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June 30, 2008

一人と一体の特命係 三池崇史 『ケータイ捜査官7』

20080629205048コンセプトを聞いたときは「うーん、これ、どうなんだろ?」という感じでしたが、フタを開けてみたらなかなか面白い!
たぶんいま日本で一番働いてる映画監督、三池崇史氏が総指揮を努める特撮テレビシリーズ。ずっと前から他局でやってる『ケータイ刑事』シリーズとはとりあえず関係ないようです(名前そっくりだけどね~coldsweats01)。

現在に限りなく近い明日未来(あしたみらい)。街では謎の「歩くケータイ」の噂が飛び交っていた。
都内に引っ越してきたばかりの網島ケイタは、友達に会いにいく途中、無人で暴走するショベルカーに襲われる。そのケイタを救ったのは、滝本と名乗る男と噂の「歩くケータイ」だった。彼らはサイバー犯罪を取り締まるために極秘に作られた組織「アンカー」のエージェントだった。
ケイタをかばって、重症を負ってしまう滝本。責任を感じたケイタは「歩くケータイ」セブンとともに、サイバーテロを阻止すべく犯人のアジトへ乗り込んでいく。この事件をきっかけに、ケイタはアンカーに加入。セブンの新たなパートナー「バディ」となるのだが・・・・

このケータイ型ロボットくん(フォンブレイバーと言います)、サイバー犯罪の元凶となっている端末に直接アクセスし、プログラムを無効化するという役割があります。そしてパートナーとなる人間の仕事は主に次の二つ
・ケータイを現場まで連れて行く
・ケータイが安心して仕事をできるように、犯罪者たちを追い出す。もしくは全力で足止めする
主人公のセリフで「この仕事、人間はあまりかっこよくないですね」というのがありましたが、まさにその通り。パソコンに向かってケータイが「むーん」と電波を発しているそのウラで、人間は血まみれになって犯罪者と格闘してたりします。少々釈然としないものが残りますが、いくらハイテクが進んでも、やはり犯罪との戦いにはローテク(鉄拳など)が不可欠であることがよくわかります。

人間とロボットがコンビを組むというこのアイデア、日本では『鉄人28号』『ジャイアント・ロボ』などでおなじみですが、前述の作品と違うのは人間よりロボットの方がえらい小さいということ(笑)。そんでケータイくんはリモコン操作ではなくて自分でひょいひょいと動き回ります。人間の言う事に逆らうこともしょっちゅう。なかなか扱いづらい相棒でございます。
何事にも無関心のようでいて、実際はまだまだ青臭いケイタ(なんせまだ高校生ですし)。対していつもクールで(メカですしcoldsweats01)なにかと理屈っぽいセブン。
そんな二人がかみ合わないやり取りを続けながらも、なんとか事件を解決し、少しずつ信頼を深めていく。そんなところは数あるバディ・ムービーの名作や、傑作コミック『寄生獣』のシンイチとミギーを思い出させます。
第二話で「こんなのかすり傷さ」と強がるケイタに対し、セブンが無機質な声で「ヤルジャン」と答えるシーンには、思わず30オヤジでもテレビの前でぐっと拳を握ってしまう「熱さ」がありました。

もっともそれ以降は脱力系のおバカなエピソードも頻発。まあこのシリーズ丸一年やるらしいので、ちょこちょこ力抜いていかないと最後までもたないのかもしれませんね。がんばって約50話突っ走っていってほしいものです。
幸いお子さんたちにはなかなかの人気のようです。こないだトイ○ラスに行ったら主役のセブンくんはおろかライバルのゼロワンまで売り切れておりました。

20080629204918『ケータイ捜査官7』は現在テレビ東京をメインに11話まで放送中。
今後は押井守氏や金子修介氏の担当するエピソードもあるとかで、その辺にも期待です。

最後に良い子のみんな、ケータイは投げちゃダメだよ! 壊れるから!

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June 27, 2008

銀のスラップスティック ・・・あひゃひゃ ウィル・スペック ジョシュ・ゴードン 『俺たちフィギュアスケーター』

20080627182756首都圏より約半年遅れての公開。都市部でのフィーバーぶりを見て、いつかこっちにも来てくれると信じていました。でも遅いよ・・・ 遅すぎるよ! もうDVD出てんじゃんよ! っていうか、DVDが出るのが早いのかなあ。『俺たちフィギュアスケーター』参ります。

チャズ(脂っこい)とジミー(オカマっぽい)は全米を代表するフィギュアスケーター(信じられん話だが)。チャズは鳳凰のごとき情熱的なスタイルで観客を魅了し、ジミーは孔雀のような優美な演技で観る者を虜にする。
そんな二人は当然不倶戴天のライバル同士。ある大会で表彰台の上でも盛大なバトルをやらかしてしまった彼らは、男子シングル部門からの永久追放を言い渡される。
それから三年半。「ペアでなら試合に出れる!」ことに気づいたジミーはパートナー探しを始める。ところがいかなる運命のいたずらか、彼が組む事になったのはかつての宿敵チャズ(もちろん男)だった・・・・
男×男。フィギュア史上かつてないコンビが、リンクに今奇跡を起こす。

いつもつまんないネタ混じりであらすじを紹介してる当店ですが、今回はマジです。
我々は湖面を優雅に泳ぐ白鳥を見て「美しい」と感じます。しかし人は知りません。水面の下で、白鳥が懸命に脚をばたつかせてもがいていることを。
フィギュアスケートにも同じことが言えます。銀板の上で華麗なる演技を見せ、スポットを一身に集めるアスリートたち。ですがその影で彼ら彼女らは汗と血をにじませて、日々過酷な修練を積み重ねているのです。すべては、夢に描いた一瞬の美技を現実のものとするためににににににに・・・・・・・・

なんかマジメに書けば書くほど、むなしさがこみ上げてくるな(笑) 上の数行のことは忘れてください。これはどこをどう切り取っても直球ど真ん中のバカ映画です。それ以外の何物でもありません。
大体野郎二人がキラキラの衣装を着て股間を押し付け合いながら、『アストロ球団』もまっ青の殺人技に挑もうって話ですから。氷片や銀光に混じって毛とか、脂とか、パンツとか飛び交ってますし。まじめなフィギュアファンが見たら激怒することまちがいありません。

そう言えばあるフィギュア好きの女性とこんな会話を交わしたことがありました。

「男子でいうとロシアのムニャムニャは美しいわよね~heart04 ほれぼれしちゃう! どこそこのだれそれも見るたびにため息が出るわheart04 本当にもう、『美の化身』って感じ?」
「あの・・・ 日本のオダくんとかはどうなんですか」
「ああ、彼はお笑い担当よね。自分のキャラがわかってていいんじゃない?」
「ちょwwwww それひどいですよ!」
「あのねえ、男子フィギュアってのは、男がピチピチのピカピカの服を着て、思いっきりバンザイして駆け回る競技なのよ? 『ああ! オレってなんてかっこいいんだ! みんな! オレだけを見てくれ!!』って。骨の髄までナルシストになりきらなけりゃ、やっていけないようなスポーツなのよ!! 日本人にそんなの似合うわけないでしょ!?」

