銀のスラップスティック ・・・あひゃひゃ ウィル・スペック ジョシュ・ゴードン 『俺たちフィギュアスケーター』
首都圏より約半年遅れての公開。都市部でのフィーバーぶりを見て、いつかこっちにも来てくれると信じていました。でも遅いよ・・・ 遅すぎるよ! もうDVD出てんじゃんよ! っていうか、DVDが出るのが早いのかなあ。『俺たちフィギュアスケーター』参ります。
チャズ(脂っこい)とジミー(オカマっぽい)は全米を代表するフィギュアスケーター(信じられん話だが)。チャズは鳳凰のごとき情熱的なスタイルで観客を魅了し、ジミーは孔雀のような優美な演技で観る者を虜にする。
そんな二人は当然不倶戴天のライバル同士。ある大会で表彰台の上でも盛大なバトルをやらかしてしまった彼らは、男子シングル部門からの永久追放を言い渡される。
それから三年半。「ペアでなら試合に出れる!」ことに気づいたジミーはパートナー探しを始める。ところがいかなる運命のいたずらか、彼が組む事になったのはかつての宿敵チャズ(もちろん男)だった・・・・
男×男。フィギュア史上かつてないコンビが、リンクに今奇跡を起こす。
いつもつまんないネタ混じりであらすじを紹介してる当店ですが、今回はマジです。
我々は湖面を優雅に泳ぐ白鳥を見て「美しい」と感じます。しかし人は知りません。水面の下で、白鳥が懸命に脚をばたつかせてもがいていることを。
フィギュアスケートにも同じことが言えます。銀板の上で華麗なる演技を見せ、スポットを一身に集めるアスリートたち。ですがその影で彼ら彼女らは汗と血をにじませて、日々過酷な修練を積み重ねているのです。すべては、夢に描いた一瞬の美技を現実のものとするためににににににに・・・・・・・・
なんかマジメに書けば書くほど、むなしさがこみ上げてくるな(笑) 上の数行のことは忘れてください。これはどこをどう切り取っても直球ど真ん中のバカ映画です。それ以外の何物でもありません。
大体野郎二人がキラキラの衣装を着て股間を押し付け合いながら、『アストロ球団』もまっ青の殺人技に挑もうって話ですから。氷片や銀光に混じって毛とか、脂とか、パンツとか飛び交ってますし。まじめなフィギュアファンが見たら激怒することまちがいありません。
そう言えばあるフィギュア好きの女性とこんな会話を交わしたことがありました。
「男子でいうとロシアのムニャムニャは美しいわよね~
ほれぼれしちゃう! どこそこのだれそれも見るたびにため息が出るわ
本当にもう、『美の化身』って感じ?」
「あの・・・ 日本のオダくんとかはどうなんですか」
「ああ、彼はお笑い担当よね。自分のキャラがわかってていいんじゃない?」
「ちょwwwww それひどいですよ!」
「あのねえ、男子フィギュアってのは、男がピチピチのピカピカの服を着て、思いっきりバンザイして駆け回る競技なのよ? 『ああ! オレってなんてかっこいいんだ! みんな! オレだけを見てくれ!!』って。骨の髄までナルシストになりきらなけりゃ、やっていけないようなスポーツなのよ!! 日本人にそんなの似合うわけないでしょ!?」
ずいぶん極端なものの言い方をする人だ、とその時は思いましたが、この映画を見てはっきりわかりました。彼女の言い分が正しかった(笑)。そしてまさにわたしのためにあるようなスポーツだと思いました![]()
しかしナルシズムには限界があります。自分で自分を愛するのも悪くはないですが、人はやはり他の誰かに愛されることを望むもの。そう、勝利の栄冠は独り占めするよりも、愛する仲間と分け合ったほうがずっとスバラシイ。家族の情愛を知らなかったチャズとジミーはそのことがわかりませんでした。しかしフィギュアスケートを通じて彼らは真の家族を得、人を愛することの喜びを、夢を見ることの尊さを知ります(だからマジメに書くなとゆーのに)。
と、ゆーわけでケリガンさんとハーディングさんも過去のことは忘れて、コンビを組んでまたスポーツ界に復帰されてはどうか? この際スケートでもプロレスでもどっちでもかまいません。きっと世界中が感動すると思います。
誰ですか! そこで「それ、誰だっけ?」とか言ってる人は!


