弾
が公開されることでしょう。
電王はいったいどこまで続くのでしょう・・・ それはぶっちゃけ、客入り次第coldsweats01 ちなみに今回の『鬼が島の戦艦』も、なかなかの売り上げだったようです。

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May 29, 2009

適当掲示板82&ムーミン原画展報告

毎度どうもっす。SGA屋伍一っす。ご意見、ご感想そのほかありましたらこちらで受け付けております。

さて、今頃GWの話で恐縮ですが、今月の初めに東京は大丸デパートで行われていたムーミン原画展に半ば付き合いで行ってきました。そのご報告をば。
例によってこの手の展示は撮影禁止wobbly。ですので、わたしの美麗カツ緻密なアートでもってご説明いたします・・・

090529_125407『ムーミン』の産みの親はスウェ-デン系フィンランド人のトーべ・ヤンソン女史。
彼女は15歳で(!)政治風刺雑誌『ガルム』の挿絵などを描いていたのですが、そのイラストの端々に、いつしか奇妙な生き物が顔をのぞかせるようになります。それがムーミンが世に出たきっかけでした。
最初期は今知られているようなかわいらしい姿ではなく、目が点で形も一定していなかったりします。その後徐々に現在の姿に近づいていき、1945年にはこの妖精(らしい)を主人公にした童話『小さなトロールと大きな洪水』が書かれます。
以後25年に渡り9作の童話が発表されました。

090529_125428『ムーミン』といえば大抵の方が思い出されるのは、1969年と1972年にいわゆる「名作劇場」の先駆けとして放映されたアニメーションかと思われます。当然わたしはまだ生まれてませんでしたが(ここ強調)、その後も繰り返し再放送されていましたので、カバのごときムーミンの姿は岸田今日子のボイスとともにしっかり記憶に残っております。
しかしこの原画展で触れたオリジナルの『ムーミン』の世界は、かつてアニメで触れたほのぼののんびりした世界とはかなり異なるものでありました。

090529_125518まず最初のころのムーミン谷は、大洪水に見舞われたり、彗星が落ちてきたり、そんでみんな散り散りバラバラになってしまったりと、かなりディザスタームービー状態です。そんで次から次へと不気味な姿をしたこの世ならざるものが姿を現します。
例えば「常に温まりたいと思っているのだが、そのさびしい、冷たすぎる心のために、周囲を凍らせてしまう」モラン(女性)なる怪物とか。今で言うツンデレの元祖みたいなものでしょうか。

また小説ではお話の主導権を握っているのはムーミンというより、ムーミンパパの方。『天才バカボン』におけるバカボンパパのような位置づけでしょうか。彼の若き日の冒険を描いた『ムーミンパパの思い出』なる作品もあります。

090529_1254451953年からはロンドン・イヴニング・ニュース紙にてコミック版も連載されるようになりました。が、トーべ自身が描いていたのは最初の七年だけで、以後十五年間は弟のラルスの手によって連載が続けられました。このコミックは50年代だけで60ヶ国語に訳され、ムーミンの名を不動のものとします。
こちらは小説よりはも少しポップな内容のようですが、展示されていた作品はワニに食われそうになったりとか、ライオンに食われそうになったりとか、やっぱりそんなお話でしたshock

ちなみに先のアニメ版ムーミンは「わたしの絵と違う」と作者からクレームがついたため、90年に制作された『楽しいムーミン一家』ではこのコミック版に近い姿でアニメ化されました。こちらは日本では知名度がやや低いものの、世界百ヶ国で放映され、ムーミンブーム再燃を巻き起こします。会場で売られていたDVDも、こちらのヴァージョンでした。

090529_125502あ、展示物に関してほとんど書いてないなsweat01
ヤンソンさんは本国では普通の画家としても名高いようですが、この展示はムーミン中心ということでペン画がほとんど。正式に採用した絵の脇に幾つもの習作がならべられていて、ヤンソンさんの几帳面な性格がうかがえました。
また、フィンランドにあるムーミン谷博物館所蔵の、立体模型も何点か展示されておりました。童話の一場面を忠実に再現してあり、薄暗い照明とあいまって独特なムードをかもし出しておりました。

さて、この『ムーミン原画展』、申し訳ないことに現在絶賛終了中であります・・・・ 早く書かんからだ! バカ!

