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December 12, 2007

狼男じゃないよ ロバート・ゼメキス 『ベオウルフ』

20071212182055いやあ、年末ですねえ。
みなさんは「年末」に必要なものってなんだと思いますか? こたつ、ミカン、紅白歌合戦・・・・ いろいろありますけど、何より大事なのはやっぱり「怪獣映画」ですよね。
三年前東宝さんが怪獣映画をやめてしまった時には、「日本の年末はどうなってしまうのだろう・・・」と心配になったものですが、幸いにもハリウッドさんがなんとかその火を灯し続けてくれています。05年は『ハリポ4』、06年は『エラゴン』。そして今年はこの『ベオウルフ』です。原作は「英語で書かれた最古の叙事詩」。それを『スターダスト』が記憶に新しい二ール・ゲイマンが、いろいろひねくって調理したものです。

舞台はたぶん西暦4,5世紀あたりのデンマーク。怪物グレンデルの来襲に頭を悩ませていた王・フロースガールは、怪物を退治してくれる英雄を諸国に広く募ることにした。すると荒海を越えて猛者の一団がやってきた。長の名はベオウルフ。かつて海の怪物をも葬り去ったことのある彼は、意気揚々とグレンデルの退治に臨む。しかし彼は知らなかった。フロースガールとグレンデルの間には、ある忌まわしいつながりがあることに。そしてやがて自分の身にも、同様の災いが降りかかることを・・・

「ベオウルフ」という語を初めて聞いたのは確か小説『銀河英雄伝説』。そういう名前の戦艦が、作中に登場するんですね。「人狼」と書いて「ベイオウルフ」と読む。恐らくこれがなまってRPGなどによく出てくる「ウェアウルフ」もしくは「ワーウルフ」となったのでしょう。だから狼男がガオーと暴れる話なのかと思っていたら、一応ホモ・サピエンスが主人公の映画でした。「人狼」ってのはあくまでイメージってことですかね。

んで、このベオウルフ、なんでかすぐ脱ぎたがる。異常なまでの暑がりなのか? それともただの見せたがりなのか? いずれにせよ生放送には決して呼んではいけないタイプの男です。

興味深いのは、ちょうど北欧にキリスト教が浸透してきた時代を扱っているということですね。恐らくキリスト教が広まることにより、神話に出てくるような英雄の時代は終わりを告げたのでしょう。「神話に出てくるような英雄」とは、手っ取り早く言うと「怪獣と取っ組み合うような英雄」のことです。この時代以降英雄の自慢話は「戦場で何人倒した」とか「頭の上のリンゴを射落とした」とか、ぐっと現実的なものが多くなってきます。

ベオウルフがアンジー演じる妖女から誘惑を受けるところも、恐らくキリストとの対比かと思われます。悪魔は「ただ一度だけひれ伏してくれれば、世界の王国全てを与えよう」とキリストを誘惑しますが、聖者はきっぱりとその申し出を退けます。
ところがベオウルフはこの誘惑に勝てない。これは「英雄といえども、人間である以上もろい部分があるはず」と考えたニール・ゲイマン独自のアレンジです。ベオウルフが屈したのはなんだったのか? 権力への耐え難い魅力か、あるいは目の前の美女に対する欲望か・・・・
いずれにせよ、彼は自分の犯した過ちの報いを身に受けることになります。この「過ちの結果」がなんともシビアなものでして。果たしてベオウルフに名誉挽回の機会は訪れるのでしょうか。

まあこんなややこしいこと考えずとも、単なるダーク・ファンタジー、あるいは怪獣映画としても楽しめます。予告の時は全然気がつきませんでしたが、実はこれモーション・キャプチャーなる手法を用いた一種のCGアニメなんだとか。さらに凝ったことに、劇場によっては3D効果も楽しめるそうです(わたしの観た劇場はそうじゃありませんでしたが)。ただゲイマンの趣味のせいか下ネタも多く、お子さん連れでいくとかなり気まずい思いをすることになるでしょう。

20071212182014年末には『エイリアンVSプレデター2』も公開予定。さらに日本公開は未定ながら『Cloverfield』なる大怪獣ものも用意されてます。
http://www.youtube.com/watch?v=IvNkGm8mxiM&feature=related

ちょっとちょっと! 日本も負けてらんないっすよ!