ずいぶん極端なものの言い方をする人だ、とその時は思いましたが、この映画を見てはっきりわかりました。彼女の言い分が正しかった(笑)。そしてまさにわたしのためにあるようなスポーツだと思いましたshine

しかしナルシズムには限界があります。自分で自分を愛するのも悪くはないですが、人はやはり他の誰かに愛されることを望むもの。そう、勝利の栄冠は独り占めするよりも、愛する仲間と分け合ったほうがずっとスバラシイ。家族の情愛を知らなかったチャズとジミーはそのことがわかりませんでした。しかしフィギュアスケートを通じて彼らは真の家族を得、人を愛することの喜びを、夢を見ることの尊さを知ります(だからマジメに書くなとゆーのに)。

20080627182813と、ゆーわけでケリガンさんとハーディングさんも過去のことは忘れて、コンビを組んでまたスポーツ界に復帰されてはどうか? この際スケートでもプロレスでもどっちでもかまいません。きっと世界中が感動すると思います。
誰ですか! そこで「それ、誰だっけ?」とか言ってる人は!


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June 24, 2008

仮面らいだー キバってGO!

そのいち

0806hr030806hr11
「どうした渡! もっとキバっていこうぜ!」

「ごめん。今日はあんまりキバれない事情があって・・・」

「・・・・ゲリピーか!」

いきなり下ネタですいません・・・・


そのに

0806hr000806hr040806hr050806hr06 ☆

 ☆

 ☆

 ☆


「今日は先輩にボクの新フォームをご披露します!」
「お~ やれやれ~」

「順番に
スピード重視のガルルフォーム
射撃戦仕様のバッシャーフォーム
パワー重視のドッガフォーム です!」

「おお~(パチパチパチ)」

0806hr00「ただなあ、どれも顔色が悪そうだよなあ」

「ちゃんと栄養とってるか?」

「大丈夫ですよ! ちゃんと毎日生き血すすってますよ!」

「・・・・なんのよ」


そのさん

0806hr090806hr01「名護くん! 対キバ用の新兵器がロールアウトしたぞ!」

「おお! ってこれドムじゃないですか!
どうせならガンダムがよかったなあ」

「つべこべ言わずにいきなさい!
こいつの威力は大したもんだぞ!」

0806hr02O0806hr10「ぶつぶつ やっぱりガンダムが・・・・
おーい キバー でてこーい!」

「なんすか毎度毎度・・・
ひい! 十字架! キュウwobbly
コテッ

「・・・なるほど」


そのよん

0806hr07「本当にもー しつこいなー
どうしたら勘弁してくれるんですか?」

「そうだな・・・
『名護さんは最高です』と三回言ってもらおうか」

「なんだ! そんな簡単なことでいいんだ!」


20080128210048「ナゴサンハサイコウデス!

ナゴサンハサイコウデス!

ナゴサンハサイコウデス!

これでいいですか?」


0806hr07「よし。じゃあそれをあと1000セット」

「やっぱ一思いにやっちまうべきか・・・・」


次回未定


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June 22, 2008

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい 雲竜奔馬編④

20080622190634あれ? 今回はそんなに間空いてないよな?
『風雲児たち』のあとを受けて始まった『雲竜奔馬』。今回は主に最終五巻のストーリーを紹介します。

父を弔った後、再び江戸へ出てきた坂本竜馬。さな子さんのアプローチを何とかかわしたり、ジョン・万次郎と友好を深めたり、忙しい日々が続く。そんな中、同郷の武市半平太が土佐藩邸で行われる御前試合への参加を勧めてきた。なんとなく出場した竜馬だったが、並みいる強豪たちを次々に倒し、あれよあれよという間に決勝戦へ。決勝の相手は斎藤道場の天才とほまれ高い桂小五郎。果たして「江戸最強」の称号は、どちらの剣士に与えられるのか・・・・

この御前試合でのエピソードは、いろいろな「竜馬もの」で特に盛り上がる箇所のひとつですね。トーナメント方式で行われる激戦を潜り抜け、最後に最強のライバルと合間見える。少年漫画ファンとしては燃えずにはいられません。
ただ細かいコマ割りで緻密なドラマを語り続けてきた『風雲児たち』とはかなり違うムードとなったため、ファンの間ではこの辺が特に評判の悪い部分だったりします。
わたくし考えますに、恐らくこの時点で先生はもう「『トムプラス』&『雲竜奔馬』にはもうあんまり先がない」ということをご存知だったのでは。それで一応ラスト近くに大きな盛り上がりをもってくるべく、この御前試合のエピソードを描く事にされたのではないでしょうか。

しかし残念ながらこの「御前試合」、現在では「後世の創作」であることがほぼ明らかになっています(笑) そうだよなー。なんか「できすぎてる」とは思ってたんだよなー。そこで浮かび上がるのがこんな疑問。
「竜馬は果たして剣客としてはどの程度の腕前だったのか?」
これに関しても疑いの目で見る方は多いようです。竜馬の遺族にしてからが、「剣の腕は大したことない」などと証言しているようですし。それに竜馬といえば、剣というよりピストルのイメージの方がみなさん強いのでは。
ですが、「大したことない」腕の人間が、果たして当時人気ナンバーワンだった千葉道場において塾頭を勤め、さらには「免許皆伝」を与えられることなどあるでしょうか?
そんなわけで、わたしはトップテンに入るまではいかずとも、トップ50くらいの範囲には含まれていたのでは?と考えております。
あとこの御前試合、創作にすぎないとしても、このとき決勝を争った二人が後年片やピストルを愛用し、片や逃げに徹したというのはなんとも面白いものですね。

20080622190651来るべき暗黒時代を予感させて、『雲竜奔馬』はとりあえず幕となります。復活したかと思ったら二年ちょいでまた終了。このころが『風雲児』ファンにとっては最大の暗黒時代だったかもしれません(笑)
ですが皆さんご承知の通り、『風雲児たち』はそのさらに一年後、時代コミック専門誌『コミック乱』において二度目の復活を実現。青年竜馬のわやくちゃな青春は、そちらにて熱烈継続中であります。

というわけで次からは『幕末編』編になるのかな? 乞えないご期待。

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June 20, 2008

親友どうでしょう 内田けんじ 『アフタースクール』

20080620192008キャストも絵面も地味なのに、最近やけに評判のよいこの映画。なるたけ慎重に紹介いたしますが、これから観ようという方+勘の良い方は読まれないほうがよいかも・・・・

