フレンチ・コンコン リュック・ジャケ 『きつねと私の12か月』
久々の三日連続更新。ムダにがんばってます! 本日は現在主要諸都市で細々と公開中の『きつねと私の12か月』を紹介します。
フランスの山地に住む少女リラ(お金の単位みたいな名だ)は、あるとき学校帰りの道の途中で、一匹のきつねに会う。それ以来、リラの頭に浮かぶのはきつねのことばかり。「なんとかして仲良くなりたい」その一心で、来る日も来る日も山に通いつめるリラ。やがてその苦労が実り、きつねは次第にリラの前に姿を現すようになる。果たして少女ときつねは友達になることができるのでしょうか。
これまでに一番繰り返し見てる映画は何か、と問われたら、自分は『スターウォーズ(新たなる希望)』と『皇帝ペンギン』と答えます。なんででしょうね~ 何度見ても飽きないんですよ、これが。
そのペンギンの方の監督、リュック・ジャケの新作ということで張り切って観て来ました。『皇帝ペンギン』は完全なるドキュメンタリーでしたが、こちらは一応物語であります。ただ野山を闊歩する生き物たちは当然演技をしているわけではなく、極めて「自然体」なので、自然を巧にフィクションに組み合わせた映画、ということができるでしょう。
中にはいったいどうやって撮ったのか、思わず首をひねってしまうようなシーンもあります。公式ブログを読めばその撮影方法がいくらかわかるかな、と思ったのですが、監督の言葉は「教えてあげないよ! じゃん!」でした。ケチ!
ただ主役のきつねは、多少は人間の言うことを聞いている模様。いま一人の主役を演じるベルティーユ・ノエル=ブリュノーちゃんは、きつねと親しくなるために、赤ちゃんのころから哺乳瓶で牛乳を与えていたとか。頭がさがります。
実は少女がなんでそこまできつねに魅かれるのか、ちょっと理解しがたいところもありました。きつねってそんなに子供が好きになるような動物かな、と。ずるい、こすからい、というイメージがあるし、何よりそんなに愛らしい形をしているとも思えないし。
でもこういう感情というのは、言葉では説明できないものなのかもしれません。「とにかくすっごくかわいいこでさ、オレもうぞっこん」というから「どれほどの・・・・」と思って見てみたら、「え?」ということも世の中ではままありますし。
野山の風景や珍妙な動物たちに心安らぐ反面、時折自然の怖さが垣間見えるシーンもあります。
特に印象深かったのは次の二つ
・山猫に追いかけられるきつね・テトゥ。てっきり山猫VSきつねではきつねの方が強いのかと思ってました。それとも体格次第では、きつねが山猫を追いかけることもあるのでしょうか。
・きつねの交尾の場面。「まるで戦い」と形容されていましたが、ええ、本当に野獣のようなセックスシーンでした。っていうか、野獣なんだけど。
起伏に富んでない話は苦手、という方もおられましょうが、都会の生活に疲れた心を癒すにはもってこいの映画です。実は見終わった直後はそれほど深い感動はなかったのですが、その後ラストのモノローグを思い起こすほどに、胸にじんわり、じんわりと来ます。
またしても予告編が見せすぎなので、これからご覧になろうかという方は、再生して20秒辺りで止めておきましょう。
Comments
こんにちは♪
私がいちばんリピートして観ている映画って何かなーって今考えてみたんですけど・・・
たぶん「サマータイムマシンブルース」です。
SGAさん観たことあるかな?何度観ても飽きません!
きつね、かわいくない?
私はけっこうかわいいなーって思ったんですけど。
柴犬に似てるし。毛並みはふかふかだし。
生まれたての子ぎつねなんて超ラブリーでしたよ
たぬきも好きです。うちのネコにそっくりだから。
怖いシーンもけっこうありましたね~
リラがテトゥを追いかけて森の奥深くにどんどんどんどん入っていってしまうシーンとか。
リラがオオカミをものすごく無謀な方法で追い払うシーンとか(笑)
リラの親御さんからしてみれば、とんでもないおてんば娘ですよね。
自然や野生動物が本当に美しく撮られていて
さすがリュックジャケ監督!と思いました。
Posted by: kenko | January 26, 2009 05:55 PM
>kenkoさま
ご返信ありがとうございます
>サマータイムブルース
高校生がクーラーのリモコンをなおすために、タイムマシンで何回も往復する話でしたっけ? 熱心なファンが多いですよね。わたしゃまだ見てないんだけど
>きつね、かわいくない?
これを見て「かわいいな」、とは思ったんですけど、「犬とどう違うのか」と聞かれるとぱっと答えられない自分がいます(笑) あー、そうか。人によっては犬と似てるからこそかわいい、と感じる人もいるんですね
あとじぶんは「きつね」「たぬき」というとどうしてもそば・うどんを思い出してしまったりします
>リラの親御さんからしてみれば、とんでもないおてんば娘ですよね。
ですよねー。危なっかしい場所にも平気でひょこひょこ入っていっちゃうし、狼にもケンカ売ってたし。いつ遭難してもおかしくない娘でした(笑)
何事もなく大きくなって、よかったよかった
動物ドキュメンタリーって、普通の映画よりも思い通りにいかないジャンルだと思うんですよね。そんなジャンルでがんばってる方たちには、心よりご苦労様と言いたいです
Posted by: SGA屋伍一 | January 26, 2009 09:36 PM
こんばんは!
おじゃまするのが遅くなりまして、ごめんなさい。。
きつねって、犬とか猫に比べると、それほどかわいいとは思えないですが
ぴょんぴょんはねてたり、リラにじゃれつくさまはかわいかったです。
野生児のリラだけど、おしゃれでしたねー。笑
映像が美しく癒される映画で、DVDリリースされたら、また見たいですね。
Posted by: アイマック | January 31, 2009 09:21 PM
>アイマックさま
ご来訪いただきまことにありがとうございます
わたしもこの映画を見て、「きつねもけっこういいもんだ」と思えるようになりました
ウチの近所ではサル、タヌキ、イノシシは時折出るんですが、きつねは全然見かけなくて。この映画でいろいろ知られざる一面が見られて楽しかったです
リラはオシャレでしたね。十歳児なのに(笑)
あの細く顔に垂れていた前髪がなんとなく気になったわたしでした
Posted by: SGA屋伍一 | February 01, 2009 08:51 PM