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April 02, 2008

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい 雲竜奔馬編③

20080402195633まーたーしーても久方ぶりのシリーズ記事。前が昨年の11月だったから・・・ あははは
ちなみに『風雲児たち』のいままでの記事はコチラ

1853年黒船来航。江戸がパニックに陥る中、一人「あの船ほし~っ」とボケをかます青年がおりました。彼こそは後の維新の立役者、坂本竜馬そのひとでした
アホなりに国の行く末を憂う竜馬くん。彼の心配をよそに、「もう一度来る」と約束したペリーは、約半年後再び黒船とともに姿を現します。

竜馬一人に焦点を絞る、という姿勢で書かれた『雲竜奔馬』。しかし単行本三巻目あたりにくると、その姿勢にもほころびが見えて参ります(笑)。
対米交渉に決死の覚悟で挑む江川太郎左衛門。米国の知識を入手すべく密航をたくらむ吉田松陰。そして少しずつ出世の糸口をつかんでいく勝麟太郎・・・
竜馬の姿はどこへやら、『風雲児たち』でおなじみのメンバーが次から次へと登場し、前シリーズとほぼ変わらぬスタイルになってしまっています。実際このあたりはほぼ丸々現在連載中の『幕末編』に再録されておりますし。

もうちょっと前、やはり『風雲児たち』のファンである方とこんな話をしたことがありました。
わたし 「あのあたり読んでると、『竜馬一本に絞りたいんだけど、これだけは最低書いておかないと。でもあれも書かなきゃこれも書かなきゃ』という先生の苦悩が伝わってくるんですよね」
その方 「いやー、わたしは最初は『竜馬一本に絞る』と編集部には言っておいて、そのあとズルズルと『風雲児たち』のスタイルに戻すという、そういう戦略だったんだと思いますよ」
なるほど(笑)
でもこれ確かな裏付けがあるわけではなく、二人の想像にすぎませんので、くれぐれも信じないでください

さて、その間竜馬君はなにをしてたかというと、幼馴染である岡田以蔵くんのことで色々悩んだりしておりました。
剣の腕前はなかなかのものなのに、身分が低いゆえに江戸に修行に出れない以蔵くん。彼を見ているうちに、竜馬の胸には身分制度に対する疑問がムクムクと沸き起こってきます。

「武士だけがエライんやない・・・・・・ 人間は・・・みんな好きな道を歩いてええんじゃ」「自分のやりたいことをやる・・・・・・」
「そらあメチャクチャわがままやのう」
そうです。今では当たり前の職業選択の自由も、多くの人にとっては「わがまま」とされてしまう時代だったのです。
「『基本的人権』とか 『自由』という言葉も考えもまったくない時代である」
「竜馬たちはそれを手探りで探さねばならなかった」

しかし竜馬は一人の画家と出会うことによってその突破口を見つけます。その画家の名は河田小竜。同郷のジョン・万次郎から海外の情報を仕入れていた小竜は、竜馬に米国の政治形態についてこう伝えます。

「アメリカの将軍様(プレジデント)は商人でも町人でも軍人(サムライ)でも 誰がなってもええっちゅうんじゃ」
「ほいでアメリカの民百姓は投票(いれふだ)で将軍を選ぶんじゃ」

瞬間、目からウロコがすっとんでいく竜馬。

「ほうじゃ・・・ ほれがホンマじゃ・・・・」

自分たちを治める者は自分たちで選ぶ。いわゆるデモクラシーですね。
このとき竜馬は自分の行くべき道を見つけます。しかし周囲の者たちは「またアホがアホを言い始めた」と誰も相手にしてくれません(笑)。そして吹き荒れ始める血なまぐさい風。。青年は自分の理想にどこまで近づくことができるでしょうか・・・・

20080402195652ところでこの
←吉田松陰のキャラクター、昨年製作された水島精二監督作品『大江戸ロケット』にてアニメデビューを果たしました(マジ)
同じ監督の作品とゆーことで、『ガンダム00』にも出てこないかなーと密かに期待してたんですが・・・・


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Comments

 あ、出ていたんですか。
 では、
 吉田くん「ワレ、ガンダムに出たいと欲す!!
 ワレ、ガンダムに出たいと欲す!!
 ワレ、ガンダムに出たいと欲す~!
 あ、鋼の錬金術師でも良いですよ~!
 ダイ・ガードは微妙かな~シャーマンキングは
いいやあれなんかちがうような

 そうですよね、何か間違っている気がします?

Posted by: 犬塚志乃 | April 05, 2008 07:13 PM

 しまったこの作品全部水島精二の作品でした。
水島努の作品が一本もありませんでした。
 このふたり兄弟ではありませんが、ネタとして両水島作品を
入れて途中で入れ替わるギャグをやろうとしたら失敗しました

Posted by: 犬塚志乃 | April 05, 2008 07:16 PM

>犬塚志乃さま

『シャーマンキング』も精二監督だったんですか。知りませんでした
勉監督は『おおきく振りかぶって』の人ですね

あと「吉田君」というと「鷹の爪団」の下っ端のようです
彼の出身地は確か島根県。・・・近いな

Posted by: SGA屋伍一 | April 05, 2008 09:13 PM

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Tracked on April 05, 2008 12:47 PM

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