集まれスーパーヒーロー マーヴルコミックス 『アヴェンジャーズ』
今回はいきなり映画『インクレディブル・ハルク』と『アイアンマン』のエンドロール後をばらしています。これから見ようかという人は避難するか、ちょっと飛ばし読みしてください。
いいかな?
『ハルク』のラスト、酒場で飲んだくれてるロス将軍に、アイアンマンことトニー・スタークが近づきます。「我々はチームを作っている・・・」
一方『アイアンマン』では、記者会見をかっこよく決めてルンルン気分(死語)のトニーを、ニック・フューリーと名乗る男が待ち受けます。「超人は自分ひとりだと思っていないか?」「アヴェンジャーズへようこそ!」
これ、本国での公開順を考えると、本当は「アヴェンジャーズへようこそ」→「我々はチームを作っている」の順番が正しい。ともあれ、このエンドを見て「やった! 待ってたぜ!」と喜べるのは、日本ではごくごくわずかな人だけでしょう。それで今回はこのアヴェンジャーズとはなんぞや?ということを、映画化の予定とからめつつご説明します。ちなみに98年に製作されたレイフ・ファインズ主演のスパイ映画は、何の関わりもありません。
アヴェンジャーズの誕生は今から40年以上前(最近こればっかし・・・)、劇中では十五年くらい前でしょうか。北欧の邪神ロキ(まんま)に操られたハルクが暴走するという事件が発生。まーこの人はいつも暴走してるんですけど。
この事態を、ご存知アイアンマンと、ロキの兄の雷神ソー(まんま)、さらに縮小能力を身に着けたアントマン&ワスプのコンビが力をあわせて解決します。一件が片付いたあとも、一同はこれからも協力して戦うことを決意し、ここにアヴェンジャーズが結成されたのでした。
しかし、二号目で早くもハルクが脱退(笑)。大体なんでこんな怪獣をチームに入れようと思ったのか、その辺が謎です。その代わり、アベンジャーズは第4号で、北極海から氷漬けのキャプテン・アメリカ(通称キャップ)を発見。彼は第二次大戦中政府により開発された「超人兵士」でしたが、終戦間際敵の急襲にあい、長らく行方不明となっていたのでした。生ける伝説を目の当たりにしたアヴェンジャーズは、キャップにリーダーになってくれと懇願。こうして、アヴェンジャーズはようやく本格的に始動することになります。
メンバーのうち、キャップ、ソー、アイアンマンはそれぞれ別の作品で主役を張っているため、「ビッグ3」とも呼ばれています。そのほかにも本当にたくさんのメンバーが40年の間に加入したり、脱退したり、行方不明になったり、死んだり、生き返ったりを繰り返してきました。
一応主要なメンバーをもう少しあげておきますと、もともと悪者だった弓矢の達人ホークアイ、やはり元悪者で、マグニートーの子供でもあるクイックシルバー&スカーレットウィッチ、悪のロボットウルトロンに作られた(悪ばっかし)アンドロイドのヴィジョンなどがいます。
一時期は西海岸に分家ができるほど羽振りがよかったアヴェンジャーズですが、90年代に入ると「アイアンマンとキャップが喧嘩別れする」という展開がよくなかったのか、部数がだんだん伸び悩んできます。そこでマーヴルは96年に『ヒーローズ・リボーン』というプロジェクトを立ち上げ、メンバーをまるごと異世界に転生&新生させることにします。しかしこのプロジェクト、正直成功したとは言いがたいものでした。
業を煮やした?マーヴルは2004年「アヴェンジャーズ ディスアッセンブルド」というエピソードで、メンバーのほとんどを死亡させるという暴挙に出ます。生き残ったキャップは人気回復、じゃなくてチーム存続のため、スパイダーマンやウルヴァリンといった超人気キャラをメンバーに引き抜き、どうにかアヴェンジャーズを再結成します。
これでひとまず安心だ、と思いきや、今度は「シビル・ウォー」事件が勃発。一部の若手ヒーローの不手際により起きた大惨事をきっかけに、世論はヒーローたちを猛バッシング。これを受けてアイアンマン=トニー・スタークは「ヒーローたちは全員素顔を明かして、政府の指揮下に入るべきだ」ということを提唱します。しかしその意見に賛同しないヒーローも当然数多くおり、アヴェンジャーズも政府側のマイティ・アヴェンジャーズと、反政府側のシークレット(ニュー)・アヴェンジャーズに分裂。「キャップが暗殺される」という悲劇も起き、両チームの対立は深刻なものとなってしまいます。さらに年少の超人たちが勝手に「ヤング・アヴェンジャーズ」を結成したり、異世界ではほぼ同一の「アルティメッツ」というチームが存在したり・・・・ さすがに頭がくらくらしてきました ただ映画版のニック・フューリーが黒人なのは、この『アルティメッツ』版を意識してるのかもしれません。
さて、現在マーヴルはこの『アヴェンジャーズ』の劇場版を企画中。当初の予定は今年2008年、二ヶ月おきに『アイアンマン』『ハルク』『ソー』を連続公開。そしておいおい『アントマン』『キャプテン・アメリカ』『アヴェンジャーズ』を作っていく、というものでした。しかしこないだ起きた脚本家ストライキにより、早くも計画は変更を余儀なくされます。
変更された最新の予定は次の通り(公開月は本国でのもの)。まず2009年はまるまるお休み。・・・・・脚本家ア!! うがうああ!!
