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November 28, 2008

最近始まったアニメについて 『鉄のラインバレル』『キャシャーンSins』

081128_174101本日は最近チェックしているアニメについてダラダラと語ってみます。

一本目はTBSで放映中の『鉄のラインバレル』。異世界からやってきたロボットに踏み潰されたことにより、ロボットの一部「ファクター」となってしまった少年の成長物語。言ってみりゃ「逆ド根性ガエル」みたいなもんでしょうか
原作は『チャンピオンRED』に連載中のコミック。ストーリーラインは概ね原作に準拠していますが、アニメ独自のアレンジもかなり利いています。
このアニメ(コミック)の特徴は「主人公が積極的にひねくれている」というところ。「どうせぼくなんか・・・」「なんでぼくが・・・」と消極的にひねくれているロボット操縦者は今まで何人かおりましたが、この『ラインバレル』のような例は『Zガンダム』のカミーユ・ビダンくらいでしょうか。

主人公早瀬浩一はそれまでいじめられっ子でしたが、突如として巨大な力を得たことにより有頂天になります。町に攻めてくる怪ロボットと戦うのも、人々のためというより、自分の力を誇示したいがため。そのために街がぶっ壊れようとも全然気にしていません。また周囲の人々がそのことで彼をいさめても、「おれが正義だ文句があるか」とまるで耳を貸そうとしません。視聴者の共感を得ることをハナから諦めたようなキャラ造形です。

そんな彼でしたが、親友矢島のある行動をきっかけに、少しずつ巨大な力を持つことの責任を理解していくようになります。この辺りが第4回あたり。正直それまではやや惰性でみてましたが、その回より俄然話にひきこまれるようになりました。やはりアニメは5話くらいまで見ないと真価がわからないものです。

「クリエイティブプロデューサー」というよくわからないポジションに、谷口悟朗氏が参加しておられます。この人、こういうの好きそうだもんね(笑)


もう一本はテレビ神奈川で放映中の『キャシャーンSins』。1973年に作られたアニメ『新造人間キャシャーン』のリメイク作品。幼少時オリジナルに親しみ、紀里谷和明氏の実写劇場版に涙した者としては、見ないわけにはいきません。
かつてルナと呼ばれる女性の力により調和が保たれていた、ロボットたちの世界。だが
「キャシャーン」と呼ばれる青年が彼女を殺したため、世界とロボットたちは徐々に朽ちていく運命に。
そんな退廃した世界を一人さまようキャシャーン。自分は何者なのか。なぜルナを殺したのか。その答えを知るために彼は旅を続ける。

『ラインバレル』がサービス精神旺盛なのに対し、こちらは見事に作り手の趣味が現れた作品。まずほとんどロボットしか出てこない、というところがすごい。さらに画面にあふれている終末ムード。そして「自分を殺してくれ」とうめき続ける主人公・・・・ この乾いた暗さ、やはりマッドハウス制作の『テクノライズ』というアニメを思い出します。あれも4話くらいまで主人公が「あああ」か「ううう」しか言わない相当突き抜けたアニメでした。
しかしそうしたムードゆえか、非常に詩情豊かな作品となっています。

惜しむらくは一話完結で脚本家も複数いるせいか、お話の出来に多少のばらつきがあること。できれば小林靖子さんに全部書いて欲しかったけど。
081128_174121今期はもちろん『ガンダム00』もおっかけています。それに関してはいずれまた。

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November 26, 2008

エリザベス直前エイジ ジャスティン・チャドウィック 『ブーリン家の姉妹』

081126_193109気まぐれなること 風の如く
真理子なること  林の如く
嫉妬すること   火炎の如く
態度でかきこと  山の如し


こんばんは、おすがです! 井上靖先生の不朽の名作『ブーリン火山』、ついに映画化ね!(信じないように)
このお話、一言でいえばイギリス宮廷版『牡丹と薔薇』ってとこかしら。一人の男をめぐって、二人の姉妹が繰りひろげるドロドロ愛憎劇。まあ取り合う男がその辺のあんちゃんだったら問題なかったんだけど、よりによって時の国王で超問題児のヘンリー八世だったことから、お話は超シャレにならない方向へ転がり落ちていくわけね。

この映画、約二時間の中に、恋愛に役立つたくさんのヒントが隠されてるの。特に目立つテーマは「プライドの高い男をどうやって落とすか」ってこと。ほら、エリートとか家柄のいい男にはたまにいるじゃない、いかにも「自分以外はみんなバカ」って態度のバカ。この手のタイプを落とすには二つの方法があるの。

まずひとつは優しく包み込むような癒し系戦法。この手の男って家庭事情が複雑で歪んじゃった人も多いから、そういう母性愛みたいなものに飢えてんのよね。うるんだ瞳で「あなたのことが心配なの・・・」なんて迫ったら、もうそいつは落ちたも同然ね。ただこの戦法、飽きられるのも早いのよ。映画の中ではスカーレット・ヨハンソンがその役回りかしら。この子、薄メイクだとほんと幸薄そうな顔してるわよねー 名前もよくないと思うわ。「スカ」で始まって「ソン」で終るような名前だし。

んで、もうひとつの攻略法が、きらめく知性とじらし戦法の両方で迫るやり方。エリートって放っておいても女は向こうからやってくるじゃない? だから冷たくされるのに慣れてなくて、逆にそういうのが新鮮に感じるみたい。おまけにインテリジェンスな会話で洗練されてるところを見せつければ、男の子なんてイチコロよってわけ。女子アナがプロ野球選手を吊り上げるのなんて、きっとみんなこの戦法よ! 「安く見ないで!」ってビンタくれてやるのもひとつの有効なテクニックだけど、あんまり利きすぎると相手がマゾになる可能性があるから気をつけてね!

あたしこないだ『宮廷画家ゴヤは見た』っていう映画見たんだけど、主演がナタリー・ポートマンってこともあって色々かぶるとこがあったのよね。ほんで二作品合わせて三度の処刑シーンが出てくるの。それ見比べてあたし思った。女はやっぱり強いわ・・・って。男はかなわないわよ。あたしはどっちかって? うふふ、な・い・しょ!(うげおえええええshockshockshockshockshock

今年イギリスが舞台のお話というと『スウィーニー・トッド』『エリザベス・ゴールデンエイジ』『つぐない』『イースタン・プロミス』なんかがあったわけだけど、どうしてどれもこれもこうドロドログチョグチョネバネバした愛憎劇ばっかりなのかしら? もっと人生ドライにライトにシェゲナベイベって感じに生きられないのかしら?(←『ホット・ファズ』

そこへいくとスペインはいいわよねー 処刑シーンでさえ、あんなに明るい(笑)。移住するなら絶対イギリスよりスペインだわ。食い物もうまそうだし。

それにしてもナタリー・ポートマンもホントよく働くわよね。今年はカメオ出演も含めればほかにあと三本も出てるじゃない? ただ彼女の役ってときどき痛々しくて見てられないときがあんのよね・・・ ストリッパーとか狂女とかコールガールとか。この『ブーリン家』では一応王女さまにまで成り上がるんだけど、これがまたすごいのよspa
ズバリ言っていいかしら? 天国でレオンが泣いてるわよ! 彼はあなたをそんな風にするために死んだんじゃないわ!

081126_193128今年のハロウィン・パーティーではゲキレンジャーのお面だけかぶって参戦したっていうナタポン。ほんと才女の考えることってよくわかんない。
とにもかくにも『ブーリン家の姉妹』、ストレスたまるけど歴史と女の勉強にはなります! 見ないなんてバカ!って言いたいところだけど、そろそろ公開終っちゃうみたい。興味のある人はお早めにね! おすがでした!