Comments
>チャズ(脂っこい)とジミー(オカマっぽい)・・・
です。特にチャズ(脂っこい)のとこ。
爆笑
そうですよね~~,フィギュアって,ナルシストでないとサマにならないスポーツなんでしょうね。
「見て,見て!」オーラが全開のひとでないと,恥ずかしくてやってられませんね。
この作品,たしかに真面目なフィギュアファンなら激怒するかもですね。
有名な選手もカメオ出演してたそうですが
私はサーシャ・コーエンしかわかりませんでした。
Posted by: なな | June 28, 2008 10:54 PM
あははー♪
また笑わせてもらった☆
最後のイラストがこの映画の全てを象徴してるなぁ〜(してないって)
>『ああ! オレってなんてかっこいいんだ! みんな! オレだけを見てくれ!!』って。骨の髄までナルシストになりきらなけりゃ、やっていけないようなスポーツなのよ!!
あは、確かに。そんな感じ☆
もう王子役のジョンへダーが元々好きなので今回もハマってて良かったです。
DVDも勿論買っちゃいましたよ☆おバカ大好き〜
Posted by: mig | June 29, 2008 11:49 AM
こんにちは。
私、バレエはよく見るんですけど、スケートはあまり興味がなかったんですよ。でも同じだわ。ロシアでもフランスでもアメリカでも男性のモニャムニャ白タイツに萌えてる私ですから。爆
それにですね、影で血を吐くような努力をしてる人たちこそ、表に出ると「見て見て君」になるものです。わはは
私、ローラースケートならできるんだけど;ダメ?笑
Posted by: シャーロット | June 29, 2008 03:24 PM
>ななさま
お返しありがとうございます
テカテカしてましたねー、チャズは。指先から出すあの炎も、もしかしたら自分の脂肪を燃やしてたのかも
>フィギュアって,ナルシストでないとサマにならないスポーツなんでしょうね。
オダくんですら「もう、ぼくって頑張り屋さんだから
」なんてことを抜かしてましたからね
ただ、女子の場合はあんまりそういう気がしないのは、なんででしょ?
カメオ出演、わたしはケリガンさんだけわかりました。名前呼ばれてたから(笑)
日本からは伊奈恭子 さんと佐藤有香さんが出てたそうですが・・・ 知らないなあ
Posted by: SGA屋伍一 | June 29, 2008 07:36 PM
>migさま
お返しありがとうございます
>最後のイラスト
最近下ネタ多くてすいません
それでも見捨てずコメントくださり感謝です~
まーナルシストもここまでくるといっそアッパレというか、ひとつのゲイ、いや芸に昇華されてますよね
それがなんであってもとことん突き詰めれば感動を呼ぶ、とゆーことでしょうか
ジョン・へダーはこの映画で初めて知りました。唐突に日本語喋り出してビックリしたけど、彼、日本に住んでたことあるんですね~ 『バス男』とか見てみたいなあ
Posted by: SGA屋伍一 | June 29, 2008 07:44 PM
>シャーロットさま
お返しサンクスです
ええと、シャーロット奥様は・・・「白タイツフェチ」ということでよろしいのでしょうか(爆)
今度わたしも着用してみようかしら。そんで画像UPしてもいいでしょうか(←死ね)
>影で血を吐くような努力をしてる人たちこそ、表に出ると「見て見て君」になるものです
深いお言葉です。そうですよね。がんばった分、役得がなくちゃね
これはボクシングについてですけど、「スポットライトの下で戦うことには、麻薬を吸うような快感がある」なんて言葉も聞いたことあります
>私、ローラースケートならできるんだけど
おや、意外にアクティブな一面がおありで
いいんじゃないでしょうか。わたしなんかスキーもスケートもヘタッピですから
Posted by: SGA屋伍一 | June 29, 2008 07:51 PM
こんばんは♪
SGAさんがマジメにあらすじを書いても、まるでネタだらけのように
なってしまうという(笑)
ウィル・フェレルとジョン・ヘダーの組み合わせって最強

思いついた人が偉いなと思いました(笑)
「俺たちニュースキャスター」も相当アホで笑いました〜
「俺たちダンクシューター」も早く観たいな〜
ウィル・フェレルの出てるわりとマジメな映画では、
「主人公は僕だった」が良かったです。
Posted by: kenko | July 02, 2008 12:41 AM
>kenkoさま
お返しありがとうございまする
この破壊力抜群のストーリーには、ワタクシのちっぽけなギャグセンスなど到底かないません
ウィル・フェレルは『主人公は僕だった』の予告で見てるんですけど、その時はごく普通のオッサン、という印象でした
それが『フィギュアスケーター』→『ダンクシューター』予告と観ているうちに、今では「変態さんNO.1」という感じです(笑)
次はなんでしょうね~ フードファイター? ジェダイマスター?
