« March 2009 | Main | May 2009 »

April 30, 2009

老優は死なず クリント・イーストウッド 『グラン・トリノ』

090429_160415ただ消え去りもしません。
先日『チェンジリング』が公開されたばかりの、クリント・イーストウッド監督最新作。そして久々の主演作品でもあります。

とある町に住む頑固一徹な老人ウォルト。彼は自分の町に移り住んできた外国人たちや、最近の無軌道な若者たちに対し怒りを隠しません。
彼の唯一の癒しとなっているのが、ガレージに眠る往年の名車グラン・トリノ。そんな彼のお宝を、隣家のアジア人一家のボンクラ息子が盗みに入ります。ところがそれをきっかけに、ウォルトと隣の一家の間で、奇妙な交流が始まることになります。

クリント・イーストウッドを初めて知ったのは、もちろんまだ子供のころ。親父が見ていた『ダーティー・ハリー』で。
おっぱい丸出しで獣のような犯罪者に殺されてしまうお姉さん。そんでその犯罪者を、容赦なく撃ち殺すハリー・キャラハン=イーストウッド。そして彼は、なぜかルパン三世の声でしゃべっていました。
まだ幼かったわたしは、「怖ええ映画だ・・・」と腹の底から震え上がったものです。

『荒野の用心棒』でスターダムにのし上がり、『ダーティー・ハリー』でその名を不動のものにしたクリリンは、以後ヴァィオレンとでインモラルな作品に多数出演し、時にはメガホンも撮るようになります。その中でも『サンダーボルト』『ガントレット』などはわたしもけっこう好きだったりするんですが。
ところがある時を境に、彼の作風は一変します。人の命など屁とも思わぬようなスタイルから、一人の人間の命や、罪の重みを深く問うような作風へと。
わたしはこれまでことあるごとにそいつが「不思議だー不思議だー」と書いてきましたが、この『グラン・トリノ』を観てようやく得心がいきました。
やっぱり御大は、ご自分の若かりしころのお仕事に対し反省されているのですよ。

作風の違いがはっきり表れたのはアカデミー賞に輝いた『許されざる者』(92)。「今まで何人も殺してきたぜー」とか言ってたくせに、本当に人を殺してしまった途端、罪の重さに耐えかねて泣き崩れる若者。こういう描写はそれまでにはほとんどなかったように思います。その前作で監督も努めた『ルーキー』(90)は普通のアクション映画でしたから。
果たしてこの二作の間に何があったのか? 恐らくそれには『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』が深く関わってるものと思われます(マジか?)。

以下はどんどんネタバレしていきます。未見の方はご注意してください。

ウォルトとタオの関係、それは一言ではなかなか言い表しにくいものです。
師弟であり、擬似親子であり、そして親友である。
彼らは自分たち同士で「おれたち親友だよな?」なんて確認しあったりはしません。しかし他の人には自信を持って「彼は親友だ」と言います。環境も年齢もこれほど違うのに、お互いそう思いあえるなんて、なんてすばらしい。
劇中のウォルトもそうですが、大人ってヤツは何かとすぐ「最近の若い者は」と言いたがるものです。これは古代エジプトの壁画から書かれてることなんで、人類の本能とも言ってもいいです。
しかしイーストウッドはいつだって若い世代への敬意と希望を忘れていません。

そしてウォルトは師として、自分の命でもって大切なことを教えていきます。人を殺した者が、いったいどうなるのかということを。
同じモン族の無法者たちにひどい目にあわされ、いきり立つタオ。まして瞬間湯沸かし器のようなウォルトのこと、大切な人々をボロボロにされ、怒りを感じないはずはありません。
西部劇か『ダーティー・ハリー』なら俄然燃え上がる場面です。そうだ! あんなならず者どもやっちまえ!と。普通なら止めに入るはずの神父でさえ、「わたしが彼なら連中をぶち殺します」なんて言ったりしてます(おーい)。
しかしここでイーストウッドがそれをやってしまったら、ここ数年彼が今まで訴えてきたことが、すべてパーになってしまう。ゆえに、ここがこの映画でわたしが一番ハラハラしたところでした。
でもそれは杞憂でした。イーストウッドは、悲しいけれど、心から安心するような仕方で、わたしの期待に応えてくれました。

この映画は葬式で始まり、葬式で終ります。しかし気まずい空気に満ちていた冒頭に比べ、終幕のなんと穏やかなこと。そして読み上げられる遺言。
「あのクソみてえな部品さえつけなけりゃ、あれはお前のもんだ」
その言葉に、ずっと暗い表情をしていた若者は、ようやっと顔をほころばせます。
まるで「じゃあな、あばよ」とでも言うような、さわやかな別れの言葉。

なにぶん年代モノゆえいつまでもつかはわからないグラン・トリノですが、彼がそれを乗りつぶすころには、胸の傷も癒え、より一回り大きな男になっていることでしょう。彼の家の隣に住んでいた、あの頑固な老人のように。

090429_160443折りよく今日、春の叙勲に、イーストウッドが叙せられることになったというニュースを聞きました。まるでこの映画のワンシーンのお返しのようです。
しかしクリリンにとっては、近年の自分の作品が日本において並外れた評価を得ているということの方が、よほど確かな勲章なのではないでしょうか。

| | Comments (24) | TrackBack (13)

April 28, 2009

ケータイは歩くものではない 三池崇史 『ケータイ捜査官7』(総集編)

090428_181947特撮界に新風を巻き起こし、先月惜しまれつつ放映終了した『ケータイ捜査官7』。本日はその個人的名場面をざざーっとふりかえってみます。最終回のラストまで完バレなんで、その点ご了承ください。入門編はコチラ

第一話「ケータイ、歩く!? つながる絆」:携帯型ロボ・7がPCにアクセスしている間、ハッカーと血まみれになって格闘する主人公網島ケイタ。
「この仕事、人間はあんましかっこよくないっすね」
サイバーパンクっぽい話を予想してたんですが、かなり熱血系のスタイルになっていて驚きました。

第二話「黒いケータイ」:裏切り者の携帯ロボ、ゼロワンに切り付けられながらも、「こんなのかすり傷さ」と見栄を張るケイタ。第一話ではまだつかみどころのない少年でしたが、このセリフからぐっと感情移入できるようになりました。

第六話「逃げる恋」:ケイタの同僚、瞳子の彼氏ゲットをめぐるエピソード。悪い男たちに捕まった瞳子を助けようと奮闘するケイタとセブンだったが、現場に着いたときにはぶちきれた彼女が全員なぎ倒していたという、おきて破りなお話

第十四話「セブンの子守唄」:携帯が置き忘れられるという非常にありがちなケースを、親の不仲に心を痛める子供と絡めた名編。
ぴょこぴょこ動き回る支援メカ・グラインダーがかわいい。そしてまたしても置き忘れられる7に大爆笑