ただ今後札幌・岡崎・鹿児島・宮崎・広島などにも巡回する予定。そのあたりで興味のある方は、どうぞ足を運んでみてください。

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May 27, 2009

愛という字のもとに ~大河ドラマ『天地人』より⑥ 「信長のひきつぎ」の巻 

兼続 「直江兼続です」
景勝 「上杉景勝じゃ! いやー、あっさり終ったのう、本能寺の変」
兼続 「終りましたね」
景勝 「今回はぱっとしなかったな。ま、次回に期待するか」
兼続 「次回って・・・ またそのうちあるようなことをおっしゃいますね」
景勝 「知らんのか、お前。だいたい三年か四年おきにあるんだよ、あれは」
兼続 「・・・・なんかオリンピックみたいですね」
景勝 「そのときによって、けっこう規模が違ったりするんだがな。ちなみに前回は2006年だったから、やっぱり三年前だな」
兼続 「思い出してきました。こないだ『グレンラガン』で大活躍してた方が主役を張ってた年ですね」
景勝 「そうそう」
兼続 「そういえばあの御仁、今回は影も形も見当たりませんね」
景勝 「ま、日本史的にはそんなに重要なヤツじゃないからな。織田どのは確か港署のタカさんだったかな」
兼続 「織田とくればむしろユージの方がしっくりくる気がするんですが・・・・」
景勝 「なつかしいよなあ、『あぶない刑事』。そんで明智光秀は坂東三津五郎さん。虐げられる描写がしつこくてさ、見ててすげー気の毒だった。そのあとの『武士の一分』では、逆にすげー嫌味な役だったけど」
兼続 「殿・・・ そういえば今回明智光秀っていましたっけ?」
景勝 「何を言う。明智さんならほら、あの・・・・ 誰だっけ? 紀里谷和明さん?」
兼続 「そりゃ『GOEMON』じゃないですか!
景勝 「絶景絶景。ま、誰だっていいよ。しょせん三日坊主の人だし」
兼続 「恐れながらそれを言うなら三日天下では・・・」
景勝 「頭がきれいに禿げ上がっていたそうだから、坊主でもいいんだよ」
兼続 「・・・・そうかなあ。それはともかく、ほかにもこういう何年周期かでやる行事ってあるんですか?」
景勝 「そうだなあ。やっぱり『龍馬暗殺』とか。あれなんか去年もやったけど、来年も確実にやるぞ」
兼続 「坂本さんも大変ですね・・・・」
景勝 「あとなんといっても定番は『松の廊下』と『吉良邸討ち入り』。ワンセットで」
兼続 「あ、それならわたしも知ってます。ほぼ毎年やってますよね
景勝 「あれがないと、年を越せないというお年よりも数多くいるようだしな」
兼続 「しかし吉良さまは毎年毎年キラれてばっかりでなんともお気の毒ですね・・・」
景勝 「かなりの年なのにな。ま、それだけ人気者だってことだよ」
兼続 「なんでそうなるかな・・・」
景勝 「それにしても結局織田どのも、怪しいバーで長澤まさみと飲んでただけで終ってしまったな」
兼続 「しょせん、このドラマでは脇役ですからね。でもうらやましいな~ 長澤まさみのお酌で飲む・・・ 日本男児全ての夢ですよねheart03
景勝 「おまえ『涙そうそう』では兄貴の役だったんだろ。実の妹に懸想してもいいのか?」
兼続 「殿。おそれながら言わせていただきます。それはそれ! これはこれ!
景勝 「おお、なんか頼もしいの! それではおせん殿にもそう伝えておくとするか!」
兼続 「お待ちください! 殿!crying 恨むぜ・・・・ 小松江○子!
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May 23, 2009

かもすぞジャパニメーション 京田知己 『劇場版交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい』

090523_124855時は近未来。人類はイマージュと呼ばれる謎の生命体の襲撃を受け、徐々にその生活圏を奪われていた。
そんな危機をよそに、父が勤める研究所で暮らしていた少年レントンは、やはりそこに住むエウレカという少女と共に楽しい日々をすごしていた。しかしある実験がもとで父が死んだのち、レントンとエウレカは軍によって引き離される。
それから数年後、いまだ少年の身のレントンは類稀な才能を買われて、軍のある作戦に従事していた。戦いの最中エウレカと再会したレントンは、少女の抱えている過酷な運命を知ることになる。

原作?は今から4年前~3年前に放映されたテレビアニメ。わたしもこんな記事書いてました。
「ロボットが空中でサーフィンをする」というヴィジュアルや、そのほかにも音楽、ストーリー、世界観などになかなか突き抜けたものがあり、一部では熱心なファンを獲得しましたが、世間一般での人気はいまひとつ。その後北米やフランスで大好評を博したものの、本国での再評価には至りませんでした。
それがなぜかここにきて劇場版の制作・公開とあいなりました。テレビシリーズとは設定を一新したパラレルストーリーですが、作品の随所にテレビ版の映像が流用されていたりします。それでもざっと見た限り全体のほぼ七割以上は新規作画ですし、流用したものを使ってここまで新しい物語をこさえた手腕には舌を巻かされます。

先の『グレンラガン』が「気合! 根性! ガッツ!punch」に満ちた男魂溢れるアニメとするなら、こちらは少年少女の「純愛shine」が前面に出た作品。
一寸の迷いもなく「好きだ好きだ好きだ好きだ!」と言い放つレントンには、30男としては少々気恥ずかしさを感じないでもないのですが、「そういえば、かつてはわしも通った道じゃった・・・・」ことを思い出し(マジか!?)、なんだか初孫を見るような、そんなほんわかした気持ちになりましたよ。
そう。これほど美しい・・・というかみずみずしい物語を、本当に久しぶりに見ました。映像は落ち着きのある豊かな色彩で彩られ、キャラクターはどこまでも純粋で、そしてストーリーはどこまでもまっすぐ。
暗いニュースでやさぐれたハートを洗浄するには、もってこいのアニメです。

それだけにアニメファンのみならず、普通の映画ファンにもぜひ見てもらいたいところなんですが、この「ロボットアニメだから」という壁は実に厚いものでして。一生懸命すすめても、大抵は「絵が苦手なんで」の一言で退けられてしまのがツライところであります。
そういう空気が劇場にも伝わってるのか、この作品なんか当初は都心の劇場では、モーニングかレイトでしかかけないというひどい扱い。わたしがGWに行った時には、そのわずかな回に人が殺到して、立ち見すら出来ない状態でしたから・・・shock(そんでまた後で行きなおしたのよ)
こういう熱気が、映画界におけるこの手のアニメの地位向上に、少しでもつながればいいんですけどねえ~

090523_124935ま、あまりのファンの殺気だった様子を見て劇場側も考え直したのか、その後は上映回数も増え、公開延長も決定したようです。
6月末にはDVDも発売されますが(バカっ早だよ!)、足を運べる距離のある方は、ぜひ大画面でみてつかあさい。


