最近(2007.4~9)のアニメについて① 『ヒロイック・エイジ』『ロミオ×ジュリエット』
・・・・あ。最近映画観てないわ。というわけでいまのうちに最近パタパタと終ったアニメ群を紹介いたします。今日は古典に材を取った二作品を。
☆鈴木利正 『ヒロイック・エイジ』
かつてこの宇宙には「黄金の種族」と呼ばれる神にも等しき者たちがいた。彼らはある時を境にいずこかへと姿を消し、後の世界を銀・青銅・鉄の各種族にゆだねる。ところが銀の種族は自らを黄金の種族の後継者と主張し、鉄の種族である人類を攻撃。圧倒的に不利な状況に追い込まれた人類は、絶大な力を誇る「英雄の種族」を体に秘めた少年・エイジに希望を託し、起死回生のチャンスを狙う。
物語の中心となる船の名が「アルゴノート」で、エイジと一心同体の怪物の名が「ヘラクレス」からとられている(「ベルクロス」といいます)ところから明らかなように、ギリシア神話を下敷きにした作品。特にどの話をってわけではなく、色んなエピソードから材料をひっぱってきて、「宇宙SFでまとめてみました」という趣向です。お話は先達である黄金の種族が、なぜ後続の種族たちを争わせるような契約を残していったのか・・・という謎をカギとして進んでいきます。
主人公が限りなく無垢な存在であると同時に、星々をふっとばすほど絶大な力を有しているというところは、なんだかシリアスなドラゴンボールなようでもあり。
個人的にはエイジが自分の桁外れの力に恐怖したり、周りから「ば、化け物」とかドンびきされるシーンがあったらもっとのめりこんだと思います。でも意外にも全体的にほのぼのとした印象で、あんまりそういう方向にはいきませんでした(笑)。悩めばいい、ってもんでもないですけどね。
怪獣が鎧を着込んでいるかのようなベルクロスや、独特な形状の宇宙船、様々な星の情景描写などには、美術スタッフのがんばりが感じられました。
☆追崎史敏 『ロミオ×ジュリエット』
意欲的な作品を多く手がけているGONZOが製作。タイトルが示すようにウィリアム・シィエイクスピアの名作をアニメ化したもの。といっても、ジュリエットが男装の麗人で、民衆を圧制から解き放つために剣を取って戦うというストーリーは、原作からとんでもなく逸脱したものとなっております(ちなみにロミオは独裁者のセガレ)。「お家の事情のため実らぬ恋に胸を焦がすカップル」という屋台骨だけ借りてきたという感じ。
粗筋はともかくとして、世界観は若干おとなしめ。一応ファンタジー的な要素もあるんですが、あくまで添え物程度に抑えられており、よくいえば落ち着いた、悪く言えば「地味」な印象です。その点、異色作『巌窟王』のかっ飛びぶりにしびれたファンは、多少物足りなく思えるかもしれません。
作中人物のほとんどの名がシェイクスピアの作品の中から取られていて、その方面に詳しい人はなかなか楽しめると思います。またシェイクスピア自身もオカマの劇作家として登場。お笑い担当のようでいて、たまに重要なセリフヲさらっと言っていくあたりが面白かったです。
主題歌はノルウェーのミュージシャン「シークレット・ガーデン」が2002年に発表した『YOU RAISE ME UP』の日本語カバー。この曲がバックに流れるOPは、個人的にシーズン中NO.1でした。
この二作品、全体的にお話の密度はそれほど濃くもなかったりして。途中二、三話見逃したりしてるんですが、それでもあんまり支障ありませんでしたし(笑)
しかしクライマックスにおいてはさすがに盛り上がりを見せ、「がんばって通して見た甲斐があった」という感動を与えてくれました。
Comments
こんにちは〜。
今期アニメの「モノノ怪」はご覧になっていませんでしたか?
私は大江戸ロケットとか見てました(笑)
Posted by: みずぐきまり | October 15, 2007 08:00 AM
おばんです
「モノノ怪」は面白そうだと思ったのですが、上記4本と『グレンラガン』を追っかけるのにいっぱいいっぱいで、手が回りませんでした・・・・ あれ、ちょっとイレギュラーな時期に始まってましたよね?
