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September 12, 2008

悪魔が来たりてデスメタル 若杉公徳・李闘士男 『デトロイト・メタル・シティ』

080912_123750人は見かけによらぬもの 人は見かけによらぬもの
カッコだけで判断しないで Fire! Ah-
へヴィ・メタが 好きなんだよ このリズムが 好きなんだよ
こんなカッコが 好きなんだよ Fire!
(嘉門達夫 『ヘヴィメッタ失礼しました』)

だが、もし好きでもないのに無理矢理やらなければならないとしたら?
これは、そんな悲劇に見舞われた一人の青年の物語。

根岸崇一はスガシカオやカヒミ・カリィや小沢健二やフリッパーズギターといった(懐かしいなあ、おい)、オシャレでポップでキュートな音楽を愛する、ミュージシャン志望の心優しい青年。そんな彼がついうっかりデスメタル専門レーベル「デスレコーズ」の門を叩いてしまったところから、悲劇は始まった。
夜毎「男はまとめて皆殺し! 女は全員レ○プ!」とステージでがなりたてる凶悪メタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」。だが人は知らない。そのギターボーカル、ヨハネ・クラウザー二世が白塗りのメイクの下で、「ぼくのやりたいのはこんな音楽じゃないのにィィィィィ!!」と、血の涙を流していることを・・・・

原作は若杉公徳氏の人気漫画。作家にとってその代表作・人気作が、実はそんなにお気に入りじゃなかった・・・というのはよくある話です。手塚治虫先生は「『鉄腕アトム』は(お気に入り度)11位くらい?」と聞かれて「101位くらい」と答えていたし、コナン・ドイルは本当は騎士道物語を書きたかったのに『ホームズ』の依頼ばかり来るので、一度作中でホームズを死なせてしまったし(笑)。
さらに酒井法子は「のりぴー語」について「本当はイヤでした」と言っていたし、佐山サトルはタイガーマスク時代の自分について「道化」と自嘲していたし・・・・ ああ、キリがねえ!
わたしのような日陰者からしたら、「みんな喜んでんだし、なによりガンガンもうかってるんだからそれでいいじゃん」なんて思ってしまうものですが、当の本人たちはそう簡単には割り切れないみたいです。世の中、なかなかうまくいかんものですね(笑)

野暮とは思いますが、原作との比較を少々。この『デトロイト・メタル・シティ』、原作はかなり品のないマンガであります 紙面のそこかしこにスラングが飛び散りまくり、親不孝・女性蔑視な言葉で溢れかえっております。おまけに絵がそんなに上手じゃなく(笑)、ヒロイン相川さんも加藤ローサほど可愛くない。でもそんな適当な絵が、くだらないストーリーにぴったりとフィットしております。
映画でもそういった下品な部分は残されていましたが、それでもだいぶ希釈されております。おまけにこんな話で「夢」について真剣に語っていたりする。そういうところは脚本・大森美香さんの女性ならではの感性かなあ、と感じました。
だから映画を見て「松ケンもクラウザーさんも可愛い! きゅ~ん」と思われた女性の方は、いっそ原作を読まず、そのままその存在を忘れることをおすすめいたします。

キャストで光っていたのは、やはり今人気ナンバーワンの松山ケンイチくん。「憑依型」と呼ばれる彼だけあって、二面性のあるキャラを上手に演じ分けていました。が、今回の彼、なんだかやけにオカマっぽかったような
「あまいあまいあまいあま~い こ~い~び~と~
・・・・なぜだ! なぜそこまでして腰を振りまくる!?
松山くん・・・ やっぱあんたすげえよ・・・・ 今まで積み上げたもの全部ぶっこわしてさあ・・・・
そういえば『蒼き狼』撮影時に、彼は角川春樹から「一年でこんなに堕落した人間を初めて見た」と言われたそうですが、こんな姿見られたらまた怒られるんじゃないでしょうか。っていうか、このヒトにそんなこと言われたかないよな。