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November 25, 2008

パン太とニャン太が2008年を斬ったり斬らなかったり

まだ時期的にちょっと早い気もしますが、2008年に起きた主な出来事なぞを振り返りつつ


そのいち 北京五輪

081125_180513081125_180535081125_180612 
 run

 run

 run

 run


そのに 首相退陣

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 hospital

hospital

 hospital

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そのさん 異物混入

081125_180731081125_180748081125_180805081125_180823
 riceball

 cake

 noodle

 bread


そのよん メイク・レジェンド

081125_180851081125_180925
 baseball

 baseball

 baseball

 baseball


そのご ニャア少佐 「再会」

081125_180950081125_181011
 cancer

 shoe

 spa

 ring


そのろく だからまだちょっと早いんだけど、今のうちに暮れのご挨拶

081125_181029081125_181052
 次

 回

 未

 定

 

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November 23, 2008

馬鹿は死んだら治るのか ウェンディー・ノースカット 『ダーウィン賞!』

20060425172949一応このブログ、十回に一回はご本を紹介しようと思ってるんですが、最近あまり本を読んでないので蔵出し企画です。今から7年前にアマゾンで売り上げナンバー1を獲得した『ダーウィン賞!』という本、いってみましょう。その前にわたしのパパンの話から。

わたしの父はしがない水道屋のくせに、なかなかの読書家であります。わたしがそれなりに本を読むようになったのも、父の影響があったればこそでしょう。ただ父が読みたがる本というのは、あんまし趣味がよろしくないものが多かったりして。
食事中に「こないだ『死体は語る』って本を読んでな・・・」と腐乱死体の話を始めたり、「『完全自殺マニュアル』って本買ってきてくれ」と頼んできたりして、周囲を困らせることもしばしば。飲み屋のママに『自殺のすすめ』(渡辺淳一)という本をすすめてドン引きされたこともあったとか。
そんな父がある時この『ダーウィン賞!』を熱心に読んでおりました。(お、たまにはサイエンスな本も読んでるじゃんgood)と感心したのですが、とんでもねー勘違いでした(笑)
ではまず「ダーウィン賞」とはいかなる賞なのか、そこから説明いたしましょう。

ダーウィンの進化論の根幹をなす考えに、「適者生存」というものがあります。生物が進化するのは、優れた遺伝子が生き残っていくがゆえ
→だから馬鹿が生き残るのは種のためにならない。
→馬鹿は死んだ方がいい。
→しかし馬鹿とはいえ、命を奪う権利は誰にもない。

そこで自分から勝手にバカな仕方で死んでくれたおバカさんを、「種の進化に貢献した」ということでたたえるのがこの「ダーウィン賞」。くれぐれも言っておきますけど、これわたしが言ってるんじゃなくて、本の著者が言ってることですから!shock この本には世界中から集められたそんなおバカな事例が、これでもかこれでもかってくらいたくさん収められています。
どんな例があるかというと

「ある弁護士が窓ガラスの強度を証明しようと体当たりしたら、窓ガラスが割れて24階から落ちて死んでしまった」
とか
「自動販売機からジュースをくすねようとして無理矢理販売機をひっぱったら、販売機に押し倒されて死んでしまった。ちなみにポケットにはジュースを買えるだけの小銭が入っていた」
とか
「酸素ボンベのそばで絶対にやってはいけないことを生徒たちにわかりやすく教えるため、酸素ボンベのバルブを開け、ライターをカチッとつけてみせた」
とか
「工場で電線を盗もうとしたら感電して死んでしまった」
とか
「夫婦喧嘩で女房をバルコニーから放り投げたら、女房は電線にひっかかって一命をとりとめた。それを見た旦那は女房のところへ行こうと飛び降りたが、彼は電線にかすりもせず地面に激突した」
とか


・・・・・・・

うーん、人生っていったいナンなんでしょうね。急に周りの全てのことがどうでもよくなってきちゃいました。
前書きには「この本を最高に楽しみたければ、一日一章程度にとどめておいたほうがいい」とありますが、同感です。
こんな本一気に読んでしまったら、きっと命の重みとかさっぱりわからなくなっちゃうと思います。
わたしが親父の書棚からがめてきたのは講談社版。たぶん今は絶版だと思いますが、アスペクトさんから昨年『ダーウィン・アワード』というほぼ同じ内容の書籍がでました。こちらは大書店かオンラインでなら、まだ普通に入手できると思います。
あと飛鳥新社からかなり前に同趣向の本として『あっ 死んじゃった』というのがありましたが、こちらもやはり絶版です。こちらはどちらかといえば不条理な死をネタにした本。
「飛び降り自殺を見物しようと橋に人々が殺到したため、橋が崩れてたくさんの溺死者が出た」とか。
昨年暮れにはこの賞をモチーフにした映画も公開されていました。いったいどうやって・・・ いずれ鑑賞したいものです。

081123_184450「人の生き死にを笑っちゃいけないよなー」と思いつつも、ついつい爆笑してしまいました。
できることならわたしも葬式でどっかんどっかん笑いを取れるような、そんな死に様をさらしたいものです。どうせ死ぬんだったらね。


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November 21, 2008

新赤かべ物語・前編 ジョン・ウー 『レッドクリフ PART1』

081121_181038今を去ること1800年前、中国のグルメ界は熱く燃えていた。権力にものを言わせて、全国の味を統一しようと図る魏のソースー。それに対し、伝統の味を守らんと呉の国の将軍ショウユは叛旗を翻す。この対立に割って入ったのが、後に食の国の大軍師となる塩カツ小梅。
「とんかつにふさわしいのはキッコーマンでもブルドッグでもない。食塩こそがもっとも豚肉のうまみを引き出すのだ」
かくして洋上に敷かれたレッドカーベットを舞台に、時を越えて語り継がれる伝説の味勝負が幕を開ける・・・

さすがに今回はワルノリが過ぎた気がします・・・ 不朽の名作『三国志』を、『男たちの挽歌』『フェイス・オフ』で知られるジョン・ウーが映画化。その第1部であります。
まずタイトルの「クリフ」とはなんぞや、と疑問に思っていたら、意外なところから判明いたしました。『ポニョ』の英語タイトルが『ポニョ・オン・ザ・クリフ』というのですね。なるほど。
で、この『三国志』というお話、どこが泣き所かと申しますと、「ど真ん中のあたりが一番盛り上がる」というとこです。お話は五合目あたりをすぎると、以後放物線を描くようにだんだんと尻すぼみになっていきます。あんまりにもしょぼくさいので、吉川英治先生などは最後の方は丸々ダイジェストで流してしまったほど。横山光輝先生にいたってはそっくりカットしておられました(笑)
だから「どうせ全部できないのであれば、一番派手なところを存分にやろう」という今回の目論みはある意味正しい。魚で言えばマグロの中落ち、ヒラメの縁側みたいなもんですね。

さて、わたしも一応かつては『三国志』の愛読者でございました。ほんでもって「いつかはわたしも曹操や関羽のようなひとかどの男になるのだ・・・・angry」なんて悦にいってたものです。

・・・・・・・・

あああああ!! 尻から血が出るほど恥ずかしい!!shock

それはともかく、かつて三国志になじんだ身としては、キャラクターがそれなりに「らしく」描写されていたのが嬉しかったです。
劉備が草履を編んでいたり、曹操が「人材欲しい欲しい病」だったり、孫権妹がお転婆娘だったり。「そうそう、こんな人だった」と昔馴染みに再会したような気分でした
そんな中、従来のイメージとやや異なっていたのが周瑜。原典では孔明の引き立て役にすぎず、かっこ悪い場面ばかり目立ってたような。孔明の口車にまんまとのせられて、さんざん利用されたあげく、最後は「もう用ないから。バイバイ」みたいな、そんな扱いだったと記憶しています。
周瑜 「ひどい! あたしのことだましたのね!」
孔明 「キミとはしょせん一夜限りの関係だったってことさ。ゴチ♪」
ていうか何気にひどいヤツですね、孔明・・・・ 女の敵だわ!