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May 20, 2009

20世紀の『X-MEN』をふりかえる② おおむね70年代編

090520_175100最近あんましマンガ読んでないので(『アオイホノオ』や『ハガレン』の続きは読んでますが・・・)、仕方なくはじめた『X-MEN』紹介コーナー。今回は第二期メンバーが登場し始めた70年代のあたりを解説いたします。一回目の60年代編はコチラ

1970年にいったんピリオドが打たれた後、以後細々と再販やゲスト出演を続けていたX-MEN。その不遇の時代は1975年に発行された『ジャイアント・サイズ X-MEN』にてようやく終わりを迎えます。

島ほどもある巨大なミュータント・クラコアと相対し、とらわれの身となってしまったX-MEN。プロフェッサーXは彼らの危機を救うべく、世界中から知り合いのミュータントを呼び寄せます。
天候を操るアフリカ出身のストーム
鉄の爪を持つカナダの戦士ウルヴァリン
生態金属で身をよろうロシア出身のコロッサス
音波を自在に操るアイルランド出身のバンシー
テレポート能力を持つ、悪魔のような外見のナイトクローラー(ドイツ出身)
高熱と火炎を操る日本出身のサンファイアー
超人的な腕力と耐久力を備えた、ネイティブ・アメリカンのサンダーバード
世界各国から来た様々な人種で構成されたこのチームは、なんだか『サイボーグ009』を彷彿とさせます。

彼らの活躍によりX-MENは無事救出されます。そしてこの事件を機にサイクロップスを除くオリジナルメンバーはX-MENを引退。あらたに集められたメンバーに、その役割を託します。・・・といっても何かの事件に巻き込まれたりして、ほとんどはまたすぐ復帰することになるわけですが。
不人気だったとはいえ、やはり創設時からいたということで、オリジナルのメンバーはその後も長く活躍しつづけますが、対照的に格差や変転が激しいのが第二期メンバー。
まず日本出身のサンファイアーは、チームの方針が肌に合わなかったらしく、正式に加入する前にX-MENを離脱。ライターの方には「日本人はプライドが高くて短気」というイメージでもあったのでしょうか。あんたらにそんな風に思われたくはないな。

ついでコロッサスとポジションがかぶっていたからかしりませんが、サンダーバードが最初のミッションで戦死(・・・・)。このハードな展開に、当時の読者は度肝を抜かれたことと思います。
そして恋人をめっけたバンシーが早々と引退。せっかく集められた第二期メンバーは、あっという間に半分近くにまで減ってしまいます。
そんな中にあって、ファンの注目を徐々に集めていたのがウルヴァリン。映画では割と男気のある彼ですが、登場してまもないころは、それこそ極めつけの「問題児」でありました。
ジーンと出会うなりいきなりナンパはする。教授やリーダーにはしょっちゅう言い逆らう。性格は粗野。言葉づかいは乱暴。ささいなことですぐ腹を立てる。エロ本は読む。etc・・・・・

本当に「なんでこんなヤツが」と思わずにはいられないキャラクターです。が、そんなところが当時は斬新で、型破りなヒーローとして読者の目には映ったのでした。

休む間もない強敵たちの来襲に、世界各地で、果ては宇宙へと転戦を続けるX-MEN。そのサバイバルな有様は、どこかのんきなムードが残っていた60年代とは明らかに違うものでした。
そしてそれを最も象徴付け、『X-MEN』の人気を不動のものとしたのが、80年に展開されたエピソード「ダーク・フェニックス・サーガ」です。
シリーズ初期からヒロインを務めていたジーン・グレイは、宇宙空間での戦いを経てパワーが増大し、新たに「フェニックス」を名乗るようになります。ところがあまりにも大きすぎるパワーを扱いきれなくなったジーンは、暴走してダークサイドに転落。なんとか一時の間正気を取り戻した彼女は、自分の存在が暗黒面に食い尽くされる前に、自ら命を絶ったのでした。

この十年、二十年親しまれている「カツオ級」のキャラでさえ、書き手の思いつきでさくっと死んでしまうのがアメコミの恐ろしいところです。もっとも無茶苦茶強引な理由であっさり生き返ってしまったりすることも、また珍しくないことなんですが・・・・ ジーンもまた「そんなアホな」と言いたくなるような理由で後年復活しました。が、今はまた死んでるんだったかな?
もちろん死にっぱなしで忘れ去られてしまうキャラもいます。各キャラがまた生き返れるかどうかは、ぶっちゃけそのキャラの人気次第、といったところでしょうか。

090520_175038この悲劇的なエピソードが与えた衝撃により、『X-MEN』は一躍トップセールスに踊り出ることになりました。そしてそこから際限ないスピンオフの増殖が始まることになるわけですが、その話はまたいずれ。

イラストは一応初期のころのウルヴァリンということで。

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May 18, 2009

無理を通せばドールも愛せる クレイグ・ギレスビー 『ラースと、その彼女』

090518_184013首都圏より四ヶ月ほど遅れて上映。もう終っちゃいましたけどね。

舞台は雪深いアメリカの田舎町。心優しい青年のラースは、町の人々から愛されていましたが、彼は人肌に触れることを異常に恐れるという性癖がありました。
ある日彼はネットで見かけたダッチワイフに恋をしてしまい、購入した彼女を本物の人間と思うようになってしまいます。普通なら速攻で病院行きですが、田舎の人々は包容力豊かなので、町ぐるみで彼のお人形さんごっこにつきあってあげるのでした。