母校で教諭を務めているジンノの前に、ある日元級友だったというシマザキと名乗る男がやってきます。
シマザキは探偵をやっているらしく、ジンノにやはり元同級生のキムラの行方を尋ねます。彼の説明によればキムラはどうも身重の奥さんをほっぽって、ヤクザの情婦と浮気をしているということなのですが・・・

この映画の存在を知ったのは一ヶ月ほど前に某劇場で見た予告編で。その時の印象は「『転々』や『全然大丈夫』みたいな日常系ユルユルムービー?」というものでした。んで、この時わたしはこの映画にこれっぽっちも興味を抱いていませんでした(笑)。一応「甘く見てるとだまされる」というコピーはありますが、それはてっきり登場人物に対しての言葉であって、ストーリー全体に巧妙な仕掛けがほどこされいるとは夢にも思わず。
それがいざ公開されてみると、「だまされた」「びっくりした」という賞賛の雨嵐。「これは・・・・そういう映画だったのか?」とようやくわたくしも気づいた次第です。だからこの映画を一番楽しめたのは、仕掛けなど何も期待せず、「大泉洋がなんか面白そう~♪」くらいの軽い気持ちで観にいかれたごく最初のお客さんたちでしょう。

さんざん「驚く」と聞かされたので、かなり身構えて臨んだ鑑賞。そのせいか、ストーリーのごく最初からさまざまな違和感がそこかしこに感じられました。たとえば
「なんでキムラは嫁の親父と同居してるんだ?」とか
「いくら元同級生で親友の嫁だからといって、ジンノはどうしてここまでかいがいしく面倒をみるんだ?」とか
「キムラの嫁は幸せの絶頂のはずなのに、なんでそんなに悲しげなことを言うんだ?(ダンナの浮気に気づいているのか?)」とか
「同じ団地の住人とはいえ、この人はなんでこんなに底なしに親切なんだ?(そしてこんなにいい人に、ジンノはどうしてここまでそっけないんだ?)」とか。他にもたくさんありました。
しかしまあこれらの違和感はどれも決定的なものではなく、どれも「なんか事情があんだろ」「そういう人なんだろ」で流せるものです。
ところがストーリーのある一点を過ぎたあたりから、これらがすべて巧妙に張り巡らされた伏線であったことがわかる。いやー、やられました。完敗です。

ただ、この映画は単なる「巧い」だけの作品ではありません。わたしにとってはなんとも心地い~い作品でもありました。クライマックスのある場面など、もう画面に映るすべての人々が微笑ましい(笑)。
そして終盤にジンノが叩きつけるある言葉。

「つまらなくしてるのは学校じゃない。つまらなくしてるのはいつだって・・・」

これを『水曜どうでしょう』で色々苦労している大泉洋が言うからこそ、イヤミがないし説得力があります。
そう、ちょいと角度を変えただけで、物事はこんなにも違って見えてくる。

世の中相変わらず先行き不透明だし、やんなることも時々あるけれど、
でも毎日ってけっこう楽しいよな?

わたしは根が単純なんで、こういう小気味よい映画に出会えたりすると、なおさらのことそんな風に思えてしまうわけです。

ちなみに友達からの又聞きで恐縮ですが、ある番組で内田監督はメインの三人を選んだ理由についてこのように語っていたそうです。

堺雅人・・・・すごく怪しそうだから(もう、そこにたたずんでいるだけで怪しい、とか)
佐々木蔵之助・・・・演技力を評価して(公式では「世の中の色んなものを見てきた目をしているから」とありました)
大泉洋・・・・なんか笑いがとれそうだから

20080620192019そっ、そんな簡単な理由で・・・・

まあこれは彼一流のたばかりでしょう(笑)。きっと深い思慮と綿密な計算によってこれらのキャストを選んだはず。そうに違いありません。
このハードルを越えるのはなかなか難しいかもしれませんが、できればまたわたしたちを「ステキにだまして!」ほしいものです。

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June 18, 2008

あつ姫じゃ~っ!! ~大河ドラマ『篤姫』より⑧ 素顔のままで・・・の巻

小松 「小松帯刀です」
西郷 「西郷吉之助にごわはんど」
家定 「ども。十三代将軍徳川家定です」
小松 「・・・・・・・coldsweats02
西郷 「・・・・・・・coldsweats02
家定 「・・・・・・・んだよ。そのリアクションは」
小松 「いや、その、いつものアレはどうされたんですか。ぴょーんとか、あい~んとか」
西郷 「ちゃんら~んとか、がちょ~んとか」
家定 「うるせえな。オレだってたまに芸風を忘れて素に戻りてえ時だってあるんだよ」
小松 「ええーっ!!impact じゃあ今までのは、全部、フリ!?」
西郷 「超ひく! マジがっかりでごわす!!」
家定 「おいおい! お前ら今までさんざん『国の将来が心配』とか『もっとまともだったら』とか言ってたじゃねえかよ!」
小松 「それはそうなんですけどねえ。なんというか、夢を砕かれた、みたいな。ヒーローショーに行ってうっかりウルトラマンがスーツ脱ぐとこを見ちゃった、みたいな」
西郷 「清純派だとばっかり思ってたアイドルが、ウラでは思い切り派手に遊んでた、みたいな」
家定 「そんなの知ったことか! おれァもういい加減疲れたんだよ!」
小松 「そうそう、そういえば将軍さま、『アフタースクール』観ましたよ」
家定 「おう、どうだった?」
小松 「いやー、すっかりだまされました。さすが将軍さま、人をたばかるのはお手の物ですな」
西郷 「そういえば将軍様はいつからイロモノ俳優に転向されてしまったのですか?」
家定 「イロモノってなんだよ! 人聞きの悪ィこと言うなよ!」
小松 「だって次の作品だって『ジャージの二人』ですし」
家定 「『クライマーズ・ハイ』では久々にまともな役やってるよ!」
西郷 「その『久々に』というところがねえ(笑)」
小松 「そうそう、『無理な恋愛』というのにも出てましたよね、将軍さま」
家定 「ありゃマチャアキだろうが! あとその『将軍さま』って言うのやめろよな! どっかの独裁者みてえじゃねえか! (バキpunchannoy)」
小松 「キュウwobbly
西郷 「すわ! 大丈夫でごわすか、えなり殿!」
家定 「ええッ そんなに強く殴ってないのに・・・・」
小松 「す、すいません、大丈夫です・・・・ ちょっと『ラストフレンズ』の追い込みがきつかったんで・・・・」
家定 「ああ、そういえば大奥で話題になっとったな、そのドラマ。長澤のマチャミとかのだめちゃんも出てるとかなんとか」
小松 「はい。明日最終回です。これでやっとこの地獄のスケジュールから解放される・・・・」
西郷 「それはようございました。だがしかし、わたしは正直お二人がうらやましい・・・」
小松 「あの、それボクのキャラなんですけど・・・・」
西郷 「えなり殿はいまをときめく若手女優とたくさん共演されてて、将軍さまは色香濃厚な熟女をまわりにはべらかされているというのに・・・・ それにひきかえ、おいどんは! おいどんはああ!!」
小松 「まあまあ、西郷さんだってモテモテじゃないですか」
家定 「泰造くんとか、斉彬殿とかにな。アイパッチのヤツもいたな」
西郷 「あんなむさ苦しい野郎どもに好かれたとて、一文の得にもなりもはん!!crying
家定 「・・・・話題変えるか。小松とやら、前々から不思議だったんじゃが、錦織くんはあんだけ好き放題やっててどうして警察に捕まらないんだ?」
小松 「・・・・たぶんドラマ見ればわかると思いますよ」
西郷 「あとどうして『ラストフレンズ』っていうタイトルなんでごわすかのう」
家定 「きっと性格が悪くてあんまり友達がいない奴らの話なんだろ」
20080618195649小松 「だからドラマ見てくださいよ! あんたら全然見てないでしょ!」
家定 「そうだなあ。最終回くらいは見てみようかなあ。『ロストフレンズ』」
小松 「『ラストフレンズ』です!」
西郷 「うんうん、友達って大事でごわすよね」
家定 「おめえさっき『一文の得にもならん』って言ってたじゃねえか!」