もう一方とりわけ輝いていたのは、根岸を地獄に突き落とすデスレコーズ社長役の松雪泰子さん。金髪・タトゥー・ミニスカを身にまとい、もういいトシなのにパンチラも全く意に介さない。
『フラガール』では弱い面をみせないで、ひたすら突っ張ってきた悲しい女性を演じていたのに・・・ 一体どちらが本当のあなたなの? ああ・・・ ヤスコ・・・・ なんだかマジで惚れてしまいそうだ・・・・
パンツといえば加藤ローサも披露していましたが、たぶんあのシーンは本人以外の差し替えでしょう。こういうところで女優の格の違いが明らかになるものです。

080912_123809冒頭の歌を作った嘉門達夫さんは、ヘビメタの若者を取材した際のことをこう申しておりました。
「本当にあいつらきさくなヤツラでねえ。『もっともっと、へヴィメタっていろんなことあるんですよ! また話させてください!』って笑顔で去っていきましたよ。ホント、あきんどみたいなヤツラですわ」

やはり、ヒトはみかけによらないようです。かっこだけで判断するのはやめましょう。Fire!!


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Comments

まいどです。
>「デトロイト・メタル・シティ
くどい~しつこい位にあちこち出てますね。
最近、ヤフー動画でトランスフォーマー見る度に
CMで例の「あまいあまい~」が流れまくってうんざりしたほどです。
「アニマル」読んでいますが、それも文月晃の「海の御先」
しか読んでいません。
>実はそんなにお気に入りじゃなかった・・・
アトムなんか40年代のあおりで大分ひどいめにあった
経過もありますから。
ではでは。

Posted by: まさとし3055 | September 13, 2008 01:04 AM

>まさとしさま

おばんです~

「あまいあまいあまいあま~い♪」
わたしはすっかり耳から離れなくなっちまいましたよ・・・
今日も一日口ずさみながら仕事してました

『アニマル』はこれと『ベルセルク』を立ち読みしてるんですが、最近包装がかかってて読めないことも多く・・・ やることが汚いよなー。白泉社は。あと『ベルセルク』は休載が多いのも問題です

>40年代のあおりで大分ひどいめにあった

例の「悪書追放」運動がさかんだった時の話ですかね。あと原発のマスコットみたいに扱われたのも不本意だったみたいです

ではでは

Posted by: SGA屋伍一 | September 13, 2008 08:05 PM

おスガさん、ご無沙汰しておりました!
今日、地元神社のお祭りでフランクフルトにマスタードをかけすぎて涙したスワロです。
だって・・・あれ、マスタードじゃなくて和からしだったんだもん!!
辛さが違うだろ、オヤヂ!!


おスガさん、博識ですね。
自分自身のアイデンティティに悩んでいた人がこんなにもいただなんて。
まぁ、有名人ほどそうかもしれませんよね。
スワロ的にはゆうこりんがいつまでコリン星を貫くのかが気になります。
本人もだいぶコリン星に違和感を感じ始めてきたようなのでもう2、3歩って感じですかね。


ま、スワロも「こんなんじゃないのに・・・
スワロってこんなはずじゃなかったのにぃぃぃぃぃ」って
思うことはしょっちゅうですよ・・・(苦)

Posted by: swallow tail | September 14, 2008 09:06 PM

>スワロさま

こちらこそご無沙汰しててすまんです

>フランクフルトにマスタードをかけすぎて涙した

そんな時こそ根岸君のあの歌ですよ

♪あまいあまいあまいあま~い

ほら! 甘くなってきたでしょ?(んなわきゃーない)
でも・・・人生は苦いよな・・・(あれ?)

ほめてくれてありがとう。まあ、こんな役にも立たないことばかりよく知ってますよ。『ト○ビアの泉』にも投稿したけど、みごとにはねられた(笑)

ゆうこりんにはコリン星人としての意地を保って欲しいです。いつかコリン星からお迎えがくる、その時まで・・・

Posted by: SGA屋伍一 | September 14, 2008 10:09 PM

おスガさんっっ!!


あーた、「T牛乳」や「K湧水」を知っているの??
っていうか地元民??
某文豪と同じ名前の街の住民??


