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July 14, 2008

ゴースト フィラデルフィアの幻 M・ナイト・シャマラン 『シックス・センス』

20080714174411本日は異色ホラーの傑作『シックス・センス』について語ろうかと思います。
なぜいま『シックス・センス』かと申しますと
①旬の映画ネタが尽きた
②夏なので怪談話でも
③もうじきシャマランの新作『ハプニング』が公開されるので

・・・などの理由によります。ほぼネタバレしてるので、未見の方はできれば避難してください。
それではまじめにあらすじから。

児童心理学者として名高いマルコムの家に、ある日一人の男が押し入る。彼はかつてマルコムが担当した子供の一人であった。男は「なぜ救ってくれなかった」とマルコムを責めると、彼に向けて銃の引き金を引く。そして自分の頭をも吹き飛ばしたのだった。
それから数年後。マルコムはいまだ自信を取り戻せないでいた。妻とのコミュニケーションも、あれ以来うまくいっていない。そんな折、彼はコールという少年に出会う。いつもなにかにおびえているコール。マルコムは彼を助けようと懸命に努力を重ねる。最初こそぎこちなかったものの、やがて打ち解けていくコールとマルコム。そしてコールは自分が何に怯えているのかを打ち明ける。「ぼくは死んだ人が見えるんだ・・・・」

この映画が日本で公開されたのは1999年秋。恐怖の大王が降りてこなくてみんなほっとしてたころですね。わたしが最初に知ったのは夏ごろに、とある映画紹介番組(たぶん『シネマ通信』)で。幽霊の描写やそれに怯える少年の姿に、「こんな怖い映画、誰が観るかあああああああ!!」と思いました

ところがそんなに鳴り物入りでもなかったのに、公開されるやもっぱら口コミで大ヒット。噂を聞くとなんと「感動する」という。さらに映画冒頭には、ブルース・ウィリスからの「この映画にはある秘密があります、まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」というメッセージがあるとか・・・・・
(余談ですがこのころってまだネットもそんなに普及してなかったんですよね。もし今のような状況であれば、どっかでネタバレとぶつかってたかもなあ)
まあそんな風に噂を聞いているうちに、好奇心がムラムラムラムラと湧いてきたんですね。結局好奇心が恐怖心に勝ちました。でも鑑賞時はかなりびびっていたのをおぼえております(笑)。

で、観てみたらやっぱりなかなか怖かったです 一番怖かったのは、コールがいじめで曰くつきのタンスに閉じこめられてしまうところ。その手のモノが登場するシーンは全体からすれば本当にわずかなんですけど、基本的にBGMがほとんどなかったので、そうした「静けさ」にもかなり不安を掻き立てられました。

しかしコールの告白を聞いたマルコムが、彼を信じてともに問題を解決しようとするあたりから、いつの間にか恐怖は薄れ、心拍数も平常値に(笑)。そして心温まるシーンの後の例の結末に、見事にアゴをはずしてしまったというわけです。

『ミスト』の記事でも書きましたが、『驚愕の結末』とうたわれている映画で、本当にたまげる作品はごくわずかです。ちなみにわたしは作中の「秘密」というのは、「たぶん少年の言っていることが嘘八百(あるいは妄想)なんだろ」と勝手に決め付けていました(笑) ところが予想もしなかったような真相が待っていたので、さらにびっくらこいてしまったんですね。

そして『シックス・センス』が優れているのは、単に「おどろく」というだけではなく、観終わった瞬間にもう一度最初から確認したくなる、というところ。そんで見直していくと、まったく物事が変わって見える。こういう映画、いまんとこ他には今年の『アフタースクール』くらいしか思いつきません。

で、わたしの場合、一回目より二回目の方がより感動しました。
ラスト近く、ひとまず事件を問題を解決したコールはマルコムにこう言います。

「ぼくたち、もう会えないんだね」
「会えるフリをしようよ」

一回目の時は「別にまたいつでも事務所に訪ねていきゃいーじゃねーか」と思ったんですね。でも二回目の時は少年がなぜそう言ったのかわかりました。
幽霊がこの世にとどまっているのは、「遣り残したこと」があるからです。その「遣り残し」をクリアしたなら、幽霊はもうこの世にはいられなくなります。
遠からずマルコムが「遣り残し」を果たすことを予感したコールは、もう二度と彼と会えないことを知っています。それでも涙をぐっとこらえて、さわやかに別れを告げる。そんな少年のけなげな姿に、とめどなく鼻水がこぼれおちたのでした。