あらすじ読むと、どう考えたってバカ話なんですよね。だってエロ人形(作中の言葉より)を、マジメに人間の女と思い込んでしまう話なんですから。実際ラースがその人形「ビアンカ」を兄夫婦に紹介するシーンでは、笑いがこらえきれませんでした。
もの言わぬビアンカの顔が、またその場に独特の空気をかもしだしています。短編コメディ『オー! マイキー!』が好きだったわたしは、勝手に彼女のセリフを考えたりしていましたよ。

しかし意外や意外。いつしかラースの真剣な想いが奇跡を呼び、ビアンカに本物の魂が宿るようになる・・・・
というのはウソ。そんなマンガあったなあ。たしか楳図かずお先生の『ねがい』。

話が横道にそれましたcoldsweats01 この映画は笑えるだけでは終りません。物語が進むにつれ、ラースが人と触れることを恐れるのには、ある理由があったことがわかってきます。その心をときほどこうとする兄嫁カリンや、女医先生の暖かさは心にしみます。
またラースに対し、誰一人として「王様は裸だ」と言わない町の人々の優しさも胸をうちます。そうしていく内に、ラースだけにとどまらず、他の人々の中にもただのエロ人形のはずだった「ビアンカ」が、一個の人格として認められていく・・・・ まるで力石徹の葬儀のようです。
本当にまか不思議で、豊かな味わいのあるストーリー。

言うなれば、ラースは小さな花のような青年です。ぎゅっと握られたら、それだけでしおれてしまう。でもその素朴さゆえに、人々は彼を愛でずにはいられません。
そんなか弱い花も、周囲が水をやったり、日に当ててやったりすることで、いつしか丈夫になっていくものです。そして彼自身も、造花ではない、本物の花の美しさに気づくようになっていく・・・そんなお話かと。

当初わたしはこの映画を、てっきり東欧かどこかの作品かと思っておりました。いやあ、アメリカ人ってがさつで無神経でケンカっぱやい人たちばかりだと思ってたけど、こんなハートウォーミングで神経の細やかな映画も作れるんじゃないですか! 認識をあらためねばなりません。

少し前に『グラン・トリノ』を観たせいか、そちらといろいろ重なるものがあるようにも感じられました。つまり、少年が大人になるために必要だった存在が『グラン・トリノ』ではイーストウッドだったわけですが、こちらではビアンカだったというわけ。念のために言っておきますが、ラースくんの愛情はそれはもうピュアピュアなものなので、実際に可能とはいえ、人形とムニャムニャをしたりはしません。

だから特に印象に残ったのはラースと兄のこんな会話(うろ覚えですが)。

「兄さん、大人になるってどういうこと?」
「難しい質問だな。ある時、『自分は大人になった』ってなんとなく感じるものなのさ」
「それってセッ○スのこと?」
「それもあるけど・・・ 他にもいろいろなことが関係しているのさ」

・・・・本当に大人になるってどういうことなんでしょうかね(この年になってまだそんなことを言っているのか!)。

この映画や今までの経験からわたしが思うのは

他人のためにどれほど自分を殺せるかということ
他人の気持ち・痛みをどれほど深く推し量れるかということ
どういうことを言ったらこの人は傷つくか、ということをわきまえ、その上で言葉を発すること
傷ついた人のために、言葉だけではなく、そっとそばによりそってあげること
etcetc・・・・・

できてないことばっかりだな(苦笑)

090518_184034ただ今の社会に、どれほどまともな大人がいるかといえば、これまた怪しいものであります。

あーあ。ちゃんとした大人になりたいでちゅ。ばぶー(痛wobbly

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May 17, 2009

スラムキャット\ミリオネア

そのいち スラムキャット$ミリオネア

問題:G・Wとはなんの略か?

1.ジョージ・ワシントン
2.ガンダムW(ウィング)
3.ゴウ・ワカバヤシ
4.ごっつわるい感じ

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そのに スラムキャット$ミリオネア完結編

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そのさん 政局を問う

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そのよん 黒い太陽

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そのご 続・黒い太陽

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そのろく 『真マジンガー 衝撃!Z編』開始によせて

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 次
 
 回

 未

 定


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May 15, 2009

超能力カカシ 伊坂幸太郎 『オーデュボンの祈り』

20060729070328『フィッシュ・ストーリー』につづき、『重力ピエロ』『ラッシュライフ』と映画化が続く伊坂幸太郎。本日はその記念すべきデビュー作である『オーデュボンの祈り』を紹介します。

会社をやめ、人生になげやりになっていた伊藤は、ある日コンビニ強盗を試みるが、あっけなく警察に捕まってしまう。それでもなんとかパトカーから逃げ出した伊藤を助けたのは、轟という男だった。彼は伊藤を自分の住む島へと連れて行く。驚くべきことに、その島はほとんど外界との関わりを持たぬ鎖国政策をとっていた。そしてさらに驚くべきことに、その島には人語を話し将来を見通す力を持ったカカシが存在していた・・・・


・・・・・えー、このお話を楽しむには、まず三つの壁を乗り越えなければなりません。
一つ目はまず主人公の伊藤くんに感情移入できるかということ。仕事をやめすべてがどうでもよくなってしまった。そこまではわかります。しかしそのあと金がほしいわけでもないのに、なぜコンビニ強盗などしてしまうのか。一応それらしい理由も書いてありますが、なんとも理解しづらく、つかみどころのない男です。まあ彼に関しては、読んでいくうちに次第になじんでくるのでとりあえずちょっとガマンしてみてください。

難しいのは二つ目の壁から。なぜ日本近海に鎖国の島が存在できるのか。海図のあやふやな江戸時代ならともかく、現代は上空に人工衛星がびゅんびゅんとびかっている時代です。それなのになぜこの島は世界各国から発見されないのか? まあ百歩ゆずって、「あるもんは仕方がない」ということにいたしましょう。

そして一番高い三つ目の壁は、人語をしゃべり予言をするカカシが出てくるということ。人語をしゃべるカカシ・・・・ わたしは『伝染るんです』に出てきたロベールを思い出しましたよ・・・・ 平助さんのいくじなし!
まあ事実は小説よりも奇なりと申します。世界のどこかに、もしかしたら日本語を話すカカシがいてもおかしくはないかもしれません(←おかしーよ)

思えばイサコーを長い間敬遠していたのは、Zくんから「カカシがしゃべるような話を書く人」と聞いていたからでした。その瞬間、わたしは『伝染るんです』みたいなとりとめもないわけのわからん作風の人なんだなーと思いこんでしまったのでした。あれ? あたらずも遠からず?

