少年鉄仮面伝説 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 ゼロ・レクイエム編
第二次トウキョウ決戦において、最愛の妹を失ったルルーシュ。さらにいままでのたばかりが全部「黒の騎士団」にばれてしまい、絶体絶命の危機に追いやられる。「もう死んだってかまやしねー」とやけになったルルーシュだったが、義弟ロロの捨身の行動により命を拾う。
ロロの犠牲に心打たれたルルーシュは、積年の仇敵である父・皇帝シャルルとの決着をつけるべく、彼が訪れている神根島へ向かう。幸い状況が味方し、シャルルを葬り去ったルルーシュは、ギアスの力を用いて皇帝の座に収まる。だがそれは自ら作り上げた超合集国と、真っ向から対立することでもあった。富士の上空を舞台に、切って落とされる皇帝ルルーシュと、シュナイゼルおよび黒の騎士団との決戦。かつての友や、生きていたナナリーを敵に回してまで、世界の統一を図るルルーシュの真意はどこに?
一年の休止をはさみ、丸二年の間続いていた『コードギアス』も、先日とうとう幕となりました。まず最終回にいたるまでの展開があまりにも目まぐるしくて、主役二人の心境がわかりづらかったので、自分なりにまとめてみます。
ルルーシュのこれまでの行動は、全て妹であるナナリーのためでありました。そのナナリーを「失った」時、彼にとって残されたのは父への復讐心と、ナナリーが望んだ「優しい世界」の実現しかありませんでした。
一方スザクも望まなかったとはいえ大量虐殺の引き金をひいてしまったことから、「もはやどんな手段を用いてでも世界平和を実現しなければ」という思いに駆り立てられます。
ルルーシュがユフィを殺したのは本意ではなかった・・・ということにも気づいていたのでしょう。そんなこんなで、スザクはこれまでのわだかまりを捨て、ルルーシュと手を組むことにします。
その甲斐あってかすんなり皇帝の座もゲットしたルルーシュ。しかし最大の誤算はナナリーが実は生きていて、しかもシュナイゼルと意を共にしていたということでした。
ここでナナリーを思い切り突き放していたのには目が点になりました。決死の思いで決めた覚悟を、いまさら曲げるわけにはいかないということだったんでしょうか。あるいは、最終的にナナリーを救うために、仕方なく悪者を演じてみせたということだったのか。
とにもかくにも全ての敵に打ち勝ったルルーシュは、世界の恨みを一身に引き受けることになります。しかしそれは人々の思いを一つにするために、彼が望んだことだったのでした・・・・ ってまるでどこかのソレ○タル・ビー○ングみたいだなあ
わたしの予想はまたしても大ハズレでございました(笑)
まあ、みなさん思ったよりがんばってよく生き残ったなあと。昔の冨野監督だったら、まちがいなく全員惨死してたと思いますが。それにひきかえ肝心のルルーシュくんは・・・・ このお話が「神話」を意識していたのであれば、やはりその最後は「英雄の死」をもって閉じるのがふさわしいのかもしれません。
しかしわたしはどうにも納得がいきません(笑)。だって彼、C.Cに「ただ死ぬためだけに生きるなんて悲しすぎる!」なんて言ってませんでしたっけ? そのC.Cとの約束だって結局ほったらかし。まあこの少年、前から言ってることとやってることがてんでバラバラなキャラではありましたが。
そこでこんなん考えてみました。題して「ルル-シュが死んでないと思うこんだけの理由」。ネットでひろい集めたものとわたしの意見をまぜこぜにして列挙してみます。
・突進してくるスザクをわざと逃すジェレミア卿。さわやかな笑顔で「行け! 若者よ!」 幾ら主人の意を汲んで・・・とはいえ、普通はもう少し痛ましそうな顔をするんじゃないか?
・ルルーシュに触れた途端、ナナリーに彼の意識がなだれこんでくる描写。これってC.Cが持ってた能力じゃなかったかな? つまりもうC.Cは「魔女」としての力をルルーシュに受け継がせたのでは。そう考えると、「死ぬことのできる体にしてあげた」ということで、「殺した」・・・・約束を果たしたということもできるかも。大体脇キャラが何人もいっぺん死んで生き返っているのに、肝心の主人公がそれができんとはおかしくないか!?(ここまで来るとさすがに言いがかりだな・・・)
・ラストで意味ありげに「王の力はお前を孤独にする・・・ 少しばかり違っていたな、ルルーシュ」と問いかけるC.C。死んだルルーシュに、「わずかばかりの理解者を得た」という意味での発言だったのかもしれないけど、なんだかすぐそばの人間に言っているような!? さらに荷馬車を動かしている男は、その手の仕事をしているものにしちゃあ、やけにスラリとしているような!?
・二項目目と関連して。セカンドシーズンの「R2」という副題。これ、「R.R」とも読めるような・・・
「何があっても生きることにしがみつく」ことを描いてきた谷口氏の作風からいっても、あの結末はそぐわないような気がします。そんなわけでわたしはあえて「ルルーシュは生きている」と考えることにしました。まあ一個人の妄想ということで読み流していただければ幸いです。
休止の間は本当にやきもきしましたが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』、『R2』も含めて本当に楽しませていただきました。スタッフの皆様に心よりの賛辞を送ります。
Comments
ども。
>なんだかすぐそばの人間に言っているような!?
えええ~っと見直してしましましたが、色白なオジさん?
何とでもなりそうですねー(^^;
私も、ルルーシュがC.C.のそばにいるような感覚はあったんです。でも、イメージ的にはマリアンヌみたいな感じで。
R.R.も考えたんですよね。C.C.のコードを引き継いでルルがR.R.になると予想していたのですがハズレだったので、もはやなーんだで終わらせていました。
V.V.のコードはシャルルとともに消滅したと思っていたけど、もしや!
でもね、もし生きていたら激しく怒ります!あの涙を返せ~!って暴動を起こしたい気分になります。
出来れば気のせいであってほしいと思いたいです(^^)
Posted by: たいむ | October 29, 2008 08:04 PM
>たいむさま
コメントありがとうございます。色々惑わしてすいません(笑)
ぜ~ッたいあると思ったんですよねー ED曲のあとに「ニヤッ」と笑うルルーシュのカットが。そのまま終了してしまったのでしばし「ぽかーん」としてしまいました・・・・
>私も、ルルーシュがC.C.のそばにいるような感覚はあったんです。でも、イメージ的にはマリアンヌみたいな感じで。
C.Cの中で永劫の時を寄り添って生きていくとしたら・・・ こんなに美しいENDはないなあ。それでも良かった気がします
たいむさんは確か最終回肯定派でしたよね。その気持ちもわからなくはないんですが、あれだけピンチを次々と切り抜けてきたルル-シュが、あんなにあっさりお亡くなりになってしまうのは、やはり納得がいかないのでした
ただ、このお話はやっぱりこれで終わりにすべきだと思います。怖いですよね・・・ 新作劇場版とかできそうで・・・
Posted by: SGA屋伍一 | October 29, 2008 09:29 PM