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April 30, 2008

義理を立てれば道理がひっこむ トニー・ギルロイ 『フィクサー』

20080430175936あれは横田順彌氏が何かで書いていた文学用語辞典であったか。「フィクション」についてこう解説してありました。「虚構のこと。ウソばかりついているとクシャミが出る。フィークション!」
あっ、こっちは『フィクサー』だったか・・・ まあ似たようなもんでしょう。本日はティルダ・ウィンストン(最近ようやく名前覚えた)がアカデミー助演女優賞に輝いたこの作品を紹介します(追記:正確にはウィンストンじゃなくてスウィントンでした。覚えてねえじゃん・・・)。

大手法律事務所の弁護士であるアーサーは悩んでいた。長年大企業の顧問を勤めていた彼だったが、その企業は深刻な薬害問題で訴えられていた。良心をごまかして顧客を弁護することに耐えられなくなってしまった彼は、突如として上司とお得意さまに叛旗を翻し、巨悪に対し敢然と戦いを挑む。

こう書くとこのアーサーが主人公だと思うでしょ? ところが違うんですな 主人公はアーサーの同僚のマイケル・クレイトンという男(どこかで聞いたような・・・)。彼はアーサーの味方をするどころか、「とりあえず上の言うこと聞いとこうや。な?な?」なんて言ってたりします。困った野郎です。

ソダーバーグ関連作品(今回は製作)ってなんでかいつも食指がわかんのですけど、今回は『ボーン・アイデンテティー』三部作のトニー・ギルロイ(監督・脚本)が「なにやら企んでる」という話を聞いて見てまいりました。確かにありましたね。ちょっとした「仕掛け」が。ただ「驚愕のあまりアゴがはずれる!」というほどのものではありません。「ああ、そうだったのか!」とポンとひざを打つ程度です。

そうした構造上の罠より、むしろ興味深かったのは、善悪のハザマで揺れる人間の微妙な心理・・・ってヤツでしょうか(ニヤリ)。
この作品でもっとも重要な人物・・・マイケル、アーサー、そして企業の重役であるカレンは、それぞれ誰かに対し「負い目」を持っています。アーサーは自分のお得意様のせいで迷惑をこうむった農家の人々に。カレンは何かと自分を引き立ててくれた会社の上司に。んで、マイケルは上司と会社の被害者と友達の全部に負い目があります。おまけに要らん借金まで抱え込んだりしていて。
社会正義を考えればどの道をとるべきか答えは明らか。でもそうしたら世話になった人が窮地に追い込まれてしまう。まさに「義理を立てれば道理が引っ込む」状態(BY『瀬戸の花嫁』)。果たしてマイケルさんはそれでも「道理」を選ぶのか・・・・ 
普通ならタフな感じになりそうな三人が、線の細いデリケートな人物として描かれていたことも印象的でした。人は弱いからこそ良心をごまかし、罪を犯します。自分は弱いことをいいわけにして、他者を犠牲にするような人間にはなりたくないものですが。

そんな人間くさくて揺らぎまくりのマイケルさんが、女性関係は派手な一方、アフリカはダルフールまで赴いていって現地の窮状をリポートするジョージ・クルーニーの姿と重な・・・・らないなあ、微妙に。中の人の方が数段立派ですね。一時期さんざん「バットマンなんかやるんじゃなかった」とぶーたれていたので、あんまりこの人好きじゃないんですけど。

企業のあり方・・・というものについても少々考えさせられました。会社というものは走行中の車とよく似ています。できるだけ利益をあげようとして速度を速めたり、積荷を増やしたりすればするほど、ブレーキも利きにくくなっていきます。まき散らかす排ガスの量も増えるでしょう(そういやこの話も交通事故から始まってたっけな)。どんな車にもそういったマイナス面はある程度つき物ですが、でかい車(大企業)はその危険性が半端じゃありません。それだけにドライバーには一層の責任が求められます。また運転手だけでなく、乗客たちにも「危ないな」と思ったら注意を促してやる義務があります。たとえハンドルを握っているのが朝○龍であったとしても、細木○子であったとしてもです!(ま、言うのはカンタンだよなー)

個人的に気になったのはマイケルの息子の部屋にガンダムウィングゼロ(こんなの)とガンダムデスサイズHカスタム(こんなの)が飾ってあったことでしょうか。これは「誰の心にも、天使と悪魔が住んでいる」というメッセージなのかもしれません。っていうか絶対考えすぎ

20080430180124ただこれらが出てきた『ガンダムW』には「強者などいない! 俺たちみんな弱者なんだ!」なんつーセリフがあったり、『ボーン・スプレマシー』でも非常に似たような展開があったりしたので、「ギルロイって、もしかしてガンオタ?」という疑いを捨てきれないSGAでした。

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April 28, 2008

世界の歪みを狙い撃ち 水島精二 『機動戦士ガンダム00』2クール目まで

20080428192033昨日がライダーで今日がガンダム・・・・ オタクだねえ(笑) ってなわけで、先日好評のうちに第一期を終了した『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』について。1クール目までの記事はコチラ

まず2クール目出だしのあらすじから。
アザディスタンにおける内紛は一区切りついたものの、世界ではいまだ紛争が絶えない。中東で三大国の合同軍事演習が行われると聞いたガンダムマイスターたちは、罠と知りつつ「戦争根絶」のため死地へ赴く。
圧倒的な物量の差の前に、やがて傷つき倒れていくガンダムたち。刹那とエクシアが絶体絶命の危地に陥った時、彼の前に降り立ったのは赤い光を放つ謎のガンダムだった・・・

以後、第三勢力ともいえるスローネチームの参戦、裏切り者による大国への太陽炉の横流しといった出来事が続き、世界は急速にひとつにまとまっていきます。「ソレスタル・ビーイング殲滅」という目標に向かって。

『00』がすごいな、と思ったのは主人公たちが戦っているのが、悪の帝国でも枢軸でもなく、我々の時代とつながっている普通の「政府」であるということ。名前こそ微妙に変えられていますが、『00』の世界を牛耳っているのはアメリカ・EU・中国+ロシアにほかなりません。当然その首脳たちも角が生えているわけではなく、ニュースでよくみかける普通の政治家たちです。
大国は他国への軍事介入を、もっぱら「正義の戦争」と主張して行います。ですがソレスタル・ビーイング(以後CB)にとっては、それはむしろ許しがたい「悪」とみなされます。一方大国側から見れば、交渉もなくいきなり攻撃をしかけてくるCBはテロリストでしかありません。そうしたお互いの関係は、人間社会の中では「絶対善と絶対悪の戦争などない」ということをあらためて思い起こさせます。

CB、ひいてはイオリア・シュヘンベルグの計画とかどのようなものだったのか。わたしなりに考えをまとめてみました(想像・憶測も入ってます)。
その時代から二百年前、時の発明王・イオリア・シュヘンベルグは、特殊な重力下でなければ造る事ができない「太陽炉」なるものの構想を思いつきます(わたしは超小型の太陽モデルのようなものかなーと考えてますが)。ほぼ無限に渡って膨大な量のエネルギーを供給できるこのシステムを発表することを、イオリア氏はためらいます。今の様に諸国家が利権を求めて争いあっているような状況では、太陽炉の存在は世界を一層混乱へと導きかねない。ではどうしたら世界を平和な状態に・・・・ひとつにまとめあげることができるのか・・・・ そこで彼が創設したのがCBだったということなのでしょう。「全世界共通の敵」として。