スワロは今、その街の近くにいるのよ!!
映画館はそうよJランド。そしてサントMよ!
おお~、本当、世界は狭いね。

Posted by: swallow tail | September 15, 2008 06:46 AM

>スワロさま

知ってるも何も生まれたときからK田川の水を飲み、給食はずっとT牛乳だったさ(笑)

その街の近くということは・・・KN町かな? わたしはそっから山一つ越えたとこに住んでます。映画観にいく時は、山越えてM島・N津に行ったり、海に沿ってO田原に行ったり。たまに都に出張したり

サントMは最近出来たんだよね。単館系のいろいろかけてくれるんで助かってるっす。実はDMCもそこで見たんだ(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | September 15, 2008 10:44 PM

こんばんわー。

松山さん、角川さんにキツイ一言を言われていたんですねえ。
知らなかった。

でもね、松山さん、クラウザーさんを演じるにあたって、
あまりのプレッシャーに止めていたタバコを吸ってしまったらしいです。
腰振り、亀頭ヘア、白塗り、ファックとまあ・・・俳優人生をかけた
キャラを演じるわけですから、彼も相当切羽詰ったのではないでしょうか(苦笑)。


ヤスコも素晴らしかったですねー。
もともととても好きな女優さんですけれど、いまだ衰えぬあの高笑いに
は「惚れてまうやろ~!」な気持ちになりました。


それにしても、この作品に嘉門達夫ネタをぶつけてくるあたり・・・
SGA屋さんの並大抵ではない才能を感じずにはおれません。

Posted by: 睦月 | September 16, 2008 12:51 AM

>睦月さま

お返しありがとうございますデス

角川さんは単に威張りたかったんだと思います(笑)

>松山さん、クラウザーさんを演じるにあたって、
あまりのプレッシャーに止めていたタバコを吸ってしまったらしいです

そうだったんだ・・・ もしかしたら今まで得た女性ファンの大部分を失うかもしれなかったわけですからね・・・ ていうか、もう失っちゃったのかな?(笑) 
まあ興業的にはまずまずの成績を収めたわけですから、俳優としての地位は失ってないと思います。これからもイロモノ一直線でがんばってほしいですね!(アレ?)

ヤスコさんは昔は全然興味ありませんでしたが、『フラガール』で男湯で乱闘していたシーンで惚れました(笑) 次ぎは『容疑者Xの献身』で薄幸の人妻を演じるそうです。いそがしい人だ・・・

>嘉門達夫

毎度過分なお言葉ありがとうごいざいますm(_ _)m
原作を読んだ時、真っ先に思い浮かんだ歌がこの歌だったのです
♪首から十字架下げてるけれど
家の宗教ホトケさんだぜ Fire!!

Posted by: SGA屋伍一 | September 16, 2008 09:36 PM

>角川
 松ケン「こんなに堕落した社長は初めてでした」
 ぎゃふん松ケンの逆襲
松ケン、サンバ~

>嘉門達夫
 デビルズファイヤーの歌ですね
へヴィメタルの人はお風呂でシャンプー、一本使って
しまうのを知りました

ところで、このSGA様の絵のクラウザーは可愛い
感じですねw
 
 
 とても「資本主義のブタめー!!」や
「なめこと納豆にいちごとソースをかけた食ったら腹を
こわしたぜ、ベイビー」と言う人には見えません(言ってません)


 実は原作は、そんなに過激というか女性にヒドイことしている
ようには見えません。
 それはクラウザーと根岸くん、のギャップが激しいからです。
根岸くん、の人の良い人ぶりが本音?とか思っていますw


 でも、馬鹿にされるとクラウザーに変身する辺り、
彼もやっぱり悔しいんですね

Posted by: 犬塚志乃 | September 16, 2008 09:56 PM

>このヒトにそんなこと言われたかないよな。
確かに(爆
ヤク中の爺さんよりはよっぽどいい仕事してますよ。
これはやはり松山ケンイチあっての映画、完全に悪魔ならぬクラウザーさんが憑依してます。
信者になってしまいそうでした(笑

Posted by: ノラネコ | September 17, 2008 11:12 PM

>犬塚志乃さま

「デビルズファイアー」の歌、ご存知でしたか
さすが嘉門達夫。『替え歌メドレー』で一世を風靡しただけのことはある

わたしの書いたクラウザーさんがかわいくなってしまったのは、恐らく若杉先生ほど気合が入っていないからでしょう(笑)

>実は原作は、そんなに過激というか女性にヒドイことしている
ようには見えません。

そうですよね。言ってることとやってることにギャップがありすぎるのが、クラウザーさんのかわいいところであります

最初は本気でいやがっていた根岸君、最近では困ったときはむしろ積極的に変身(心?)していて、「ずるいなあ」と思います

Posted by: SGA屋伍一 | September 18, 2008 01:47 PM

>ノラネコさま

おかえしありがとうございます!