第十七話「遠い空の夏と」:平成生まれのケイタが太平洋戦争に関わることになる異色エピソード。意外なオチが不思議な余韻を残します

第十八話「URL」:夏休みのせいか、本格ホラーに挑んだ一本。なかなかにおっかなく、そのせいで視聴をやめてしまうお子様が出るのでは・・・・と心配になりました

第十九話「圏外の女・前編」:押井守監督が撮ったシュールな前後編のAパート。地元がロケ地だったため、馴染み深い場所が色々出てきて楽しめました。が、お話のほうはやや微妙。後編見逃したし・・・・

第二十三話「ケータイ死す」:物語のターニングポイントとなるエピソード。総指揮の三池監督が自分でメガホンを取った三本の内の一本。「拷問描写に力を入れた」とのことですが、拷問されてたのは携帯でした
ピンチの相棒のため、鎖をひきちぎるケイタ。ありえないけど燃えました。一件落着したあと、「馴れ合いはせん」とどこかへ消えるゼロワンも良いです

第二十四話「網島家最大の危機」:ケイタの両親の不仲に「離婚・離婚♪」とはしゃぐゼロワン
そんで夫婦仲が修復すると、「ちっ」と舌打ちして、人んちで勝手に充電するゼロワン

第二十七話「失恋のカクリツ」:ネット心中をそれなりに風刺した一本。紆余曲折を経たカップルを見て「いいカップルになるぞ」と言うセブンに対し、「典型的なつり橋効果だ。長くはもつまい」と評するゼロワン
ああ・・・ ゼロワン!! なぜ死んだ!!crying

第三十七話「ケイタとタツロー」:ある事件がきっかけで、久々に再会した親友タツローとすれちがってしまうケイタ。落ち込む彼を、「きっとタツローはさびしかったんだよ」と懸命に慰める御堂ちゃん。こんなかわいい子に心底心配してもらえて・・・ 網島くんは自分がいかにめぐまれているか、本当にわかっていない
ゼロワンのフォローもあり、ケイタに対しまた笑顔を見せるタツローだが・・・・ 「今のお前のバディは、オレじゃないんだな」 その言葉に泣きそうになるケイタ。格闘シーンなどほとんどないエピソードですが、全編の中で最も印象に残ったお話のひとつ

第四十話「桐原とサード」:謎だった桐原の過去が明かされる。復讐心に我を忘れた桐原に対し、一度も感情的になったことのないサードが初めて激怒する。普段温厚な人?が怒った時ほど、怖いものはない

第四十四話「ゼロワンの解」:無数のジーンからケイタを守りきった後、物陰で崩れ折れるゼロワン
「だが満足だ。オレはバディ殺しなんかじゃない・・・・」
その顔の上に雨が降りかかり・・・・
この辺でもうすでに鼻水大噴出だったのですが、遅れて駆けつけてきたケイタくんのせいでさらにダメ押し
ああもう!! わたしこういうのダメなんです!!crying

最終回「明日未来 ~来るべき時代の大人たちへ」:力を振り絞って人類の危機を救ったセブンは、ドロドロに溶け、透明な結晶と化してしまう
「こいつ・・・・ オレの相棒なんだ・・・」
さびしげに笑うケイタ
見終わった直後は「みいけー!! ゆるさーん!!」と思ったけど、いつかあの結晶からセブンが蘇ると信じて、許してあげることにしました

090428_182013仲間たちの壮絶な殉職、組織の崩壊と、まるで七十年代のドラマにような壮絶な結末を迎えた『ケータイ捜査官7』。
ですがプロジェクトはこれで終るわけではなく、五月からは番外編的ストーリー、『ケータイ捜査官7NEXT(ネクスト)』が公式HPから配信される模様
http://www.b-ch.com/contents/feat_k_tai7/

そんなわけで、また会おうぜ! バディ!

| | Comments (4) | TrackBack (1)

April 25, 2009

クイズ百万ドルに賭けました ダニー・ボイル 『スラムドッグ$ミリオネア』

090425_200052本日は本年度アカデミー賞作品賞、監督賞、その他もろもろに輝いた『スラムドッグ$ミリオネア』を紹介いたします。

インドの人なら誰もが見てる人気番組「クイズ・ミノモンタ」。その超難関の最終ステージに、今一人の青年が進もうとしていた。彼の名はジャマール。スラム育ちの貧しい青年で、今は電話交換室のお茶くみをやっている。司会のミノはいぶかしむ。無学な彼が、なぜ今までの難問を次々と答えることができたのか? 

A:天才だった 
B:超能力者だった
C:未来から来たタイムトラベラーだった
D: はらたいらだった

この映画を見ていてまず思い出したのは、十年前閃光のようなマサラ・ブームを呼び起こした『ムトゥ・躍るマハラジャ』。インドでは毎年それこそ膨大な数の映画が作られていると聞きますが、そのほとんどは「貧乏な青年がサクセスして大金持ちになった」とか、「下位のカーストの者が、実は上位のカーストの生まれだった」という内容のものだとか。そうした現状はインドの多くの人々が、貧しさにあえいでいることを示しています。
経済成長により一見夢をかなえつつあるように見えるインド。しかし英国出身のダニー・ボイルは作品を通して、「金持ちになること=幸せなのか?」という疑問を投げかけています。

もう一つ思い出したのはボイル監督の出世作『トレイン・スポッティング』。以下はラストまで完バレしてますんで、未見の方はご注意ください・・・・

どん底の境遇にありながら、変に明るさを失わない主人公像・・・ そんな点でこの二作品は共通しています。それがよく表れているのが、両作品に出てくるトイレにダイブするシーン。
普通の人なら死んでもゴメンだと思うような行為ですが、意を決して飛び込んだ二人の顔は、不思議なことにとても晴れやかです。
ウンコまみれになりながらも、スターのサインをゲットするジャマール。その大切な宝物を勝手に売り払ってしまうサリーム。今から思えば後の二人を予示するかのようなシーンです。
ひどい兄貴だと人によっては思うでしょうけど、きっとサリームは弟の、夢をつかみ取る一途な力強さがうらやましかったんだと思います。

そう。全ての子がジャマールと同じようになれるわけではありません。歌が下手糞だったために目をつぶされた少年は、ジャマールと再会したとき別人のように歌がうまくなっていました。
「よかったね、ジャマール。偉くなったんだね」
わずかな嫉妬や羨望さえないその笑顔があまりにもすがすがしく、そして哀しくて。わたしは涙を抑えることができませんでした。

話をジャマールとサリームに戻して。兄弟が無賃乗車やインチキガイドをして強かに生きるくだりは、この映画で一番楽しい部分でした。ケンカもするけれど、時には命をかけてまで助け合ってきた二人。ですがサリームが銃を手にした時から、二人の道は分かたれます。

「一生許さない」と言い放つジャマール。「わかっている」と呟くサリーム。
ですが最後の難問にぶち当たった時、ジャマールはサリームに電話をかけます。
「そこしか番号を知らないんです」
それは兄が命と引き換えに渡した、文字通りの「ライフライン」でした。
そして兄がまさにこの世から旅立とうとしている時、ジャマールは答えます。

「A。なんとなくそう思うんです」

彼は気づいていたのでしょうか。「A」「sarim」の字を並び替えると、「Aramis」となることに。
(などともっともらしいことを書いてましたが、ある方のご指摘によりサリームの正しいつづりはSalimであることが判明しました。あー恥ずかし。まあRとLは発音が似てるということで勘弁してくださいcoldsweats01

スティーブン・キングはこの映画を「友情の結びつきについて、これだけ感動させられる力強い映画を観せられたのは、いつ以来だろう…」と評しました。
この映画は純愛と兄弟の絆を描いた作品であるけれど、ジャマール、サリーム、ラティカ、それぞれの友情を描いた物語でもあると、わたしも思います。

20080328132459それでは最後にもう一問。
今年のアカデミー賞をにぎわせた『ベンジャミン・バトン』『チェンジリング』、そしてこの『スラムドッグ$ミリオネア』
次のうち三作品全てに出てこないものは一体なんでしょう?