しかし『レッドクリフ』ではその周さんが、なかなかかっこよく描かれておりました。孔明に協力するのも原典のようにだまくらかされてではなく、「志を共にするものは、目と目を合わせればわかるのよ。うっふん」みたいなそういう感じでした。その辺は『男たちの挽歌』ジョン・ウー節です。

そのジョン・ウー流の「男の美学」、今回も随所に見受けられました.言うなれば、「荒々しい男たちがつかの間に見せるほのかな優しさ」ってとこでしょうか。
鬼神のごとき戦いぶりをみせながら、陣営では笑顔で子供たちに勉強を教えている関羽。軍事演習に水を差されたというのに、子供の笛をよく鳴るように削ってやる周瑜。わかりやすい悪者の曹操でさえ、関羽の心意気に打たれて、討ち取れるところを見逃してやったりしています。
少女マンガで言えば、ヒロインにやけに冷たいニヒルな二枚目が、雨の中こっそり子犬を拾っているような、そんなニュアンスに通ずるものがあります(ないか)。

そんなわけで、思ったよりも楽しめた『レッドクリフ PART1』。これなら後編も観にいってもいいかな♪

081121_181056ところで『三国志』の映画というと、わたしは1990年に中国で「第1部 大いなる飛翔」と銘打って製作されたものを思い出します。駆け足ながらも、桃園の誓いから赤壁の戦いまでを二時間でまとめた(!)快作でした。
それから第二部を二十年間待っておりましたが、先日オン友さんから「国の事情でお蔵入りになった」と教えていただきました。orz・・・・・・

いや、たぶん『レッドクリフ』は大丈夫だと思うんですけど。

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November 19, 2008

あつ姫じゃ~っ!! ~大河ドラマ『篤姫』より⑮ 最後の将軍伝説の巻

あつ姫 「あつ姫じゃ~ッ!!」
小松 「小松帯刀です」
西郷 「西郷吉之助にごわはんど」
慶喜 「第15代将軍、徳川慶喜にございます」
あつ姫 「ちょっとちょっと!pout 誰よこんなヤツ呼んできたの!」
小松 「いやー、やはりこのコーナーもあとわずかですし、今のうちに徳川最後の将軍様に出ていただいたほうがいいかと思いまして。あ、ヨシノブさま、先日はリ-グ優勝おめでとうございました」
西郷 「日本一は逃したようでごわすけどね」
慶喜 「恐れながらどなたかと勘違いしておられるようで・・・」
小松 「天璋院さまはどうしてそのように慶喜公を毛嫌いされてられるのですか?」
あつ姫 「だってこいついっつも腹の底でアタシのことバカにしてんだもん! 腹が立つったらありゃしない!」
慶喜 「滅相もないsmile。そのようなことちょっとしか・・・」
あつ姫 「思ってんじゃねえか!!annoy
慶喜 「ふふふ。では添乗員さま」
あつ姫 「右手に見えますのが、江戸城大奥の間で・・・ って誰がバスガイドじゃい!」
西郷 「そうそう、添乗員さんっていうのはもっと上品な人が(グサ) あぎゃ!shock
慶喜 「えーと、天璋院さま、ご自身が聡明であられることを証明してみせてはくださいませぬか?」
あつ姫 「おお! やってやろうじゃねえか! ところでソウメイってなに?」
西郷 「ダメだこりゃーwobbly
あつ姫 「・・・・いいか、ノブ公。そりゃーあたしはちょっとはオツムが弱いかもしれないわよ」
小松 「ちょっとかなあ。その上食い意地も張ってますしね」
西郷 「おまけに口も悪けりゃ性格も悪いでごわす」
あつ姫 (グサグサ突き刺しながら)「でもねえ! 今までどんな相手にだって背中を見せたことは一度もないわよ! たとえ桃太郎侍だろうと、マリバロンだろうとね! それがあんたは何よ。ちょっと敵が勢いづいたからって一人でスタコラ逃げ出すなんてさー 金○ついてんの!?」
小松 「うう・・・ ただいま放送中、大変不適切な発言があったことをお詫びします」
慶喜 「ぐ、ぐぐぐ・・・ わたくしとて出来れば武士らしく男らしく戦いたかったでござる。しかしここで戦いが長引けば国が乱れるのは必定。諸外国はますます勢いづいてわが国を食い物とすることでしょう。そうなったら多くの民が永きに渡って苦しむことになります。わたしの名など泥にまみれてもかまわない! それよりもこれからの日本のために、未来永劫続くであろうラブ&ピースのために・・・」
あつ姫 「(せせら笑って)はいはい。その口上、いかにもおうちで何べんも練習してきたって感じよね~」
小松 「まあその辺が後の学者さんたちも解釈に困ってるところですよね。単なる青びょうたんだったのか、国を憂いてババくじをひいたのか」
西郷 「結局どっちが本当なんでごわすか?」
小松 「よくわからない、ということになってます」
あつ姫 「腰抜けのタ○なしに決まってるだろ!」
小松 「ああまた・・・ いちいち謝罪入れるこっちの身にもなってくださいwobbly
慶喜 「正直申せば、わたくしはあの錦旗が恐ろしくてならないのです・・・・shock 幼いころからあれを恐れるよう、父から徹底的に教えられ続けてきたので・・・」
あつ姫 「いいとしこいた大人がキンキキッズなんか怖がってどうすんだ! コラ!」
小松 「あの・・・ この話やめにしませんか? なんだかシャレにならない方向に向かってるような気が・・・」
西郷 「そういえばこないだ『ザザンボ』の渡辺○樹さんがその手の問題で逮捕されたとか」
小松 「だからやめて下さいっていってんでしょーがっ!!shock
あつ姫 「・・・わかった。じゃあ別の話にしよう。それで慶喜くんの今後の身の振り方についてだがな」
慶喜 「はあ・・・ っていつの間に審問会になってるんですか!」
あつ姫 「せめてもの情けだ。キミに選ばせてあげよう。切腹、打ち首、ハリ付け、ノコギリ引き、どれがいい?」
慶喜 「こ、このわたしに生き恥をさらせと!?」
小松 「言ってませんよ」
あつ姫 「じゃあはり付けね。けって~い」
慶喜 「天璋院篤姫・・・ 恐るべきお方・・・・」
小松 「ほんとほんと」
西郷 「ゾンビよりジェイソンより恐ろしいでごわす」
あつ姫 「・・・・てめえらもまとめてな」
小松・西郷 「殺生な~!!」
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November 18, 2008

荒野の呼び声 ショーン・ペン 『イントゥ・ザ・ワイルド』

081118_155802首都圏より三ヶ月ばかり遅れて上映。でもこれはまだ都心でも細々とやってるのかな? 名優ショーン・ペンが実在した青年の放浪記を映画化。『イントゥ・ザ・ワイルド』であります。