しかし本当に世界がひとつにまとまった時、CBのメンバーは、ガンダムマイスターたちはどうなってしまうのか。上手に行方をくらまして市井の生活に戻る・・・ということもできたかもしれません。しかし世界中が血眼になって彼らを探し回っているのですから、それはとてつもなく困難なことのように思えます。それに終盤に向かうにつれはっきりしてきましたが、彼らもまた戦いのあとも生き残ろうなどとは、あまり考えてなかったフシがあります。
実際本気を出した大国たちの猛攻撃の前に、ひとり、またひとりと主人公たちは虚空の中へ消えていくこととなりました。彼らの真の思いも、その存在すらもほとんど誰とて知ることなく・・・

自分はガンダムとは基本的に「つかずはなれず」というスタンスですが このシリーズにひかれているとするなら・・・
我々は大宇宙の中にあっては無きに等しいゴミカスのような存在です。そのゴミカスが、無限の闇の中で必死に自分の生を、存在を、意思を証明しようとする・・・・・ そんなところかと思います。
特に『00』は「世界を相手にケンカを売る」という話だったせいか、それを強く感じました。

20080428192047というわけで主人公たちがいなくなってしまったら、世界が平和になってしまった、という大変皮肉・かつ痛切なオチでいったん幕を下ろした『00』ですが、このお話にはまだ続きがあります。
とりあえず『コードギアス』で間をつなぎながら、秋の第二期を楽しみに待ちたいと思います。

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April 27, 2008

ネガタロスの春休み 『仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』

20080427184906「いつか、未来で・・・・」
感動の最終回から早二ヶ月、あの『電王』が(もう)帰ってきた! しかも今度は刑事として・・・ なぜ刑事? そこに答えはない。それこそが『電王』スピリット(笑)

というわけで公開第一週に興行収入トップを飾った『仮面ライダー電王&キバ』いってみたいと思います(二週目は早くも三位に落ちてましたが・・・・)
いかなる理由かモモタロスたちと同様、大消滅を生き残ったイマジン・ネガタロス。彼はキバの敵であるファンガイアや指名手配犯と手を組み、悪の一大組織を立ち上げる。
これに対抗すべく良太郎とモモタロスたちは「デンライナー署」を設立。しかしネガタロスたちは手ごわく、客員鈴木刑事の空回りぶりもあって、事件解決はなかなかにはかどらない・・・

昭和時代はピンチになると、先輩が助けにきてくれるのが恒例行事だった仮面ライダー。しかし平成に入ると各作品の世界観があまりにはっきりしすぎているためか、こういうタイトルを越えての共演は見られなくなってしまいました。ところが今回はいかなる経緯か夢の共演が実現。そのせいか、この映画は企画が立ち上がった時点ですでに十分満足してしまっている自分がいます(笑)

例によって一本の映画としてはアレなところもありますが、こういう作品は普通の映画を観るような目で見てはいけません。フィギュアスケートで選手が転倒しても、とっさに目をそむけて見なかったフリをしてあげるくらいの優しさで鑑賞しましょう。選手が好みのタイプであればむずかしくはないはずです。

以下は思ったことをダラダラダラダラ書き連ねてみました。そこそこネタバレしてますんで、未見の方は注意してください。

おまけムービー『モモタロスのキバっていくぜ!』
実は前作?『モモタロスの夏休み』はイマイチついていけんかったのですが、今回は普通に笑えました。キバットが何か重要なことを言おうとしていたような・・・・

『キバ』劇場版予告(最初に流れた方)とオープニング。普段テレビで見慣れたはずの映像が、大スクリーンでみるとずいぶん迫力を増して見えるのにおろろきました。

イマジンたちにキメポーズをとるチーム・デンライナーの皆さん。連中、実は戦隊にあこがれていたのかも

大消滅のあとも普通に活動してるイマジン。あと侑人は変身するたびに誰かの記憶を消費しているということでしたが・・・・ いや、考えるな! 考えてはいかん!

今回の人間代表・鈴木刑事。最初は「人間の刑事なんていらんだろ」と思ったけど、意外や意外の大活躍。彼のふんばりがこの映画を単なるお祭りムービー以上のもの、キチンと『電王』のスタイルに合わせたものにしています。彼がこの映画の裏の主役といっても過言ではありません

その鈴木くん 「答え聞こうよ~」 ・・・いい。実にいいツッコミだ!

町で無法の限りを尽くしたあとデンライナーに戻ったリュウタを待っていたものとは・・・
細かい設定はスルーしてもこういうことは忘れない靖子さん。素敵だ!

あくまで人間の姿で戦い続けるファンガイアたち。その理由とは?
①怪物の姿をもたないヒューマンファンガイアだから
②予算の都合
たぶん②

二代ヒーロー夢の共演。バイク併走にダブルライダーキック。
・・・ダメですね。こういうのを見ると条件反射的にテンションがガンガンあがってしまいます

事件解決に貢献したご褒美に、22年前につれてってもらえた鈴木くん。そこで彼が見たものとは・・・
鈴木君が感動にうちふるえているすぐそばで、相変わらずアホっぷりをさらしている某バイオリニスト(笑)
鈴木パパとのあまりの落差がすごい

20080427185035最後に細かいことを一個
本作品、『仮面ライダー電王&キバ』というタイトルでしたが、正確に言うなれば『仮面ライダー電王(キバもちょこっとあるよ!)』な内容だったと思います。
そゆわけで、次はもっと良太郎と渡がガンガン絡むお話が見たいなーっと。一応今回で『電王』は見納め、みたいな話も聞きましたけど、東映さん、わかったでしょう? 二大共演モノはおいしい商売ですよ!


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April 25, 2008

黒いパンダが舞い降りた 約十二ヒット目

そのいち 桜の花びら散る度に

2008040716442512pm1112pm1212pm13 主
 演

 松
 方
 弘
 樹


そのに 大いなる陰謀 序章

12pm2112pm22 ネ
 コ
 は
 三
 日
 で
 |


そのさん 大いなる陰謀 天啓編

12pm3112pm3212pm3312pm34 火
 の
 な
 い
 所
 に
 |


そのよん 大いなる陰謀 不屈編

12pm4112pm4212pm4312pm44 ど
 っ
 ち
 も
 ど
 っ
 ち


そのご 世界の中心で、アッガイを叫ぶ

12pm5112pm5212pm53 そ
 れ
 だ
 け
 で
 い
 い


そのろく アッグガイも叫ぶ

12pm61
 し
 ら
 ん
 だ
 ろ
 う


そのなな 届かぬ思いがまたひとつ

12pm7112pm72 マ
 ジ
 カ
 ル
 頭
 脳
 力


 次  回  未  定

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April 23, 2008

さあここで迎えるバッターは四番、ピッチャー・・・ ひぐちアサ 『おおきく振りかぶって』④地区予選前夜編

20080423193823ようやくキャプテンも決まった西浦高校野球部は、いよいよ夏の大会に向けて準備を整える。全員一年生の彼らが強豪たち相手にまともに戦うには、それこそ寝る間も惜しんで練習するしかない。しかし彼らにはその前にもうひとつ攻略しなければならない関門があった。それは期末試験・・・・・