A:母子家庭
B:電気ショック
C:チ○コがおかしい
D:電話交換室

ファイナルアンサー?

| | Comments (22) | TrackBack (11)

April 22, 2009

仮面らいだーディケイド 激情の第八話~第十三話プレヴュー

主題歌オリコン二位おめでとさん

そのいち ブレイドの世界

090422_131727「ここがブレイドの世界かー」

「ようこそ。この世界でのあなたの使命は、株式会社ボードのサラリーマンとなって会社に貢献することです」

「・・・・だんだん教育テレビの『この町大好き』みたくなってきたな」

「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」
「!?」


090422_131752「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」
「英語!? もしかしてこの会社って外資系?
な、ないすちゅーみーちゅー・・・・」

「いえいえ、これはオンドゥル語と言いまして」

「それはどこの国の言葉ですか?」


そのに 555の世界

090422_131812「次は555の世界にやってきましたー
この世界での僕の役割は、進路に悩む生徒の相談にのってやることだそうです
あーめんどくさー」

「・・・・・ あの先生、いいでしょうか」

「えーと。尾上くんだっけ? 
キミはどこの大学行きたいの?」


090422_131902「そんなことよりもっと深刻な悩みがあって・・・
実はボク、人間じゃないんです。オルフェノクなんです!」

「尾上・・・・ 人間かファンガイアかなんて大した問題じゃない
要はそいつがどう生きるかってことだ。そうだろ?」

「ありがとう先生! でもボクはファンガイアじゃありません! オルフェノクです!」
「・・・・あーまったくめんどくせー」


そのさん アギトの世界

090422_132004デ 「そういうわけで次はアギトの世界にやってきましたー
こちらアギトさんです」

ア 「ふーっ ふーっ」

デ 「・・・・調子悪そうですね。大丈夫ですか? アギトさん」

ク 「あなたは!!」

090422_132027ク 「オレとよく似ている・・・
もしかして、生き別れの兄さん!?
そうか、わかったぞ
ボクはあなたにめぐり合うために今まで旅をしてきたんですね!
そういうわけだ、士。たぶん、ここがオレの終点
今までありがとう。さらばだ」
デ 「・・・そうか。達者でな」


090422_132118ク 「にいさーん!!
あいたかったよーッ!!」

ア 「オレに・・・ オレに近づくなあ!!」

バキッpunchimpact

ク 「あら?」


つづく


おまけ ライダー名作劇場 フランツ・カフカ著 『変身』 第二回

090310_131008ある朝のこと

二代目仮面ライダークウガ、こと小野寺ユウスケは、
自分が巨大なクワガタムシに変身していることに気づいた

「どうしよう・・・
こんな姿おふくろが見たら、ぶったおされる、じゃねえ、
ぶったおれるぞ!?」


090422_132152ドンドン

「ああ! 言ってるそばから!」

「ユウスケ! あんたいつまで寝てるの!
いい加減起きなさい!」
「わ、わかったよ! 開けないでくれよ! あとちょっとだけ待ってくれよ!」


090321_194425「ユウスケ・・・ あんたもしかしてベッドの下にHな本とか隠してるわね?」

「そんなんじゃねーよ!

・・・・隠してるけど」


つづく

| | Comments (6) | TrackBack (0)

April 21, 2009

新赤かべ物語・後編 ジョン・ウー 『レッドクリフ PART2』

090420_135825ション! ミン! ションミン!
ション! ミン! ションミン!(わたしの耳にはこう聞こえる)
ジョン・ウーが手がけた「新約三国志」。その後編であります。
前編の記事はコチラ
ついに火蓋が切っておとされた、レッドカーベットの料理対決。だがショウユをリーダーとする連合軍は、提出メニューをめぐって意見が割れ、食の粒穀玄米らは同盟から脱退してしまう。
さらに膨大な数の試食者のため、十万本の箸を用意せねばならなくなったり、ショウユの妻ラーユが実家に帰ってしまったり、連合側の苦難は続く。
だがとうとう、一人残った食の軍師・塩カツ小梅は、伝説の食神が生み出したという高級料理「爆発・小○団子」の開発に成功する。あとに残された課題は料理の味を最も左右するもの、すなわち火力。ソースー軍を凌駕するほどの莫大な火力を得るため、小梅はTNT加薬を用いることを思いつくのだが・・・・

ブラボー!!

えー。後編に入り最初から最後まで合戦シーンが続くのかと思ったらさにあらず。「PARTⅡ」前半では孔明と周瑜による頭脳戦、それにすごくよくひっかかる曹操、敵陣に潜入する孫権の妹・尚香などがメインとなります。また後半では周瑜の妻である小喬が物語を大きく左右します。

これ面白いですね。PART1で活躍した武人たちはバックに退いて、女性や腕力のなさそうな孔明がお話の中心となっていくわけです。それに伴い、お話のムードも「正義超人の友情パワーで、悪の曹操軍を打ち破るぞ!」から、「やっぱ戦争ってむなしいよね」という風に変わっていました。
迫り来る脅威であった曹操軍。しかし一人一人の顔をクローズアップしてみると、彼らとてわれらと同じ人間であることがわかります。病気になって気弱になったり、遠く離れた家族のことを思ったり。先の展開をしっている身としては、魏の連中が哀れでしょうがありませんでしたcrying
こういう変化に多少戸惑わないでもなかったですが、個人的には「2」の方の主張に賛同いたします。

もちろん派手な場面もたくさんあります。特にこの映画で目立っていたのが、後半えんえんと続く炎上シーン。
CO2の排出しすぎで地球環境に影響が及ぶのでは?と心配になるくらい、よく燃えてます。
こんなに炎上シーンばかりの映画、ほかには『タワーリング・インフェルノ』くらいしかないんじゃないでしょうかねえ(古)
そうした荒涼とした美術センスや、厭戦的なムードは黒澤明の作風と似てなくもないです。

以下はラストをばらしてます。未見の方はご注意ください。

spa

spa

spa

spa

spa

最後の周瑜の選択については、観客の皆さん、恐らく総ツッコミを入れるものと思われます。しかし歴史をまげてしまうわけにもいかんので、ああいうケリのつけ方となったのでしょう。
ただ、この辺は原典の方がスムーズな流れとなっていました。敵勢に囲まれた関羽が、曹操にわざと逃してもらったシーンを覚えておられるでしょうか。あれが重要な伏線となっています。

また、わたしはこの映画で周瑜の最後まで書ききるのかと思ってましたが、そこまではやりませんでしたね。
チューのできそうなほどの距離でみつめあい、親友のまま別れる孔明と周瑜。わし、この後の展開知ってるねんけど、ここはあえて書かないのがイキってもんでしょう(つか、PART1の記事で書いちゃったけど)

090420_135849なかなか難しいとは思いますけど、できればこの後のお話もジョン・ウーに作って欲しいです。どっちかといえばハッピーエンドなこのパートより、「男たちの挽歌」が奏でられていく以後の部分の方が、彼にはむいてるんでは、と思うのですが。
今作が予想以上の大ヒットとなったことを考えると、それもあながち不可能ではないかな?