ある評者はこの映画を「奇跡の脚本」と讃えました。そしてもしかすると、シャマランにとっても「奇跡の作品」だったのかもしれません(笑) その後も彼は何本か映画を撮っていますが、どれもこの『シックス・センス』には到底及ばないような・・・・(『アンブレイカブル』や『ヴィレッジ』は好きですけど)

20080714174425何気にこれ以降、シャマラン作品はずっと劇場でチェックしているわたし。そろそろお別れしなきゃいけないかな・・・・

・・・・と言いつつ、たぶん『ハプニング』も観にいってしまうでしょう。あはは

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Comments

この映画は何年か前のまっ昼間に、日本語吹き替えのTV放送をひとりで観ました。心臓の端っこを、つねりあげられるような恐怖を味わいましたよ
ビビったあまりに、時々、画面から目を逸らし気味にして焦点が合いすぎないよう注意しつつ鑑賞していたのですが、あのちっちゃい子(コール?)が恐怖に涙ぐみながらも困難に立ち向かい、幽霊さんたちに善意の手を差しのべる姿にぐっときました
真冬のさっむーい夜中に、片手だけ炬燵の中に入れて「うはー、温い…」と呟いてるような気持ちかなぁ。すいません解りにくくて

>「ぼくたち、もう会えないんだね」
>「会えるフリをしようよ」

ほのかな絆があったかく切ないやりとりです。

Posted by: ほーりぃ | July 15, 2008 12:49 PM

>ほーりぃさま

いらっしゃーい。『シックス・センス』ご覧になってましたか
昼間に見て正解です。夜見るともっと怖いです。もっとも今の時期は涼をとるのにちょうどいいかもしれませんが・・・・
わたしなんか真冬に映画館で見ましたからねえ(苦笑) ちびるわ寒いわで途方にくれました

>真冬のさっむーい夜中に、片手だけ炬燵の中に入れて「うはー、温い…」と呟いてるような気持ちかなぁ

いやいや、よくわかりますよ。コタツって素晴らしいということですよね? 違うか
ともかく幽霊も人間も誰かの温かみを欲しているわけですよね。個人的に幽霊さんには寄り添ってほしくはありませんが

>ほのかな絆があったかく切ないやりとりです。

ほーりぃさんもご記憶にありましたか。このシーンだけでも恐怖に耐えた甲斐があったというものです

Posted by: SGA屋伍一 | July 15, 2008 09:28 PM

私も何気に シャマラン監督って大好きなんですよね!

このシックスセンスでデビューしたこともあって、すごくトリッキーな作品をつくる方のように思われるのですが、実は主人公が自分の使命に気付きそして前向きに生きていくという人間愛に満ちたテーマがけっこうツボだったりします。

普通 トリッキーな映画って一度みたらそれで終わりなのですが、コチラの作品複数回みても面白いですよね~

特に奥さんの行動が、二度目みると全然逆の意味の行動をしていることが分かり、そこに私は泣きそうになってしまいました。

今週末 ハプニングが公開ですよね~ コチラも楽しみです!

Posted by: コブタです | July 24, 2008 03:19 PM

>コブタさま

こんばんはっすー

>私も何気に シャマラン監督って大好きなんですよね!

そ、それは心がお広い・・・
まあわたしも何度かだまされてはいますけど、あの独特なムードにひかれてついついチェックしてしまいます
前作『レディ・イン・ザ・ウォーター』を見終えたときは、「さすがにそろそろお別れしようかな」と思ったんですが、『ハプニング』の予告を見たら、困った事にすげえ面白そうなんですよね(笑)

コブタさんもおっしゃってますが、「無償の愛・善意」をよくテーマに選ぶのもホラー作家としては独特ですよね

>奥さんの行動

一回目の時は「この不倫妻が!」と思ってしまいました

伴侶のある方はこの辺り、いっそう感慨深いものがあるかもしれませんね。くれぐれもオオブタさまをお大事に(縁起でもねえ)

Posted by: SGA屋伍一 | July 25, 2008 06:51 PM

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