1990年アメリカ。多感な青年クリスは、大学を卒業するとすぐ、家族に行方も告げずに放浪の旅に出る。親への反抗ともって生まれた冒険心が、彼をそうさせたのだった。持ち金をほとんど捨てて、自分の力だけでアラスカへ行くこと。それがクリスの最終目標だった。その高貴な志は、彼が旅の途中で出会う様々な人々に、深い感銘を与えていく。そして旅の出発から約二年後。目的の地アラスカの荒野に分け入った彼は、打ち捨てられた一台のバスを発見する・・・

何物にも囚われず、ただひたすら自分の目標を追い求めるクリスの姿がまぶしかったです。鑑賞前にあらすじを聞いたときは、「なんて親不孝な青年だろう」と思いました。しかし見てみると、彼があそこまで両親に冷たかった理由が理解できます。そしてクリスがなぜあそこまで「金」を忌み嫌うのかも。
「金に対する愛情はあらゆる有害なことに対する根」という言葉があります。また、金というのは本来それ自体は何の価値もない交換券であります。そうは思っていても、なかなか達観できないのが人情。しかしクリスは金がもたらす不幸を小さいころから目の当たりにしてきたためか、多くの人が目標とする事柄とは違うことに目を向けていたようです。
真にアラスカで自分の力だけで生きていく自信を得たとき、クリスはきっと両親を許したんじゃないかな、とわたしは思います。そう思うと、彼がそこまでたどりつけなかったことが残念でなりません。

クリスについて考えていると、わたしは数年前中東でテロリストによって命を絶たれた、一人の日本人青年のことを思い出します。すぐ前にも似たような例があって大きな問題になったせいか、彼に対する同情の声はほとんど聞かれませんでした。「自業自得」という意見がほとんどだったと記憶しています。ただわたしは彼が生前家族に向けて語っていた、「いま行かなきゃ意味がない」という言葉が強く印象に残りました(そういえば劇中で「今やらなければいけない」と語るブッシュ父の映像が流れましたが、あれは悪い例)。たぶん彼はブラウン管を通してでなく、自分の目と耳で世界がいまどれほどひどい状態にあるのか確かめたかったのでしょう。確かに愚かだし、無謀といえます。しかしそうした純粋さが死を招いてしまうということはとても悲しいことではないでしょうか。

わたしにも本当につかの間の間でしたが(笑)、彼らと同じように感じていたころがありました。ほんの少しでも妥協したら、それまでの全てがウソになってしまうように思えたときが。そして今妥協ばかりの日々を送っているわたしに、彼らを笑う資格はないということです。

クリスも魅力的な青年ですが、彼が旅先で出会うおじさん・おばさんたちがまた素敵な人々ばかりでした。夫婦でヒッピーの生活を送るジャンとその妻。農場で荒くれ男をたばねるウェイン。心の傷を隠しながら、皮細工を生業とする元軍人のロン。ときに無礼とも思えるクリスの鋭い言葉を、彼らは笑顔で優しく包み込むように受け止めます。こういう大人になりたいものです。

自分とは生まれも育ちもかけはなれたこの青年が、ジャック・ロンドンの愛読者であったとは嬉しい驚きでした。文芸学科というところにいながら未だに文学というのものがよくわからないわたしですが、ロンドンの小説はいつもシンプルでダイナミックな興奮を与えてくれました。『白い牙』『野生の呼び声』『海の狼』・・・・ この映画を見て、また彼の小説が読みたくなってきました。実際にクリスのような旅をするのは年齢的にももう無理なのでshock、せめて本を読むことで彼に近づきたいと思います。
20060411170702最近『火を熾す』(\2205)という短編集が訳されて、注目を集めているロンドン。文無しとしてはもう少し安くしていただきたいものですが・・・・


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November 16, 2008

適当掲示板73&ある日のSGA屋伍一80(エイティ)

ようやく冬らしくなってきたこのごろですが、皆様いかがおすごしでしょうか。当ブログに関するご意見、ご感想そのほかありましたらこちらに書き込んでやってください。

Usatann1_3_thumb薄暗くかび臭い部屋で、一人悶々としているこの男の名はSGA屋伍一(仮名)
彼には長年つきあっている従妹のような友人がいる
Mちゃんというそのコは、それほど美人ではないが、お年寄りに親切で、笑顔の似合ういい子である

Usa2_thumbある時、SGAは彼女とお母さんを車にのせて走っていた。
その時M母がこんなことを言った
「あー、SGAくんみたいな息子がほしいわ」
「わたしもあんな怪獣じゃなくて、M母みたいな優しいお母さんがほしいです」
調子を合わせるSGA
「じゃあMと結婚してウチの子になってよ」
その言葉に全身を貫かれるSGA
(もしかしてこれが・・・ 友情が愛情に変わる瞬間というヤツなのか!?)

20070125114219だが次の瞬間、Mちゃんは言った
「あははははははhappy01sweat01
やめてよ、お母さん。そんなこと、絶対にありえないから~」

「・・・・・そ、そうだよな
あはははははは・・・・・・
あはははははは・・・・・・」

081116_183926そんな時、彼の心を癒してくれるのはやっぱりサッ○ロドラフ○ワン・・・・
と言いたい所だが、そろそろ「その他の雑種②」は季節的に辛いところ
というか、M母からドカンと梅酒もらったんですわ

こいつをお湯で割って飲むのがSGAの最近の日課である

Usa4_2_thumbスープ餃子を肴に一杯やった後、いつものように酔いつぶれるSGA
梅酒だけに、甘酸っぱい思いが胸にしみる夜であった
うまくまとまったところでまた次回(あんのか!?)

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November 15, 2008

鎌倉四姉妹の逆襲 吉田秋生 『海街diary』

『BANANA FISH』や現在劇場版公開中の『櫻の園』で知られる吉田秋生先生の最新作。さきごろ文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したそうです。うひょー

鎌倉に姉妹たちだけ住んでいる幸、佳乃、千佳のもとに、ある日消息がわからなくなっていた父の訃報が届いた。父に対し強いわだかまりを抱いていた幸は、佳乃と千佳の二人だけで、葬儀に出てくるように申し渡す。
観光気分でその場所へ赴いていった二人を待っていたのは、腹違いの妹であるすずだった。その後結局やってきた幸はすずと話をするうちに、彼女に「一緒に住まない?」ともちかける。

この作品、実は先に描かれた『ラヴァーズ・キス』と世界観を共にしています。舞台も鎌倉だし、『ラヴァーズ・キス』に登場した人物がチラホラ顔を出していたりします。ただ素直に「続編」といいがたいのは、まず『ラヴァーズ~』の約一年前から始まっている「前日譚」であるがゆえ。あの話は発表された当事はまちがいなくその時の「現代」・・・・・90年代半ばが舞台だったと思うのですが、『海街』もまた今の「現代」を舞台としているので、その辺頭を柔らかくする必要があるでしょう。
さらに登場人物の顔も微妙に違っていて、両作品の重要人物である藤井朋章くんなどは
081114_131835081114_131816こんなに顔が変わっています(まあわたしの絵も微妙に似てないですけどcoldsweats01
ま、吉田先生の10年間の絵柄の変遷を確かめるために読み比べてみるのも面白いかもしれません。