ション! ミン! ションミン!


| | Comments (13) | TrackBack (8)

April 17, 2009

世界地図はタマゴ男の夢を見ない 平山夢明 『独白するユニバーサル横メルカトル』

090417_180633内臓系の話題が続きます。今回ご紹介するのは先日文庫化された平山夢明(ひらやま ゆめあき)氏の怪奇幻想短編集。
二年前の『このミステリーがすごい!』で堂々1位を取り、帯を見るとミスター新本格綾辻行人氏や、秘宝ご意見番柳下毅一郎氏がこぞって「本当にもう、すごいわheart04」と賛辞を寄せている。ちょっと怖そうな内容だけど、「どれほどすごいのだろう・・・・」とワクワクしながら文庫化を待っておりました。

この本が出る前に、わたしは平山氏と二度ニアミスをしております。一度目はさる映画ムックで書かれていたコラムで。そちらでは「デルモンテ平山」というお名前でした。オールタイムベストに『わらの犬』や『悪魔のいけにえ』をあげていて、「何の罪もない人が理由もなくひどいめにあうすばらしい映画」と評しておられましたshock

もう一度はそれよりもさらに前、「イカ天」の後番だった「エビ天」というフィルムコンペ番組で、『国防挺身隊』という作品を発表していた時・・・・と思ったのですが、さっき調べてみたらそれは別の人でしたshock 最近こんなんばっかしや・・・・ 平山氏が作った作品は『ペキンパーの男』というものでした。わたしわりかしこの番組を熱心に見てたんだけど、まったく記憶にないなあ。

で、本の方の感想。結論から申しますとそれはもう「グログロ~shock」なお話でした。こういうの、やっぱり「お好きな方にはたまらないheart04んだろうなあ。そんなわけで、やや人を選ぶ本です。

過剰なまでのグロ描写の中に、漂うユーモアとリリシズム。こういう作風は一時期の筒井康隆や、知る人ぞ知る個性派短編作家、式貴士などを連想させます。実際、氏も彼らの作品から影響を受けているようで。ただ平山氏の抱えた闇は、この二人よりもさらに深いような印象を受けます。以下、適当に収録作についてコメントしていきます(収録順に非ず)。


shock「C10H14N2(ニコチン)と少年 - 乞食と老婆」
shock「無垢の祈り」

いたいけな少年少女が理不尽に虐げられるひどい内容の二作。平山氏の人間性を疑います。
一方でどれほどひどい目にあってもどこかに救いを求めてしまう人間の哀しさや、子供特有の残酷性なども描かれています。収録作品中、特に叙情性が際立つ二品。


shock「Ωの聖餐」
shock「怪物のような顔(フェース)の女と 溶けた時計のような頭(おつむ)の男」

暴力団に養われている、怪物的仕事人を題材にした二本。収録作品の中でも、特に「感覚」に訴えてくるお話。「Ωの聖餐」は死体を食べて処理をする男の話で、臭覚や嫌悪感にビンビンきます。「怪物のような~」は至高のSと究極のMの出会いを描いた話で、真剣に読んでると体中がキリキリと痛んでくるような錯覚に陥ります。


shock「オペラントの肖像」
shock「卵男(エッグマン)」

比較的血の匂いの薄いSF的作品。まあどっかで読んだ話のような気もするんですけど、グログロな作品群の合間に入っていると、ちょっとしたアクセントにもなっていたりして。
「オペラントの肖像」は救いのない『リベリオン』という感じ。「卵男」は『羊たちの沈黙』の変奏曲という感じ。


shock「すさまじき熱帯」
十八年ぶりに父と再会した青年が、連れて行かれた先の熱帯で見た、信じられない悪夢。
グロ描写は他と負けず劣らずですが、内容・セリフが滅茶苦茶バカバカしい。ゆえに強烈な印象を残します。
収録作品は多かれ少なかれ「孤独」がテーマになっていると思うのだけど、それが一番アホな形で表れてる作品。


shock「独白するユニバーサル横メルカトル」
表題作。しがないタクシー運転手が愛用している地図は、実は意思の宿っているサイコ・マップであった。だが、当然のことながら「彼」は話すことができない。ところがある日主人がピンチに陥った時、地図は得意な能力を発揮して主人を助けたのだった・・・・
この「考える地図」と、「地図の特性」、そしてそれをいかした「地図の特殊能力」など、並々ならぬ奇想に富んだ一本。そんなわけで、わたしはやはりこちらが一番面白かったです。

090417_180616さて、冒頭で挙げた『ペキンパーの男』、いまではyoutubeで見られます。ご興味おありの方はどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=KYCtPMRJPZU

ついでに『国防挺身隊』(第二話)も貼っておきます。どっちかっていうとこっちの方が見てほしかったりして(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=O7u81_2Z0hM

いやー、べらぼうに面白いhappy01sweat01

| | Comments (6) | TrackBack (0)

April 15, 2009

人間、中身で勝負 ダーレン・リン・バウズマン 『REPO!』

090415_141007時は近未来。奇病が流行したため、臓器移植も大流行している世界。なかでも大企業ジーンCO.は、「あなたのお好みに内臓をコーディネイトheart」することで飛躍的発展を遂げる。だが医療費の返済が滞ると、彼らの派遣したスゴ腕取立て屋「レポマン」が、強引に臓器を回収していってしまう。
17歳の少女シャイロは、先天的な病気のため生まれてからろくろく家の外に出た事がなかった。だがなぜかジーンCO.の社長ロッティから、自分のもとに来るようにという招待状が送られてくる・・・・・