『大江戸ロケット』は『風雲児たち』のみなもと太郎先生がキャラデザに加わってたのでぜひ見たかったんですが、わたしの住んでるところがちょうど放送地域のエアポケットに当たってまして、視聴かなわず(涙)
二本ともどっかで改めて無料配信とかしてくんないかな
Posted by: SGA屋伍一 | October 15, 2007 08:00 PM
『地球へ…』以外、聞いたことない……。
面白そうなアニメいっぱいやっていたんですね。
今期は何がよさげですか?
新ガンダムはビデオに録りました(これから観ます)。
Posted by: かに | October 15, 2007 09:01 PM
>かにさま
ども。この二作品は人にすすめるのは「微妙」といったラインです(笑)
今期はそれこそ新ガンダムくらいしかアンテナにひっかかるものがありませんねえ。強いて言うならアニメじゃないけど『ウルトラセブンX』でしょうか。これまた危険な香りがプンプン漂ってますが、映像とか世界観とか面白かったんで
新ガンダムもいまのところまだ辛いと思いますが、「『大江戸ロケット』の監督だし」ということを思い出してがんばってください(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | October 16, 2007 07:36 AM
がんばります(笑)。
追伸で書こうと思ったら
ここは連続して書き込みはダメとか。
いや、紅蓮伽藍が再放送始まったので
観てみます。
「セブンマトリX」はダメでした〜++;
(なんで権力握ったはずの絵入り案が巨大化して街壊すのよ!)
Posted by: かに | October 16, 2007 01:20 PM
>かにさま
>連続して書き込みはダメとか。
どうもすいません・・・・ 下の方に出てるキーワードを入力すれば書き込めると思います
>(なんで権力握ったはずの絵入り案が巨大化して街壊すのよ!)
そういう大人気ないツッコミはやめましょうよ(笑)
あの不条理極まりないストーリー進行が、なんだか『ねじ式』みたいで心惹かれたのでした(^^;)
Posted by: SGA屋伍一 | October 16, 2007 10:27 PM
>ヒロイック・エイジ
金なら一枚、銀なら五枚、銅は何枚ですかね?
もりなが。
銀と書いて「イン」と読んでしまいそうです。
すごい力を持ちながらあまり悩まないというのは、
ゴクウみたいに天真爛漫なんですか?
SFアニメとか実は好きですw
メインで誰も死なないなら安心して見れそうです。
活発そうな子や巫女みたいな子、胸の素敵な大人な女性(笑)
などヒロインたちもいいです。
神話が題材というのは、上手く消化できる人といない人がいます
し、あと言い始めるとキリがないです。
たとえばタイドライン・ブルーも、ラーゼフォンも、アルジェントソーマも、
ナウシカも全部「オデッセイ」になってしまいますからw
だから最近はあまり難しく考えないで女の子見て心に春が芽生えた
り、胸や御足に春を感じたりしています。
見えそうで見えないのに美学を感じますよね。
Posted by: 犬塚志乃 | October 17, 2007 07:22 PM
>犬塚志乃さま
>銅は何枚ですかね?
ドンマイ?
>ゴクウみたいに天真爛漫なんですか?
もろにそんな感じです。ヒロインと会うまで人間を見たことがなかったとか、大怪獣に変身するところとかも同じです
>神話が題材というのは、上手く消化できる人といない人がいます
し、あと言い始めるとキリがないです。
そうですね。ただこれなんかはかなり露骨に元ネタを提示してるほうだと思います。『アリオン』か『聖闘士星矢』くらいには
もしオチが『女王メディア』だったらイヤだなあと思いましたが、幸いそういうことはなかったです
>見えそうで見えないのに美学を感じますよね
そうですか。だとするとこれからの時期はさびしいかもしれませんね。みなさん厚着になられますから・・・
Posted by: SGA屋伍一 | October 17, 2007 10:33 PM