さて、お話は初めこそ奔放な次女・佳乃の目線で進められていきますが、次第に四女のすずを中心とした話が増えていきます。すずちゃんが新しい街で出会う人々や、その哀歓が少女らしいみずみずしい感性を通して語られます。この「子供の目を通して」というのが、わたしが特に魅かれるあたりです。これまで専ら大人メインで、ゲイレイプさえshock描いていた吉田先生が、こんなほのぼのした心温まる話を作れるなんて! つくづく奥の深いお方であります。

「『BANANA FISH』は『日出処の天子』の影響下に描かれた作品であり、ひいては吉田秋生も山岸涼子から深い影響を受けている」というのがわたしの前からの持論であります(あんまし賛同してもらえないけどね・・・)。
で、この『海街diary』にも少し前紹介した『舞姫テレプシコーラ』と重なるところが幾つかありまして。
いや、今回は意識したというより、なんとなくかぶっちゃったんだろーなーとは思うんですが、少年少女が共にスポーツ?に励む話であり、その内の一人が片足に深刻な障害を抱え、「死を考えた」なんてセリフが出てくると、どうしても『舞姫~』を連想してしまうのですよ。つい最近読んだばっかりということもありますが。
もっとも吉田先生と山岸先生では扱う材料は一緒でも、調理の仕方はかなり違います。吉田先生が絵もお話もカラリとしているのに比べ、山岸先生の方はゆらゆらとした情念が漂ってくるような、そんな感じ。そうした作家性の違いがまた興味深かったりします。

わたしは映画も漫画も好きです。言うまでもないことですが、両方にそれぞれいいところがあるわけです。で、漫画の利点というのは「気に入った絵を、いつまでもじっと眺めていられる」ところにあると思います。映画じゃ「あ、ちょっと待って!」と思ってもさーっとフィルムは流れて行っちゃいますからねcoldsweats01。かといってビデオ機器で一時停止するのも、なんか無粋な気がしますし。
で、特にそれを感じたのが二巻最後のエピソードのあるシーン。幸とすずが、カレーを作りながら話している場面です。父が鎌倉の家を出て行ったことを、自分の母のせいだと考えたすずは、幸に泣きながら「ごめんなさい」と謝ります。自分が知らず知らずのうちに妹を傷つけていたことを知った幸もまた、「ごめんね」とつぶやいてすずの肩に手を回します。そして二人の背中に「ただいまーっ ホタテなかったからアサリにしたよー」「あとアイス買ってきたー」と佳乃と千佳の声がかぶさる。この場面が、まるで時間が止まったかのように見えて、なんとも言えず美しい。まさに「漫画を読み続けていて良かった」。そんな風に思える場面です。

さらに登場人物がどいつもこいつも撫で繰り回したくなるような、いいヤツばっかしでして。一人一人がわたしたちと同じ平凡な人間でありながら、深い悲しみを抱え(サッカー小僧二人は別。あとチカちゃんも)、それでも笑いながら生きている。そんなところが胸を打つ『海街diary』。そろそろ時系列的に『ラヴァーズ・キス』に追いつきそうな感じです。朋章くんが里伽子と仲良くしているところを見て、佳乃さんがズーンと落ち込むとか、そんな話がなければいいんだけど。

081114_131916『海街diary』は現在一巻「蝉時雨がやむ頃」と二巻「真昼の月」が、それぞれ小学館フラワーズコミックス(普通のよりちょい大版)より発売中。そんで「月刊フラワーズ」にて不定期連載中。
この進行の遅さがいいような、じれったいような・・・

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November 13, 2008

スピルバーグの傾向と対策 D・J・カルーソ 『イーグル・アイ』

20060825100157おお、やっと世間の流れにおいついてきたような!
スティーブン・スピルバーグ最新作?『イーグル・アイ』をご紹介します。

双子の兄にずっと劣等感を抱いていたいたしがないコピー店の店員、ジェリーのもとに、突然兄の訃報がもたらされた。悲しみにくれるヒマもなく、その日からジェリーは次々と奇妙な災難に見舞われることになる。見に覚えのない危険物が大量に送られてきたり、テロリストと目されてFBIに身柄を拘束されたり・・・ そして誰とも知らぬ女性から、携帯を通じて送られてくる様々な指令。「自由の身になりたかったら、言う事を聞け」
命の危険を感じて「彼女」の言うなりになるしかないジェリー。果たして彼は亡き兄弟の遺志を継いで、南を甲子園に連れて行くことができるのか・・・・

以下はチョイバレしております。これから見ようかという方は用心しつつご覧ください。
この作品、特に突出したところはありませんでしたが、実にスピルバーグの特徴のよく出たSFスリラーとなってました。それで今回はスピルバーグ作品にありがちな傾向について・・・・ ん? これよく見たらスピさんは「製作総指揮」で監督は別の人じゃないですか!!

・・・・・

ま、いいや。今回はこのネタでいくと決めちゃったので、このまま強引に押し切ります! DJカルーセル? そんなヤツァ知らん!(なんて横暴なshock

で、スピルバーグ・スリラー、略してスピラーの特徴ですが

①モンスターが非人間的というか、感情がない
モンスターにも色々あり、カワイそうなトラウマがあったり、人間に近かったり、それなりに喜怒哀楽があるヤツも少なくありませんが、基本的にスピラーでは人の情けは通用しません。
ジョーズに恐竜にトリポッド・・・ 連中が人を襲う動機は、もっぱら食欲やプログラムなどで、実に機械的なものである場合がほとんどです。
例外は『激突!』の運転手でしょうか。彼は一応人間なようなので。しかしこの作品において「モンスター」の表情は一切出てこないので、やはり非人間的な不気味さを強く感じたのを覚えています。

②細かいことはあんまり考えてない
スピさんの長所は、「こういうのがやりたい!」というのがはっきりわかるところにあると思います。『ジョーズ』だったら「巨大ザメ!」 『ジュラシック・パーク』だったら「恐竜!」という具合に。
ただはっきりしてるのはいいんですけど、その題材を扱うことだけで満足してしまって、全体のテンポとか、ストーリーの矛盾にはあんまり気をつかってないような(笑)

③あとはひかない・残さない
一応モンスターを倒しても、新たなる災厄を暗示したり、「実はまだ生きてたりして・・・・」ということを匂わせて終るホラーは少なくありません。というか、ホラーの90%にはこの公式があてはまるものと思われます(当店調べ)。
しかしスピラーに限ってはそういうことはまず無いと言っていいでしょう。その作品に登場する脅威は、その中でキッチリ片がつきます。何も心配することはありません。「これでめでたしめでたし。ああよかった」ということで幕を閉じます。こういう作品って、後味がスッキリしてて非常に気持ちいいんですけど、反面あっという間に記憶から消えてしまうんですよね~ むずかしいもんです。

かわいそうだからカルーソ監督についても少し書いておきます。この監督はこの前にヒッチコックの『裏窓』を意識した(というか、パクったの?)『ディスタービア』という作品を撮っています。暇人が退屈なもんだから、ついつい隣をのぞいているうちに・・・・というアレです。この『イーグル・アイ』においても、「こっそり見ている」的な描写がふんだんにありました。つまり「のぞき(スリラー)専門」という認識でいいですね? 答えは聞いてません。

一応はスピルバーグ印ということで、まずまずの興奮、スリルは保証します。ただ斬新さや派手なインパクトは期待しない方がいいでしょう。

この映画で誉めたいのは予告編ですね。最近ストーリーの終わり近くまでていねいに見せてくれるangryannoy親切なトレーラーが多い中で、この映画の予告は本当にお話の最初の方しか見せていませんでした。それでいて客の期待をあおるだけの効果も十分にありました。他の皆さんもこれどうぞ参考にしてくださいね!