のっけからなんですが、自分、ミュージカルってむいてないような気がします(笑) 実は『マンマ・ミーア!』の時も少し思ったんですが、わたしがミュージカルを嫌いなんじゃないです。ミュージカルがわたしを嫌いなんです。きっと。
ではなぜむいてないと知りつつこの映画を観にいったのか? だって、オレ、男だから・・・・いや、そういうことではないな。
この映画の存在を知ったのはmigさんとこの映画ブログ我想一個人映画美的女人blog で。そちらで「一般評論家たちはD+。でも観客たちの評価はなんとA」と紹介されていて、「なんか面白そうだ!!」と猛烈に思ったのでした。そんで公式予告編を見てみたらヴィジュアルがなかなかいかしているわ、おまけにアンチヒーロー「レポマン」は出るわとういうことで、鑑賞決定。
が、劇場情報ではそのとき上映館がたった二つしか上がっておらず、「これは・・・地元にはこないな」ということで東京まで出張して見てきたのでした。

うーん。すごかったっす。すごすぎて時々おいていかれたっす(笑) どうすごいのかというと、もう全編に渡って血液と内臓と人間の生け作りみたいなものがドバドバ出てきます。当分レバ刺しとモツ鍋はいいやって感じです。
しかしまあ決して怖くはなく。むしろ笑える(わらい)。たまに言われるけれど、お笑いと恐怖って実はけっこう近いものだと思うんですよね。普通ならおっかないはずのことでも、やりすぎるとなぜかお笑いになってしまう。チラシを見ますと「シャイロ、眩い世界はこんなにも残酷で哀しい。」 とロマンチックshineな文章がつづられていますが、だまされてはいけません。

で、タイトルにある『REPO』。劇中では「内臓回収」みたいな意味で使われていたのですが、本来はどういう意味なのか高校のころ使っていた「プロシード英和辞典(1988版)」で調べてみました。が、出ていない(笑)
おそらく制作側が勝手に作った造語なのだろうと思い、色々考えてみました。もしかしたらOPERATION(手術)の最初の4文字を逆さにしてみたのかなーとか。うん。きっとそうだ! 間違いない! さすがオレ!
でもね・・・・ さっき念のためgoo辞書で調べてみたらちゃんとでてましたよ。「他動:〔支払い滞納{しはらい たいのう}が生じた商品{しょうひん}・資産{しさん}などを〕回収{かいしゅう}する」って。あはははは・・・・

ただひっくりかえしてみて思ったンデスが、これ「OPER(A)」の逆さでもあるのかな、と。なんせ副題にも「The Genetic Opera」とありますし。
たぶん作り手はスプラッタ+スラップスティックで『オペラ座の怪人』がやりたかったんじゃないでしょうかね。『オペラ座の怪人』、見たことないねんけど(おーい)。あ、でもそれを元ネタにしたカルト名作『ファントム・オブ・パラダイス』だったら見ました。仮面をかぶった怪人、悪魔のような男との契約、汚れを知らない美少女、血塗られていく劇場・・・・ そういった要素は『ファントム』とよく似てます。

そんなわけで、時々置いていかれながらも、少女に対する怪人の愛情にはホロリとさせられました。純情のようでいて、ちょっと歪んでいたりもするんだけど(笑)
あとまるでお人形さんのようなアレクサ・ヴェガの美しさや、異様に太ももにこだわったファッションスタイルも特筆に価します。

090415_141032さて、先ほどもう一度公開劇場一覧をみてみましたら、上映館が6つに増えてました。ただ、ふしぎなのはなぜかその半分が大阪にあるということ。
・・・なぜこの映画、大阪でばかりこんなに厚遇されているんだ? まあ確かに、このベタベタ・コテコテなお笑いセンスは吉本新喜劇にも通ずるところがあるかもしれません。
難波の皆さん、思う存分この映画を楽しまれてください。もうかりまっかー! ぼちぼちでんなー! 

| | Comments (3) | TrackBack (1)

April 13, 2009

20世紀の『X-MEN』をふりかえる① 60年代編

20061004191300最近前ほど漫画読んでないな・・・・ いかんいかん。
そんなわけで蔵出し企画であります。もうじき本国で『ウルヴァリン』も始まることですし、アメリカン・コミックスの雄である『X-MEN』についてあらためて語ってみることにします。

アメコミにはゴールデン・エイジ、シルバー・エイジと呼ばれる時代があります。ゴールデン・エイジはDCコミックスが中心となって1930年代から巻き起こったブーム。スーパーマン、バットマンが誕生したのはこの時代です。
シルバー・エイジはマーヴル・コミックスが台頭してきた1960年代から始まる期間。スタン・リーが創造した『スパイダーマン』『ファンタスティック・フォー』『ハルク』といったキャラクターたちは、わりかし単純だったアメコミに「人間ドラマ」「社会性」といった要素を持ち込んだのでした。

そして『XーMEN』もこのシルバー・エイジに、スタン・リーの手によって生まれたヒーローたち。創刊号が出されたのは1963年9月。スタン・リーは最初『ザ・ミュータンツ』というタイトルを考えていたそうですが、上層部から「よくわからん」というダメだしがあり、「エクストラ(特別な)・メン」→『X-MEN』に変更したとのこと。

人類の中から、生まれながらにして特殊能力を持つ「ミュータント」が出現し始めた時代。人々は強大な力を持つ彼らを、恐れ、差別するようになる。自身強力なミュータントであるチャールズ・エグゼビアことプロフェッサーXは、従来の人類と新人類との架け橋となるべく、若きミュータントを集め特殊チーム「X-MEN」を結成する。
一方、かつてエグゼビアの同志であったエリック・マグナス・レーンシャーは、「人類はミュータントにより淘汰されるべき」という考えを抱き、その尖兵となる「ブラザーフッド・オブ・イビル・ミュータンツ」を結成。X-MENと激しい戦いを繰り広げる。しかしX-MENが人類のために戦っても、ミュータントであるがゆえに人々は彼らを讃えることはなく、それどころか非難の声をもって彼らを遇するのであった・・・・

初期のX-MENのメンバーは五人。サイクロップス(目からビーム)、マーヴルガール(超能力少女)、エンジェル(鳥人間)、ビースト(ゴリラ男)、アイスマン(人間雪だるま)。後にハボック(サイクの弟で衝撃波を放つ)、ポラリス(磁石女)などがメンバーに追加されることもありましたが、基本的にはこの五人を中心として話が進みます。

今でさえ押しも押されぬ人気タイトルであり、幾つものスピンオフ作品を有するX-MENですが、実は開始当初はそれほど人気があったわけではありませんでした。と言うか、はっきり言って「不人気」なコミックでありました。
憶測いたしますにおそろいのコスチュームを着たヒーロー・チームには先にファンタスティック・フォー(FF)があり、読者たちに「二番煎じ」という印象を持たれてしまったものと思われます。しかもメンバーがFFよりも地味で、話も辛気くさいときてます(笑)。スパイダーマンで掲げられた「人間の成長」というテーマはともかく、「人種差別」という論題はまだこの時代アメコミには早すぎたのかもしれません。

ところが不思議なのはこの不人気作をマーヴルがえんえんと発行しつづけたこと。余談ですが昨年映画化された『アイアンマン』も当初は相当売れなかったそうです。人気はなくとも、会社の勢いを保つためにはある程度のタイトルを出版し続けなければならなかったということだったんでしょうか? ともかく、そんな会社のお荷物が新世紀に入って映画化され、巨万の富を生み出すようになるのだから世の中わかりません。