Posted by: SGA屋伍一 | July 02, 2008 07:35 AM
毎度どうもです。
TB&コメントありがとうございました。
おおおおお、ご覧になりましたねぇぇぇ。
これは伍一すわんがどんなイラストを描くのだろう、と想像したくなるタイプの映画ですもの。
レビュー見ることができて嬉しいですー
>しかし人は知りません。水面の下で、白鳥が懸命に脚をばたつかせてもがいていることを。
この一文を見るにつけ、私はやっぱり意外と真面目なスポ根ムービーだよなぁぁぁと実感しましたです。

ちょっとホロリときてしまったくらいだもの。
とにかく、スポ根みたいな熱いの大好きです。
この作品は、おバカ映画ですよぉぉぉぉと思わせておきながら、意外とグッとくるところが憎いです。
たくさんのブロガーさんが褒めてますもんね。
Posted by: となひょう | July 02, 2008 09:40 PM
こんにちはー。
SGA屋伍一さんが男子同士ペアのスケートをやるとしたら、どちらの役がよいですか?
あるいは、どちらと組みたいですか?
衣装はどんなのを着ます??
どんな技に力を注ぎたいですかー?
と質問してみるの巻ー。
今日観た映画は邦画の『休暇』、『歩いても 歩いても』で、しんみりとした気分なので、ウィル・フェレルのことなんて思い出したくないんすよ。(笑)
来週は、『ホット・ファズ』を観るかもなので、そうしたらコメディな気分になるかもだけど、来週までコメを持ち越すのもどうかなと思ったので。とりあえず。
こんな私でスミマセーン。
Posted by: かえる | July 02, 2008 09:47 PM
>となひょうさま
お返しありがとうございます
期待してくださったのにこんな手抜き&下ネタイラストでお恥ずかしい・・・
>はやっぱり意外と真面目なスポ根ムービーだよなぁぁぁと実感しましたです。
ですか・・・ だのにわたしは「直球ど真ん中のバカ映画」だなんて・・・
おおおオレは魂が汚れている!
もっととなひょうさんのように人の努力を素直にほめられるような、純真なココロを持ちたいと思いました
スポ魂ムービーの名作にも色々ありますけど、一番これとテイストが似てるな、と感じたのはやっぱり『少林サッカー』ですかね。あと最初ゲラゲラ、最後感動というのでは『クール・ランニング』を思い出しました。そういえばあれもウィンター・スポーツの話でしたよね
Posted by: SGA屋伍一 | July 03, 2008 08:03 AM
>かえるさま
お返しありがとうございます
まずは質問にお答えしましょう。やるならたぶん女形ですね。人間一人持ち上げられる腕力はないので。組むならジョン・へダーの方がよいのですが。ウィルさんはなんかこう、ヌルヌルしてる気がするので
衣装はシャーロットさんが「白タイツに萌える」とおっしゃっておられるので、全身白タイツで。ほんでTIMの「命!」「炎!」とかやったら、もう会場は感動の渦だと思います
>しんみりとした気分なので、ウィル・フェレルのことなんて思い出したくないんすよ。(笑)
ムードぶちこわしてすいません
おわびにウィルさんの次回作の予告でもどうぞ。しんみりすること間違いなしです!
http://oredan.gyao.jp/enter/
・・・・ウソです。くれぐれもコメディモードに入ってからごらんください・・・
『ホット・ファズ』は自分も上京して観る予定です。最初はもっとシリアスな話かと思ってたんですが、コレ明らかになんか「ヘン」ですよねえ(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | July 03, 2008 08:11 AM
こんばんわ!
