マンホールから飛び出して ケヴィン・リマ 『魔法にかけられて』
ちょっと飛んでるお嫁さま
昔々、千葉県浦安市というところに、夢と魔法でできたすんばらしー王国がありました。しかしそんなファンタジックなランドにも、時として醜い権力争いが生じます。いい加減いい年になってきた女王は、権力の座を継子とその嫁にゆずるのが我慢ならず、嫁がちょっとぬけてるのをいいことに、言葉巧みに国外へ追い出してしまいます。
特技といえば歌と動物をてなずけることくらいで、生活能力は無きに等しいこの嫁。果たして弱肉強食のアスファルト・ジャングルで生きていくことができるのでしょうか。そして浦安に戻ることはできるのでしょうか。
世界最大のアニメ製作会社ディズニーの最新作は、なんとビックリ、アニメと実写のコラボレーション。この映画ではアニメの世界と実写の世界が特殊なホール(笑)でつながっていて、自由に行き来できるという設定になっています。そしてアニメのキャラもこちら側に来ると、我々と同じ肉体を身にまとうことになります。いわばセルフコスプレのようなものでしょうか。
実写とアニメのコラボというと、特撮好きとしては円谷プロの名作『恐竜探検隊ボーンフリー』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』などを思い出すんですが、皆さんご存知でしょうか・・・(知らんだろうな・・・)。どういう作りだったかというと、怪獣(恐竜)・メカが出てくるところは実写で、人物が出てくるところはアニメで処理されてました。だから怪獣と人間が一緒に映ることはほとんどなかったような![]()
さすがに強引すぎたのか、この手法を用いた作品はその後全くといっていいほど見ませんでした。が、まさか天下のディズニーが、その無茶コラボをこんな自然な仕方でやってのけるとは・・・・ 斬新なアイデアに脱帽、そしてただただ驚きです。
漫画(アニメ)というのは、それが漫画っぽいものであればあるほど、実写でやると笑えてしまったりするものです。たとえば『ブラックジャック』がドラマ化された際、スタッフはBJのあの独特のヘアーを忠実に再現したそうですが、手塚先生は「あんな髪型の人間いるわけねーだろが」とご立腹だったとか。『デスノート』なんかはまあ・・・ギリギリのラインでしたかね。
ところがこの『魔法にかけられて』では、そいつを逆手にとって最初からギャグでやるという、まさに発想の大回転魔球。おとぎの国のキャラたちがリアルワールドに出現するといかに笑えるか。できればご自分の目で確かめていただきたいものです。
そんな100%バカのような作品でありながら、この映画にも『ペネロピ』と同じようにさりげなく教訓がおりこまれていたりします。
夢ばかりみていて足元がおぼつかないヒロイン・ジゼル(まあアニメキャラですし)。一方なりゆきで彼女を保護することになった弁護士のロバートは、夢や空想を一切否定する、つまらない人間になってしまっています。
ですが二人は接していくうちにお互い影響しあい、自分たちに足りなかったものを得ます。そんな風に空想と現実のバランスを上手に保つことが、世の中をハッピーに生きていくヒントなんじゃないでしょうか。
個人的にツボだったのは、ヒロインとロバートの娘レイチェルの友情でしょうか。ジゼルはなりこそでかいものの、先ほど説明したような境遇ゆえに、レイチェルと精神年齢がほとんど変わりません(笑)。そんなサイズの違う友情が見ていて微笑ましかったです。
なかにはアニメの王道を行っていたディズニーがこういう色モノ、もとい変化球に挑んだ事に眉をひそめる方もおられると思います。しかし今までになかったモノを、何か新しいものを、ひたすら追い求めていくことこそがディズニーの基本姿勢なのでは・・・とわたしは思います。ピクサー系以外ほとんど見てない身で偉そうなこと言ってますが![]()
そんなわけでわたしが次に望むのは「リアルミッキーマウス」! もちろん浦安市にいるあんなハリボテ(失礼)ではなく、毛がみっしりと生えたモノホンのネズミ頭人間、その大活躍をぜひ見てみたい(笑)! これこそまさに伝統と最新技術のコラボレーションではないでしょうか。
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Comments
>世の中をハッピーに生きていくヒント
空想と現実、自分の世界と他の人の世界、白と黒、いろんなものとバランス良く折り合いを付けられれば、本当にハッピーに暮らせそうですね。
>毛がみっしりと生えたモノホンのネズミ頭人間
おとぎの国のホラーじゃなくて、メルヘンですよね?
まずは免疫をつけるために、リアル・ダンボが見てみたいです(笑)
Posted by: 哀生龍 | April 07, 2008 at 12:57 PM
>哀生龍さま
お返しありがとうございます!
