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December 27, 2008

適当掲示板75&第5回SGA屋漫画文化賞

数少ない常連の皆々様、今年もお世話にまりました。2008年度最後の掲示板でございます。ご意見、ご感想そのほかありましたらこちらに書き込んでやってください

SGA屋漫画文化賞とは? 年に一度わたしの脳内で行なわれる漫画賞のことです。対象範囲はわたしが今年読んだマンガすべて。賞金も賞品も一切ありません。まあ今年で五周年記念なので、自己申告してくださればうまい棒くらいはあげてもいいです。

ちなみに今までの結果はこちら
第1回 第2回 第3回 第4回


でははりきって参りましょう。

☆少年漫画部門 梶原一騎・村上よしゆき 『新約巨人の星 花形』 (10巻目まで発売中)
小林まこと 『青春少年マガジン1978〜1983』 (全一巻)
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少年マガジンにて過去の遺産を再評価した二作品。
『花形』は最初は「またこんなダメな企画考えよって・・・・」と思いながら読んでいましたが、意外や意外、面白い!
特に伴宙太がいいです。「野球と柔道どちらが大切なんだ?」と花形に聞かれた際、「むずかしいことはよくわからん!!」と吼えたシーンには鳥肌が立ちました(笑)。
一方小林先生の方は自身の輝かしい時代をふりかえった笑えて泣けるノンフィクション。ここにちょこっと触れてますんでお暇な方はごらんください。


☆少女漫画部門 羽海野チカ 『ハチミツとクローバー』(全10巻)
山岸涼子 『舞姫テレプシコーラ』(現在9巻目まで発売中)
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女性特有の感性で、方や限りなく優しい世界を、方や容赦なく苛烈な生き様を歌い上げた二作品。
『ハチクロ』は今年の漫画か?といわれそうですけど、わたしが読んだの今年に入ってからなので、そういうことです。メインのキャラたちもさることながら、脇の人々やオマケコーナーも楽しい漫画でした。
『テレプシコーラ』はバレエ版『タッチ』と言ったら怒られるでしょうか・・・・
いいいお年でありながら(失礼)、世代を越えて読者をひきつける山岸先生のストーリーテーリングに脱帽です。


☆青年漫画部門
奥浩哉 『GANTZ』(現在24巻まで発売中)
馬場康誌 『空手小公子 小日向海流』(現在33巻まで発売中)
081227_182239『GANTZ』は二年連続の受賞 やっぱし今一番面白い漫画のひとつだと思うので。特に今年は二年間不在だった(!)主人公がようやっと無事帰還し、胸をなでおろしました。かなりの長期連載となった本作ですが、そろそろまとめに向かっているとみて、いいのかな?
『小日向海流』は空手版『はじめの一歩』と言ってしまえばそれまでですが、やはりこれだけのロングシリーズになりながらも、ずっと一定のテンションで燃えさせてくれることを評価して。
特に現在進行中の「GENESIS」編は、主人公の小日向くんだけでなく、トリックスター的な南先輩の活躍にも目が離せません。


☆ギャグマンガ部門 大和田秀樹 『ムダヅモ無き改革』(現在一巻のみ発売中)
081227_182311
『機動戦士ガンダムさん』などで知られる大和田秀樹氏が、渾身の力をこめて書き上げた政治家麻雀激闘漫画。
元総理大臣小泉ジュンイチローが、世界の並みいる強敵たちを、超ド級のジャン技でなぎ倒す!
すごい! 強い! 感動する! こんな人に首相になってほしかった!
あとこの漫画、絶対に北の将軍様の目には触れさせない方がいいと思います。そうなったら大和田氏の身がマジで心配です。


☆邦訳部門 マイク・ミニョ-ラ 『ヘルボーイ/プラハの吸血鬼』
マイク・ミニョーラ&ダンカン・フィグレト 『ヘルボーイ/闇が呼ぶ』
20060621183933異形の姿を持ちながらも、人の心を持ったヘルボーイの冒険譚二冊。
ハイ! 今年もこれくらいしか出なかったんですね! あとはドラマ『HEROES』の番外編とか。
気がつけばアメコミの邦訳は『ヘルボーイ』ばかりが充実しているような・・・ ま、それはそれで嬉しいんですけど。
『闇が呼ぶ』は長編では初めてミニョーラ以外のアーティストがヘルボを描くことになり、話題を呼びました。本家のミニョーラ氏は最近では専ら映画のほうに忙しいようで・・・・
そのミニョーラ&ギレルモ・デル・トロの『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』は年明け早々に公開。アート魂炸裂のすげえ映画になってるみたいです。早く観てえ!