これまた数ヶ月ぶりの『おおぶり』レビュー四回目。今回は主に単行本第4巻を中心に。いままでの記事はこちら一回目 二回目 三回目

スポーツマンガの傑作によく見られる要素のひとつに、「練習場面が面白い」というのがあります。普通ひとが黙々と修練に励んでいるところなんて、見ていてあまり面白くないものですが、描く人が描くとこれがけっこう燃え上がるんですね~ 『あしたのジョー』『キャプテン』『スラムダンク』『はじめの一歩』etc
ことに主人公が比較的凡人、あるいは素人の場合は、この「練習部分」の描写が非常に大切になってきます。この辺の描写が丁寧であればあるほど、後の勝利がいっそう説得力とカタルシスを帯びてくるからです。
その点は『おおぶり』においても同様です。さすが実際の球児たちを徹底取材しただけあって、そのメニューの内容が実に細かいこと。
ただ『おおぶり』がそれまでの多くのスポーツものと違っているのは、彼らの練習がハードであると同時に「とても楽しそう」ということですね。読んでる側が自分の年齢も省みずに、一緒に運動したくなる」くらいに。このテーマについては河合克敏先生の『帯をギュッとね!』でも扱われたことがありました。特訓というのはそもそも苦しく辛いもの。それをどうやったら楽しくできるのか・・・・ マゾになるのか? いやそうではなく
それはズバリ「工夫」以外の何物でもありません。ご褒美を用意したり、遊びの要素を取り入れたり、などなど。あと楽しい仲間と一緒に励んでいると、苦しいことでもいつの間にか楽しくなってしまうということはよくあります。この辺、社会人も大いに学べる点のような気がします。

この巻からは応援団長となるハマちゃんこと浜田も登場。彼や選手たちの家族など、野球部を支える人たちを丁寧に書いているところも『おお振り』の特色のひとつです。

それではチェックポイントをー

・極マズプロテインを飲む手助けをしてやったり、劣等生の勉強の面倒をみてやったり、ここに来て急に頼もしさを増してくるキャプテン花井。イヤミばっかり垂れていた初登場時と比べると、まるで別人です。いまんんところ、花井くんがかっこいい場面は、この辺とあともう一個くらい(笑)

・赤点のピンチを迎え、強制的に勉強させられることになる三橋と田島。野球漫画で始めて「赤点は試合に出れない」ということを明らかにしたのは、ちばあきおの『プレイボール』じゃないかと思います。以後こういう話は『スラムダンク』や『逆境ナイン』でも扱われ、最近ではもう定番っぽくなってるような気がします。
もっとも勉強会はなしくずしに誕生パーティーへと・・・・

・地区予選抽選会場に現れる猛者たち。ここで特に目をひくのは県下でも1,2を争うと言われてるARC学園高校。二枚目率の高い『おおぶり』世界のなかでは、珍しいくらいのイロモノぞろい。果たして本格的な登場はいつのなるのやら・・・・

・このあたりから急に出番が増えてくるセンター泉くん。「三橋・田島とクラスが一緒」ということが大きいような気がする。髪も伸びて田島と区別がつきやすくなったし

・おまけ漫画など。それほど目立って器量良しとも思えない三橋母だが、結果的には大金持ちの御曹司をゲットできたわけで。やはり女は器量より気立てだろうか。

20080423193743さて、5巻からはいよいよ波乱の地区予選一回戦がスタート。これがまた燃えます!
次はもうちょっと間隔あけないで書きたいものであります・・・・

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April 20, 2008

オゲレツ大百科 パールフィ・ジョルジ 『タクシデルミア ある剥製師の遺言』

20080420205244ハンガリー発、へんてこな三代の一族の物語。

初代のモロジュゴバーニは、国境警備を勤めるしがない下級兵士。つまらない日々の業務や、上司からのプレッシャーから逃れるためか、彼はただただチ○コをこすることに喜びを求める。
二代目のカールマーンは、もってうまれた大食いの才能を生かし、その道での世界チャンピオンになることを目指す。だが彼は飽くなきフードファイトの最中、女子の大食いチャンプ・ギゼラと恋に落ちてしまう。
三代目はラヨシュ。先代・先々代と違ってハンガリー、もといハングリー精神を持たぬ彼は、なぜかひたすら剥製を作ることに没頭する・・・・・

こちらは鑑賞前に「とんでもなく気持ち悪い」「果てしなく悪趣味」という評判を聞いていて、それなりの覚悟を決めて劇場に入りました。確かにすごかった。すごかったけど・・・・ 耐えられないほどではありませんでした。しかしまあ、作品の持つバッドテイスト、ならびにホラパワーには素直に圧倒されます。

似た類の作品というと、ちょいと位置的にはずれますが、『ほら吹き男爵の冒険』とか。ロシアに伝わるエロ昔話なんかとも通ずるものがあります。どういうのがあるかというと、百姓が種をまいた畑から、三尺ばかりの赤い頭のチ○コがぎっしり生えてきたり、チ○コがうぐいすのような美声でさえずって王女様とりこにしたり、はたまた若者のチ○コがぐんぐんと空高くのびて、その先に姑がへばりついていたり・・・・ ってチ○コばっかじゃねえか!

・・・・・あと山田風太郎や筒井康隆の奇想短編なんかともけっこう近いものがありました。

趣味がバラバラのように思える三代の男たちですが、「中にモノを入れる」プラス「中からモノを出す」という点においては一応共通しています。この対照的な二つの作業が意味するものが何かといえば・・・・

よくわかんなーい

どなたかインテリジェンスな頭脳をお持ちの方、ご意見お待ちしております(ダメだこりゃ)

さて、これだけではさびしいので、またしても当店おなじみのムチャ解釈でもしてみましょう。こっから先はかなりネタバレしてるので、未見の方はご注意ください。

えーとね、この映画ですね。実は「人間はどこまで宇宙に近づけるか」ということをテーマにした話だと思うのですよ。三代をそれぞれ小宇宙・もしくは天体になぞらえてみましょう。

まず祖父のモロゾフジョバンニ。彼は自分という天体から別の天体へ飛び立つことを夢見ています。豪快にチ○コからファイヤーを吹いているシーンがありましたが、あれはたぶんチ○コをロケットに見立てているのだと思います。幾多の艱難を乗り越え?宿願かなった彼でしたが、その先に待っていたものとは・・・・

ついで二代目のカンパネルラマン。彼は自己の肉体をひとつの宇宙へと発展させようと考えます。これについてはけっこうあからさまなセリフがありました。そのため多くのものを貪欲に取り込み、また取り込んだものをプロミネンスもごとく放出したりします。

しかしどれほど肥大化したとしても、それが肉体である以上、やはり限界があります。それをそばで観察していたラヨシュは、また別の方法をとります。すなわち自我を捨て、無となる・・・自分を一個の物体とすることで宇宙全体に溶け込もうとします。肥大化しつづける恒星ではなく、ほぼ無限に変わらぬ状態を保つ、惑星となることを選んだのでした。
・・・・・われながら苦しい(笑) でもラヨシュが作ったけったいな機械はどこか天体の運行モデルと似ていましたし、語り手がラスト近くで手に入れるおぞましき物体は、もしかしたら『2001年宇宙の旅』へのオマージュだったのかもしれません。

(追記:これ書いたあとに思いついたんですが、三世代で一人の人間の一生を表してる・・・とも考えられるかも。ただリビドーに突き動かされる青年期、物欲と名誉欲に支配される壮年期、そしてやっとこ人生と死の意味について考える老年期・・・・という具合に)

さらに初代=猿 二代目=ブタ 三代目=カッパとみるのであれば、『西遊記』のパロディとも考えることが・・・できないか すいません。ただの思いつきです。

20080420205346ドイツ以東のヨーロッパの人たちって、どこかカチコチのイメージがあったんですけど、そういうところからこういうお下劣バカ話が出てくるのはちょっとうれしい・っていうか、見直さなくちゃならないなあ

