ケロロ群像 中島哲也 『パコと魔法の絵本』
えーと、これまだやってるよね?
終了間際に滑り込みレビュー。『パコと魔法の絵本』参ります。
むかしむかし・・・というほどむかしでもないむかし。ある所に風変わりな病院がありました。そこへ入院している大貫というおじいさんは、偏屈で意地悪で乱暴者だったため、みんなから嫌われていました。
ある日大貫はパコという少女と出会います。パコは一日経つとその日の記憶が全て消えてしまうという病気を持っていました。最初は公平にパコにも冷たく接していた大貫でしたが、あることをきっかけにパコをいじらしく思うようになります。いわゆるひとつのツンデレというやつです。
大貫はパコの記憶に何か残してやりたいと思い、彼女の愛読書『ガマ王子対ザリガニ魔神』を芝居にすることを思いつきます。果たして大貫の願いは天に届くのでしょうか。
これまでの中島作品と同じように、CGや舞台美術にかなり力が注がれております。でもこの映画で一番面白いのは、CGでも背景でもなく、出ている人々だったりします。どんな風に面白かったのか、幾人か列挙してみます。
☆役所広司(大貫)
やはり日本を代表する名優が、サリーちゃんのパパみたいなヘアスタイルで「ゲロゲーロ」とか言ってるのがたまらなくおかしい。まあ本人は『リア王』のことでも考えながらがんばってたのかもしれません。
☆上川隆也(医者)
この人はドラマ『大地の子』で、それはもう見事な中国語を話していて、マジで中国人なのかと思ったくらいでした。それほどに重厚な芝居をする人が、スカートやタイツをはいて「ティンカーベルはどこ?」なんて言っているのはある意味すごい。『天元突破グレンラガン』の重厚なナレーションも記憶に新しい。仕事選べよ。
☆妻夫木聡(自殺志願の元名子役)
わたしは『池袋ウエストゲートパーク』というドラマで、彼がまだデビュー間もないころの演技を見たことがありましたが、すさまじいまでの大根芝居でした。平成ライダーとか見ててもあまり気にならないわたしが言ってるのだから、これは相当なものです。その彼がこれほどまでに演技が達者になるのだから、やはり人間、早々に見限ってはいけません。
ちなみに坂口征二もすごかったです・・・・
☆土屋アンナ&小池栄子(ナース)
『下妻物語』にてレディースの師弟を演じた二人。今回はナースという役柄ですが、この仕様はどう見てもイメクラではなかろーか。
アンナちゃんは自己破壊願望でもあるのかな。おじさんはちょっと心配です。
☆劇団ひとり(消防車にはねられた消防士)
前作『嫌われ松子の一生』撮影時、中谷美紀は監督から「キミがせっかくの劇団ひとりくんの面白い芝居を台無しにしている」と怒られたそうです。
その天才的な演技を存分に堪能したかったところですが、いかんせん出番が少なかった(笑)
☆松本さゆき(お話が語られている部屋で寝っころがっている女の子)
前作撮影時煮詰まっていた監督が、コンビニでグラビア雑誌を眺めている際、「このコいいな」ということでひっぱってきたそうです。『嫌われ松子』の青井そらも同じ経緯で出演したとか。
「本当に撮影中はコンビニで立ち読みするくらいしか楽しみがなくて」
悲しすぎるぜ、中島哲也・・・・
☆國村隼(オカマ)
今回もっとも衝撃的だったのは、「國村隼は意外に女装が似合う」ということでした。
決して美しくはない。でも似合う。つか、美川憲一に似てました。
彼にマジメに泣かされたい方は『ローレライ』を見てください。
いま気づいたけどこの映画、『ローレライ』とキャストが4人もかぶってます。
☆阿部サダヲ(謎の患者)
で、この映画で一番面白かったのは彼だと思います。いや、ほかの皆さんもじゅーぶんにおかしいんですが、彼だけ格が違ってました。みなさん名優だけあってお笑いもキチンとこなされてましたが、やはり本来の芸風とはかなり異なるわけで。そういう意味ではわき道というか、バイトみたいなもんなわけです。