20070818181134それにしてもシャイア・ラブーフ君は一年の間にずいぶんたくましくなってしまったな・・・・ 『トランスフォーマー』でパンツ一丁でオタオタしていた姿が懐かしい。(たぶん)来年の『トランスフォーマー2』では、久しぶりにへなちょこぶりを見せてくれるんじゃないかと密かに期待してるんですが。


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November 11, 2008

ケロロ群像 中島哲也 『パコと魔法の絵本』

081111_184603えーと、これまだやってるよね?coldsweats01 終了間際に滑り込みレビュー。『パコと魔法の絵本』参ります。

むかしむかし・・・というほどむかしでもないむかし。ある所に風変わりな病院がありました。そこへ入院している大貫というおじいさんは、偏屈で意地悪で乱暴者だったため、みんなから嫌われていました。
ある日大貫はパコという少女と出会います。パコは一日経つとその日の記憶が全て消えてしまうという病気を持っていました。最初は公平にパコにも冷たく接していた大貫でしたが、あることをきっかけにパコをいじらしく思うようになります。いわゆるひとつのツンデレというやつです。
大貫はパコの記憶に何か残してやりたいと思い、彼女の愛読書『ガマ王子対ザリガニ魔神』を芝居にすることを思いつきます。果たして大貫の願いは天に届くのでしょうか。

これまでの中島作品と同じように、CGや舞台美術にかなり力が注がれております。でもこの映画で一番面白いのは、CGでも背景でもなく、出ている人々だったりします。どんな風に面白かったのか、幾人か列挙してみます。

☆役所広司(大貫)
やはり日本を代表する名優が、サリーちゃんのパパみたいなヘアスタイルで「ゲロゲーロ」とか言ってるのがたまらなくおかしい。まあ本人は『リア王』のことでも考えながらがんばってたのかもしれません。

☆上川隆也(医者)
この人はドラマ『大地の子』で、それはもう見事な中国語を話していて、マジで中国人なのかと思ったくらいでした。それほどに重厚な芝居をする人が、スカートやタイツをはいて「ティンカーベルはどこ?」なんて言っているのはある意味すごい。『天元突破グレンラガン』の重厚なナレーションも記憶に新しい。仕事選べよ。

☆妻夫木聡(自殺志願の元名子役)
わたしは『池袋ウエストゲートパーク』というドラマで、彼がまだデビュー間もないころの演技を見たことがありましたが、すさまじいまでの大根芝居でした。平成ライダーとか見ててもあまり気にならないわたしが言ってるのだから、これは相当なものです。その彼がこれほどまでに演技が達者になるのだから、やはり人間、早々に見限ってはいけません。
ちなみに坂口征二もすごかったです・・・・

☆土屋アンナ&小池栄子(ナース)
『下妻物語』にてレディースの師弟を演じた二人。今回はナースという役柄ですが、この仕様はどう見てもイメクラではなかろーか。
アンナちゃんは自己破壊願望でもあるのかな。おじさんはちょっと心配です。

☆劇団ひとり(消防車にはねられた消防士)
前作『嫌われ松子の一生』撮影時、中谷美紀は監督から「キミがせっかくの劇団ひとりくんの面白い芝居を台無しにしている」と怒られたそうです。
その天才的な演技を存分に堪能したかったところですが、いかんせん出番が少なかった(笑)

☆松本さゆき(お話が語られている部屋で寝っころがっている女の子)
前作撮影時煮詰まっていた監督が、コンビニでグラビア雑誌を眺めている際、「このコいいな」ということでひっぱってきたそうです。『嫌われ松子』の青井そらも同じ経緯で出演したとか。
「本当に撮影中はコンビニで立ち読みするくらいしか楽しみがなくて」
悲しすぎるぜ、中島哲也・・・・

☆國村隼(オカマ)
今回もっとも衝撃的だったのは、「國村隼は意外に女装が似合う」ということでした。
決して美しくはない。でも似合う。つか、美川憲一に似てました。
彼にマジメに泣かされたい方は『ローレライ』を見てください。
いま気づいたけどこの映画、『ローレライ』とキャストが4人もかぶってます。

☆阿部サダヲ(謎の患者)
で、この映画で一番面白かったのは彼だと思います。いや、ほかの皆さんもじゅーぶんにおかしいんですが、彼だけ格が違ってました。みなさん名優だけあってお笑いもキチンとこなされてましたが、やはり本来の芸風とはかなり異なるわけで。そういう意味ではわき道というか、バイトみたいなもんなわけです。
その点やはり阿部さんは人を笑わせるために生まれてきた人だと思いました。特に「人間~なんてららら~ららららら~ら~」とギターをかきならすシーンでは、笑いをこらえるのに必死で、腹筋がギリギリと痛みました。

20060409203622世の女性は概ね二つに大別できると思います。カエルくんを可愛いと思うか(少数派)、思わないか(多数派)という具合に。
多数派のみなさんも、これを見たら少しはカエルが好きになるかも? ちなみに姉は少数派でした・・・

けろっぴけろけろ

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November 09, 2008

いちご白書よ、永遠に ジュリー・テイモア 『アクロス・ザ・ユニバース』

081109_201516
首都圏から三ヶ月ばかり遅れて上映。速攻で終っちゃいましたけどねcoldsweats01
『ライオン・キング』演出で知られるジュリー・テイモアが、ビートルズの楽曲だけで作り上げたミュージカル映画です。

あれは確か高校受験のときか。夜中にうつらうつら勉強していると、かけっぱなしにしていたFM放送の音がぴたっと止まる。そしておごそかに「ゴ~~~~」と響く排気音。

「ジェッ                 ・・・・トストリ~~ム」

・・・・怖かった(笑)。しかしいつの間にかこのOPがなんだか快感に思えてきて、毎晩のようにこの番組『ジェット・ストリーム』を聞いていたころがありました。
主にちょっと古めの落ち着いた洋楽を紹介するこの番組。サイモン&ガーファンクル、カーペンターズ、PPM、ビージーズ、シカゴ、ジョン・デンバー、『青い影』、『ミスター・ロンリー』・・・・ 本当にたくさんのアーティストと名曲を教えてもらいました。
そしてもちろん、ザ・ビートルズに本格的になじんだのも『ジェット・ストリーム』を聴くようになってから。初期の軽快であんまり中身のない"She Loves You "や"Please Please Me"もいいですが、やっぱり趣味にあったのは"Strawberry Fields Forever"や"Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)""Mr. Moonlight"といった、シュールな内容の、「しっとりムード歌謡」的な曲。
ちなみに"Ticket To Ride(涙の乗車券)"はカーペンターズが、"Here, There and Everywhere"は名も知らぬ女性ボーカルがカバーしてるヴァージョンの方が好きです。

・・・って映画の話ぜんぜんしてないよcoldsweats01 それじゃあらすじいきまーす。
時代がラブ&ピースでグッド・モーニング・ベトナムでJFKでLSDだった60年代。ペニーレインにまみれて育ったリヴァプール出身の青年ジュードは、母エリナ・リグビーに別れを告げてなんとなく新大陸へと渡ります。
そこではっちゃけた学生のマックスやその妹のルーシーと出会い、彼らと共同生活を始めるジュード。ルーシーと恋に落ちたり、サイケデリックなアートにのめりこんだり、マジカル・ミステリー・ツアーに出かけたり・・・とジュード青春を謳歌します。
しかしいつしかベトナム戦争の影が彼らに亀裂を生じさせます。マックスは姿を消し、ルーシーとジュードは音楽性の違いをめぐって激しくぶつかります。果たして彼らがまたともに演奏をする日は来るのか・・・・