それでもなんとかこの三つの壁を乗り越えられたやわらか頭のあなた。そこから先は存分にこの奇妙な世界を楽しむことができるでしょう。

まず島の住民が、どいつもこいつも風変わりで面白い。伊藤のガイド役を務める陽気な青年日比野、外界とのただ一人の連絡役である熊男轟、反対のことしか言わない画家の園山、巨体ゆえ市場から動くことが出来ないウサギさん(人間です)、足は悪いが鳥に関しては異常に詳しい田中などなど
そしてなかでも出色なのが、美しさと恐ろしさを併せ持つ桜という青年。なんと彼はこの島において唯一公的に「殺人」を許されています。彼は悪行を犯したものしか手にかけないため、島の住人は誰か殺されたとしても「ああ、桜か」と、まるでその「処刑」を台風か地震の同類のようなものとみなします。日本国の法律の通用しないイレギュラーな世界だからこそ、存在しうるキャラクターといえます。

そんな風にヘンテコな島の住人と触れ合った後、伊藤はとうとうしゃべるカカシと相対します。なんとかその存在を受け入れたのもつかの間、今度はそのカカシが殺されてしまいます。あれ? ちょっと待てよ? カカシって死ぬのか? ・・・・・きっと死ぬんですよ。ウン。
将来を見通すことができるカカシは、なぜそれを避けることができなかったのか。そしてカカシを殺したのは一体誰なのか・・・・

意外に思われるかもしれませんが、この謎解きの部分はなかなか論理的でよくできています。そしていったいどこへ転がっていくのかわからないストーリーの行方。大変エキサイティングで、わたしは約二日で読み終わってしまいました。

デビュー作にはその作家の全てがあるといいますが、デビュー作が一番ぶっとんでるというか、ふっきれているというのはある意味すごい(笑) 伊坂作品にはも超能力者や死神が出てくるものもありますが、この『オーデュポン』の設定が一番あほらしいです。

090408_140218毒にも薬にもならず、クールなようで暖かい作風は、すでにこのころから確立されています。やはりイサコー氏を語る上ではずせない一冊。

しゃくだけど伊坂作品にはまっているこのごろ。次回は映画がまもなく公開される『重力ピエロ』に挑んでみようかなー 買ったのに読んでない本、まだまだ腐るほどあるけどwobbly


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May 13, 2009

星に怒りを 今石洋之 『劇場版天元突破グレンラガン 螺巌編』

090513_171049かつて、銀河を揺るがした戦いがあった
男は荒ぶる魂の赴くまま、天をかけ、星を砕いた
だがおびただしい時間と犠牲を費やしたのち、男は敗れる
そして男は自らを地の果てに封じ込めた

閉ざされた世界にあって、絶対的な王として君臨し続ける男
だがある時、その懈怠を破るものが現れた
計り知れない螺旋の力を持つ、一人の少年
男は知らなかった。やがて己が少年に誘われ、再び天空の彼方に戦いを挑むであろうことを

全宇宙を感動の渦に巻き込んだ紅蓮編(紹介記事はコチラ、ネタバレ記事はコチラ)から約九ヶ月、劇場版『グレンラガン』の完結編となる「螺巌編」がついに公開されました。

お話は前作の直後である「テッペリン攻略戦」から始まります。いきなりどつきあってる螺旋王とラガン(シモン)。もしかしてテッペリン攻略戦はここだけしかやらないのか!?と不安になりますが、もうちょっとだけやるのでご安心?を。
がんばってはいたもののどうしてもツギハギ部分が残ってしまった紅蓮編に比べると、今回の螺巌編は実にスムーズな作りで、見事に一本の映画となっていました。単なる総集編ではなく、かなりの新規映像が追加されております。テレビ版と異なる部分もかなりありますので、ファンの人は必見です。

さて、今回の「螺巌編」ですが、「いかにでかいものを描くか」ということに挑戦した作品だと思いました。
まず一つは精神というか、器の大きさ。
自分の何十倍もあるドリルと対しながらも、「負けねえ。負けねえんだよ。兄貴が信じる俺は、俺が信じる俺は、誰にも負けねえ!」と微塵も揺るがず言い放つシモン。「紅蓮編」で泣き言ばかり言っていたころとはまるで別人です。
思えばてっきりテッペリン攻略戦まで行くかと思っていた「紅蓮編」ですが、なぜその手前で終ってしまったのか。単に尺の問題とも考えられますが、今にして思えばこの物語の真のターニング・ポイントは、螺旋王を倒すところではなく、シモンがカミナの死を乗り越えた、あの瞬間だったということなのでしょう。
自分にとって最大の壁を乗り越えたシモンは、すでに男として、あるいは戦士として完成された域に達しております。たとえかばってきた民衆から石を投げられようとも、月が落ちてこようとも、はたまた銀河全体を敵に回そうとも、「この男ならなんとかするだろう」と思わせる雰囲気を身にまとっています。紅蓮編でのハナタレシモンを思い出すと、ちょっとさびしいものもありますけどね~