>いろんなものとバランス良く折り合いを付けられれば、本当にハッピーに暮らせそうですね。
そうですね。しかしなかなかこれがむずかしい時もあり(笑)
特に自分は「自分の世界」「空想」に偏りがちです
いまかかってる『非現実の王国で』という映画もそんな人の話のようですね
>リアル・ダンボが見てみたいです(笑)
リアルミッキーはネタでしたけど・・・・ これはマジでいけるんじゃないですか? 『101』の例もあるし・・・
ぜひディズニーに提案してみましょう!
Posted by: SGA屋伍一 | April 07, 2008 at 07:32 PM
リアルミッキー「やぁ、ボクリアルなミッキー
伝染病だって?
ボクが持ってるダニくんは
」
ボクはそんなもの持っていないさ
菌だらけだけどね
「やぁボクリアルアンパンマンぼくの頭をお食べ、ほら食べなよ」
どうでしょうか?
なんと言いますかピノキオも不思議の国のアリスも原作に忠実に

そのまま実写で映画化したらどちらも不気味と言われまくりましたよ
ねw
長いこと作品を作っていると自虐的なものを作ってしまうのでしょう
かね?
ほら、ルパンの赤対緑のように。
全部のルパンがニセモノであり本物であるという「魔法に~」
以上に自虐的なルパンです。
宮崎、赤、緑、ピンク、他全てのルパンから、どう見ても
ルパンといえないものまで集合させました(?)
Posted by: 犬塚志乃 | April 07, 2008 at 10:19 PM
リアルミッキーマウス
やだー絶対やだっ
「みっしりと毛が」ってとこがまたすごくおぞましいものを
想像させました
恐竜探検隊も大戦争も、残念ながら分からない・・・
アニメと実写のコラボレーションと言えば、
ジーン・ケリーと「トムとジェリー」のジェリーが
タップを踊る「錨を上げて」をいちばんに連想します。
ジーン・ケリー大好きなんです
「ブラックジャック」はじめ、むかしはアニメを実写化しても
いいことなんてなんもなかったですが、
最近は技術とセンスがすっかり向上して安心して観られるように
なりましたよね。
今回のは役者さんのアニメキャラなりきりぶりも見事だったなと
思いました。
Posted by: kenko | April 08, 2008 at 12:37 AM
>犬塚志乃さま
考えてみたらでずにーさんはどんな勝算があって嫌われモノのネズミをマスコットにしようと決めたのでしょう。見事なチャレンジ精神といわざるをえません
そういえばありましたね。リアルピノキオ。見てませんけど
こんな悪趣味なネタをおもいついたのは、こないだようつべで「リアルポンキッキ」というのをうっかり見てしまったからです
>ルパンの赤対緑
よそでレビュー見ましたが、「見ておけばよかった」と後悔しました
もしかしたらセルフパロディってネタがなくなった時の最後の手段なんだろか
Posted by: SGA屋伍一 | April 08, 2008 at 08:38 AM
>kenkoさま
>リアルミッキーマウスやだー絶対やだっ
そう言わないで(笑)
スチュアートリトルが等身大になったと思えばいいんですよ。ほら・・・ 可愛く思えてきたでしょう?
>ジーン・ケリーと「トムとジェリー」のジェリーが
タップを踊る「錨を上げて」をいちばんに連想します。
そんなものが・・・ こういうものも探せばまだいろいろとあるかもしれませんね
探検隊と大戦争はわたしが幼稚園くらいのころにやっていた番組だったかな。知らなくても無理ないです
>アニメ実写化
アニメというかコミックですけど、アメコミの傑作が見事な映像で実写化されちるのは、やはり技術の進歩あったればこそでしょうね
あとkenkoさんのおっしゃるとおり、ジゼルと王子の中の人の吹っ切れぶりには本当に目を見張るものがありました
Posted by: SGA屋伍一 | April 08, 2008 at 08:58 AM
こんにちは!
SGA屋伍一さんもお気に召したようで良かったですぅ~
怪獣映画好きなSGA屋伍一さんとしては『クローバーフィールド』は鑑賞される予定でしょうか?
)
どんな感想を持たれるのか密かに楽しみにしているのですが(あっ!別にプレッシャーをかけているつもりはないですぅ~
『空想と現実のバランスを上手に保つことが、世の中をハッピーに生きていく』-そうかぁ~だから私はどんな状況でも脳天気なんだ!!
趣味が妄想で良かった・・・実は今でも白馬の王子様が辛い現実から連れ出してくれると信じています!!(大バカな上、意味が違う・笑)
Posted by: 由香 | April 08, 2008 at 09:23 AM
>由香様
ご来訪ありがとうございます
「クローバーフィールド」ですが、すでに鑑賞いたしました! 体力が持てば明日くらいにUPする予定です。そしたらまたお邪魔しますんでどうぞよろしく
そういえばこちらの作品にも出てましたよね、怪獣。ただこっちの怪獣はちょっとあっけなかったなあ。あれは「サランドラゴン」とか言うのかな?