もっとも制作側も人気を出すべくいろいろテコ入れはしていました。おそろいの地味なコスチュームを、バラバラでど派手なものに変更してみたり、いったん解散させてみたり(ただし効果がなく、すぐに再結成されました)。
さらに売り上げが危険なレベルにまで落ち込んだ60年代末、マーヴルはX-MENの作画担当に当代随一の書き手だったニール・アダムスを起用します。このニール・アダムスはコミック界のみならず美術界全般にも広く影響を与えた作家で、日本でも池上遼一や原哲夫などから深くリスペクトされています。
しかしそのニール・アダムスをもってしても(笑)、売り上げ向上には結びつかず、『X-MEN』はとうとう1970年の66号をもっていったん終了します。
それから5年の間、X-MENは再販や他タイトルへのゲスト出演などで細々と命脈を保ちますcrying

そして1975年、シリーズ再開とともに人気キャラ「ウルヴァリン」が登場したことにより、事態は大きく変化するのですが、それはまた別の機会に。

090413_172115調子にのって①とタイトルにつけてしまったけれど、これ、ちゃんと続くのかな?
そういえば尻切れになってるコミックレビューが幾つかあったな・・・・

あまり深く考えないようにしよう(おーい)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 10, 2009

適当掲示板80&花見報告2009

毎度どうも。当ブログに関するご意見、ご感想、そのほか色々ありましたら、こちらに書き込んでやってください。

さて。昨年は予定が合わず行けなかった伊東市は伊豆高原へのお花見ですが、今年は無事行くことができました。しかも一番いい時期に! こんなにタイミングがぴったりあうことも珍しいですね・・・・

ではまず「伊豆高原桜並木」の画像から

090407_164159090408_140218090408_140401090408_140432
 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom


090408_140450090408_140721090408_140822090408_143824
 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom


下段の画像の粒のような人影が、母と祖母です。
このスポットでは約三千本のソメイヨシノで作られた桜のアーチを、三kmにわたって楽しむことができます。
HPはこちら
http://www.izu-kogen.jp/


つづきましてそこからすぐそばの「さくらの里」の画像を

090408_150204090408_150442090408_150614090408_150635
 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom


090408_150726090408_150938090408_151000
 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom


こちらでは大室山のシュールな姿をバックに、様々な種類のさくらが楽しめます。
二十代初めまで、桜って一種類だと思ってましたけどね・・・・
HPはこちら
http://www.itospa.com/nature_park/sakuranosato/index.html


ついでに近所の桜の画像も貼っておきます。

090405_161306090405_161323090409_102357 
 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom

 cherryblossom


もひとつついでに、某所で大好評だった(?)自作ソングも貼っておきます

「さくらもち」(作詞・作曲 SGA屋チェリー伍一)


春の夜闇 花の香りに

誘われて歩く 公園の並木道

君の笑顔 思い浮かべながら

ポッケにしのばせた 和菓子ほお張るのさ


さくらもち さくらもち YAYAYA

世の中そんなに 甘くはない

さくらもち さくらもち LaLaLa

旅立つ君に この言葉を贈ろう


愛と知っていたのに 春はやって来るのに

名も無い花には 名前をつけましょう

僕らはずっと待ってる 君をずっと待ってる

仰げば尊し 和菓子の恩


さくらもち さくらもち YAYAYA

盗んだバイクで 走り出す十五の夜

さくらもち さくらもち LaLaLa

誰よりも何よりも 君だけを愛してる


さくらもちさくらもち さくらもちさくらもち

さくらもちさくらもち・・・・・・


かしわもちきなこもち おかねもちぜんかもち

あめとむちいいきもち・・・・・・


さくらもちさくらもち・・・・・(fade out)

090410_181419
 桜は日本の心ですね!

 ではまた。


さくらもちさくらもち・・・・・(Fade out)


| | Comments (7) | TrackBack (0)

April 08, 2009

いきなりゴレンジャー 中村義洋 『フィッシュ・ストーリー』

200607071444522012年。人類は巨大白色彗星の接近により、滅亡の危機に瀕していた。
1982年。合コンに向かう気弱な大学生がいた。彼は車の中で友人から、『フィッシュ・ストーリー』という曲にまつわる怪談を聞かされる。
2009年。うっかり船をのりすごして泣きじゃくっていた女子高生は、船のコックから「正義の味方として育てられた」話を聞かされる。
1975年。時代に早すぎたパンクバンド「逆鱗」は、最後のレコーディングに万感の思いをこめて、『フィッシュ・ストーリー』という曲を作り上げる。

これらの物語に一体いかなるつながりがあるのか? 観客の思いをよそに、脈絡もなく語られていくストーリーズ。
キーワードは「謎の無音部分」と「ゴレンジャー」・・・・・

例えるなら締め切り間際の漫画家を抱えた編集者のようなものでしょうか。タイムアップまであと少しなのに、漫画家はチンタラしているようにしか見えない。「今週は『作者急病のため休載』かな」と諦めかけたとき、なんと漫画家が「できたよ」と言う。しかも驚くことに見事な傑作に仕上がっている! ・・・そんな感じの映画であります。まったく見事な脚本マジックでありました。

そこはかとなくつながっているような、主人公の異なる一連のエピソード。こういうスタイル、一昨年多くの映画ファンに混乱をもたらした『バベル』を思い出します。しかし『フィッシュ・ストーリー』は『バベル』よりもっとわかりやすく、バカバカしく、そしてスカッとする作品。
「ホラ話ってくだらないけどすばらしいよね!」と、心の底から思わせてくれます。

原作は近年人気を博している伊坂幸太郎。彼の作品というのは、深い意味があるようでないような、それでいて心がほっこりするようなものが多いです。でも、やっぱりそれなりに意味はあると思うんですよね。んで、この映画からはこんな想いが込められているような気がしました。

「あなたは自分が嫌いかもしれないけれど」「あなたは自分のやっていることに意味があるのか、不安を感じているだろうけれど」「あなたがいることには」「あなたがやっていることには」「確かな意味がある・・・・・かもしれないよ?」

この「絶対にあるんだ!」ではなく、「かもしれないよ?」というあたりが絶妙です(笑)


さて。最近隆盛を誇っている日本映画界。その背景にはテレビ局による出資が大きく関わっています。ただその宣伝力と財力にモノを言わせて強引に作品を売り出す姿勢を、憂う声もちらほら聞きます。
わたしとしては「面白ければそれでいーじゃん」という立場なんですが、単純な感動大作やテレビドラマの映画化なんかには、あまり気乗りがしないのも確か。
そんなわたしが最近「これはいい!」と思った邦画は、『キサラギ』『アフタースクール』『パコと魔法の絵本』『少年メリケンサック』、そしてこの『フィッシュ・ストーリー』・・・・ んで、あとで気づいたのですが、これらの作品、『アフタースクール』をのぞいて全て「テレビ東京」さんによる制作でした。