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June 17, 2008

ラスベガスでぶっつぶす ガイ・リッチー 『リボルバー』

20080617190932名作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』監督で、マドンナのダンナとしても知られるガイ・リッチー、待望の新作。ちなみに記事タイトルは「ギャンブラー→ベガス」という安直な発想から来ているもので、作品の舞台がベガスなのかどうかはよくわかりません。

わたしがこの映画を観ようと思ったのは、まず予告編がとってもポップ&スタイリッシュで、なんか面白そうだったから。そんで監督は一部で評判の高いガイ・リッチーじゃあーりませんか。さらに製作にリュック・べッソンが名を連ねている。こいつはカタいだろうと思って鑑賞に臨んだのですが、果たしてその結果は・・・・

とりあえずあらすじから。ム所から出て二年の辣腕ギャンブラー・グリーン。彼はム所に入るきっかけを作った組織のボス・マカに、ギャンブルの腕と度胸で復讐をしかけます。
ところがグリーンが宣戦布告した直後に、謎の二人組が現れます。彼らはグリーンに「君の命はあとわずかしかない。それまで守ってやるから俺らの言うことを聞け。そんで有り金全部よこせ」と、よくわからない取引をもちかけます。それに対し、一通り疑ってはみるものの、「それじゃお願い」とこれまたよくわからないリアクションを返すグリーン。以後この調子で、ひたすら脈絡のない行き当たりばったり的なストーリーが展開されていきます。

うーん。なんといえばいいのかなあcoldsweats01 そう、これはちょうどガイさんの「昨日オレこんな夢みちゃったんだけど、聞いてくれる?」という話に、えんえんとつき合わされているような、そんな映画。
まあ夢の話なら夢の話でいいんですよね。最初からそう言ってくれれば。そんでもっと思いっきりはっちゃけてくれればそれはそれで楽しみようもあるわけです。ところが中途半端に現実&エンタメの領域に片足つっこんでいるので、こっちもどういう姿勢で鑑賞したらいいのかわからない。
わたしが足りない頭を振り絞ってどうにか読み取れたのは、グリーンもマカも内にいる「もう一人の自分」に怯えているということ。そしてグリーンとマカは非常に近しい存在である、ということくらいでした。

・・・と、気がつけば文句ばっかり書いちゃってるな。「いつなんどき、どんな映画でもホメ殺す」がモットーの当店としては、このまま終わってはいけない気がします。
そういえばこんな時便利な脳内キャラクターが一人おりました。ちょっと呼んでみましょう。ポジアンナちゃーん!!

「はーい、ポジアンナです♪ 出て来れてよかった♪」

ポジアンナちゃん、この映画はどんなところが良かったかな?

「えっとね、個々のキャラクターはとっても個性的だと思う。特にグリーンにつきまとう二人組みと調子の悪いメガネのヒットマンさんは、なかなかよそではお目にかかれないようなキャラじゃないかしら♪」

確かにあの二人組みは、なんだか人間を超越したメフィストフェレスのような存在で面白かったね。他には?

「絵的にもインパクトのあるシーンが幾つかあったわ。チェスのコマが画面いっぱいにずいずいと動いていくとことか、グリーンが内なる自分を制した途端、中の明かりがパーッと点くシーンとか。だからこの映画、個々のパーツは悪くないと思うの」

そうだね。ハイクオリティのプラモデルを、説明書を見ずに衝動のままに組み立てているようなものかな?

「あはは。オタッキーらしいいい例えね♪ あとガイ=グリーンとすると、彼って根は悪くない人だと思うの。だってほら、グリーンは結局誰も殺さなかったでしょ?」

まあ確かに。なぶり殺しの目にあうように、えぐい罠にはめたりはしてたけどな。

「『最大の敵は意外なところに潜んでいる』『上達の道は自分より強い相手と勝負すること』なんていう古今の警句が出てくるところもお洒落で勉強になったわ♪」

マキャベリの「戦争回避は相手を利するのみ」という言葉はどうかと思ったけどね。

「あはは♪ 相変わらず腰抜けチキンボーイね♪」

なめたこと言ってるとぶっ殺すよ(笑) でもこうやっていいところを並べ立てただけで、ずいぶん作品に対する印象が変わってくるね! ポジアンナちゃん、またアレな映画にぶつかった時はよろしくね!

「はーい! 役に立てて、良かった♪」

20080617190953・・・・ふう。ちょっとくたびれましたけど、脳内キャラというのもそれなりに役に立つものですな。
しかし脳内キャラにはくれぐれも警戒されてください。なんでも「最も恐ろしい相手」というのは、自分の脳内に潜んでいるらしいので。ガクブルshock

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June 16, 2008

適当掲示板66&ナルニャー国物語第二章 カルカンピーナツ味は猫まっしぐら

ご意見、ご感想、そのほかありましたらこちらへどうぞ


さて、あの感動から約二年・・・ 彼らが帰ってきた!(誰も覚えてない!)

任侠Vシネ極道ロマン、こころゆくまでお楽しみください。

2006050312572320080525121517
伊豆一帯でその名を知らない者はいないと言われている、伝説の極道がいた。
その名はモン吉。
幾多の死闘を潜り抜けてきたモン吉だったが、いま彼に最大の試練が臨もうとしていた
その試練とは、「メタボ」であった・・・・


20060721185518「アニキ・・・・

いい加減食いすぎじゃないですか?

体重減らすことも少しは考えてくださいよ

このままじゃ持病のリウマチだって良くなりませんよ?」


020080406122503「やかましいannoy

何をどんだけ食おうがオレの勝手だ!!