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Comments

こちらにもー。
確かに、お子様向けではありませんよね~
私の近くに母と幼い娘の親子連れが居たんですが。
グレンデルと戦う場面で裸になったべオウルフを見て
「ねぇママー、何でこの人裸なのー?」とお子様が大きな声で聞くもんだから。
よく見ると、この見せ場でのべオウルフは。
暴れまわっても、見事なくらいにボカシなしで隠していましたよね。
笑う場面ではないのに、噴き出してしまいました(笑)。

Posted by: となひょう | December 12, 2007 11:12 PM

>となひょうさま

コメント・TBありがとうございます

>確かに、お子様向けではありませんよね~

かといって「大人向け」ともいいがたいんですよね・・・
一体どの辺の層を狙ってるのか、さっぱりわからなかったんですが、記事を書いた直後に「ああ! マニア狙いか!」と気がつきました(笑)

>「ねぇママー、何でこの人裸なのー?」とお子様が大きな声で聞くもんだから

お母さんはさぞや答えに困ったでしょうね・・・・
「あの人、実はお相撲さんなのよ」とでも言ったのかな?
まあお相撲さんだってマワシくらいはつけてますけどね(笑)


Posted by: SGA屋伍一 | December 13, 2007 08:17 AM

こんにちは!
あの、いかにも漫画のような映像にはどうも最後まで馴染めませんでしたが、物語はかなり気に入りました~
元々神話的なお話が好きですし、『恐らくキリスト教が広まることにより、神話に出てくるような英雄の時代は終わりを告げたのでしょう。』とか、『悪魔は「ただ一度だけひれ伏してくれれば、世界の王国全てを与えよう」とキリストを誘惑しますが、聖者はきっぱりとその申し出を退けます。』とかに浪漫をヒシヒシと感じながら堪能しました~
それにしてもベオちゃんは脱ぎたがりでしたね(汗)
ちょっと顔を斜めにしながら観ましたが・・・やっぱり微妙に隠していました、残念!(笑)

Posted by: | December 13, 2007 09:23 AM

こんばんは!ちょっとご無沙汰しちゃってました。

3Dが好かん!!などと文句ばっか言ってしまいましたが
グレンデルとか海獣とかドラゴンとか、
怪獣部分はかなり楽しかったんですよ。
「スターダスト」も観たかったんですけど結局行けずじまい。
「ライダーNEXT」も、ぐずぐずしているうちに一日一回早朝のみの
上映になってしまってどうも行けそうにないです。。。

『Cloverfield』の予告篇観てみました。謎めいてますね~
大怪獣はどこ?

Posted by: kenko | December 14, 2007 12:50 AM

>ちょっとちょっと! 日本も負けてらんないっすよ!
 椿三十郎「いやいや、おれは気にしていないよ」

 べオウルフ「いやーオレ最高!オレ最強!いっぱつやりてぇー
アンジー姉さんとやりてぇー、はっ!向こうにブラッド・ピッ○!!」

 これが本当の裸の王様ですか。
なんか紙にシミがあるのがリアルですw

Posted by: 犬塚志乃 | December 14, 2007 01:15 AM

>昨日の9時23分にコメントをくださった方

突然名前も告げずにいらっしゃったあなたはどなたなの?
この胸の高鳴りはなに? 恋の予感?

・・・・たぶんすぐ前に送られてきたTBから察するに由香さまだと思うのですがどうでしょう(笑) まちがってたら「うまい棒」一本おごらせてください

そんなわけで、今回は少し学術的に考察してみましたよ(どこがやねん)
こんなアホなイラストのくっついてる記事に浪漫を感じてくださってありがとうございます。きっとあなたこそはいついかなるものにも浪漫を感じられる「真のロマンチスト」なのでしょう

と思ったら>ちょっと顔を斜めにしながら観ましたが・・・やっぱり微妙に隠していました、残念!(笑)

もう! ロマンぶちこわし!