あとわたしはその後も普通にご飯入りましたけど、ちょっとぐろいの苦手という人は、前もってご飯を食べてからご覧ください。死ぬほど苦手、という方はいっそその日は食を抜いた方がよいでしょう。たぶん吐きます。うん。げろげろげろ。

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April 18, 2008

あつ姫じゃ~っ!! ~大河ドラマ『篤姫』より⑤ 妖怪どもをぶっとばせ!の巻

あつ姫 「あつ姫じゃ~っ!!」
肝付 「肝付尚五郎です」
西郷 「西郷吉之助です」
あつ姫 「か~っ! ここが雷門か! しっかし東京名物かみなりおこしはうまいな! おい!」
西郷 「すっかりおのぼりさん状態でごわすな。? 肝付どの、お顔が優れぬようでごわすが?」
肝付 「西郷さんはいいですよ・・・ なんだかんだでこっちに転勤になったんですから。わたしなんかこのくだらない用事のためにわざわざ鹿児島からやってきたんですよ? 時間もお金も労力ももう限界です
西郷 「肝付さあはそうおっしゃられますが、こちらでアレのわがままに四六時中つきあっているのも、並大抵の苦労ではごわはんど?
あつ姫 「こら~! お前らとっととついてこんかい! 次は東京タワーと六本木ヒルズに行くからな」
西郷 「おそれ~ながら~姫様~ そのようにハメをはずされておりますと、あとで大奥様からお叱りを受けますよ?」
あつ姫 「ほっとけ。あんな即身仏」
肝付 「そんなこと言っちゃっていいのかな~ ぼく言いつけちゃおうかな~ にひひ」
あつ姫 「(白刃をふりかざして)言いつけたらどんなことになるか、お利巧な肝付くんにはわかるよね?
肝付 「もも、もちろんです! 今のはほんのジョークっす!!
西郷 「英姫さまといえば~ よくわからないところがあり申す~ あのお方はどうしていつも顔の下半分を隠しておられるのでしょう?」
あつ姫 「言われてみればそうだな。えなり、なにか知ってるか?」
肝付 「は。説としては1:アラビア舞踊に凝っている 2:花粉症 3:口元のでかいおできを気にしている ・・・・そんなところですね」
あつ姫 「まあなんだっていいや。ともかくただならぬ気配というか、いっつも妖気を身にまとってるよな。あのおばはん」
肝付 「そりゃ中の人が『妖気ミコ』ってくらいですから」
西郷 「ひいいいいい!
あつ姫 「どした? 西郷」
西郷 「やめてくだされ、おいどん、そげなお話が大の苦手なんでごわす!」
あつ姫 「でっけえ体してるくせに気の小せえ野郎だな・・・・ そういえばこんな話知ってるか? この家のトイレ、実は昔墓場だったらしいんだが・・・・」
西郷 「お願いでごわすうううう!! やめてくくだされえええ!!
肝付 「(冷笑)弱いものいじめはやめましょうよ。あと先日姫様が殴りこみに行かれたお由羅の方様、あの方も実は日本征服をたくらむ妖怪では・・・・という声があります。九尾の狐のタマモの前とかなんとか」
あつ姫 「ああ、『うしおととら』に出てきたやつね」
肝付 「今ならむしろ『NARUTO』でしょ」
あつ姫 「どっちにしても日本征服をたくらむなら、もう二・三代あとの殿様に憑けばよかったのに。あのじっちゃんについたところでいまさらなんの意味もないだろ」
肝付 「そうですねえ。うっかりタイミングを間違えたのでは? ところで西郷さん、こっちの話は大丈夫なんですか?」
西郷 「ご心配なく! おいどん、キツネうどんは大好物でごわすから! それにあの匂い立つような熟女の色香・・・・ 噂通りでごわした。ハアハア
あつ姫 「てめ! あん時やけについて来たがるから何かと思えば、そういう理由だったのか! まあ、なんだ。女たちの嫉妬とか怨念とかが渦巻いていてきて、ますます『大奥』っぽくなってきたじゃねえか。これでこそ美人女優の腕の奮い甲斐があるってもんよ!」
西郷 「おいどんはむしろ『ゲゲゲの鬼太郎』に近づいて来たような気がするでごわす」
肝付 「妖怪みたいな人ばっかりですからね。松坂慶子さんも『さくや妖怪伝』ですごい役やってましたし」
あつ姫 「てめえら、また好き勝手なことを・・・・」
? 「(甲高い声で)おい、ア太郎!」
あつ姫 「なんだ? このけったいな生き物は?」
目玉のオヤジ 「けったいとはなんじゃ! お前の父じゃぞ!」
あつ姫 「げえ! 父さん! いったいなんでそんな姿に!?」
オヤジ 「お前のことが心配で心配で、なんとかして現世にとどまることを願っておったら、こんな姿になってしまったのじゃ。いいか、よく聞けア太郎。お前は実は幽霊族最後の生き残り・・・・」

べし

あつ姫 「(踏み潰しながら)お父さん、空の上でずっと見守っていて! あたし、きっと天下とってみせますから!
肝付 「うわ、お父さんペラペラ・・・」
西郷 「まっこと恐ろしきオナゴにごわす・・・・
肝付 「そんなわけで『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』は2008年7月12日より公開です」
西郷 「みんな! 見にきてね!」
あつ姫 「そんなの関係ねえ!」
020080407182504

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April 16, 2008

美少女戦隊ヴィヴィアンガールズ ジェシカ・ユー 『非現実の王国で ヘンリ-・ダーガーの謎』

200804161801421973年、一人の男がこの世に生を受けました。男の名はSGA屋伍一。彼の存在は世界平和を百年早めたと言われていますが、同時にギャグの歴史を二百年遅らせたとも言われています。
そして同じ年にアメリカのシカゴで、ほとんど誰とて知ることなく、一人の老人がこの世を去りました、老人の名はヘンリー・ダーガー(もしくはダージャー)。大家夫妻は彼の部屋を整理していて、驚くべきものをみつけます。それは15000ページの原稿と数百枚の挿絵からなる物語『非現実の王国で』。ダーガーは一体なんのために、なにを思い、それほどまでに膨大な量の仕事を成し遂げたのか・・・・・

まずは『非現実の王国で』の内容から。子供を迫害する邪悪な王国グランデリニアン。そこで奴隷として虐げられていた七人の姉妹・ヴィヴィアンガールズは、驚異的なモンスターやアビエニア国の助けを借りて、グランデリニアンの軍人たちに果敢に戦いを挑みます。
ダーガーさんのアートは全体的にファンタジックでメルヘンチックであるものの、時に悪趣味で時に残酷。裸の少女にペニスがついていたりとか、内臓をぶちまけて死んでたりとか。そのアンバランスな組み合わせは、異様な迫力を持って見るものの心に突き刺さります。

ダーガー氏は極端に人付き合いを避け、ほとんど仕事場とアパートを往復するだけの日々を送っておられました。後に知られることになるわけですが、彼の人生の中心はアトリエであるそのアパートの一室ありました。ひたすら空想を広げ、絵と文章を書き続ける毎日。言ってみればひきこもり系オタクの元祖みたいなものかもしれません。ただ凡百のオタクと違うのは、彼が萌えていたのは他者が作ったものではなく、自分の作り上げたキャラ・世界だったというところ。
いつも同じ服を着て、ゴミ箱をあさり(資料集めのためだったらしい)、部屋の中で奇怪な声をあげていたダーガー氏は、周囲の人々から少なからず奇異の目で見られていたようです。