ま、こんな風にお話はベタベタ(?)でしたが、最近そういうの全然見てなかったので、逆に新鮮でした。
もともとストーリーにはあまり期待してなくて、ビートルズ・トリビュートのながーいPVでも見るつもりで鑑賞しました。映像もすごかった。突き抜けてた。突抜けすぎてて・・・ときどき置いてかれた(笑) 

劇中で使われた中で、特に印象に残ったのは黒人の少年が歌う"Let It Be"(定番だなあ)、主人公がヒロインを見つめながら口ずさむ"Something"や、クライマックスでかかる、"All You Need Is Love"(定番だねえ)など

あとジュードが落ち込んでるシーンで案の定"Hey Jude"がかかりました。
一説によるとこの曲はジョン・レノンがふられて落ち込んでる息子、ジュリアン(ジュール)のために作った曲だとか。でも名前変えちゃったらせっかくのメッセージも伝わりませんよね。ちなみにジュリアンは「悪ィけど、オヤジの主張する"愛"とやらは、オレのところまでは全然届いてこなかった」と言っていたそうで。ヘイ、ジュリー! それシャレになってないから! っていうかまた話が横道にそれてるし!

081109_201449
・・・・でも、この映画の結論は、やっぱり"愛"なんです! 愛こそすべて! 愛さえあればなんでもできる! なぜなら彼女はあなたを愛しているから! ジロッチュー・ヤー・ヤーヤー♪(わたしの耳にはこう聞こえる)

多少ハイテンション気味でお送りしましたが、クスリは一切使っていません。信じてくださいshock


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November 07, 2008

仮面らいだー キバってGO×3!

そのいち 

0806hr11
「ふうううう

ぼくはどうしたらいいんだ・・・・」

「どうした、渡? ため息なんかついて

もっとシャッキリしろよ!」


080928_193749
「そ、その声は父さん!?

死んだんじゃなかったの!?」

「そいつが未だにどうにもあいまいでな

ま、とにかく悩みがあるならこの音也様に言ってごらんなさい!」


20080128210048「実はですね・・・
ぼくの好きなコが実は親友の婚約者で、そのコと親友は実は怪人の王様と女王様で、その親友は実はボクの腹違いの兄弟で、ボクのお母さんは実は怪人で、そうするとボクも半分は人間じゃないわけで、あと視聴率とキャッスルドランの売り上げがイマイチで・・・・

ボクはどうしたらいいんですか!?
父さん!!」


080928_193749_2
「・・・・・・・

あ、あのさ

み、南明奈って、かわいーよな!!coldsweats01

(・・・・ダメだ、このひと)


そのに

0806hr09
「こうなったら仕方がない。名護さんにでも相談してみるか・・・

あの、名護さん、聞いてほしいことがあるんですけど・・・」

「ワイはナゴやない。ケンゴや

渡、オンドレから受けた屈辱は忘れてへんからな。覚えとき!」


0806hr07
「あの・・・ ケンゴさん?ですか?

前に会ったことありましたっけ?」

(・・・・・

殺すannoy


そのさん

20080128210048
「やっぱりこういうとき、一番頼りになるのはガル次郎さんだよなー

あ、いたいた

ガル次郎さーん!!

聞いてほしいことがあるんですけどー!!」


Tbk43_thumbワンワン!!dog

「あ、すいません。人違いでしたか」

ワンワン!!dog

「あ、そうですね。『犬違い』ですよね」


そのよん

20080128162950
「もー 渡くんてば水臭いな♪

恋愛系の悩み事なら、このボクに聞いてよね♪」

「・・・・カメタロスさん

いや、恋愛以外にもいろいろあるんですけどね」


081107_175313「情報が必要だな

まずそのミオちゃんというコの住所と電話番号とスリーサイズと星座と血液型と趣味と好きな食べ物をだね・・・」

(・・・・・油断できんgawk


次回未定

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November 05, 2008

シシ狩人の十六将 田中芳樹 『アルスラーン戦記⑬ 蛇王再臨』

081104_174436たいへんじゃ~ッ みなのしゅ~
ついに、ついにヘビ王さまが復活なされた~ッ!!

・・・失礼しました。ササン朝ペルシアをモデルにした田中芳樹氏の架空歴史小説(もうここまで来ると普通にファンタジーだろ)『アルスラーン戦記』第13巻「蛇王再臨」が、このほど発売となりました。
ついでにいままで書いた記事を。第1部のまとめはコチラ 第2部のまとめはコチラ
驚くべきことにここ三年毎年新刊が出てますね。光文社さんにはよほど腕利きの担当さんがおられるようです。
それにしてもこのサブタイ、個人的にはなかなか感慨深いものがあります。あれは確か二巻目のあとがきでしたか。「すでにタイトルが決まってる巻もあります。(略)『蛇王再臨』とか」 当事中学生だったわたしは、「いったいどんな展開になるんだろう? わくわく」と胸を躍らせたものでした。
・・・・まさかこんな三十を幾つか越したオヤジになってから、その現物を拝むことになろうとは夢にも思いませんでしたよ・・・・ その間に『グイン・サーガ』なんていったい何巻出たと思ってるんですか! 田中さん!

えー、それでですね。この巻でアルスラーン配下の「十六翼将」がようやく勢ぞろいします。どんな人がいたのか順々に思い出してみたいと思います。

☆ダリューン
十六翼将の筆頭で、現時点で人間では最強のキャラ。三国志でいえば関羽のような存在。なぜか黒衣を好む

☆ナルサス
パルスの天才軍師。三国志でいえば孔明的なキャラ。本人ははやく芸術の道で生きて行きたいと願っているのだが、絵の腕に関しては「ヘタクソ」ということで周りの意見は一致している

☆ファランギース
絶世の美貌を誇る神官。笛と弓と陰陽道に長けている

☆ギーヴ
元ストリート・ミュージシャン。田中氏お得意のプレイボーイ・キャラ。ファランギースにつられてアルスラーン陣営に加わった

☆エラム
☆アルフリード
方やナルサスの小姓、方や押しかけ女房(未だに一線は越えてないようだが)
「マスコットがいた方が楽しいだろう」「女子がもう一人いた方がにぎやかだろう」という戦隊的な発想で加えられたキャラかと思われます

☆ジャスワント
インド人。もともと敵陣営にいたが、アルスラーンの人柄に心打たれて配下となる。スタミナ自慢で寒さに弱い


この七人はアルくんが素寒貧のころから苦楽をともにしてきた、十六翼将の中でも中心的な存在。「アルスラセブン」とも呼ばれています(ウソ)。
アルくんが第一部クライマックスで「力を貸してくれるか?」と彼らに尋ねるシーンがあるのですが、その時の反応が七人七様で面白いです。
ダリューン 「生命に代えましても」
ナルサス 「非才なる身の(ブラフ)全力をあげて」
ギーヴ 「おれでよければおれなりに」
ファランギース 「ミスラ神の御名のもとに」
エラム 「おともさせていただきます」
アルフリード 「ナルサスたちといっしょに」
ジャスワント 「こ、心から!(ボキャ貧)」


次いで父王アンドラゴラスの代から王家に仕えている、「パパのお下がり」的な武将が二人。

☆キシュワード
十六翼将中一番のベテラン・・・といっても34歳(追い越しちまっただよcrying
二刀を使うため「双刀将軍」の異名も。メンバーで子持ちなのは彼だけ