☆短編部門 ちばてつや 『ちばてつや伝 トモガキ』
081203_173823ヤングマガジンにおいて二週に渡って掲載された、ちばてつや氏の秘められた過去を描いたお話。
駆け出しだった時のある晩のこと、ちば氏は顔面を血まみれにして病院にかつぎこまれます。40年の間「疲労で足がもつれて窓ガラスに倒れこんだ」とちば氏は語っていましたが、その真相は・・・・ここをご覧ください。
「股間に電気あんま」から始まったお話が血も凍るスプラッタサスペンスへとつながり、最後は熱い友情に感涙必死の青春ストーリーへ。
求む、シリーズ化。


そして今年の大賞は!
吉田秋生 『海街diary』
081114_131816『ラヴァーズ・キス』と世界観を共にする、吉田氏の鎌倉人間模様。
一応少女系の作品になるのかもしれませんが、少年とか少女とかジャンルにとらわれない魅力を持ったコミックです。そういえば吉田さんってもともとそういう作家だし。
てなわけで、男性たちにも大いに読んでほしい逸品。
ちなみにわたしは佳乃さんがタイプです。


そしてもひとつオマケに
☆特別賞 SGA屋伍一さん

20070821174359
忘れてたけど、こないだの20日でブログ4周年だった・・・・


おめでとう! オレ!


以上


あとは二回にわけて今年の映画を振り返り、2008年のブログ締めといたします。

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Comments

>大和田秀樹 『ムダヅモ無き改革』
 そうですよね、こういう漫画描いてる方ですからね
 http://blog.livedoor.jp/inoken_the_world/archives/51140013.html
 でも、この漫画を麻生さんに送りつけた勇者がいるんですね!!
麻生さん、読んでくれたかな?

 大和田秀樹先生は昔こういう漫画も描いていたので怖いものは
ないのかもしれませんね。
http://jp.youtube.com/watch?v=YIkAbiu86-I&feature=related
 
 て、なにに火つけてんですか!!

Posted by: 犬塚志乃 | December 27, 2008 11:07 PM

おはようございます
4周年おめでとう。
と言う事は私と同じくらいから始めた事になるのか・・・。
>『新約巨人の星 花形』 
これは確かに面白い。とはいえ個人的にマガジン読むのが
あとは「一歩」だけなんて悲しすぎる。
>SGA屋漫画文化賞
個人的にマンガ「傑作選(読んでる数少ないからね)」を
挙げれば・・・・
作:西村 ミツル, 画:かわすみ ひろし
『大使閣下の料理人』
こちらは妙な続編もないしすっぱり読めたのがよかった。
主人公と同い年は感情移入しやすいから・・・・。
では。

Posted by: まさとし3055 | December 28, 2008 09:38 AM

>犬塚志乃さま

まあこの漫画での麻生さんはゴルゴ並みにかっこよく描かれていたので、悪い気はしないと思います。現実でもこれくらいびしっと決めてくれるといいんだけどなあ

『大魔法峠』はガンダムAの「お笑い増刊」に出てたのを読んだことがあります。このタイトルは『大菩薩峠』からとったんでしょうが、強引なのにもほどがあります

監督水島努・・・『おお振り』の方ですね

Posted by: SGA屋伍一 | December 28, 2008 08:58 PM

>まさとしさま

お祝いの言葉ありがとうございます。そう、このブログ始めたのはまさとしさんとほぼ同時期。4年なんてあっという間ですなあ

『新約巨人』お読みでしたか。某画伯もほめておられました。ただ画風にもう少し個性がほしいとも
わたしはマガジンではほかに『絶望先生』と『ダイヤのA』をチェックしてます

>『大使閣下の料理人』

これ前にもオススメいただいたかな。『JAJA』なんかと一緒に。記憶にとどめておきます

Posted by: SGA屋伍一 | December 28, 2008 09:01 PM

SGA屋伍一さん、ブログ4周年おめでとうございます
嘘みたい・・・20日で4周年ですか?私は20日で2周年でした!!
うっわ~~~凄い偶然
いや、、、偶然ではないかもしれない。これは必然(何の?・笑)
この辺に住んでいる人って、暮れの忙しい時に何か始めたくなるんでしょうかねぇ~?(笑)

漫画を知らないくせにコメント残してスミマセン!
ではでは、、またね♪

Posted by: 由香 | December 29, 2008 05:06 PM

あわただしい年末にお邪魔いたします。
4周年ですか。おめでとうございます

私もマンガ大賞やりたい!てゆーかやります。
しかしSGAさんが挙げられているマンガ、ほとんど読んでない。。。
黙ってたけど「舞姫テレプシコーラ」は読んだんですよ!久々にハマりました。

明日、今年のシメとして「グレンラガン」を観て、
映画ベストは年明けにやろうかなーと思ってます。

ではではよいお年を!