昨年末劇場でこの映画の予告を見たときから、彼の存在はわたしの心を強くとらえていました。人はなぜ文章を書き、物語を作るのか。「食ってくため」という人もいるでしょうけど、それを生業にできるのはごくごく一部の人間だけです。
また別の理由として「自分の存在を世に知らしめたい・知ってほしい」というのがあります。自己顕示欲、といってしまえばそれまでですが、こうした欲求は多かれ少なかれ誰の心にもあるものではないでしょうか。わたしがこんなやくたいもないブログを続けている理由のひとつも、その辺にあるような気がします。
また、創作とは関係ないところで、人はどうしても人のぬくもりを求めたがるものであります。それらの欲求を軽く超越しちゃってるこのダーガーさんとは、いかなる人物なのか・・・・ その答えが知りたくてたまりませんでした。

で、作品を見て得た自分の答え。「人はなぜ物語を作るのか」 それはやはり、それが好きだから、でしょう。他人が見る・見ない以前に、想像をめぐらしてストーリーをつむぐこと・・・・ それを生まれながらの欲求としてもっている人々がいます。ことにダーガー氏の場合は好きというより、空想を巡らすことが息をするように自然なことだったようです。証言によると「恐らく寝る時間も極めて少なく、いつも机につっぷすように寝ていた」とのこと。ただの義務感や逃避では、それほどの情熱は注げないはずです。

あと極力人との関わりを避けていたダーガーさんですが、そんな彼にもごくわずかながら心を許していたひとたち、支えとしていた人々がいました。それを知って「やはりひとは一人では生きられないのだな~」ということをしみじみ感じ、ちょっとほっとしたりしました

もっともこの映画は、わたしみたいに(笑)無理やり答えを出そうとはしません。そもそも主題となってる人物の姓ですら本当は「ダ-ガー」なのか「ダージャー」なのかわからない。さらに彼を知る人たちの証言も、自信を持って言ってるわりにはけっこう食い違っていたりしていて。また『非現実の王国で』の中にも「なんでこんな風にしたんだろ」という謎が無数にちりばめられています。監督はそれらの疑問に関して「ただわからない」と述べるだけ。それがヘンリー・ダ-ガーという人物の正体をいっそう不確かで、幻想味の強いものにしておりました。

20080416180203友達もほとんどなくご近所から不気味がられてるダーガーさんに、将来の自分の姿を見る思いでした(笑) おらもダーガーさんに負けずに、ひさしぶりに創作活動に励んでみようかしら。
あと狭い範囲で観察したところによると、男の七割はさびしがり屋さんで、三割はナルシストですね。たち悪いのは両方兼ね備えているヤツ。わたしですか? うふふふふ(きんもー)

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April 13, 2008

適当掲示板63&薔薇はないけど桜はあるSGA屋

数少ないリピーターのみなさま、毎度ありがとうございます。一見さんもありがとうございます
ご意見、ご感想、そのほかありましたらこちらへ書き込んでやってください


さて、例年ならばこの時期は友人・知人らと連れ立って伊豆高原へお花見へ向かうのですが、今回はみなさんそろって忙しかったり調子を崩してたりで、みごとに流れました。
んで、仕方ないので先日小田原まで映画を見に行った際、道中の桜をパチパチと撮って来ました。さみしー!!

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いい加減散り掛かっているのがさらにさみしさを際立たせてますね。上段左三つは小田原城付近で、右端は根府川あたりで、下段左端は真鶴あたりで、右三つは熱海で撮りました。
ついでに前に一昨年撮った画像も貼っておきます

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まあ伊東へ行ったらこういうのが観られたはずなんですわ。
先日ラジオを聴いていたら福山雅治兄貴がこんなことを言ってました
「東京出たてのころは桜が咲いていても全然気づきもしなかったねー。その日のパチンコの結果のこととか考えてた。それから歳を重ねてきてようやく気づくようになたって感じ」
てめえ! 『桜坂』とか歌っておいて・・・・
でもわたしの若いころとだいたい一緒です(笑)。違うのは考えてたのがパチンコじゃなくて漫画とか映画だったということ


ついでにこれまで撮ったお花の画像もあげときます。まずは三十郎(・・・・)ということで椿から

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左と真ん中のは「きれいに咲いたから残しとけ」とママンに命令されて、強制的に撮らされたものです。右のは山方面を歩いていた時見つけたもの
オレ 「これ・・・・バラだよね」
ツレ 「違うよ! 椿だよ!」
オレ 「だってバラみたいだよ?」
ツレ 「葉っぱが全然違うでしょ!」

ま、わたしのフラワーに関する識別力なんてその程度のもんです。


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左はハスの花。ハスの花とゆーのはそれなりに珍しいんだそうで
真ん中と右は一昨年と昨年のツツジ。ツツジは躑躅と書くんですが・・・ みなさん書けますか?


番外 ネコ草

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現在学者たちの間で植物なのか動物なのか議論が沸騰中だそうです。
特徴:ニャアとなく
備考:居心地はいいのか?


20080413184507春のあたたかな風のせいかしら・・・
最近のアタシ、ちょっと乙女チック


・・・ただいま本文中に大変不快な表現があったことを深くお詫びします
SGA屋伍一でした

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April 11, 2008

奇天烈バッファローズ 五味康祐 『柳生武芸帳』(上巻のみ)

20080411190724なぜか時代からとっぱずれた作品ばかり扱っている読書コーナー。本日もお若い方はまず知らないであろうこんな本を。武芸者ものの大家五味康祐氏の代表作『柳生武芸帳』。とりあえず上巻だけ読み終わったのでご報告をば。

時は寛永。唐津城大広間では張り詰めた空気が漂っていた。藩の武芸師範役、山田浮月斎が藩主唐津堅高に、「自害なさりませ」と詰め寄っていたからである。その理由を浮月斎はこう述べた。「殿の企みはすでにご公儀に見破られてございます」
果たして、城内に曲者が忍び込んでいることが判明。曲者はしとめられたものの、この時より浮月斎門下の忍びのものたちと、将軍家武芸指南役、柳生一族との戦いが始まった。そして戦いの勝敗は、柳生家がひたかくしにしてきた、謎の「武芸帳」にかかっていた・・・

主要登場人物は柳生一族のみなさんと、浮月斎の弟子である多三郎・千四郎兄弟。これにわけありの浪人、神矢悠之丞や、肥前龍造寺家の再興を願う夕姫や賀源太らがからみます。
んで、「武芸帳」の争奪戦を縦糸に、ひたすら「バトル」「陰謀」「新キャラ登場」が繰り返されるという内容(笑)。五味先生という方はどうもサービス精神が旺盛な方だったようで。この小説はもともと新聞に連載されたものだったのですが、「一日一回は見せ場を作らんと!」とがんばった結果、話がすすむにつれどんどん筋がややこしくなり、どんどん登場人物も増えていくという有様。しまいにゃ先生も把握しきれなくなったようで、映画の試写を観た際、「ああ、『柳生武芸帳』ってこういう話だったんだ」と申されたとか まあいうなれば元祖『少年ジャンプ』みたいな作品ですね。

・・・・気を取り直して。上巻を読み終えて特に印象に残ったのは、主要登場人物の酷薄さでしょうか。やはり人間が書いてる以上、メインキャラにはそれなりに作者の感情が反映されるものですが、柳生の皆さんも多三郎・千四郎も恐ろしいほどに無感情であります。どいつもこいつも、本当に相手を殺ることか出し抜くことしか考えていません。「ハードボイルド」と銘打っていても意外とメロメロな作品が多い中で、このどこまでも冷徹なカラーは特筆に値します。ただ解説によりますと、中巻・下巻とすすむにつれ、連中にも次第に人間らしい感情が芽生えてくるようなのですが・・・・