これは明らかに日テレやフジの「大作感動路線」とは違いますね。言うなれば「低予算うっかりちゃっかり路線」です(笑)

090408_184357中には『おろち』とか『釣りキチ三平』といった微妙なチョイスもありますが、これからもテレ東さんにはがんばって個性的な作品を作り続けていただきたいです。
あなたたちのやっていることには、きっと意味がある!・・・・かもしれないよ?

| | Comments (6) | TrackBack (3)

April 06, 2009

愛という字のもとに ~大河ドラマ『天地人』より④ 「ブラザーフッドによろしく」の巻 

景勝 「上杉景勝じゃ!」
兼続 「樋口与六兼続です」
景勝 「いやー、しぶといのう、ガオシルバー。てっきり二・三話でカタがつくものと思ってたが・・・・」
兼続 「例の番組でもいいとこもらって死んじゃうのかと予想してたら、きっちり最後まで生き延びましたからね」
景勝 「こんなんとっとと終らして、早いとこ『信長の野望』とかやりたいのう」
兼続 「まったくです。いったい景虎さまは何をあんなに怒っておいでなんでしょう」
景勝 「お前がそれを言うかgawk
兼続 「えー、ごほんごほん。ま、戦国大名にとっちゃ内輪もめとか兄弟ゲンカは、通過儀礼みたいなもんですよ」
景勝 「確かに。スポーツマンガで言えば全国大会の前の地区予選みたいなもんだな。ただ普通の家族なら殴り合い程度で済むものを、俺らの場合殺し合いに発展してしまうからシャレにならないわけで」
兼続 「ゲッツ板屋さんは兄弟ゲンカでおなか刺されたっていう話ですよ」
景勝 「・・・・そういう例外もあるだろうさ」
兼続 「ま、そんなわけで今回はこんな企画用意してみました! ぱんぱかぱーん! 『あなたの家の兄弟ゲンカ教えてください!』 みなさん、たくさんのお便りありがとうございました!」
景勝 「・・・お前、いつの間にそんなん募集してたんだ」
兼続 「大きな声では言えませんが、実は構成作家に全部書かせました♪」
景勝 「いまオンエア中なんだが・・・・」
兼続 「ごほんごほんdash 最初のお便りは愛知県にお住まいの織田信行さんから。『兄がバカで能無しなんで家を継ぐ準備をしてたら、実はバカだったのはフリで、いつの間にかボクは反逆者ということになってました。こんなのないと思いますwobbly』」
景勝 「んー。そりゃ『フリ』を見抜けなかったキミの責任だな。世の中厳しいのよ」
兼続 「でも難しい場合もありますよ。ナンタラとナンタラは紙一重と言いますし。次のお便りは新潟県にお住まいの長尾景虎さまから」
景勝 「それいつ送られた葉書だよ!」
兼続 「『兄がバカで能無しなんで、仕方なくボクが家を継ぎました。ああ、こんなことボクはしたくなかったのに・・・・weep』」
景勝 「酔ってるな」
兼続 「酔ってますね。次のお便りは山梨県にお住まいの武田晴信さんから。『オヤジが弟ばかり可愛がってむかつくので、家から追い出してやりました。その後兄弟仲は良好です』happy01
景勝 「っていうか、その場合弟は兄貴にヘイコラするしかないよな」
兼続 「ですね。なまじ人がいいために苦労ばかりしょわされる、みたいな。次のお便り。ロシアにお住まいのアレクセイ・カラマーゾフさんから」
景勝 「いきなり飛んだなあairplane
兼続 「『父が酒好きで女好きで乱暴者のため、家の中はメチャクチャです。親子の間はもちろん、兄弟仲も険悪になるばかり。このままでは殺人事件に発展しかねません。どうしたらいいでしょう?』crying
景勝 「ごめん。さすがに世界文学は手に負いかねる」
兼続 「じゃあぐっと簡単にこちら。ポーランドにお住まいのトビア・ビエルスキさんから」
景勝 「またマイナーなとこついてきたな」
兼続 「詳しくは昨日の記事をごらんください。『弟がいきなり殴ってきたので、お返しにキン○マを蹴り上げてやりました。ザマーミロ』smile
景勝 「お兄ちゃん、それはちょっと大人気ないなあ」
兼続 「いや。両方いいトシみたいです」
景勝 「・・・・じゃあいいか」
兼続 「・・・・・。最後は心温まるお便りを。アメリカにお住まいのジュリアン・レノンさんから。『親父は愛だ愛だいうけれど、僕のところにその愛は全然届いてきません。でも弟のショーンは大好きです』heart04 いい話ですね~」
景勝 「そうか? でもまあ、結論としてはそんなとこだな。やっぱ兄弟は仲良く!ということで」
兼続 「じゃあ殿もこの辺で景虎さまと和睦を」
景勝 「いいんだよ。アイツとは血がつながってるわけじゃないから」
兼続 「まったく・・・・ あんたって人は!」

20070702173517

| | Comments (2) | TrackBack (1)

April 05, 2009

森で生きている エドワード・ズウィック 『ディファイアンス』

090405_190316『ワルキューレ』でドイツ人を勉強したから、今度はユダヤ人を・・・・ ってわけでもないんですが、今日はこの作品を。『ラストサムライ』『ブラッド・ダイヤモンド』のエドワード・ズウィックが手がけた、「真実に基づく物語」。首都圏より一ヶ月ばかり遅れての上映です。

第二次大戦時、東欧に侵攻したナチスドイツは、そこでもユダヤ人狩りを行います。貿易を営んでいたトビア・ビエルスキは兄弟や仲間たちと森に隠れ住み、「何が何でも生き延びる」ことでナチスに抵抗することを誓います。しかしその森は一度足を踏み入れた者は二度と生きて出られない、魔物の棲む森であったのでした・・・(ここウソ)

えー、この映画、わたしがレビューしてもいいのかなあ、という思いがちょっとあります。なんでかと言うと、劇場に向かう途中渋滞にはまって、冒頭二十分ほど見逃したから(笑) 
幸い予備知識があったので、話にはついていけました。わたしが見始めたのは、もう森にある程度のコミューンが出来ていて、そこに気難しそうな教師のじいさんがやってきたあたり。支障があったことというと、主人公の親友だと思っていた男が、実は弟だったことになかなか気づかなかったことくらいでしょうか。だって弟の方がガタイがでかい上に、顔立ちが全然違うんだもん。

さて、他には上に挙げた二作品くらいしか見てないのですが、どうもエドワード・ズウィックという人は、醜い殺し合いと美しい自然をコラボレートするのが好きな方のようで。この映画でもけっこう大量に死人が出るのですが、東欧の緑豊かな背景のせいで、多少えぐさが緩和されているような気がしました。
あとこの監督は人種間の衝突ネタもスキですね。『サムライ』『ダイヤ』は衝突から和解に至るまでが描かれていたのに対し、こちらでは衝突したまんまで終ってしまったあたり、現実の厳しさを感じます(別の形での「和解」はありましたが)。