もう一つはスクリーンの中にいかに宇宙を描ききるか、ということ。
映画スクリーンはもともとでかいものですが、そのスクリーンをもってしても、宇宙全体を描くのは至難の技です。
しかし『グレンラガン』では人間サイズから宇宙サイズへと拡大していく様子を段階的に描くことにより、観客に擬似的に宇宙のでかさを体感させることに成功しております。
そしてこれはテレビ画面ではなく、映画スクリーンだからこそ体感できるものです。前の記事でも書きましたが、やはり『グレンラガン』は劇場サイズでこそ真価を発揮する作品であると思います。

そして螺巌編でさらにエスカレートしているのが、ドリルへのこだわり(笑)。一体なんでこんなにドリルにこだわるのか。建前は銀河の渦や遺伝子構造の象徴ということなんでしょうけど、やはり本当のところは『ゲッターロボ』(特に原作版)への熱いオマージュなのだと思います。
気合一つで宇宙の果てまでケンカを売りにいく荒くれ野郎ども。その姿は石川賢・原作の『ゲッターロボ・サーガ』や、『虚無戦記』のヒーローたちとよく似ています。巨大な顔が無数に浮かぶビジュアルや、宇宙の造りに対する考え方も、石川作品のあれやこれやを彷彿とさせます。

この螺巌編は鎮魂歌のような趣もあるのですが、もしかしたらともに作品を作ったこともある脚本中島かずき氏の、今は亡き石川賢先生に手向けたレクイエムだったのかもしれません。そう思うと、なんだか泣けてくるじゃあーりませんかcrying

個人的に特に泣かされたのはグレン団のサブリーダー的存在のキタン。一見性格が似ているように思えるキタンとカミナですが、なんだかんだ言って、カミナという男はあれでなかなか器用な男であります。
それに対して、キタンという男はどこまでも不器用な男。そして永遠に二番手(三番手?)であることを運命づけられてしまったようなキャラクターですcrying
そんなキタンが不器用ながらも己の生き様を貫く姿を見ていると、鼻水を噴出さずにはいられないものがあります。ほかにもニアやビラルや螺旋王や上川隆也さんや・・・・ ああ、まだまだ書き足りねえ!!

090513_171027わざわざ遠くまで行って鑑賞してきた「螺巌編」、地元では来月にならないと公開されません(笑)
完全ネタバレのレビューは、二度目の鑑賞後にお送りいたしますー


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May 11, 2009

がんばらないゴエモン 紀里谷和明 『GOEMON』

090511_181838舞台は日本。てゆーかジパング。時は戦国波乱の時代。
太閤のお膝元の大阪の町を、夜毎騒がす不敵な盗賊がいた。彼の名はGOEMON。
自由気ままに商家の蔵を荒らしていた彼だったが、ある晩風変わりな箱を盗んだことをきっかけに、太閤秀吉や石田光成、そして己の過去と対峙せざるをえなくなる・・・・

わたしのフェイバリットNO1邦画は、実は紀里谷和明監督の『CASSHERN』だったりします(これを言うと、大概バカにされるのですが)。
この映画は「ご都合主義が過ぎる」とか、「ラストがよくわからん」といった正常な思考を飛び越えて、わたしのツボにブスブスと突き刺さってくるのです。
そんなわけで紀里谷氏の第二回監督作品である『GOEMON』も、相当楽しみにしてました。

で、結論から申しますと、今回も大変気に入りました。

CGムービーが氾濫してる昨今。「どこまで本物に見せるか」といった点については、もう極に達した感があります。が、紀里谷監督はそういうのとは別の方向でCGを突き詰めています。アクションのスピードとか、描き込みの量とか。あとやはりわたしは彼の描く薄汚れてて煙ったいんだけど、どこかキラキラしてるヴィジュアルが好きなんですね。

ただこのぶっとんだヴィジュアル、ストーリー、世界観は、やはり人を選ぶと思います。この世界の日本は明らかにわたしたちの知っている日本とは違います。ちょうど中途ハンパに日本に詳しい欧米人がよく描く、あんな日本です(笑) さらに登場する五右衛門、才蔵、服部半蔵といったキャラクターたちが、明らかに人間には不可能な動きをしています。

そんな風におおはしゃぎしている一方で、「憎しみの連鎖をどうやって止められるか?」という『グラン・トリノ』とも共通するテーマを訴えちゃったりもしていますcoldsweats02
イーストウッドは豊富な人生経験でもって、みんなが心から納得できる答えを提出しておりますが、こちらは「一生懸命考えたけど、わかんねーからとりあえず暴れとけ!」みたいな、そんな感じ。
またしても思考が映像に追いついていってないような、映像とテーマが空中分解、みたいな(^^;
でもわたしは紀里谷監督のこういう熱さというか、不器用さも好きです。

もうちょっとマジメなことも書いておこうcoldsweats01。以下はだんだんネタバレしていくのでご注意ください。
『CASSHERN』の記事で「これはギリシャ悲劇である」ということを書きました。『GOEMON』にもおなじことが言えます。これは戦国絵巻の体裁を取ったギリシャ神話なのです。

五右衛門や才蔵が明らかに人間離れした動きを見せるのは、彼らがアキレウスやヘラクレスといった、神話の英雄だからです。たった一人で無数の軍勢にも対抗できる彼ら。しかし彼らとて天上の神々には従わざるをえません。五右衛門たちは彼らの手のひらでいいように翻弄されます。この作品でいうと、神々は信長や秀吉といった権力者に相当します。
そして神話の英雄にはハッピーエンドは許されません。それどころか、非常にあっけないことで命を落としてしまったりします。そんな非情な運命に、そして神々にあえて立ち向かおうとする五右衛門。その姿には男子として、胸を震わさずにはいられないものがあります。