大体いざ出入りって時にハラが減って動けなかったら話にならんだろう?

あん?」


20060721185518「しかしですねアニキ
このままじゃ周りの組やマッポ(死語)に舐められちまいますよ?
こないだドーベル組の加納のヤツなんかこう言ってたって話です
『あいつぁもうネコじゃねえよ
タヌキ・・・ いや、豚ネコぶーにゃんだな
がっはっは』って
こんなこと言わせといていいんですか?


20080525121918「加納のヤロ~!!

ふざけたこと抜かしやがって!!

SGA! ドスとチャカを用意しろ!

今から殴りこみに行くぞ!!」


20060702202617「ちょっと待ってくださいよ、アニキ!

いまドーベル組は飛ぶ鳥を落とす勢い

それにひきかえこちらは相も変わらずの中小企業

多勢に無勢だ! かないっこありませんぜ!」


20070211132914「SGAよ・・・ こんな話を知っているか

龍には決して触れてはならぬ『逆鱗』というウロコがあるという
そしてその禁を破った者は、龍神のすさまじき怒りを免れないそうだ
やつらはまさにその逆鱗に触れたのよ!!
ドラゴンを怒らせたらどんなことになるのか
徹底的に思い知らせてやろうじゃねえか!


20060721185518(すげえ・・・・すげえよアニキ・・・・
マジかっこいいよ!!

でもひとつだけ言わせてくれ
アニキはドラゴンじゃない・・・
ドラネコだ!!)


20080525121918「わかってくれたか・・・

それでこそオレの舎弟だ

じゃあ行くぜ! SGA!

狂犬狩りだ!!」


20060721185518「いや、悪いすけど

今回はオレ、行きませんから」


第三章 「アジの開き丸 干物の市へ」

2009年公開予定

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June 13, 2008

山田風太郎に関しては色々言わせてもらいたい その22 『明治忠臣蔵』

20080613181724昨年の頭から始めた(笑)、河出文庫の「幕末妖人伝」というか「明治もの」短編集レビュー。ようやく最後の一冊です。
「明治編」と銘打たれた『明治忠臣蔵』。当然絶版ですがcoldsweats02はりきって参ります。

☆東京南町奉行

維新の嵐もまだ冷めやらぬ明治4年、東京と名を改めた江戸に一人の老人がやってくる。林頑固斎と名乗るその老人は、かつて幕府の要職を務めていたものの、派手な不祥事を起こして長い間罰せられていたらしい。行く先々で煙たがれる頑固斎。果たしてその正体とは?
「南町奉行」といえば普通みんな想像するのは桜吹雪のあの人。しかし読み進めていくと、どうにもイメージがかみあわない・・・・ 
ワースト忍法帖(笑)の呼び声も高い『天保忍法帖』(『忍者黒白草紙』)の後日談ともいえる話。あわせて読むと、山風は悪名高きこの人物も、それなりに理想のあった男としてとらえている模様。
失われた「江戸」を懐かしむ元奉行というところは、『警視庁草紙』の「隅老斎」先生とも通じるものがあります。明るさの点ではだいぶ開きがありますが

☆天衣無縫

やはり明治四年、参議広沢雅真臣が邸宅にて斬殺されるという事件が起きた。事件が起きた際、同じ部屋にいた広沢の愛妾、かねは目撃者、あるいは容疑者として警視庁に連行される。激しい拷問にたえかねたかねは、思いつくまま容疑者の名を並べ立てるが、どの人物も真犯人というには決め手を欠き・・・
作者が初期の「探偵小説」時代に著した一編。そのせいかかねに加えられる拷問の描写がやけにきめ細かく、エログロ風味の強い作品。にも関わらずユーモラスな風味が強く、暗い話が多いこの短編集では唯一の救いとなっています。
山風はこの事件には思い入れが強かったのか、後に『警視庁草紙』の一編でもう一度アレンジを試みております。『警視庁草紙』といえば、そちらでの重要キャラが特別出演しているのも嬉しいところ。

☆首の座

江戸時代、激しく弾圧されたキリシタンたち。維新となれば信教の自由が与えられるかと思いきや、九州総督してやってきた沢宣嘉卿はなおも厳しい迫害をもって彼らに望む。しかしキリシタンたちは厳罰を与えられても信仰を捨てない。沢卿は彼らの中心人物である千助をなんとか「ころばせ」ようと画策するのだが・・・
死を覚悟した人間の決意を揺るがせるには、どんな手が最も効果的か? キリシタン千助と、幕末において非凡な戦士であった沢卿の姿を重ねつつその答えが語られます。
戦中派として、多くの人の死に様や生き様を見つめてきた山風の「人間観」が光る一編。

☆斬奸状は馬車に乗って

ちょっと下って明治十七年。福島から出てきた血気盛んな青年広谷錠四郎は、下宿先の長屋に住むお秋という娘に心を奪われる。しかしお秋は父親の借金の方に芸者として売られることに。不公正の横行する世の中に憤った錠四郎は友人らとともに、政府を倒し、奸物たちに成敗を与えようともくろむ。
「明治もの」のウリである「著名人のすれ違い」がほとんど出てこない話coldsweats01
この短編集には特に「理想の敗北、転落」をモチーフとしたストーリーが多いのですが、それがもっともよく現れた作品。世に「悪者」とされている人物だって、実はそれなりに高潔な人間であるかもしれない・・・・ そのことを錠四郎が標的と狙う三人の人物を通して語りかけます。
山風は本当に頭でっかちで目的を選ばない連中がお嫌いだったようですね。反面、「うらやましい」という思いもあったんじゃないでしょうか

☆明治忠臣蔵

表題作。明治の世に「気が触れてる」ということで、屋敷の一室に閉じ込められていた元大名家の若様がいた。そのことを知った下級藩士の錦織儀助は、「主君を家臣がないがしろにしている」と憤り、なんとかして若様を外の世界へ連れ出そうとしますが・・・・
これまた探偵小説時代に書かれた作品。実際にあった事件を題材としています。「忠臣蔵」といっても47人もの浪士が出てくるわけではなく、ほぼ錦織一人の孤軍奮闘状態。その忠誠心&不屈の闘志には「がんばれ!」と応援たくなりますが、相手側にもやはりそれなりの事情があり・・・・ そして彼もまた、活動の途中で殿の狂気を認めざるをえなくなります。しかし世間の注目を浴びてしまった以上、いまさらやめるわけにもいかず・・・
「ひっこみがつかないことの恐ろしさ」を描いた作品。何かを世に訴える時には、入念にリサーチをしてから臨みましょう。

☆明治暗黒星

なにやら乱歩チックなタイトル。自由党の巨魁であった星亨と幕末のヒーローの弟、伊庭想太郎の長年にわたる因縁と、その結末を描いた作品。山風は星氏がお気に入りだったようで、上の「明治忠臣蔵」や長編『明治十字架』にも彼を登場させています。著名人と、著名人の縁者を組み合わせるこのやり方は、このシリーズにあった『おれは不知火』と一緒。違うのは星さんが河上彦斎よりかっこよくないこと(笑)。『明治十字架』では主人公を助ける頼もしいイメージでしたが、こちらでは野卑で型破りな描かれ方。それでも不思議と好感の持てる印象を受けました。

20080613181601『伝馬町から今晩は』『おれは不知火』と比べると、この三冊目は古本屋でもあまり見ないかな・・・・
でも収録されてる作品は他のアンソロジーにも色々収められてますんで、興味を持たれた方は根気よくcoldsweats01探してみてください。

さーて、次の山風は何を読もうかな?