感想は「生きていくって大変だな~~~」と、その一言につきます。

食料の乏しい森で何百人という人間が生きていくには、近隣の農家から作物を強引に徴収するほかありません。はやい話がかっぱらいです。ドイツ軍の追っ手とも絶えず戦わなければなりません。それらに加えて冬の寒さや病気、内輪もめもあり・・・・

生きていくということは、時として奇麗事だけではすまないことがあり。「生き伸びるためには仕方ないんだ」「ぼくら選ばれた民だし」 そう懸命に蛮行を正当化しようとするトビヤですが、彼らが「自分たちの行いを世間に喧伝しなかった」のは、やはりそうした行為に後ろめたさを感じていたからではないでしょうか
盗んだり殺したりせずに生きていけるということは、実はとっても恵まれてることなんだな・・・・ そう思います。

キリストを迫害して以降、世界中で嫌われてきたユダヤ人。考えてみればこの第二次大戦直後くらいが、一番みんなの同情を集めていたころかもしれません。
090405_190342以前『ミュンヘン』の記事で「日本もアジアにおいては今のところ憎まれ役NO.1です。憎まれ役の大先輩であるユダヤ人の例から、色々学べることは多いのではないでしょうか」と書きました。しかしビックリ。先ごろ世界56か国12万人を対象に実施されたアンケートによりますと、世界の好感度ランキング第1位は、なんと「日本」でした。
http://www.recordchina.co.jp/group/g30174.html

この結果に調子こいたりして他国を侵略したりせず、さらなる人気者になれるよう努めてまいりましょう。


| | Comments (4) | TrackBack (3)

April 03, 2009

超人観察日記 ザック・スナイダー 『ウォッチメン』(劇場版)

090403_175557本日はとうとう二十年越しの「映画化」を実現させた『ウォッチメン』について語るであります。いやー、すごいな。これ、本当に公開してるんだなー
なぜすごいのかということに関しては原作の記事に書いてありますんで、そちらをご覧ください。あらすじもそっちに書いてあります。

監督はやはりコミック原作の『300』で名高いザック・スナイダー。彼がこの「アメコミの最高傑作」を手がけることになったのは、次のような経緯だったそうです。

会社 「ねえ、ザッ君、今度『ウォッチメン』作るんだけど、君、監督やんない?」
ザク 「『ウォッチメン』!? ああ、あれはさすがのオレでも無理無理paper
会社 「あそ。じゃあこの話はほかに回すわ」
ザク 「・・・・一応聞いておくけど、どういう風にするつもりなの?」
会社 「もっと話をシンプルにして、最後はヒーローがスカッと勝利をおさめて、売り上げがよければパート2、パート3を・・・・」
ザク 「待て! そんなにすんだったらオレがやる!」

このやり取りからもわかるように、ザク監督は『ウォッチメン』に多大なるリスペクトを抱いているようです。さすがにあの分厚いコミックのすべてを端から端まで映像化することはかないませんでしたが、原作ファンも納得の忠実さ&再限度であります。
唯一オリジナルともいえるオープニングがまたすばらしい。戦前から80年代までのウォッチメン世界を、実際のアメリカの歴史とシンクロさせて一気に見せてくれます。この辺は原作では補足資料の中に文字だけで書かれていた部分です。

『300』の際にも「オレの絵なんざ要らん! フランク先生の絵を忠実にコピれ!」と言ったザッ君ですが、今回も自分の考えは押し殺して、原作のメッセージをそのまま伝えることに腐心しております。
「誰もオレの解釈なんて聞きたくない。みんなが聞きたいのはアランの解釈なんだ」
というわけで、ザク監督にはこれといって特に訴えたいことがあるわけではないようです。彼はただ、『ウォッチメン』が本当に好きなだけ。 しかし彼が原作者の意思をそのまま伝えたことにより、二十年前の警告が今もなおあてはまってしまうことが証明されてしまいました。すなわち、人間の最大の敵は宇宙人でも天変地異でもなく、自分たちの飽くなき闘争本能・破壊衝動にある、ということです。

この映画を観終ったとき、多くの方はきっとなんともいえない「もやもや~」としたものを感じると思います。それは原作がそういう話なんで仕方がないのです(笑)。アラン・ムーアの手がけるコミックの多くは「毒」に満ちています。「ページを閉じたらハイ、サヨナラ、ではすまさへんでー」という作者の執念がこめられているのです。従来のヒーローものと同じようなカタルシスを期待していたら、きっと予想外の展開に動揺されることでしょう。

一方で、この映画はムーアの思い描いたヴィジュアルを余すことなくスクリーンに映し出し、観る者を思い切り楽しませてくれます。それはマスクの上をうねうねと動く「ロールシャッハ」の模様であり、夜空をぼよよ~んと飛ぶフクロウ型メカ「アーチー」の姿であり、Dr.マンハッタンが火星の上に築くガラスの巨城であり・・・・ それらは、長い間原作ファンが「見たい」と熱望してきたもの、そのものであります。

強いてザク監督のカラーが表れているところというと、クライマックスにおける演出の微妙な違いのあたりでしょうか。以下は徐々にネタバレしてます。

clock

clock

clock

clock

clock

正直原作のヒーローたちって、どいつもこいつも性格に難があって、あまり好きになれるような連中ではないのですよ(笑) しかし映画版ではザク監督の愛情のせいか、みんなもう少し感情移入しやすいキャラに仕上がっていたような。ロールシャッハの最後の悲壮なセリフも、原作では「やけのやんぱち」みたいなイメージだったのが、映画では「世界のために自分を殺してほしい」そんな真摯な願いのように聞こえました。

あと原作では本筋と関係ない「作中作」(この世界で売られている海賊もののコミック)のパートがけっこうあるのですが、その辺はそっくり削られてました。まあこの部分はなくても話はわかるのでいいと思います。ただ劇場版『ウォッチメン』には三時間半のバージョンもあるそうなので、もしかしたらそっちの方で見られるかもしれません。

ちなみに原作者アラン・ムーアはこれまでの自分の映画化作品に対し、ことごとく激怒(笑)。この『ウォッチメン』に至っては「絶対に見ない」と言っているそうです。これに対しザッくんはこう語っています。
「いつかムーアが気まぐれにこの映画のDVDを見て、『意外とがんばってるじゃないか』、そう言ってくれるのがボクの夢なんだ」

なんてけなげなんだ・・・ザック・・・・ いつかその夢がかなうといいね!
あとザッ君はこんなことも言ってます。「一度『ウォッチメン』にはまってしまうと、もう『X-MEN』や『ファンタスティック・フォー』には戻れない」

いや・・・・ わたしは普通に戻れますけど・・・・

090403_175641それでは最後はその『X-MEN エイジ・オブ・アポカリプス』における頼もしいセリフでもって締めるといたしましょう。

「確かにこの世界はまともじゃない」
「あるべき姿とはとても思えん」
「だからこそ戦うのさ」
「これが俺たちの世界なんだから」

| | Comments (18) | TrackBack (8)

« March 2009 | Main | May 2009 »