2010年は5月に『アイアンマン2』、7月に『ソー』
2011年は5月に『キャプテン・アメリカ』、7月に『アヴェンジャーズ』
そして恐らくこのあとに『アイアンマン3』・・・となります(http://www.varietyjapan.com/news/business/2k1u7d00000dgf9n.html)
『アントマン』がいつの間にか消えてしまい、代わりに『アイアンマン2』があがっています。まああんまり当たる話とも思えないので、賢明でしょう。あるいは単にまだ検討中なのか。
ただ問題なのは真のリーダーであるキャップが、コミックでは現在熱烈死亡中であるということ。ひょっとすると映画化にあわせて、壮大な復活劇でも展開しようかというハラなのかもしれません。
2011年は『スパイダーマン4』もありますし、アメコミ的にすごい年になりそう。その時、ぼくは一体幾つになってるんだろう?
・・・・考えたくもねえ
画像は上がソー、下がキャップです。
(追記。2009年4月現在、アヴェンジャーズ・プロジェクトの予定は次のように変更されました
「マイティ・ソー」 旧/2010年7月16日 → 新公開日 2011年6月17日
「キャプテン・アメリカ」 旧/2011年5月6日 → 新公開日 2011年7月22日
「アヴェンジャーズ」 旧/2011年7月15日 → 新公開日 2012年5月4日
このままで行くと、さらなる延期もありそう・・・
「アイアンマン2」は変更なく、2010年5月7日全米公開のままです。
また「アントマン」の企画は「ホット・ファズ」のエドガー・ライト監督で、一応まだ生きている模様
さらに企画では「ソー」「キャプテン・アメリカ」「アヴェンジャーズ」のそれぞれの続編と「S.H.I.E.L.D.」という作品もあがってます・・・・)
Comments
久しぶりに書き込みさせて頂きます、哀生龍です。 こんにちは。
アヴェンジャーズの事は大雑把にどんな作品かは知っていますが、読んだ事は一度もありません。
でも、小さい頃から北欧神話の雷神トールと相棒的存在のロキが大好きだったので、マイティ・ソーはとても気になる存在でした。
そんなわけで、「ソー」「アヴェンジャーズ」が早く映画化されることを心待ちにしている1人です!