☆クバード
ほら吹き、酒好き、女好きと三拍子そろった隻眼の武将。もちろん腕は確かで、出世欲がないのもいいところ


さらに「その他大勢」的な武将(ヒドイ)6人。前の記事で書いたヤツもいますが、まあ記念ということで
まず第一部中盤で「侵略者撃つべし」というアルスラーンの号令に答えて集まった武将三人

☆ザラーヴァント
童顔のため、ヒゲを生やしてごまかしている。土木工事の指揮が得意
☆イスファーン
極めて短期間ではあるが、狼に育てられてたことがある。その恩返しのせいか、ペットに狼を引き連れている
☆トゥース
腕に巻いた鎖を武器とする「鉄鎖術」をよくする武将。さして面白みのないキャラだったが、近刊で三姉妹を同時に娶るという犯罪まがいのことをやってのけた


次いでアルくんがオヤジに軍隊をもってかれてまた根無し草になった際、あちこちで拾ったりひっぱってきたりした3名

☆ジムサ
遊牧民族出身で吹き矢が得意(せこい)。もともと敵陣営だったが(略)。前の巻で幼女になつかれていたが、あの娘はいったいどうなっただろう
☆メルレイン
アルフリードの兄で盗賊ゾット族の族長。族長の座をゆずるべく妹を探していた際、なりゆきでパルス軍に加わる。弓矢が得意でいつも不機嫌な顔をしている
☆グラーゼ
港町のあきんど。武将となってからはパルス海軍を一手にたばねる

そしてこの最新刊にて加わる十六番目の武将・・・ですが、これから読まれる方もおられるでしょうし、とりあえず名を伏せておきましょう。なかなか意外な人物でした。

さて、13巻前書きにはこんな内容の文章が。「この巻からどんどん死んでいくキャラが増えていきます」

・・・なんやねん! そろたと思たらもう解散かい!

081104_174548予定では次の巻で完結のはずだったですが、新刊にはどこにもそんなこと書いてないので、たぶんもうちょい続くのではないでしょうか。

左の画像はわたしがかれこれ二十年前に買った角川文庫版第一巻。
♪あのころに~ もどれたら~ ららららら~

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November 02, 2008

極道も計画的に デヴィッド・クローネンバーグ 『イースタン・プロミス』

081102_190603首都圏より三ヶ月ばかり遅れて公開。『裸のランチ』『クラッシュ』などで知られるデヴィッド・クローネンバーグが、ロシアン・マフィアを題材にした社会派サスペンスです。

現代イギリス。出産寸前で病院に担ぎ込まれてきた少女。赤ん坊はなんとか助かったものの、少女は息を引き取ります。助産師のアンナは、赤ん坊の引き取り先を見つけようと少女の日記を調べていくうちに、彼女がロシア人で構成されたある組織に関わっていたことを知ります。少女は甘い言葉にだまされてロシアからつれてこられ、組織に売春を強要されていたのでした。そのことを知ってしまったアンナの周りに、ニコライという謎めいた男の影がちらつき始めます。彼の真意はいったいどこにあるのか・・・・

この映画、男の哀愁をうたいあげた渋い内容もさることながら、アラゴルンことヴィゴ・モーテンセンが「素っ裸で大暴れ」ということで話題になっておりました。米エンターテインメント・ウィークリー誌の「忘れらない映画のヌード」ベスト30に入ってしまったこともあり、その道の人でないにも関わらず「王の帰還」ならぬ「王の股間」が気になって気になって仕方がありませんでした。やっと現物を拝むことができましたが、いや・・・すごい迫力でした・・・・coldsweats02

話をマジメに戻しますとcoldsweats01これは二つの境界線を描いた映画です。ヤクザとカタギ、イギリスとロシア。著しく価値観の異なる相手というのは、時として自分の目に怪物のよう映ることもあります。しかしそうであっても、「彼らもまた同じ感情を持つ人間である」ということがこの映画ではよく表れていました。例えば作品中一番の極悪人であるマフィアのボスですら、孫の前ではその辺のおじいちゃんと変わりなかったりします。また赤ん坊を可愛い、いとおしいと思う感情も、生まれや育ちには関係のない、人類共通のものではないでしょうか。

あとこの映画では「刺青」がとても印象的に使われていました。ロシアの極道の間では、「刺青」が多くのことを証明します。どこの組織に属しているか、どんなポリシーを持っているのか、どこの刑務所に入っていたのか・・・ etc
ニコライの体は多くの刺青で覆われています。恐らくそれらは望んで付けたというよりも、生きていくために仕方なく刻んでいったものなのでしょう。それらは文字通り一生消すことのできない傷跡のようにわたしには見えました。

クローネンバーグ作品はグログロな印象が強く、なんとなく敬遠気味でしたが、たまたまテレビで観た『ザ・フライ』『デッドゾーン』は好きでした。この二作品と同じ空気が、『イースタン・プロミス』にも流れていました。
それは独特のやるせなさというか、一種の諦観美とでもいいましょうか。自分に明るい未来がないことはわかっているんだけど、あえてジタバタせず、滅びを進んでうけいれる男たち。そしてどうせ破滅するのなら、せめて愛する人のために殉じようという思い。


以下はラストまでネタを割ってます。未見の方はご注意ください・・・

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正直見た直後はサスペンスに気をとられていて、どうしてニコライがアンナに急速に魅かれていったのか、よくわかりませんでした。しかしその後落ち着いてじっくり振りかえってみると、ニコライの気持ちがなんとなくわかってきたような。人を人とも思わぬような組織にどっぷりとひたってしまったニコライにとって、他人の赤ん坊を一生懸命助けようとするアンナは、まさしく聖女のように見えたに違いありません。そんな恋というよりは、憧憬に近い気持ちだったのでは、と思います。
組織の隠れ家でもあるレストランで、一人沈鬱な表情を浮かべるニコライ。その姿を映して映画は終ります。この時点で彼は組織のボスを裏切っています。そのあと彼はどうするのか・・・ マフィアとして生きていくなら、警察を裏切ることになる。警官としての務めを果たせば、相棒のキリルを裏切ることになる。どの道を選んでも、彼には裏切ることしかできません。恐らく彼はそう永くはない残りの生涯を、自分がただひとり裏切らなかった女性の面影を胸に、泥にまみれながら生きていくのでしょう。

ボスの息子でニコライをひきたてるキリル=ヴァン・サン・カッセルも強烈な印象を残します。見掛け倒しでみんなからバカにされて親父からまでないがしろにされて・・・・ いやー、こんなに情けないヴァンさんは初めて観た(笑)
最後に凶行に走る寸前で我に返るシーン、普通なら「よかったね、それでいいんだよweep」と慰めてあげたくなるところですが、彼の場合は「だったら最初っからそんなことすんじゃねー!! このアホタレがー!!annoy」とむしろムカつきました(笑) もっともそのまま思い切っちゃったら、さらに激怒したと思いますが。
威厳あるゴッド・ファーザーとろくでなしのセガレ、その軋轢に巻き込まれる主人公という構図は、『子連れ狼』を翻案にした『ロード・トゥ・パーディション』を思い出します。

081102_190942季節の設定はクリスマスのころ、ということになってるんですが、真夏にこの映画を見た都心のみなさんはその辺気にならなかったでしょうか。もっともシーズンたけなわのころに見たら、気分が盛りさがること間違いないと思われますが。

DVDは今月中旬に発売予定。最近はホントに出るの早いですよねー


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