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June 11, 2008

影と共に消え去りぬ 二ール・バーガー 『幻影師、アイゼンハイム』

20080611172614米国でインデペンデント系でありながら口コミで火がつき、22週のロングランとなった作品。じゃあなんでこんなに来るのに時間がかかったの? 『幻影師、アイゼンハイム』紹介いたします。

19世紀末オーストリア。とある城下町に住む奇術師志望の少年は、町にお散歩に出ていた公女(プリンセス)テンコーと恋に落ちます。しかし悲しいかな身分の差はいかんともしがたく、失意の少年はかなわぬ恋を忘れるため、奇術修行の旅に出たのでした。
それから十数年後。少年はアイゼンハイムと名を改め、ウィーンで奇術師としてデビューします。その超絶的な腕前はたちまち評判を呼び、劇場は押すな押すなの大盛況。そしてその噂を聞きつけた将軍、キム・イルージョンも彼のショーに足を運ぶことになったのでした。
将軍と共に現れた女性を見てアイゼン(略)は驚愕します。その人こそは初恋の相手プリンセス・テンコーだったのです。再び燃え上がる恋。しかしテンコーはいまやキム・イルージョンの婚約者。果たしてアイ(略)はテンコーをつれて無事脱北することができるでしょうか。

原題は『THE ILLUSIONIST(奇術師、手品師)』。しかしこれでは地味だと配給会社が考えたのか、上のような洒落た邦題が付いております(追記:この題は原作小説の訳者さんのアイデアだそうです)。「幻影師」と「アイゼンハイム」の間には謎の「、」が入ってますが、これには何か深い意味があるのかなーと思い1分ほど考えてみました。が、かったるくなったのでやめました。たぶん『モーニング娘。』の「。」のようなものなのでしょう。

本作品は音楽の都ウィーンを舞台としております。けっこうがんばって当時の模様を再現したようですが、はっきしいってこの映画のウィーンは「地味!」ですcoldsweats01 そんなに華やかな装飾があるわけでもなく、灰色と茶褐色が大体を占め、異名の「音楽」がなりひびいているわけでもなく。
ただそんなどこか薄暗い町に、得体の知れないマジシャンと奇術がみごとにマッチ。そうした背景と題材、そして幻想的なストーリーがあいまって、一応現実に可能なお話でありながら、どこか変わったおとぎ話のような印象を受けます。最近の例でいうと『スウィニー・トッド』と似てますかね。こちらでは誰も歌いませんけど。

個人的に気持ちよかったのは、主人公が「奇術」を武器に国に立ち向かっていくところ。奇術というのは本来人を驚かせるだけの芸でしかなく、実用的な価値はなきに等しいもの。どころがそんな玩具みたいな特技を駆使して、国家権力を翻弄していく。そんなところがなんともバカバカしく、痛快で、かつおシャレでもありました。
またたぶんCGなんだろうけど、アイゼンが披露してくれる独創的なマジックの数々も、わたしたちの目を楽しませてくれます。

気持ちよかったといえばもうひとつ。これもまあ「オチ系」の映画なんですが、今回は「こうなったらいいのにな」と思っていたら本当にそういう方向へ話が行ってしまい、別の意味でビックリしました(笑) しかしそれは決して興ざめとはならず、むしろかえってほっと安心するような、そんなオチでありました。

役者さんではアイゼンと皇太子の間で板ばさみとなる、警部役のポール・ジアマッティが特に目をひきました。職務に対して悩む一方、マジックのネタについて不思議がるお茶目な一面も。いい年こいたオッサンでありながら、ぺカーッと輝く日光のような、まぶしい笑顔が特に印象に残っています。

ところでこの話、「オーストリア皇太子」なんてものが堂々と出てくるので、もしかして実際の事件に材を得たものかとちょいと調べてみました。すると名前は違うものの、この時代にやはり親父さんと折り合いの悪かったプリンスがいて、「男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ」なんて人とちょっとしたスキャンダルを起こしていたことが判明。ご興味おありの方は「ルドルフ皇太子」「マイヤーリンク事件」でぐぐってみてください。

20080611172548あとこの時代の欧米の人たちって、中国人ってマジで怪しい術を使える、と信じてたフシがあるようですね。推理小説のルールで知られる「ノックスの十戒」にも「中国人を出してはいけない」という項がありますし(笑) アイゼンが後半中国の方々を助手に用いていたのは、そんな効果を狙ってのことかと思われます。
まーそんなファンタジーがまだ通用する、微笑ましい時代だったということですね。昔はいかったなー


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June 09, 2008

オッス! 変人仮面! 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュR2』 OO(ダブルオー)編

20080608214800「ブラックリベリオン」と呼ばれた黒の騎士団の蜂起失敗から1年。「日本人」に対する統制はなおいっそう厳しいものになっていた。
事件の首謀者であるゼロは死亡したという発表がなされたが、静けさを取り戻したアシュフォード学園には、そのゼロの正体である若者、ルルーシュの姿があった。以前のことをすべて忘れ去り、平凡な学生としての生活を楽しむルルーシュ。その傍らには最愛の妹・ナナリーの代わりに、「弟」と呼ばれる謎の少年・ロロが立っていた。

衝撃の最終回から約8ヶ月。お茶の間に『コードギアス』が帰ってまいりました。ワタクシ23話が終了したあたりでこんな予想記事を書いてたんですけど、ことごとくはずれてますね(笑) スタッフのみなさん、こちらの立場のことも少しは考えてください。
まあ、『コードギアス』の主人公はルルーシュ以外誰もいない、ということだったんでしょうね。