あてつけのようなシュレックもどきもでてましたね(笑)
由香さんのブログ読んでると、「本当にご家族を愛してるなー、生活を楽しんでるなー」というのがよく伝わりますよ。白馬の王子様なんていらんでしょう
わたしはもう長いこと白馬の王女様を待ちわびてますけどね・・・(このネタも何回やったことか)
Posted by: SGA屋伍一 | April 08, 2008 at 06:58 PM
御伽噺を現実化することでそこに面白さを出す!!これをディズニーが行ったということが凄いと思ってしまいました!
あのお掃除シーンとかもう大爆笑でした!
数々の名シーンもリアルに表現するとああなってしまうものなんですよね~
リアルクマのプーさんは それなりに怖可愛くなるのかなと思ったけど、あれってもともとぬいぐるみ設定なので可愛い着ぐるみでいいのかしら(’ ’
漫画を実写化、、といえば『デトロイト・メタル・シティ』凄いことになってますね~!またまた松山ケンイチくんが、見事に化けてましたよーー!
Posted by: コブタです | April 08, 2008 at 10:52 PM
>コブタさま
おかえしありがとうございます
本当にね、アニメのご本家たるディズニーにこんなことをやられたら、ドリームワークスなんかは本当に立つ瀬がないと思います
『カンフーパンダ』なんかも着想は悪くないんだけどなあ。あと一歩発想の飛躍がほしい・・・
>リアルクマのプーさん
ずいーぶん前に教育テレビで『クマのパディントン』という短編アニメをやってまして。ものほんのクマのぬいぐるみをコマ撮り式で作ったものでしたが、実際にやったらこれにかなり近くなるんじゃないかと
>『デトロイト・メタル・シティ』
今一番楽しみな邦画です(笑)。漫画ではどこか可愛げのあるクラウザーさん、リアルではすげえおっかないですね・・・ 対して根岸Ver.は本当に漫画から抜け出てきたようで、「さすが松山!」と思いました(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | April 09, 2008 at 07:39 AM
おはようございます。
レイチェルと王女の友情、すごく良かったですよね♪
レイチェルは柔道着を寝巻き代わりに着ていて、まるでスターウォーズでした。将来はジェダイか、と。
ちなみに、浦安国では、とあるリアル人魚が出てくるミュージカル劇場があります。
胸元がかなりセクシーな人魚さんが、円形劇場の中をクレーンで宙吊りされて、歌ったり踊ったりしてました。
もう、鼻血もんでしたわ・・・
ディズ○ーシーに行くことがあったら、良かったら行ってみてくださいませ。ティッシュも用意して。
ちなみに、カニさん役の男性は、ハリボテのカニを操っている姿が見えまくりで、終始彼を見て爆笑していた私です。
台詞をしゃべっている時、顔が変わって面白かったです。
Posted by: とらねこ | April 09, 2008 at 08:26 AM
>とらねこさま
お返しありがとうございます
レイチェルがジゼルと仲良く買い物するくだりで「お母さんと買い物するとこんな感じなのかな」というセリフがありましたが、「どう考えてもお母さん役はキミだろ」と思いました(財布もってるのもレイチェルだし・笑)
立派なレイア姫ならぬレイチェル姫に育ってほしいものです
>リアル人魚が出てくるミュージカル劇場
それ見たことありますよー
確かに清らかなイメージでありながら、実に見事なバディで・・・
いや、その、別に胸元ばかり注目していたわけじゃ・・・ムハッ フンガッ(ブシュッ)
それにしてもTDLに最後に行ったのは、あれいつのことだったろう。確か『ニモ』の後だったから・・・四年前?
なんかまた行きたくなってきたなあ。「つきあってあげてもいいわよ
Posted by: SGA屋伍一 | April 09, 2008 at 05:46 PM
こんばんは
リアルミッキーマウス,想像しただけで・・・というか想像しきれていませんが
笑えますね~~
たしかに,この作品は,ディズニーとしては「挑戦!」という感じでしたが
まずまず成功を収めたと思います。
実写の世界に出て来たアニメのキャラクター・・・そのアイデアだけで
結構楽しませていただきました。
Posted by: なな | April 23, 2008 at 11:08 PM
>ななさま
再訪ありがとうございます。そちらも見させていただいてますよ。自分もネコ好きなもんで
>リアルミッキー
一部で拒否反応もありましたが
,ジゼルがリアルでミッキーやドナルドと共演する続編を作ったら、メチャクチャヒットしそうな気がします
(ディズニーさん、この企画三万円で買いませんか?)
自分はけっこうアイデアで作品を選ぶのですが、ピクサーアニメなどはこの点でほかよりいつも一歩抜きん出ているな、と思っております。でもディズニーご本家も、この作品や『ルイスと未来泥棒』など、ここんとこがんばってますね
Posted by: SGA屋伍一 | April 24, 2008 at 07:57 AM