Posted by: kenko | December 30, 2008 12:10 AM

>由香さま

こんちはっす! お祝いの言葉ありがとうござます! あなたでやっとこ二人目です!!

そして由香さんも二周年おめでとうございます。やっぱり僕ら、運命の星のもとに結ばれているのかもしれません

♪もうすこし~ はやく~ あなたと出会えてた~ ならば~

ま、それはさておき、『海街diary』という漫画はマジメにおすすめです。まだ二冊しか出てないので、気が向いたら読んだってください

Posted by: SGA屋伍一 | December 30, 2008 11:58 AM

>kenkoさま

こんちはっす! お祝いの言葉ありがとうございます! あなたでやっとこ三人目です! そういう数少ない人々の善意に支えられて、このブログは続いております

kenkoさん、テレプシコーラ読んだですか! 正直1、2巻とかけっこうひいちゃうところとかなかったですか?(笑) 
でもまあそれを乗り越えていくと、10巻ラストで感動の涙を滂沱と流すことになるわけですが
上の漫画では『ムダヅモなき改革』と『海街diary』が特におすすめです

kenkoさんの漫画&映画ベスト、そして『グレン』レビュー楽しみにしております。そちらも良いお年を~

Posted by: SGA屋伍一 | December 30, 2008 12:04 PM

4周年おめでとうございます!

吉田秋生の『海街diary』は読んだことないのですが、SGA屋伍一さんのイラストは吉田作品の雰囲気出てますね~。上手い!

>『ヘルボーイ ゴールデン・アーミー』
来年はこの作品がTOPバッターになりそうです。
金曜からの公開だからなんですけどね(^^)
「パンスラビリンス」のスタップなので映像的には心配していませんが、ダークファンタジー?に不安半分です。

来年もよろしくお願いいたします!

Posted by: たいむ | December 30, 2008 02:35 PM

>たいむさま

お祝いありがとうございます! あと今年はわたしのしょうもないコメントにいちいち付き合ってくださって、そちらもありがとうございました

イラストも誉めてくださって感謝でございます。一生懸命描いたので(笑)
みんなにおすすめしてますけど『海街diary』良いですよ。『BANANA FISH』と題材は異なるけれど、「傷を負った者たちの再生」というところや、あの哀しくも優しい空気は間違いなく吉田ワールドです

『ヘルボーイ』は『パンズラ』に比べるとかなりわかりやすい話になってると思います(笑) 『パンズラ』のまたあとで『ヘルボーイ』に帰ってくるところがこの監督ってすごいな、と
彼がプロデュースした『永遠のこどもたち』も見ました。こちらもなかなか良かったです。色々『パンズラ』と共通するところがありました

Posted by: SGA屋伍一 | December 30, 2008 05:28 PM

 今年も、もうすぐ終わりですがお世話になりました。

 言われることに慣れっこ、と言われたSGA様に
少し甘えて書いてしまいまして申し訳ありませんでした。
 ですが腹の中にあった考えを整理できたのはSGA様のお陰です。


 来年はウォッチメンの年ですが、「おはよう!」「ウォッチ!」という
あいさつをしてみたくなるような(?)カルト臭が素敵です。
 
 ただXメンのような能力者ではなくバットマンのような
コスプレイヤー集団と知り驚いています(1人例外)
 
 ロールシャッハさん、はいろいろ過激な性格のようですが、
ニクソンの肖像にらくがき(?)をしている辺りVのような
お茶目(?)な性格みたいですね。

 ヒーローが普通にいるなんてインクレティブルみたいなお話
ですが、もしかしてウォッチメンをパク…は韓国人の名前です。
 ではなくオマージュを捧げたのでしょうか?

 
 チェ・ゲバラは私も見に行きたいです。
 28歳で革命だなんて…。
 ワルキューレは見に行きますか?
70本の中には入ると思いますが。
 
 
 それでは、来年もよろしくお願いします。

Posted by: 犬塚志乃 | December 31, 2008 08:39 PM

 そうでした、ヘルボーイはまだ見れていません。
それなのに2がやるなんて!!
 