さて、謎だらけで幕を開けた第二シリーズ。ざっとその謎を列挙してみますと
・ルルーシュが過去のことを一切合財忘れてしまったのはなぜか
・「弟」を名乗る少年ロロは一体何者なのか
・ナナリーはどこへ消えたのか
・前シリーズラストで放たれた弾丸はどこへ飛んでいったのか
・生徒会の面々までナナリーのことを忘れてしまったのはなぜか
・海の底深く沈んでいったガウェインからCCはどうやって脱出したのか
などなど。
ただこれらの謎はここ二ヶ月の間にものすごく早いスピードで解明されてしまい、残ったものは最後にあげた二つくらい。もう少しひっぱったほうがええんでないかなー、とも思いました。が、これから話はワールドワイドに展開していくようだし、加えて皇帝陛下に第1皇女に第1・第2皇子、さらに最低十二人はいるであろう「円卓の騎士」たちすべてをぶったおしていかねばならないことを考えると、確かにこのくらいのペースでやらないといつまで経っても終わらないかもcoldsweats01 下手すると第3シリーズに突入してしまうかもしれないしな・・・ ははは

いまのとこ特に評価しておきたいのは逆転描写の豊富さでしょうか。第1シリーズでもルルくんの「逆転力」にはよく舌を巻かされましたが、ここにきて一層磨きを増してきた感があります。ほぼ毎回何かしら逆転しているような。
どえらいピンチをこしらえて、さらにそれに対する「返し技」をちゃんと用意しておく。これってけっこう大変なことだと思うんですよね。多少強引なところもありますが、その点でスタッフの「語り」の能力に敬意を表します。

メインキャラ三人の雑感を書きとめておきます。
・「ボロ雑巾にしてやる!」発言や、兵士たちを圧殺してもケラケラ笑ってたりと、人でなしぶりがますます板についてきたルルーシュ。皇帝陛下であるパパンは名前を「シャルル」(フランス風だ・・・)ということが判明しましたが、「ルルーシュ」という名はこれを逆さにしたところからきてるのかな? 魔女的存在と契約を交わし、特殊能力を得ている点でも共通している二人。ルルーシュは皇帝に一番似た息子なのかもしれません。

・実はブリタニアからの監視役だったロロ少年。「相手の時間間隔を狂わせる」という能力が独創的。「時間を止める」というのよりか、よっぽど説得力・現実味があります。
名前は『LAコンフィデンシャル』のロロ・トマシから?

・優等生的な発言が偽善的に感じられたのか、第1シリーズでは反感もかってたスザクくん。第2シリーズではなかなか「黒く」なって帰ってきた感が。またしても非難ごうごうかと思いきや、「意外とやるじゃねえか」という意見が目立ちました。うーん、時代はダークヒーローを求めてるんですかね?

20080608214822『ダブルオー』の記事で「どうしてこうもかぶってしまったのか」と書きましたけど、やっぱ『コードギアス』は『コードギアス』、『ダブルオー』は『ダブルオー』ですね。続けてみてみるとよくわかります。このまま勢いを弱めず、ぜひ最後までつっぱしってください。

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June 06, 2008

よみがえる動物王国 アンドリュー・アダムソン 『ナルニア国物語第二章 カスピアン王子の角笛』

20080606202308かつて「動物がしゃべる!」ということで爆発的な人気を呼んだナルニ山動物公園。だが経営陣がそろって謎の失踪を遂げたため、業績は悪化。近年はほぼ開園休業状態となっていた。大きなお城の遊園地で知られる某企業は、ナルニ山の土地に目をつけ、そこへ第二支部を経てようと画策する。しかし動物大好きな前社長の息子・カスピ海ヨグルトは、首脳陣と対立。グループを脱退してナルニ山に危機を知らせる。
密かに伝えられていた緊急回線を用い、かつてのブレーンであった四兄弟に呼びかけるカスピ海。すると瞬く間に(笑)、ナルニ山に戻ってくる平太・ヒネ太・ガン子・オデ子の四兄弟。だがまずアイデアで客を呼戻そうとするカスピ海と、株式操作で某企業を乗っ取ろうと主張する平太は激しく対立する。
果たしてナルニ山の再興はなるのか? そして伝説のカリスマ大園長・畑ムツ○ロウ氏はいまいずこに・・・・


二年前大々的に上映されヒットとなった『ナルニア国第一章 ライオンと魔女』。この映画、わたしはとっても楽しめたんですけど、映画ファンのみなさんの間では不評が多く(笑)、なんとなく素人と玄人との溝を感じざるをえない一本でした。
特に多かった意見は「主役の4兄弟が可愛げがない」「LOTRに比べて物足りない」というもの。前者はおいといて、後者の意見はちょっと酷じゃないかなーって。だって『LOTR』は監督が狂っちゃってるんだもん(笑) すべての監督にあんな風に「イカレなさい」というのは無理な話で。あの人だったら仮に映画がこけてニュージーランドの国家予算が傾いたとしても、「そんなの知ったこっちゃないから」とか言いそうな気がしますcoldsweats01
それにね・・・・あたし思うの。「あの映画に比べると○○だ」っていう見方はどうかなって。人間だって一人一人個性があるわけだし、映画だってきっとそれぞれにそれなりにいいとこがあるはず。ほら、歌にもあるじゃない?
♪ナンバー1になれなくてもいい そのまま特別なオンリー1 って
あたしは映画をそんな風に見ていきたいのheart04

で、今回の第二章、どうだったかというと、観ている間は「うーん、一作目に比べるとちょっとなあ」 ・・・・ってテメエも思いっきりくらべてんじゃねえか!!!
前言撤回。人間は基本的に差別をする生き物です。

んーとなにを言いたいんだかよくわかんなくなってきちゃいましたけどwobbly、まあこれは単純に好みの問題でして。前作は旅八割:合戦二割くらいの内容だったと思うんですけど、今回はこれが完全に逆転してて旅二割:合戦八割くらいだったかなと。んで、わたしはどっちかっつーと旅中心の前作のカラーが気に入ってたんですね。
シャア声のキツネや遠藤憲一のオオカミほど入れ込めるキャラもいなかったし。ま、これは字幕版で見たのがよくなかった。やっぱ『ナルニア』は吹き替えで見るべきだったなー

しかしトータルでみますとなかなかいいところもたくさんありました(んっとーにお前はどっちなんだよ・・・)。まず前作よりテーマ的に深くなっております。『ライオンと魔女』では善玉動物対悪玉動物という構図でしたが、今回は動物対人間の戦い。ほんで悪者は人間のほう(笑)。っておいおい、俺ら悪者かよ!
まー自分たちの勢力を拡大するために自然を駆逐する人間どもは、動物さんたちにしてみれば悪者でしかないわけで。でもその人間側の王となるべき者が、動物側の味方をする、というところが面白く、かつ救いでもあります。
自然を壊すのも人間であるなら、その過ちを正せるのもまた人間でしかない。すでに50年代にそのことを見ぬいていたC・S・ルイスの慧眼にはほとほと感服させられます。

あとほかに良かった点といたしましては、前作でドベな役割だったエドマンドの成長ぶりとか。やっぱ一度どん底を経験しているヤツは強いっすね。その分ピーターは・・・ ごほんごほんwobblydash
花の精の描写とか、巨大な投石器とかも良かったです。投石器はこれまでも幾つかの作品に出てきましたけど、その中でも最も迫力あるブツでございました。いやー、あれは一家に一台、ぜひほしい。