その点やはり阿部さんは人を笑わせるために生まれてきた人だと思いました。特に「人間~なんてららら~ららららら~ら~」とギターをかきならすシーンでは、笑いをこらえるのに必死で、腹筋がギリギリと痛みました。
世の女性は概ね二つに大別できると思います。カエルくんを可愛いと思うか(少数派)、思わないか(多数派)という具合に。
多数派のみなさんも、これを見たら少しはカエルが好きになるかも? ちなみに姉は少数派でした・・・
けろっぴけろけろ
Comments
伍一さん
こんにちは〜☆
あ、サリーちゃんパパだ♪
(といいつつ、アニメのサリーちゃん1回も見たことないmigです
)
もらったコメのお返しと重複しちゃいそうだけど
笑う部分ではほとんど笑えなかったのー、
そうなの、わたしあのサダヲがニガテでね、、、、
いいお話だったんだけど
あのアクの強さがハナについて
でもパコちゃんはめっちゃ可愛かったし
それぞれの役者たちのキャラも意外で面白かったですよね。
カエルは生きたのも大嫌いだけど
このCGのもダメ!(笑)
あ、でも中島監督の映画は好きなので次回作も楽しみにしてますよ〜♪
Posted by: mig | November 15, 2008 at 11:40 AM
こんにちは。



毎度、訪問いただき、誠にありがとうごぜぇやす。
終了間際、ということは、かなり長い間上映していたということですよね。
人気の高さが伺えます、良かった、良かった。
上川さんだけは、最後まで信じれられませんでした。
私は、どちらかと言うと二枚目の印象が強かったので。
こんなに弾けることもできるんだなーって、役の幅の広さに感心しましたー。( ^ω^ )
阿部サダヲは、凄かったですよね。
好き嫌いは別れる強烈なキャラクターですよね。(゚ー゚;
小柄でハイテンションな俳優さんというと八嶋智人さんが代表格だと思っていたけど。
サダヲさんの存在感を思うと、かなり普通に見えます。
ところで、伍一さんて弟さんだったのですねー
私は、よく「弟がいそう」と姉キャラに取られるのですが。
実際には、兄がいる妹ちゃんだったりします。
全然そうは見えないと、よく言われます。(´・ω・`)ショボーン
Posted by: となひょう | November 15, 2008 at 07:41 PM
>migさま
こんばんは。お返しありがとうございます
>アニメのサリーちゃん1回も見たことないmigです
確かmigさんってわたしと同年代くらいだと思ったんですが、それなのにサリーちゃんを一回も見てないとは・・・・
きっと、大人びたお子さんだったんでしょうねえ
で、サダヲがそんなにダメでしたか
もしかしてmigさん、子供のころにサダヲに噛まれたりしませんでした? 同級生に幼少時クモに噛まれて以来、すっかりクモが嫌いになってしまったヤツがいました。そういうことなら仕方ないですよね
>カエルは生きたのも大嫌いだけど
このCGのもダメ!(笑)
ありゃ(笑) わたしシンガポールでカエル食べたことありますよ。そのあと腹壊したけど
そちらの情報で見ましたけど、中島監督次回は脚本で参加されるんですね。とりあえず様子見
Posted by: SGA屋伍一 | November 15, 2008 at 08:29 PM
>となひょうさま
こんばんは。こちらこそ毎度お返しいただき、ありがとうごぜえやす(笑)
一位を取ってたかどうかは覚えてないんですけど、かなり健闘したみたいですね。国内では同時期の『アイアンマン』『ウォンテッド』より儲かってるはず
>上川さん
実は彼の名前を書いただけで、その日のアクセスが倍増しました・・・・ 人気あるんですねえ・・・ 一昨年の大河ドラマ『巧妙が辻』での好演も印象深かったです。わたしもあんなに弾けた彼は初めてみました
>サダヲさん