良く出来てるって言っても、やっぱりこれがCGの限界です(笑)


Posted by: SGA屋伍一 | December 14, 2007 08:05 AM

>kenkoさま

最近お忙しいようですね。インフルエンザも流行ってますしお体にはどうぞお気をつけて

怪獣よかったですね。キングギドラもどきとか、ゴラムの腐ったようなヤツとか
でも最強はアンジー(笑)

>ライダーNEXT

ぜひなんとかして観てください! 絶対は損はしませんから!
・・・・と言い切れないのがツライ(^^;)

>『Cloverfield』の予告篇観てみました。謎めいてますね~

『LOST』の監督さんですからねー。もったいぶりはお手の物です

Posted by: SGA屋伍一 | December 14, 2007 08:10 AM

>犬塚志乃さま

>「いやいや、おれは気にしていないよ」

そういうことを言う織田雄二には『ゴジラ』リメイクへの出演を命令します

>はっ!向こうにブラッド・ピッ○!!

なんとなく彼は「どうぞどうぞ」と言いそうな気がします(ダチョウ倶楽部風に)

>紙にシミがあるのがリアルですw

かなり古い古文書でしたから。持ち出すのに苦労しました

Posted by: SGA屋伍一 | December 14, 2007 08:17 AM

SGA屋伍一さん、はじめまして。
「スワロが映画を見た」のスワローテイルと申します。

>いずれにせよ生放送には決して呼んではいけないタイプの男です。
笑っちゃいましたよ。
そうですよね~。
なぜか脱ぎまくっていましたものね。
肉体美を披露したがるボディ・ビルのような感じなのでしょうか。
自惚れ屋?

キリスト教との対比のお話しも参考になりました。

Posted by: swallow tail | December 16, 2007 11:45 AM

>swallow tailさま

はじめまして。何度か睦月さまんとこでお名前お見かけしたような
こんなボロ屋においでいただき、まことにありがとうございます

>なぜか脱ぎまくっていましたものね

そうですね。特にグレンデル退治の意気込みをお妃に語るシーン
あんなにわかりやすいセクシャルハラスメントは久しぶりに見ました・・・

でもこれをアンジーがやるとなぜかセクハラにはならないんですねー
不思議です

しかしまあ、鍛えた肉体を女子に見せ付けたい、自慢したい、という気持ちはなんとなくわかるような気がします

>キリスト教との対比のお話しも参考になりました。

こちらもありがとうございます。でもたぶん詳しい人からしたらツッコミどころ満載だと思います(^^;)

こんなところでよかったら、またいつでもお出でください(^^)/


Posted by: SGA屋伍一 | December 16, 2007 10:22 PM

SGA屋伍一さん☆

こんばんはー♪
年末に必要なもの、、、、怪獣映画ですかぁ(笑)
LOSTのJJエイブラムスの手がける新作、『Cloverfield』ってタイトルになったんですね☆
予告編観てすごく面白そう!って。
LOST 大好きなのでたのしみです。
ってベオウルフの感想とは関係ない話になっちゃった☆

Posted by: mig | December 19, 2007 09:18 PM

>migさま

お返しコメント・TBありがとうございます

>怪獣映画ですかぁ(笑)

「かぁ(笑)」のあたりに(それは違うと思うけど・・・)的なニュアンスが感じられますね
はっきり言ってあなたが正しい(笑)

>『Cloverfield』ってタイトルになったんですね☆

よくわかんないタイトルですよね。「クローバー畑」という意味じゃないだろうし・・・?

>関係ない話になっちゃった☆

全然かまいません。ここ、いい加減なところなので。またよろしく~

Posted by: SGA屋伍一 | December 20, 2007 07:44 AM

こんにちわ。

裸の男は見慣れているので、みなさんが気になさるほど
私はベオウルフの裸合戦は気にも止まりませんでした。


見えそうで見えない・・・あの手法は、既にエヴァンゲリオンの
碇シンジくんで適用されているので、なんら新鮮味はありまへん。


・・・でも飽きずに観れる作品でした。
面白かったですよ♪

Posted by: 睦月 | December 20, 2007 04:33 PM

>睦月様

お返しのコメント・TBありがとうございます

>裸の男は見慣れている

まあ! 睦月さんたら・・・ いけないひと!

睦月さんがネタにつっ走ってる時は大体映画がイマイチだったときなんで、今回も「物足りなかったのかなー」と思っていたんですが、楽しめましたか。よかったよかった(^o^)
わたしは上に書いてありますように、怪獣(怪人)が4種類も出てきただけでおなかいっぱいでした。相変わらず偏差値が低いです


Posted by: SGA屋伍一 | December 21, 2007 07:54 AM

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