でもソーの監督がケネス・ブラナーってのが、ちょっと信じがたい(笑)
ついでに気になっている言えば、「ウルヴァリン」が完全消滅してしまったのかどうかってことですね。
Posted by: 哀生龍 | October 27, 2008 12:05 AM
>哀生龍さま
おはようございます
こちらもご無沙汰しててすいません
実はわたしも実際に読んだのは小学館プロダクションから出ていた『ヒーローズ・リボーン』くらいだったりします
あとはやはり翻訳されたクロスオーバーや、他作品へのゲスト出演で見かけたりとか
>小さい頃から北欧神話の雷神トールと相棒的存在のロキが大好きだった
ロキといえば『マスク2』でアラン・カミングが愉快に演じてましたね~ 父オ-ディンに向かって「パパはいつもお兄ちゃんばかりヒイキする!」と嘆いていたのには爆笑しました
>ソーの監督がケネス・ブラナーってのが、ちょっと信じがたい(笑)
んー、これまだ打診中なのかな? 「ケネス・ブラナーが『ニーベルンゲン』を新生!」というコピーで売り出せば、日本でも当たら・・・ないか・・・
>「ウルヴァリン」が完全消滅してしまったのかどうかってことですね。
ええっ
「ボツった」というニュースでもあったのでしょうか
とりあえず先月の段階ではまだ「09年全米公開予定」とあるのですが・・・
http://eiga.com/buzz/20080908/1
Posted by: SGA屋伍一 | October 27, 2008 08:31 AM
またまた失礼致します。
「ウルヴァリン」に対する哀生龍のコメントが物凄く言葉足らずだったというか、誤字を訂正した時にうっかり一文消してしまったようです(^^ゞ
日本公開の話も聞かないし、IMDbを見ると日本の公開予定がまだ出ていないしで、翻訳の関係で日本公開はいつものように数ヶ月遅れるだけなのか、日本公開の話は今のところ無いのか・・・
と言う事で、「日本公開」はもしかして完全消滅なのか?と気になっているんです。
紛らわしいコメントになってしまって、ゴメンナサイ。
Posted by: 哀生龍 | October 27, 2008 12:29 PM
>哀生龍さま
どうぞお気になさらず~ こちらも早とちりですいません
『X-MEN』シリーズは日本でもそれなりにヒットしましたし、いつものように数ヶ月遅れるだけなのでは・・・ そう、信じたい(笑) もし『ウルヴァリン』が公開されなかったら、わたしは来年何を支えに生きていけばいいのでしょう? (ま、『ヘルボーイ』や『ターミネーター4』もありますが)
っていうか、『ウルヴァリン』でさえ見送られたら、『キャプテン・アメリカ』なんて確実にスルーされそうで怖いです
その時は、署名活動かな・・・(『ホットファズ』みたく)
Posted by: SGA屋伍一 | October 27, 2008 06:27 PM
>北極海から氷漬けのキャプテン・アメリカ
ああ、だからハルクの映像特典で氷づけのキャップが
あるんですね。
Posted by: 犬塚志乃 | November 03, 2008 10:28 PM
>犬塚志乃さま
>ハルクの映像特典で氷づけのキャップが
ある
ネタか!? ・・・と思ったら、本当にそういう噂があるんですね。情報ありがとうございました
ついでに補足しますと、『ハルク』に出てきた「超人兵士製造計画」。この唯一の正式な採用例がキャプテン・アメリカだったりします。人体実験を繰り返してやまほど失敗例を作り出してた、なんてシャレにならない事実が、最近になって判明いたしました
Posted by: SGA屋伍一 | November 04, 2008 07:59 AM
こんばんは、SGAさん
うわあ、随分と丁寧に調べ、そしてこうしてちゃんと今までの経緯をまとめられてUPしていらっしゃるのですねえ!
そして、追記の方もありがとうございます。
とってもためになりましたよ!
アイアンマン、日本はともかくアメリカではかなり人気だったんですよね!この先が本当に楽しみです!
アベンジャーズでもトニーがいっぱい活躍しますように!
いやあ自分は、『インクレディブル・ハルク』の最後で「スターク」(とだけ言っていたんですよね。)と聞いただけで、心はうっきうきしてしまいましたから!
いよいよ出た時は、「待ってました!」って感じでした。これもアニメを見ていたおかげですね♪
いろんなバージョンが元々存在する、ということだから、余計どうなるかきっとSGAさんは楽しみでいらっしゃるのでしょうねえ♪
Posted by: とらねこッチメン | April 24, 2009 01:40 AM
>とらねこッチメンさま
こちらにも律儀にコメントありがとうございます!
いやー、知っていても、実生活には何の役にも立たない知識ですけどね
お気づきになられたかもしれませんが、「シビル・ウォー」のくだりなんかまんま『ウォッチメン』なんですよね。ここでもかの作品の影響力がいかに強いかおわかりいただけるかと思います
追記は一応最新情報ですが、いつまた変更になるやも。なんとかこのままいってほしいものですが・・・
それにしてもとらねこッチメンは本当に社長がお好きですねえ。前はバットマンかX-MENと言ってたけど、今では一番好きなのでは?
やっぱりお金持ちだから?・・・・・イヤイヤ、中の人の魅力ですよね
普通キャリアのある方はヒーロー大集合ものなんてのには出てくれないと思うんですけど、ダウニー.Jr氏は既に契約にサインしてくれたというので、わたしも彼が大好きになりましたよ! あ、あとサミュエル・L・ジャクソンもサインしたとか。まあ彼はこういうの好きそうですよね(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | April 24, 2009 09:22 AM