角川さんもねえ(笑) 『大和』はあたったけどその後は微妙な仕事が多いですからねえ・・・

松ケンくんはなかなかクラウザーさんが抜けなかったみたいで、イベントでも加藤ローサに「このメス豚が!」と言い放っていたそうです。そんでその後平謝りしてたそうです(笑)

いまではすっかりカムイになりきってるそうです。信者さんなら見に行きますよね?


Posted by: SGA屋伍一 | September 18, 2008 01:54 PM

こんにちは!
お邪魔するのが遅くなりました・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

若杉公徳氏は「DMC」を嫌々描いてるの?
まるで根岸くんみたいですね。
話題になっていたので読んでみた「DMC」ですが
あまりに過激すぎて時々笑えないネタがあるのと、
絵があんまり好きくないのとで、
実はそこまでハマらなかったマンガなんです。

でも映画はかなりとっつきやすくて
映画観てからもう一度マンガを読んでみたら、
最初の時より楽しめました

はやくも続編が決まったらしいですね。
たしかにいくらでも作れそうだもんなぁ(笑)

Posted by: kenko | September 22, 2008 02:37 PM

>kenkoさま

らっしゃ~い
お返しなんていつだっていいのでございますわよん

>若杉公徳氏は「DMC」を嫌々描いてるの?

若杉氏自身が何かのインタビューで言ってたらしいですが、たぶんハッタリでしょう(笑) 嫌々ながらで、あんなに弾けた漫画が描けるわけがない!

でも原作が最初「あんまり・・・」だったというのわかります
フェミニズムの正反対を行くような話ですからね・・・ だからこの漫画のj性ファンというのは「相当フトコロ広いよなー」と思います

わたしはもっぱら立ち読み派。ただ掲載誌、最近はビニールがかかってることも多くて やることが汚いあるよ! ヤ○グア○マル!!

>はやくも続編が決まったらしいですね。

なんと! 楽しみですね! できればキャスト続投でお願いしたい
次はやっぱり世界征服・・・・ いや、魔界制覇かな?

Posted by: SGA屋伍一 | September 22, 2008 08:33 PM

>佐山サトルはタイガーマスク時代の自分について「道化」と自嘲していたし・・・・
 
 前田日明「ボクは昔の純粋な猪木さんが好きだったのに」
佐山「仕方がないさ、生きていく上ではいろいろやるから」

 梶原一騎の弟が書いた某本より。


 でも、好きなことしてもいいよと言われたり、
機嫌が治ったりすれば、

「いや、もっとタイガーマスクやってもいいっすよ。
いやだなぁ、あの時はナーバスだったんですよ」
となるかもしれません。

Posted by: 犬塚志乃 | October 17, 2008 09:32 PM

>犬塚志乃さま

そういえば前田日明は藤原嘉明との試合であまりにも不真面目だった猪木さんにカチンときて、リングに乱入して頭をけっとばしてたりしてたなあ

>生きていく上ではいろいろやるから

国会議員とか?

オダギリジョーもいつかはまた仮面ライダーをやってくれると信じています

Posted by: SGA屋伍一 | October 18, 2008 08:51 PM

>組!!

勘定方・河合き三郎(大倉考二)「まずい!クラウザーさんのコンサート
へ行くお金がない!そ、そうだこのお金を少しネコババして後で
返せば!!だってオレ、クラウザーファンの鑑だもん☆」


近藤「河合くん、なにか考えごとかね?まさかねこばばしようとか
考えてないだろうね?」


 河合「そそそ、そんなこと考えていませんよ!!だだだってボク
老子ですよ!!ゆけ!孫悟空よ!三蔵とありがたいお経をとってくる
のじゃ!」


近藤「ははっ、あれ?なんでオレお辞儀したんだ?」

Posted by: 犬塚志乃 | January 24, 2010 12:43 PM

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