さて、以前山風の記事で「隆慶一郎は山風から影響を受けたのではないか」というようなことを書きました(コチラ)が、この作品からもだいぶインスパイアされているような気がします。隆先生も柳生一族に関しては『柳生非情剣』で一通り扱われてますし、肥前鍋島藩におけるごたごたは『死ぬことと見つけたり』で、後水尾天皇の一連の事件は『吉原御免状』『花と火の帝』で題材にされております。もちろん隆先生だけでなく、後代の伝奇作家に与えた影響は計り知れないものがあるでしょう。また戦国時代の豪傑譚や武芸者たちにまつわる有名な逸話などもふんだんに紹介されていて、その手のお話が好きな方にはたまらない小説となっております。

えー、ただですね。この後さらに中巻、下巻と読み進んでいくのが筋なんでしょうけど、ちょっと自信がありません。なんでかというと、読むのにけっこう労力を要するからなんです。これはわたしが買った版が古かったからなんでしょうけど、使われいる漢字がやたらややこしい。例えば「正體」「證據」「膽力」とか。それぞれわかりやすく書くと「正体」「証拠」「胆力」だと思うんですけど、意味を考えながら読んでくと非情に時間がかかるんですね。あと解説や高野正宗さんから頂いた情報によりますと、この作品、上中下の大ボリュームでありながら結局未完なんだとか(笑)

20080411190800_2男子たるもの、一度手をつけたからには最後まで読み通したいものですが、その「最後」がないとなるとちと辛い・・・・

『柳生武芸帳』は少し前に文春文庫からも上下二分冊で復刊されています(わたしが読んだのは新潮文庫版)。こちらは漢字読みやすくなってるかもしれません。

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April 09, 2008

凶運のクローバー J・J・エイブラムス 『クローバーフィールド/HAKAISHA』

20080409194420近年、世界はますます怪獣に対し冷たくなってきました。
ゴジラもガメラもシリーズは止まっちゃうし、ネッシーの有名な写真は偽造だったことがわかっちゃったし、ニューネッシーは実はウバザメだったことが判明したし・・・
そんなご時世にあえて怪獣映画をやろうという。お前ら正気じゃない! でも大好きだ!
そんなバカどもの親玉は、人気ドラマ『LOST』をてがけたJ・J・エイブラムス。そしてタイトルは『クローバーフィールド/HAKAISHA』です。

その日NYのあるアパートでは、破壊者じゃなくて会社の都合で日本へ旅立つ事になった、ロブのお別れパーティーが開かれていました。
「HEY、ロブ。ジャパンにはゴジラとかいうとんでもねえバケモノがいるらしいぜ? 食われないよう気をつけろよ!」
「よせよジョニー、やつなら今日もヤンキースでプレイしてたじゃないか
「SIT! こいつは一本打たれた!」
「それを言うなら『取られた』だろ? HAHAHAHAHAHAHA」
この会話をどこからか聞きつけたゴジラは激怒。「本物はこのワシじゃ! バカちんが!」とマンハッタンに襲来。あたりはたちまち火の海と化します。
そんな時、大統領の口から驚くべき言葉が発せられます。
「実は自由の女神像は、対怪獣用に作られたロボット兵器なのだ・・・・」

あ、本当なの最初の一文だけだわ。

この『クローバーフィールド』の特徴は、「素人がハンディカムで撮った映像」という設定になっているということ。うん、素人にしてはかなりがんばってましたね(笑)。ただ悲しいかな、ハンディカムではやはり限界があります。巨大な怪獣の全体像をなかなかとらえきれていないのです。ご存知のように巨大なものを撮影する時は、かなり後ろにひかないと対象をフレームにおさめきれません。しかし後ろにひいたらひいたで今度はビルの群れが邪魔をします。・・・マジメに考えるなら、『ジョーズ』『激突!』のように「あえて全体像を見せないで恐怖感をあおる」、そういう狙いなんでしょうね。

さて、ここからは当店おなじみの妄想モードに入ります。ついてこれる方だけついてきてください。シートベルトはしめましたか? あっ お客さん逃げないで! 
・・・・えー、まず冒頭でくどいくらいに「日本日本」と申してますが、これはたぶん「うちら、『ゴジラ』リスペクトしてますから!」というアピールなのでしょう。
んでこの「ゴジラ」、実は西郷さん、もしくは南海に散った英霊たちの怨念なのでは、という説があります。
論拠をあげてみますと
①南方から来る
②新政府に敵意を抱いている
③(ここ重要)なぜか皇居をよけて通る
おえらいさん達は憎いけれど、陛下だけはどうしても憎めない。そんなところが西郷&英霊たちと重なるというわけです。
実際のところは映像とはいえ、「さすがに皇居をぶっこわしたらまずいだろう」というスタッフの判断によるものかと思われますが・・・・
ただ、この『ゴジラ怨霊説』に真正面から挑んだのが金子修介監督の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 怪獣総攻撃』だったりします。

んんで、今回の主役のクローバー。彼ももしかすると「アメリカに敵意を抱くものたちの怨念なのでは・・・・」と思わせるところが随所に見られます。同様に論拠を挙げてまいりましょう
①いきなり意味もなく?自由の女神像の頭をかっとばしたりしている
②ミサイル攻撃にもあまりこたえていない様子のクローバー。怨念が物理攻撃では解決できないところと似ています
③全体像がなかなかわかりにくいクローバー。人の怨念も目に見えて現れるのは全体のごく一部で、どれほどの人にどれほど深く宿されているのか、推し量るのは難しいものです。
④ビルが倒壊してざざーっと押し寄せてくる砂塵。そして敵に対して米軍が行う無差別絨毯爆撃。9.11の時にニュースでよく見た光景。
食欲以上の執拗さでもって人間たちを追い回しているところにも、強い「怨念」が感じられます。
そういえば『ゴジラ』第一作も第二次大戦の惨劇の記憶が覚めやらぬ、というか微妙に冷めかかった時に作られたんでしたっけ。9.11からはや数年。あの時の衝撃も、さすがに風化し始めています。JJも円谷氏も「そんなに簡単に忘れてしまっていいのかい?」ということを怪獣映画という形を通して訴えたかったのかもしれません。問題はそれがどれほどの人々に伝わるか、ということです
怨念と国家の都合が渦巻く中、愛する女を救おうと、瓦礫の中を必死にかけずりまわる主人公。貿易センタービルが崩れた時にも、わが身をかえりみず、炎の中に飛び込んでいった救命士たちがおりました。果たして愛は怨念に打ち勝つことができるのでしょうか。

とまあいろいろ屁理屈こねてみましたが、これからご覧になる方は全部忘れて、単純にモンスターパニックムービーとしてお楽しみください。ほんで見終わったあとにでもまた思い出していただければ幸いです(なんじゃそらー)
やっぱり怪獣映画は大スクリーンで観るに限ります。テレビで観るとどうしても怪獣がちっちゃくなっちゃいますからね。特にクロちゃんは切れっぱしくらいしか姿を見せてくれませんので、ブラウン管だとなおさらちゃっちく見えてしまうことでしょう。

20080409194604ところで全編見終わっても、なぜアレが「クローバー」と呼ばれているのか、その理由はわからないままです。クローバーといえば幸運のしるし。アルカナでいえば農民、もしくは棍棒。わたしが思いつくのはその程度です。ちなみに四葉のそれぞれの葉は信仰、希望、愛、幸運をあらわしているということですが・・・ ますますわからなくなってきたーっ!!
正解をご存知の方はどうぞ教えてやってください。よろしくメカゴジラ。