 今度の敵はエルフだなんてロード・オブ・ザ・リングスの
ファンを怒らせようとしているのでしょうか?
 いやちがうでしょう。
 今度監督はホビットの冒険の監督もやるわけですし
おそらくピージャク監督に意識して敬意を表しているのでしょう。
 だんだんデルトロ監督はピージャク監督に雰囲気や体格まで
似てきましたが、そこまで敬意を表さなくてもよろしいのでは?
とすら思えます。

 やはりヘルボーイはブレイド2のように、
しゅいん☆しゃきん☆ひゅんひゅん☆
な展開なんでしょうか?

Posted by: 犬塚志乃 | December 31, 2008 08:45 PM

 そうです、後私が悪いからと言って私が好きな作品とかに
罪がある訳ではありません。
 

Posted by: 犬塚志乃 | December 31, 2008 09:26 PM

>犬塚志乃さま

他所様がご自分のところで何を書かれようと、何を批判しようと、それはその方の自由です
しかし自分の庭は自分で管理しなければいけません

そんなわけで、荒れそうな話はご自分のところでやっていただければ幸いです

Posted by: SGA屋伍一 | January 02, 2009 11:22 AM

>ご意見、ご感想

東京のフィルムセンターで怪獣・SF特集やりますよー1月6日から。東宝といえばゴジラというSGAさまはウレシイ企画なのではないかな??と思って。。

http://www.momat.go.jp/FC/fc.html


Posted by: アンバー | January 03, 2009 09:14 AM

>アンバーさま

こんばんは! 今年もよろしくお願いします

情報ありがとうございます。
ううむ・・・ これは垂涎もののラインナップですね!
2月末までか・・・ 行きたいなあ。行けるかなあ

なんか怪獣ものよりも、『美女と液体人間』とか、『透明人間と蝿男』といった「怪人もの」のほうがそそられますね。ゴジラやガメラより、こういったものの方が見られる機会が少ないような気がするので

Posted by: SGA屋伍一 | January 03, 2009 05:54 PM

SGAさん、2008マンガベスト書きました

SGAさんのマンガ大賞『海街diary』はまだ読んでないんだけど、
『ラヴァーズキス』入れるの忘れてた・・・って今気付きました

『GANTZ』は前にちょろっとだけ読んだことがあって
続きを読みたいんですが・・・24巻かぁ。長いー
気が付くとサードシーズンとかになってる海外ドラマといっしょで
なかなか手が出ません。。。
だって読み始めたらいろんなことがそっちのけになっちゃう自信あるし

アート魂炸裂の「ゴールデンアーミー」早く観たいですね!

Posted by: kenko | January 04, 2009 05:56 PM

>kenkoさま

こちらにもどうも。おお、漫画ベスト決まりましたか!
なじみのブログで漫画ベストってあまり見ないので、嬉しいです。あとでさっそくお邪魔します!

『ラヴァーズ・キス』読まれたんですね。あれはもう、構成の勝利ですね。『海街diary』にもぜひ手を伸ばして、そのギャップを楽しんでください!

>続きを読みたいんですが・・・24巻かぁ。長いー

非常によくわかります(笑) わたしも十巻一まとめの総集編が出なかったら、決して手を出さなかったことでしょう
ご近所には漫画喫茶があればよいのですが・・・
「GANTZ」は読むのにそんなに時間かからないので、半日あれば最新刊まで読了できると思います(ホントか?)

『ゴールデン・アーミー』は今週金曜から公開ですね! その前に前作の復習をしときたいところ・・・

Posted by: SGA屋伍一 | January 05, 2009 09:44 AM

特別賞 SGA屋伍一は 当然でしょ!
コブタも、昨年最高に楽しませて頂きましたし!(^^)

ちなみにコブタを一番熱くした漫画は、、『天体戦士サンレッド』
アニメ化にもなったことで、川崎市民の血が騒いでしまいました!

この勢いで、、実写映画化してくれなかしら、、とまで思っています、、(><)

Posted by: コブタです | January 05, 2009 05:44 PM

>コブタさま

こちらにもコメントありがとうございます

>特別賞 SGA屋伍一は 当然でしょ!

ありがとうごぜえます・・・
それでは安心して・・・・・・

図に乗らせていただきます

そうそう、アタシって、もっと世間に評価されるべきだと思わない?(←放置推奨)

『サンレッド』! 一巻だけ読みました。「ハンバーグなんて買ってくるより自分で作った方が安上がりでしょ!」と言うフロシャイム総統の倹約家ぶりに感心しました。見習わないとな~

ちなみに映画ベスト1『グレンラガン』の一回目は川崎チネチッタで見たですよ。あそこはオシャレでいいとこですなー

Posted by: SGA屋伍一 | January 06, 2009 07:35 AM

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Tracked on January 04, 2009 05:57 PM

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