ウハハハ!!
最後のイラスト、マジで最高です!
『股間でリフト』のシーンを思い出してしまって、思わず鼻水出そうに
なりました(爆笑)。
私、ウィル・フェレルって『プロデューサーズ』で初めて観た役者さん
だったんですが・・・・彼は本当に変態を演じさせたら最高ですね。
ファンサービスっぷりは最低らしいですが、コメディアン俳優としては
最高だと思います。
頑張れ、ウィル♪
Posted by: 睦月 | July 04, 2008 11:49 PM
>睦月さま
お忙しいところお返しありがとうございます。いまごろはもう空港に向かわれているところでしょうか
>最後のイラスト、マジで最高です!
あなたにささげます
全身の体重がのっかった男性のアレって、果たしてどんな感触が・・・ いや、このくらいにしときますか
自分は恥ずかしながらこの作品でウィルさんの名前を覚えました。「ファンサービスの悪いスター」に挙げられたという記事を読んで、「『スター』なの!? 彼が!?」と思ってしまいました
んー、でも本当にいま最も注目されてるコメディアンの一人なんですねー
ファンにそっけないのはコマッタちゃんですが、性格に問題ある人のほうがギャグの才能があるような気がするので、これからもツッパリくんで通して欲しいと思いました(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | July 05, 2008 07:55 AM
フィギア大好きですが、これも私大好きでした!
私は男性フィギアはあんな暑苦しいのは嫌ですが、ロシア系の選手に多いような優美で女性的な演技をする選手より、男性らしくダイナミックに演じてくれるタイプのほうが好きなんですよね~。
それはおいといて、この作品は最高に笑いました!
あの二人がイケメンということがまかり通っているところからもう爆笑でした!でも、頑張っている彼らをみているうちに格好良くみえてくるところも凄いですよね~
たしかに今公開って遅いとは思いますが、逆に夏に涼しく笑えるという意味ではピッタリの映画って思ったのは私だけでしょうか?
Posted by: コブタです | July 14, 2008 11:17 AM
>コブタさま
こんばんはっすー
自分は実は「フィギア」というと、アニメキャラの人形を思い浮かべるクチです。コブタさんもガンプラとか詳しそうなのでてっきりこちら側の人間だと思ってました。すいません
フィギア好きなら記事タイトルの元ネタである『銀のロマンティック ・・・わはは』という漫画是非読んでみてください。川原泉作、白泉社漫画文庫『甲子園の空に笑え!』所収です。
>頑張っている彼らをみているうちに格好良くみえてくるところも凄いですよね~
いや、自分はとてもそうは見えませんでした
応援したくはなりましたが
こちらの方はミニシアター系はやらない作品の方が多いので、こうして遅れてきてくれるだけでもありがたかったりします。コブタさんちは例の109とかあっていいなあ
Posted by: SGA屋伍一 | July 14, 2008 09:10 PM
あのさあ、しつもん。
このイラストって全部伍一くん書いてるの?
最後なんて放送禁止じゃ~ん。
この映画って笑えない時に観たら絶対笑えそう。 DVD買おうかな!?
Posted by: rose_chocolat | June 03, 2010 10:40 PM
>rose_chocolateさん
>このイラストって全部伍一くん書いてるの?
あったりきよ~ いつ「公衆良俗に反するうんたらかんたら」とココログさんからお叱りがこないかビクビクしています
でも意外と女性陣から反応が良かったのは驚きでした(笑) 全く最近の若い娘さんときたら・・・
調べてみたらDVDノーマル仕様で1200円くらいでした。これならわたしにも手が出せる
Posted by: SGA屋伍一 | June 03, 2010 10:54 PM