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April 07, 2008

みんなで笑おうケケケのケ 水木しげる 『墓場鬼太郎』(アニメ)

020080407182504友人のお子さんのK君(たしか4歳)は、『ゲゲゲの鬼太郎』が大好き。まだテレビが白黒だったころに誕生したというのに、現代のちびっ子たちのハートをもとらえている「鬼太郎」というキャラは本当にすごいな、と思います。
昨シーズンでは驚くべき事に、二つの異なるヴァージョンの『鬼太郎』が放映されていました。ひとつはいまなお放送中の『ゲゲゲの鬼太郎』(第五期)。もうひとつは深夜に放送されたこの『墓場鬼太郎』です。

『鬼太郎』はそもそも紙芝居のお話の中で生まれたキャラクターでした。それが貸本漫画となり、さらに少年マガジンに連載され、テレビアニメになるに至って絶大な人気を誇るようになります。んで、連載初期までは『ゲゲゲ』ではなくこの『墓場』という冠言葉がついていたのでした。今回のアニメではもっぱら貸本漫画での『鬼太郎』をベースとしております。

数年前の桐生操氏のベストセラーによって広く一般に知れ渡ることになりましたが、グリム童話というものは本来あんなにメルヘンチックなものではなく、もともとはもっと残酷でドス黒いお話でした。『墓場鬼太郎』もそれと似ています。少年漫画に舞台を移してからは正義のヒーローになってしまった鬼太郎くんですが、貸本版ではもっとダークなキャラクターです。基本的に人間のために何かしようなどとは考えてませんし(美少女は除く)、故意でないにせよ周りの人間を不幸に陥れてしまうことさえあります。

じゃあ墓場版の鬼太郎は何のために戦うのかというと、それは単に生きるため、もしくは食べるためだったりします。お金を稼ぐために妖怪にちょっかいを出して、猛烈なしっぺ返しを食う、なんて話もありました(笑) 
特に2話、6話、7話などは壮絶なる妖怪サバイバル・バトルが展開されます。さらに妖怪だけでなく、欲深な人間たちまでそれに参加することもしばしば。
ほんでこいつは重要、もしくは最強だろ、と思っていたキャラが非常にあっけなく退場していきます この辺には地獄の戦場を歩き回った水木先生の実体験が反映されているのかもしれません。
ではさぞ殺伐とした話なのかというと、たまーに怖いムードの時もありますが、全体的にはなんともあっけらかん、としたと空気に包まれております。これまた水木先生のお人柄が反映されているような。
以下は当ブログのお得意様が支店にて教えてくださった話。みなもと太郎先生との対談におけるあるやりとり。

水木  「あのとき死んでいった戦友たちのことを思うとねぇ・・・・・
   ・・・・戦友たちのことを思い出すとねぇ・・・・」
みなもと「はい・・・(やはり胸にせまるものがあるのだな)」
水木  「・・・・・だんだんとねぇ、
     愉 快 な 気 分 になってくるんですよぉ~~~!」
みなもと「・・・・・・(妖怪じゃ!)」

まさに妖怪です。そうとしか言いようがありません

あと『ゲゲゲ』がアニメ化のたびに舞台をその時代に合わせているのに対し、『墓場』は発表当時の戦後まもなくを舞台としております。古ぼけた昭和の風景・風俗に郷愁を感じると共に(トランプ重井なんて人も登場します・笑)、「物価はすべて値上がりになったんです」「誰が政治しとるのか!」なんてセリフに「今と全くおんなじだw」と思ったり。

さて、『鬼太郎』は現在実写劇場版第二弾もスタンバッております。この状況について京極夏彦先生がある雑誌でこのようにおっしゃってました。
「いわば仮面ライダー第一作と『BLACK RX』と『電王』を同時にやってるようなものですよ。本当にすごいキラーコンテンツです」
京極先生・・・・ その例えは熱すぎるぜ・・・・
でもより正確にいうなれば、『BLACK RX』でなくて『FIRST』だと思うけどナー(オタクってやあね)

020080407182534『墓場鬼太郎』は先日好評のうちに全11話を放映終了しましたが、現在DVDが順次発売予定。『ゲゲゲ』とはまた一味ちがったブラックユーモラスな世界を、ご興味おありの方はぜひお試しください。


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April 06, 2008

マンホールから飛び出して ケヴィン・リマ 『魔法にかけられて』

20080406203347漫画の国からやってきた

ちょっと飛んでるお嫁さま


昔々、千葉県浦安市というところに、夢と魔法でできたすんばらしー王国がありました。しかしそんなファンタジックなランドにも、時として醜い権力争いが生じます。いい加減いい年になってきた女王は、権力の座を継子とその嫁にゆずるのが我慢ならず、嫁がちょっとぬけてるのをいいことに、言葉巧みに国外へ追い出してしまいます。
特技といえば歌と動物をてなずけることくらいで、生活能力は無きに等しいこの嫁。果たして弱肉強食のアスファルト・ジャングルで生きていくことができるのでしょうか。そして浦安に戻ることはできるのでしょうか。

世界最大のアニメ製作会社ディズニーの最新作は、なんとビックリ、アニメと実写のコラボレーション。この映画ではアニメの世界と実写の世界が特殊なホール(笑)でつながっていて、自由に行き来できるという設定になっています。そしてアニメのキャラもこちら側に来ると、我々と同じ肉体を身にまとうことになります。いわばセルフコスプレのようなものでしょうか。
実写とアニメのコラボというと、特撮好きとしては円谷プロの名作『恐竜探検隊ボーンフリー』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』などを思い出すんですが、皆さんご存知でしょうか・・・(知らんだろうな・・・)。どういう作りだったかというと、怪獣(恐竜)・メカが出てくるところは実写で、人物が出てくるところはアニメで処理されてました。だから怪獣と人間が一緒に映ることはほとんどなかったような
さすがに強引すぎたのか、この手法を用いた作品はその後全くといっていいほど見ませんでした。が、まさか天下のディズニーが、その無茶コラボをこんな自然な仕方でやってのけるとは・・・・ 斬新なアイデアに脱帽、そしてただただ驚きです。

漫画(アニメ)というのは、それが漫画っぽいものであればあるほど、実写でやると笑えてしまったりするものです。たとえば『ブラックジャック』がドラマ化された際、スタッフはBJのあの独特のヘアーを忠実に再現したそうですが、手塚先生は「あんな髪型の人間いるわけねーだろが」とご立腹だったとか。『デスノート』なんかはまあ・・・ギリギリのラインでしたかね。
ところがこの『魔法にかけられて』では、そいつを逆手にとって最初からギャグでやるという、まさに発想の大回転魔球。おとぎの国のキャラたちがリアルワールドに出現するといかに笑えるか。できればご自分の目で確かめていただきたいものです。

そんな100%バカのような作品でありながら、この映画にも『ペネロピ』と同じようにさりげなく教訓がおりこまれていたりします。
夢ばかりみていて足元がおぼつかないヒロイン・ジゼル(まあアニメキャラですし)。一方なりゆきで彼女を保護することになった弁護士のロバートは、夢や空想を一切否定する、つまらない人間になってしまっています。
ですが二人は接していくうちにお互い影響しあい、自分たちに足りなかったものを得ます。そんな風に空想と現実のバランスを上手に保つことが、世の中をハッピーに生きていくヒントなんじゃないでしょうか。