『CASSHERN』と違うところがあるとすれば、それは五右衛門が「自由」な男として描かれているところ。ただ自由というのが一般では健康的にとらえられているのに対し、この作品では「責任を投げ出して逃げ出した」というような、否定的なものとして描かれています。・・・・もしかしてこれには自分の結婚生活のことが反映されているのでしょうか・・・・sweat02

090511_181901ほめてるんだかけなしてるんだかわからないレビューになってしまいましたがcoldsweats01とにかくこの映画はすごいです!
こんだけ「やりたいことをやってやるんじゃー!! おんどれりゃー!!」という気合に満ちている映画は、そうそうあるものではありません!

と、いうわけで自信をもってオススメします『GOEMON』
でも鑑賞は、くれぐれも自己責任でお願いします(オイ!)

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May 08, 2009

SEX AND THE 死体 コーエン兄弟 『バーン・アフター・リーディング』

090506_140049090506_140107ジョン・マルコビッチは悩んでいた。左遷された腹いせで長年勤めていたCIAをやめてしまったものの、これからどうやって生活したらいいのか。とりあえず彼は回顧録を出版することを思いつく。
ジョージ・クルーニーも悩んでいた。熱烈浮気中のティルダ・スウィントンから結婚の話をもちかけられたからだ。まいったな。キミとはあくまで浮気であって本気じゃないんだ。ぼくには出会い系で待たせている女の子たちもいるし、オーシャンズの仕事も忙しいし、なにより金づるのワイフと別れるわけにはいかないし・・・なんてことは、口が避けても言えないし。
フランシス・マクドーマンド(あまり聞かない名だ)も悩んでいた。そろそろ出会い系で一発勝負をかけたいのに、自分の容貌は衰えを隠せない。だから全身整形で生まれ変わりたいのに、肝心の金がない。ああもう! どっかに大金落ちてないかしら! きい!
ブラッド・ピットはまったく悩んでいなかった。てゆーかさあ、大抵の悩みはノリと元気でなんとかなるもんじゃない? そう、元気があればなんでもできる! ワン・ツー・スリー・フォー・サン! ニイ! イチ! ダー!

お話は複雑な経緯でマルコの回顧録を手にしたブラピ&整形願望が、それを「とんでもねえ国家機密だ!」と勘違いしたことから、予想だにしない方向へあれよあれよと転がっていきます。

監督は昨年の『ノー・カントリー』が記憶に新しいコーエン兄弟。わたくし彼らの作品は他に『ファーゴ』と『バートン・フィンク』を見たことがありましたが、今回の作品が一番バカっぽかったです。
きっと『ノー・カントリー』で疲れ果てた兄弟が
弟 「兄ちゃんさー こんどは気分転換にぐっと軽いおバカな映画でも撮ってみない?」
兄 「いいな、それ。賛成」
そんな感じで作っちゃったんだろうと。

さすがはコーエン兄弟というべきか、各キャラの立ちっぷりはなかなか見事なものです。彼らが全力で空回る序盤は、痛々しくもおかしい。
以下はだんだんネタバレしてくんでご注意ください。

なかでもわたしが気に入ったのはおバカ全開のブラピ。こないだの『ベンジャミン・バトン』での寂しげなイメージが木っ端ミジンコになるくらい、バカ丸出しです。それに「あのまま置いといたら盗まれちゃうよ!」「殴るなんてひどいよ! オヤジにもぶたれたことないのに!」といったボクちゃん口調の字幕が、似合うこと似合うこと。きっとこいつ、母親に溺愛されて育ったんだろうなー

でもねー、なんかこいつかわいいんですよ。自分、ブラピのファンでもなんでもないんだけど、ヤツの頭をクリクリなでまわしたい衝動にかられました。・・・・おかしいわ、わたし。いままで男の人にこんな気持ち抱いたこと、一回だってないのに。この不思議な気持ちはなに? もしかしてK・O・I? L・O・V・E?

だのにそのブラピがねーcrying ここでぐっと下がるわたしのテンション。down
コーエン兄弟は前からSっぽいなと思ってたけど、今回改めて確信しました。ふたりはSです。彼が二度愛してるかどうかはわかりませんが、正真正銘のドSです。

それ以後もお話は続くものの、終盤に近づくにつれ、登場人物の痛々しさはますばかり。そして煙にまくようにして唐突に幕。完全に置いてけぼりをくらった気がしました。
わたしもおバカな話は嫌いじゃないんですけどね。コーエン兄弟のバカには人間に対する愛情が感じられないのですよ。それでも『ノーカントリー』や『バートン・フィンク』には好みを気にさせないくらいの勢い・面白さがありました。が、こちらはどうかと言うと・・・・(笑)

いろいろ悪口書いてすいませんcoldsweats01 各俳優に思い入れのある方だったら、いつもとは違う彼らの姿が見られるのでそれだけで楽しめるかもしれません。先のブラピはもちろん、マルコビッチもクルーニーも壊れまくってます。

090506_140123090506_140140それにしても、出会い系の事情とか、アメリカも日本と大差ないんですねえ。今度わたしもピュ○・アイとかに登録しようかしら。カモン出会い!

