社長・島鋼鉄 マーヴル・コミックス 『アイアンマン』
本日は映画化で話題沸騰中(か?)のアメコミヒーロー『アイアンマン』、その背景についてご説明いたします。ちなみに「IRONMAN」で検索するとボディビルの雑誌が最初にヒットします。お間違えのないよう。
アイアンマンの誕生ははるか昔の45年前、ベトナム戦争の時代にまで遡ります。富豪にして発明家のトニー・スタークは、兵器開発のためベトナムを訪れていた際、うっかり地雷を踏んでしまい重傷を負います。そのままゲリラたちに拉致監禁されてしまったトニーでしたが、驚くべきことにそんな状況にありながら、こっそり無敵のハイテクアーマーを開発することに成功します。ゲリラの基地を壊滅させたトニーは本国へ戻り、「アイアンマン」としてヒーロー活動を始めます。そして志を共にするキャプテン・アメリカ、マイティ・ソーらとヒーローチーム「アヴェンジャーズ」を結成します。
当初は「アーマーが生命維持装置としての役割も果たしているため、一生脱げない」という「夏場はどうするんだ!?」的な問題もありましたが、現在は改良されたため一応着脱が可能となっております。
「富豪でヒーロー」というと、バットマンを思い浮かべる方も多いことでしょう。しかしアイアンマン=トニーがバットマンと違うのは、その心のもろさ。
すでに故人である父の影に怯えたり、ストレスのあまり酒に溺れてアル中(!)になったり、ダークサイドに堕ちて過去の自分に消滅させられたり(!?)、さらに一昨年のクロスオーバー『シビル・ウォー』では「ヒーローたちは全員正体を明かして政府の保護下に入るべきだ」と言い出してかつての仲間たちから大ひんしゅくをかったり・・・・
「こんなヤツがヒーローなんかやってていいのか?」と思わずにはいられないほどの不安定ぶりです。
そんなトニーの前に立ちはだかるのが、かつてのチームメイトで、マーヴルユニバースで最も尊敬されているヒーロー「キャプテン・アメリカ(通称キャップ)」。
こちらは第二次大戦中(!!)、政府が開発した超人血清の力によって驚異的なパワーを得た・・・という設定のヒーロー。戦時中は前線において、無数のジャパ・ナチを地獄に叩き落したという右翼臭漂うキャラクターですが、60年代以降は世相を反映してか、大国の欺瞞に嫌気がさして政府と対立する、なんてエピソードも出てきます。
何かと悩むことの多いマーヴル・コミックスのヒーローたち。キャップとて例外ではありません。しかしどんなに苦しもうと、心の底にある信念と理想は揺らぎません。少なくともトニーのように酒に頼ったり周りに当り散らしたりはしません。
トニーにとってキャップはまぶしくもあり、強いコンプレックスを抱かせる相手でもあります。永遠に越えられない偉大すぎる父親のような存在でもあります。
『シビル・ウォー』はキャップの暗殺という最悪の結末で幕を降ろしました。その悲劇はトニーの心にどのような影を残していくのか。残念ながらわたしの知っている情報はここまでです(涙)。もう本当にどこでもいいので翻訳のほうなんとかしてください。
劇場版は日本では9月末に公開予定。主演はロバート・ダウニー・Jr.。わたくしこの人「クスリでつかまった」ってことくらいしか知らないんですが、そんな心の弱そうな彼にこそトニーの役はうってつけかもしれません(笑)
すでに本国では大ヒットを記録。予告映像ではかなりいい感じだったので、9月末を心待ちにしております。わくわく
Comments
武器商人ではなく発明家なんですね。
だからアーマースーツを作った、と。
実はこの記事、「アイアンマンは軍事複合体そのもの」とか


似たような事を書くんだろ
と思っていました。
書きませんでしたね
いえね、最近のSGA様そういうの多かったので
ところでアメコミの映画の相手は自分が悪になったら~
な存在が多いですよね?
悪のハルク、悪のアイアンマン
少しちがうかもしれませんが(笑)
アンパンマンがハリウッドで映画化したら
悪のアンパンマンとか出てきそうですね。
9月下旬て公開少し遅いですよね。
もう涼しくなるころではありませんか
Posted by: 犬塚志乃 | July 26, 2008 08:09 PM
>犬塚志乃さま
アイアンマンには「社長」というイメージを持ってる方が多いようです。ちょび髭だし
最近はすぐに眠くなってしまって込み入った記事を書く余裕がありません。映画レビューの際にはがんばってそういう理屈っぽいものでも書こうかな
>アメコミの映画の相手は自分が悪になったら~
な存在が多いですよね?
むしろ最近では日本の方がそういう傾向が高いですね。ウルトラしかりライダーしかりガンダムしかり
とりあえず9月下旬を座して待つのみです
Posted by: SGA屋伍一 | July 27, 2008 10:28 PM