別段ファンでもないんですが、今回は完全にやられました。これまで見た作品といやドラマ『タイガー&ドラゴン』くらいでしたけど、その時はあそこまでおかしくはなかったなあ
これからもさらにはっちゃけて頂きたいものです
>ところで、伍一さんて弟さんだったのですねー
はい。んで、さらに下に弟がいます。肩身の狭い真ん中ポジション
となひょうさんは「妹」さんだったんですかー うん、確かにしっかりしてそうだしマジメそうだし、どっちかといえばお姉さんキャラかも(笑)
これからは妹キャラとして見るよう努力いたします・・・・
Posted by: SGA屋伍一 | November 15, 2008 at 08:39 PM
こんにちわ
『ゲロゲーロ』というフレーズは、『ポーニョポニョポニョ』並に頭に残り
ますです。
この映画・・・最初は、豪華メンツのハロウィンパーティだとばかり
思っていて、どうせ中身のカラッポーなくだらん映画に違いないと
決め付けていたのですが・・・
いやあ~。
意外にも良かったですね。
やっぱりサダヲありきって感じでしょうか(←それだけではないはず)。
すっかり子供向けの装いを見せた映画でありながら、でもしかし、
実は大人に向けられたファンタジーであることに気づいたときに
・・・思わず涙が垂れました。
Posted by: 睦月 | November 17, 2008 at 04:01 PM
>睦月様
速攻でお返しありがとうございます! なのにこちらは一日遅れでもうしえわけありません
>『ゲロゲーロ』というフレーズは、『ポーニョポニョポニョ』並に頭に残り
ますです。
そうそう。ちょっと違いますけど、わたしも最近よく「パーコパコパコ 不思議な本♪」と口ずさんでたりします。どっちもお水系の生き物の話ですしね
実はこの映画本当はスルー予定だったんですが、ある日突然見たくなりまして(笑) いや、スルーしなくて良かった
>やっぱりサダヲありきって感じでしょうか(←それだけではないはず)。
それだけではないです。でもなによりもまずサダヲありきでしょう。この映画の影の主役は彼だと思ってます。migさんは苦手みたいですが
>・・・思わず涙が垂れました。
○○が息を吹き返して笑って終れるかと思ったのにね
普通にに感動的に盛り上げずに、こういうフェイント技を使うところが中島監督の個性というか、素直でないところだと思います。今年ホロリとさせられたのはこれで三本目くらいかな。号泣してしまったものも他に三本くらいあります。ハズカシ(*´Д`*)
Posted by: SGA屋伍一 | November 18, 2008 at 02:16 PM
伍一さん
ええーー!!すごい!
カエル食べたことあるの!!?
伍一さん凄すぎ!(あるイミ尊敬!)
わたしはお金つまれてもムリ!
いや金額によるかな(あはは冗談)
子供の頃大人びた、、、、
いいえ、子供の頃は男の子と外でカブトムシとったりもしてましたよ、バービーやりかちゃんで遊んだりもしてたけど(笑)
伍一さん30代後半ですか?
同じ年代なんですね★
Posted by: mig | November 20, 2008 at 11:37 AM
>migさま
またまたありがとうございます
えーとね、カエルといってもそのまんまの形で出てきたわけじゃないんですよ
脚だけ切ってあって、トリモモみたいな形になってました。味もぱさついた鶏肉みたいでした。味はそんなに大したことなかったんで、無理に食べることもないでしょう(笑)
>子供の頃大人びた、、、、
前にも書きましたけど、migさんって「セレブのお嬢様」という印象がありまして。わたしは例えるなら下男のせがれクラスですね・・・ ちなみに年齢は現在三十代ど真ん中です
Posted by: SGA屋伍一 | November 21, 2008 at 07:59 AM