貫き止めぬ魂ぞ散りける 今石洋之 『劇場版天元突破グレンラガン 紅蓮編』二回目
先日『劇場版グレンラガン』二回目を見てきましたので、今度はネタバレ全開でレビュー行ってみます。一回目はコチラ
・いきなりアート魂全開のアバンタイトル。テレビ版では見なかった少年→青年は恐らく螺旋王の若かりしころかと。ロボット群の中にマジンガー・ゲッターみたいなのがいるのはご愛嬌 「なぜ戦う なぜ殺す」 そりゃイデオン
・「毎日毎日穴を掘る たくさん掘れば村長は喜んでオレにブタモグラのステーキを食わしてくれる。ステーキのために掘るのかって? それも違うよ。 ・・・・・宝物を見つけるときだってある」
本放送の時から心をガッとつかまれた冒頭のモノローグ
・「無理を通して道理をけっとばすんだよ!」
シモン&カミナの初陣。泣きながらつんのめってゴロゴロころがっていくラガンが愉快でたまらない
敵ガンメンを粉砕しつつ彼らが地上に出た瞬間、わたしはシモンと一体になっていたと思う
・第二パート。グレンに乗り込んだはいいものの、思うように動かせないカミナ。焦る彼の眼前に、野ざらしになったドクロが映し出される
・・・恐らくカミナは自分がここで生き延びたとしても、そう遠くない将来戦いの中で散るであろうことを予感したのだと思う。それでも前に進むことを決意した時、異形の巨人はカミナのものとなった
そして必殺キャノンボールアタック
「無茶苦茶なんですけどッ!」 無茶苦茶ですね
・第三パート。ヴィラル登場。横一線に切り裂かれた後、ざざーっと草が散らばっていく絵が美しい
「ほらよ、合体だ」
「(キタンへ)お前誰だっけ?」と並んで一番劇場が沸いたシーンです
・インタールード。やはりここが一番今回苦しかった部分か・・・ あと一時間あれば・・・
夜空にコアドリルを掲げてにっこり微笑むシモン。これ、テレビ版OPのラストカットだったんだよねえ。憎い
・第四パート前半。グレンラガンをはたいたりつまみあげたりするダイガンザンのアクションが愉快。後の「投擲~」のシーンも笑った。このメカ、『ザブングル』のアイアンギアーが元ネタだと思う
・第四パート後半。「お前が迷った時はいつだって、オレが殴りにきてやるからよ!」 大事な言葉を相棒に告げた後、男は星となる。血反吐を吐きながら「オチオチ寝てもらんねえか・・・」とつぶやくシーンは、涙なくしては見れない
・ここからお話は一気に最後までノンストップ。「アニキは絶対に逃げなかった!」 自暴自棄になったシモンを拒絶したグレンラガンは、盛大なゲロを吐く。ロボットがどうやってゲロを? それはご自分の目でお確かめください
・転落した崖の下で二アと出会うシモン。長い間降り続いていた雨がやむ、象徴的なシーン。だがシモンの苦悩はまだ続く
・「二アは渡さない!」 中天に浮かぶシュザックの表面を、傷だらけになって這い上がるシモン。守らなければならないものがあることに気づいた時、少年は再び拳を握って立ち上がる
一度目・二度目とも個人的に一番乱れたシーン。「親に捨てられた」二アが、自分を必死になって助けようとするシモンを認めたとき、一体どんな気持ちがしただろう。思い出しただけで鼻水が吹き出ます
・驚愕の四天王合体形態。これは劇場版オリジナルなので、もしかしたら今回一番の目玉かも・・・・
・「戦いは続くのですね」
てっきりテッペリン攻防戦まで行くのかと思ったら、ここで唐突に幕。ロシウの顔がUPになるのは次回への伏線か
しかしここで「続く」ということは、次回はいきなり第二部クライマックスから始まるわけで、相当ハイテンションな代物になりそう
自分的には今年のナンバー1というだけでなく、ここ四年間の中で一番のめりこんだ映画作品。お金がなくても、女にもてなくても、将来性ゼロでも、これさえあれば生きていける気がします(イタすぎ)
『螺巌編』は来年五月公開。心して待ちます。
Comments
「ネタバレ全開」とのことで読むのはガマン。
2回目に行かれたとは。
広島ではグレンラガン自体放送されていないので
映画もやらないのかなーと思ってたんですが、
12月にあるみたいです!
ちょっと先だけど楽しみ♪
Posted by: kenko | October 30, 2008 05:29 PM
>kenkoさま
こちらにもコメントありがとうございます
おお! 広島でも公開決定ですか! おめでとうございます!
「近場にはたぶんこないだろうなー」と思って川崎まで観にいったんですが、つい先日地元でも始まりました。でも男は後悔してはいけないのです
実は二度目も東京の友人が付き合ってくれるというので、結局そっちの方で見ました。あははははは
まあ総集編なんで基本的にはテレビと一緒なんですけど、同じものでも大スクリーンで一気に見ると、こんだけ感動が倍増するんだ・・・ ということを思い知りました。kenkoさんもぜひご覧ください!
Posted by: SGA屋伍一 | October 31, 2008 09:00 AM
カミナ、が亡くなった後シモンはかなり沈みました。
スタッフは碇シンジとは違う方向で沈めると言っていましたが、
そこへ登場したのがニアでした。
タイトルもニアのセリフになりました。
正統派ヒロインです。
そして、シモンはカミナの事で延々と沈み続けていましたが
ニアは「わたくし、はカミナという人の事は知りません」
と言いシモンの事を見てくれました。
>「アニキは絶対に逃げなかった!」
シモンとカミナは、ちがうのです。
それをわからせてあげてシモンを認めてあげたのがニア、
だと思います。
そして、ニアとシモンは手を取りあい、谷を後にしました。
それだけの事でニアは沈んでいたシモンを引き上げ立ち直らせた
と思います。
ユーコ、についても最近ようやくわかった気がします。
そして、三部で劇的に変化したロシウくん、の恋人(?)
キノン、についても。
そちらも螺旋編で。
Posted by: 犬塚志乃 | November 03, 2008 08:47 PM
>犬塚志乃さま
「逃げちゃダメだ」ということにこだわったシンジとシモン
そこで「逃げてもいい」ということをすぐに提示したのが「グレン」で、ギリギリまでひっぱったのが「エヴァ」ですね
シモンの場合は「逃げてもいい」というより、「迂回するという手もある」という感じでしたが
二アに関しては本当なら「エマ」という名前になるのが順当なところだったのでしょうけど、この「逃げてもいい」というメッセージのためにこんな名前になったのかな・・・ と考えてます
ロシウのアダイ村のエピソードも第三部を考えるととても重要なあたりだったと思うのですが、螺旋編でフォローが入ればいいですね
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2008 07:55 AM