個人的にツボだったのは、ヒロインとロバートの娘レイチェルの友情でしょうか。ジゼルはなりこそでかいものの、先ほど説明したような境遇ゆえに、レイチェルと精神年齢がほとんど変わりません(笑)。そんなサイズの違う友情が見ていて微笑ましかったです。

なかにはアニメの王道を行っていたディズニーがこういう色モノ、もとい変化球に挑んだ事に眉をひそめる方もおられると思います。しかし今までになかったモノを、何か新しいものを、ひたすら追い求めていくことこそがディズニーの基本姿勢なのでは・・・とわたしは思います。ピクサー系以外ほとんど見てない身で偉そうなこと言ってますが

そんなわけでわたしが次に望むのは「リアルミッキーマウス」! もちろん浦安市にいるあんなハリボテ(失礼)ではなく、毛がみっしりと生えたモノホンのネズミ頭人間、その大活躍をぜひ見てみたい(笑)! これこそまさに伝統と最新技術のコラボレーションではないでしょうか。

20080406203412
恐れるなディズニー。禁断のセルフパロディーをやってしまったあなたたちに、もはや後戻りは許されない・・・

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April 04, 2008

平成ライダー研修会

20080128210048みなさん、こんにちは

新人ライダーの「キバ」こと紅渡(くれない わたる)です

今日は先輩方のところへあいさつ回りに行きます

失礼のないよう、気をつけなくちゃ


そのいち

0803hr1「まずはモモタロスさんにお話をうかがいます
良太郎さんと初めて会ったときの思い出などを・・・」
「そうだな・・・ あん時はあいつもまだまだ
ケツの青いガキだったな・・・
ま、それは今もあまり変わらねえがな。へっ」
「今なんて言いました?」
「ん? 『ケツの青いガキ』ってことか?」


0803hr2「ケツ・・・
ケツ・・・
ケツ・・・

血液ィ~

「うお! なんだこいつ!


0803hr1「す、すいません・・・
ボク実はヘモグロビン依存症でして、時々禁断症状が出ちゃうんです・・・」
「ったく、いくら若いからってドラッグはほどほどにしておけよ!
 で、何の話だっけ?」
「良太郎さんと会ったばかりのころの話です」
「そうそう、あいつ意地張ってプラットフォームのまま戦おうとしやがってよー」
「プラット?」


0803hr2「プラット・・・
プラット・・・
ぷらっと・・・

BLOOD~

「ああもう! お前とは、やってられへん!!」


そのに

0803hr30803hr4「続きましてチーム『猛士』のみなさんのところへやって参りました。
こちらリーダーの響鬼(ひびき)さんです」
「おう、よく来たな少年。オレの仲間を紹介するぜ。
順番に威吹鬼、轟鬼、斬鬼、龍鬼、そしてケンザ鬼だ」
「よろしくな!」
「オンドゥルルラギッタンディスカーー!!」


0803hr5「知りませんでした
ボクの仲間にこんなに鬼さんがいたなんて・・・」
「渡、世間はぶっちゃけ鬼ばっかりだぜ?
それにお前だって吸血鬼だろ?」
「やあ、これは一本取られましたね」
「あははははは」
「あははははは」


そのさん

0803hr6「それでは最後はチーム『ZECT』の皆さんのところへ来てみました。
こちらリーダーのカブトさんです」
「よし・・・ 仲間を紹介してやろう・・・
順番にガタック、ザビー、ドレイク・・・」
「ふーん 
そっすかー」
「なんだ貴様、その投げやりな態度は!」


08hr07「あー、すいません
ボク、虫の体液には興味ないもので」

「おばあちゃんは言っていた・・・
ご飯は好き嫌いなく食べなきゃダメだって・・・」


次回未定

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April 02, 2008

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい 雲竜奔馬編③

20080402195633まーたーしーても久方ぶりのシリーズ記事。前が昨年の11月だったから・・・ あははは
ちなみに『風雲児たち』のいままでの記事はコチラ

1853年黒船来航。江戸がパニックに陥る中、一人「あの船ほし~っ」とボケをかます青年がおりました。彼こそは後の維新の立役者、坂本竜馬そのひとでした
アホなりに国の行く末を憂う竜馬くん。彼の心配をよそに、「もう一度来る」と約束したペリーは、約半年後再び黒船とともに姿を現します。

竜馬一人に焦点を絞る、という姿勢で書かれた『雲竜奔馬』。しかし単行本三巻目あたりにくると、その姿勢にもほころびが見えて参ります(笑)。
対米交渉に決死の覚悟で挑む江川太郎左衛門。米国の知識を入手すべく密航をたくらむ吉田松陰。そして少しずつ出世の糸口をつかんでいく勝麟太郎・・・
竜馬の姿はどこへやら、『風雲児たち』でおなじみのメンバーが次から次へと登場し、前シリーズとほぼ変わらぬスタイルになってしまっています。実際このあたりはほぼ丸々現在連載中の『幕末編』に再録されておりますし。

もうちょっと前、やはり『風雲児たち』のファンである方とこんな話をしたことがありました。
わたし 「あのあたり読んでると、『竜馬一本に絞りたいんだけど、これだけは最低書いておかないと。でもあれも書かなきゃこれも書かなきゃ』という先生の苦悩が伝わってくるんですよね」
その方 「いやー、わたしは最初は『竜馬一本に絞る』と編集部には言っておいて、そのあとズルズルと『風雲児たち』のスタイルに戻すという、そういう戦略だったんだと思いますよ」
なるほど(笑)
でもこれ確かな裏付けがあるわけではなく、二人の想像にすぎませんので、くれぐれも信じないでください

さて、その間竜馬君はなにをしてたかというと、幼馴染である岡田以蔵くんのことで色々悩んだりしておりました。
剣の腕前はなかなかのものなのに、身分が低いゆえに江戸に修行に出れない以蔵くん。彼を見ているうちに、竜馬の胸には身分制度に対する疑問がムクムクと沸き起こってきます。

「武士だけがエライんやない・・・・・・ 人間は・・・みんな好きな道を歩いてええんじゃ」「自分のやりたいことをやる・・・・・・」
「そらあメチャクチャわがままやのう」
そうです。今では当たり前の職業選択の自由も、多くの人にとっては「わがまま」とされてしまう時代だったのです。
「『基本的人権』とか 『自由』という言葉も考えもまったくない時代である」
「竜馬たちはそれを手探りで探さねばならなかった」

しかし竜馬は一人の画家と出会うことによってその突破口を見つけます。その画家の名は河田小竜。同郷のジョン・万次郎から海外の情報を仕入れていた小竜は、竜馬に米国の政治形態についてこう伝えます。

「アメリカの将軍様(プレジデント)は商人でも町人でも軍人(サムライ)でも 誰がなってもええっちゅうんじゃ」
「ほいでアメリカの民百姓は投票(いれふだ)で将軍を選ぶんじゃ」

瞬間、目からウロコがすっとんでいく竜馬。

「ほうじゃ・・・ ほれがホンマじゃ・・・・」

自分たちを治める者は自分たちで選ぶ。いわゆるデモクラシーですね。
このとき竜馬は自分の行くべき道を見つけます。しかし周囲の者たちは「またアホがアホを言い始めた」と誰も相手にしてくれません(笑)。そして吹き荒れ始める血なまぐさい風。。青年は自分の理想にどこまで近づくことができるでしょうか・・・・

20080402195652ところでこの
←吉田松陰のキャラクター、昨年製作された水島精二監督作品『大江戸ロケット』にてアニメデビューを果たしました(マジ)
同じ監督の作品とゆーことで、『ガンダム00』にも出てこないかなーと密かに期待してたんですが・・・・


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