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May 05, 2009

適当掲示板81&モン吉先生写真館

こんばんは。ご意見ご感想そのほかもろもろありましたら、ここに書き込んでやってください

連休も終盤ですね。わたしは中途半端に仕事があったため、一日遠出しただけで終りそうです。
そんなわけでネタもないので(またかよ)、今日はモン吉先生の四年間の軌跡など追ってみたいと思います。いつも寝っころがっているだけの毎日を、「軌跡」といえるならばの話ですが

まずはなつかしの『闘猫伝説 HARD PUNCHER モン吉』より。闘志あふれるファイティングポーズのあれこれを

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左脇、えぐりこむように・・・・
撃つべし! 撃つべし! 撃つべし!


続きまして
モン吉先生は毎年夏ごろになると毛刈り団に襲われて、とてもすっきりしたお姿になられます
その画像を幾つか

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まるで「文句あんのか?」とおっしゃられているかのようです。
いえ、別にありません

ついでに夜中にうなされそうな、おっかない顔つきの画像を幾つか

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ひいい! もう今夜怖くてトイレに行けない!
モン吉先生にまつわる怪談をお知りになりたい方は、コチラをご覧ください

では少しムードを変えまして、人と猫の心温まるスキンシップの様子などを

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まるで解散寸前のコンビが懸命に「本当は仲がいいんですよ!」とアピールしているかのようです
右から二つ目の画像はおとなしくだかさっているようにも見えますが、この体勢は通常十数秒しかもちません

さいごに弛緩しきったゆるゆるなポーズを。リラックスしたい時にご利用ください

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人間でいえばぼちぼち四十半ばくらいのモン吉先生。いつまでも長生きしてほしいものでございます。
それではまた

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May 03, 2009

愛という字のもとに ~大河ドラマ『天地人』より⑤ 「どんどんバレー」の巻 

兼続 「・・・・兼続です」
景勝 「上杉景勝じゃあ!」
兼続 「殿、ご結婚おめでとうございます」
景勝 「お、おうdespair
兼続 「どうされたのですか。浮かぬ顔をされて。あのように若くてきれいな嫁ごをもらったというのに」
景勝 「まあ、そうなんだけどさ・・・・ 怖ええんだよ、あのコshock
兼続 「それがなんですか。人間誰しも欠点の一つや二つあろうというもの。若くてきれいでそのうえ性格もよろしいなんて娘、いまどきそうそういるものではありませんよ。ツチノコなみの希少種です」
景勝 「だけどなあ。ベッドルームに刃物持ち込むってのは、幾らなんでも問題だろ! あとこのネタ、今年で三年連続だぞ!
兼続 「きっと昔は普通によくあった習慣なんですよ。背が伸びたら柱に傷をつけるとか、歯がぬけたら屋根に向かって放るとか」
景勝 「んなわけねーだろ!! こういうこともあるから、大河の脚本家はせめて前年度の作品くらいは全部チェックしておくように! 『龍馬伝』のひと、聞いてますか!?」
兼続 「では本日はゲストとして、その上杉家の新妻、菊姫さまにお越しいただいてます。菊姫さまどうぞー」
景勝 「ゲエッッ!!
菊姫 「・・・・・・・」
景勝 「お、おう。奥よ。機嫌はどうじゃsweat02
菊姫 「あなた・・・・ わたし決めました」
景勝 「な、なにをじゃ?」
菊姫 「あたし、この旅館の若女将になります! この歴史ある旅館を守っていきたいんです!」
景勝 「・・・・兼続。ここって東北の老舗旅館だったか?」
兼続 「少なくとも埼玉の和菓子屋さんではありませんね」
菊姫 「お願いです! 修行を認めてください!」
景勝 「これって『だんだんと』の前のヤツだっけっか」
兼続 「それは余命一ヶ月の花嫁がダンスと子育てに励む話です」
景勝 「あれ? じゃあその前か?」
兼続 「それはカンスケの嫁が落語家を目指す話です」
景勝 「時の流れは早いものだなあgawk
兼続 「早いですよねえgawk
菊姫 「あなた! 認めてくれるの? どうなの?」

ガラッ(ふすまの開く音)

戦闘院 「一度修行を投げ出した身で・・・ なんとズウズウしい!pout
菊姫  「お、お義母さま!? わかってください! 今度は本気なんです!」
戦闘院 「そんなことを言って、また逃げ出すに決まっておるわ!」
菊姫  「ひどいわ! お義母さま! この鬼ババ!」
景勝 「兼続・・・ なんかこじれそうだ。場所変えようか」
兼続 「そっすね」

(CM・NHKだけど)

景勝 「そういや兼続、お前も嫁をもらったって話じゃねえか。おめでとう」
兼続 「・・・・・・shockshockshockshockshock
景勝 「なんだ浮かぬ顔をして。あのように若くてきれいな嫁ごをもらったというのに」
兼続 「若くねえよ! 『20世紀少年』で幾つの役やってると思ってんだよ! その上滅茶苦茶怖ええんだよ!」
景勝 「取り乱すな兼続。あれでもかつてはトレンディドラマの女王と言われたオナゴじゃぞ。わしとて若いころは恋焦がれたものじゃ。この果報者!」
兼続 「じゃあ殿に側室として献上しますよ」
景勝 「・・・・・そういやあれの完結編はまだかな。早くみたいものじゃ。『お前、あいつか~!!』なんつって。がっはっはcoldsweats01
兼続 「・・・・・露骨に話題そらしやがって」

(ふすまの向こうから 「てめえ! ぶっ殺す!」「いい度胸じゃ、ワレエ!」 ドカバキガスボカimpact

兼続 「殿・・・・ 愛ってなんでしょうね」
景勝 「振り向かないことさ!scissors
兼続 「またそんな一部の人にしかわからんネタを・・・・・」
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