そしてなによりわたしがツボだったのは、このお話が駅のホームで始まり、ホームで終わるというところ。そう、駅は始まりであり、終わりであり、旅立ちであり、別れの場所であるんですね。多くの冒険を経た少年は、幻想の世界に別れを告げ、また新たなるステージに立つ・・・・ 30半ばの身としては『銀河鉄道999』など思い出してしまうわけですが。

20080606202438そんなわけで前作と見事な「対」になっており、見事なまでの完成ぶりでありました。
できればこのまま終わった方が美しいんじゃないかなー、と思うのですが、三作目の製作もすでに決まっているようです。
『ハリポ』はなんとか最後までいけそうですが、『ヘルニア』じゃねえ、『ナルニア』はどっこまでどっこまでいっけるかな?
そして『ライラ』は・・・・


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June 04, 2008

相方 二匹だけの特命係 13th season

そのいち せいかリレー

13p1113p12 ス
 イ
 カ
 で
 い
 く
 か


そのに もう一個時事ネタ

13p2113p2213p2313p24 関
 係
 あ
 る
 じ
 ゃ
 ん


そのさん この辺も見てやって

200703281806142007032818063313p3120070328181709 ◎

 ◎
 
 ◎
 
 ◎


そのよん その正体は

13p4113p4213p43 ○

 ●

 ○

 ●


そのご 意地をかけて

13p5113p522007082117431713p53 オ
 ト
 コ
 な
 ら
 戦
 え
 

そのろく アイをください

13p6113p622007092618562413p63 本
 当
 に
 い
 い
 の
 ?


次回未定でござんす


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June 02, 2008

「みなとみらい」よ、永遠に 羽海野チカ 『ハチミツとクローバー』 クローバー編

20080602122302はじめに断っておきますけど、今日はくっさいこと書きますんで(笑) まー前回も、大概イタかったですけど

そんなわけで、全十巻の中から印象に残ったシーンをあげていきます。いうまでもなく完全ネタバレなんで、どうぞご了承のほど。

・一巻冒頭のバカ百連発。コロッケの山や「コロボックル発見!」も捨てがたいけど、一番うけたのはモーゼ状態の森田くん
それにしても下宿生活って洋画だとハイソな感じなのに、日本のマンガでやるとどうしてこう貧乏臭ばかりが際立つのだろう

・二巻135Pあたり。唐突に最終回のような流れになってドキッとしたが、つまりここで一度掲載誌がつぶれたということらしい。野原で四葉のクローバーを探す面々。
「どうしよう、なかったよ」「そんなの、どこにも」
この最初のラストシーンが、真のラストで大きな意味を持ってくるという憎い構成

・五巻の終盤あたり。ほぼ二巻近く姿を消していた森田くんが衝撃の再登場を果たす。しかもそのあとに、さらにオチが二つつく。丹下先生の叙情的なモノローグも木っ端ミジンコ(笑)

・六巻76Pあたり。野宮氏が真山くんについて語るあたり 「もう見たくもない学生時代のアルバムを 無理矢理鼻先見せられているような」「こう青春再放送?みたいな・・・・」「で、何がもうイヤかって」「オレが苦労して何年もかけて脱ぎ捨ててきた もう見たくない恥ずかしいモノを あんのやろう、全部ひっさげて目の前をウロウロしやがるんだよ!」
数年前の自分に目の前をウロチョロされたら、そりゃーきっとハズカシーだろーなー
いけすかない野宮氏だったが、この辺から少し親近感UP

・んで、そのもうちょっと後からえんえんと続く竹本くんの自分探しの旅。一巻冒頭を別にすれば、このあたりが読んでいて一番楽しかったかな。ただひたすら自転車をこぎ、当然金もなく、行き倒れた先には新たな出会いがあり・・・
なんとなく『進め! 電波少年』とかがオーバーラップしてしまわないでもないが、それはそれで良し

・毎回楽しいおまけコーナー。特に七巻ラストの「ニャンざぶろう伝説」はバカウケでした。わたしもローマイヤ先輩に抱かれてみたい・・・・heart04

・九巻の74・75P ここで掲載誌二度目の休刊(笑) 強風に翻弄されるはぐちゃんに押し迫る不幸の予感
「終わりの始まりの幕を上げよう」の文句に、つい「デビルマンかよ!」とつっこんでしまうオレ

・九巻chapter.58 「どだい想像力のある人間に残酷な復讐なんて無理なんです」
優しさ、とは想像力のことであると思う。こうしたら相手がどう思うか、とか、どんなことを言ったら相手は傷つくか、とかその程度の想像力。ただ、そういった想像力をもっていてもなお(あるいはもっているがゆえに?)、人は人を傷つけてしまうことがり、そうした時、人は壊れてしまうのかもしれない

・そのすぐ次のくだり。野宮に諭されてはぐちゃんのところに戻る山田。その背中には急ごしらえで作ったケープの
羽が
「とらなくたっていいよ だって 天使みたい だもの」
にくいぜ・・・ 羽海野チカ・・・
30男をいたずらに泣かせるんじゃない!crying

・10巻アタマ。「生きてくれればいい 一緒にいられればいい」「オレはもう それだけでいい」
そう語りかける森田にはぐちゃんは言う 「どうしたの? なにかあったの?」
自分に余裕がある時に人に優しくするのはたやすい。でも自分がギリギリの時にそうできる人間は稀だ。そしてはぐちゃんはそういう女の子だったということです

・そのすぐ後 「いいよ・・・・」「返さなくていいよ」「全部やるよ」
アニメ版のCVは野原ヒロシこと藤原啓治氏だったそうだが、彼の声で言われたら俺も惚れるかもしれない

・ラストシーン。このマンガのタイトルはスピッツとスガシカオの曲から取られたそうだが、個人的にはこの場面にはスピッツの『楓』が似合うと思う
果たして彼らは今後また一同に会すことがあるのだろうか。できればあってほしい。ただ少し前の「二度となかった」というモノローグを思うと、次に集まる時は誰か死んでるのでは・・・なんてイヤなことを思ってしまう
が、このお話はこれで終わったわけではなく、今後何回か後日談が発表される予定だそうで。
今年の春に『コーラス』にて掲載されたものをある手段(笑)で目を通したところ、相変わらずのほのぼのぶりでなんか安心した。お話を象徴する観覧車と同じように、彼らもまためぐりめぐってまた出会うのだろう

20080602122327このマンガを読んでいたら、わたしにもそれなりに甘じょっぱい青春のメモリーがあったことを思い出した。ついでに書いてしまおうかとも思ったが、あまりにも恥ずかしいのでやめます。おしまい。

PS.Sさん、資料提供まことにありがとうございました。

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