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October 31, 2007

嘘つきは絶望の始まり ロバート・デ・ニーロ 『グッド・シェパード』

20071031194500CIAが作り出した恐るべき人間兵器ジェイソン・ボーン。彼の正体は実はクローン人間だった。これはボーンのオリジナルがいかなる人物だったのか、その謎にせまる・・・という映画ではないようです。コッポラが考えて何年も寝かされてたアイデアを、名優ロバート・デ・ニーロがメガホンを取って実現。現在全国で公開中であります。

時は60年代。アメリカ合衆国は共産圏の勢いをとどめるべく、ノドもとにつきつけられた刃ともいえるキューバに兵を送った。だが作戦は大失敗。CIAの中に情報を漏らしたものがいたのだ。内通者を探し出すべく捜査を始めるCIA。第二次大戦中から諜報活動に従事していたエドワード・ウィルソンにも疑いの目がむけられた。物語はエドワードの半生と、ケネディ政権下でのCIAの暗闘を行きつ戻りつしながら進んでいき、やがて二本の糸は一つとなる。

タイトルの『グッド・シェパード』とはワンコの種類ではなく、聖書に出てくる一節で「よき羊飼い」の意味。おそらく教会でいうところの「牧師」の由来となった言葉でしょう。エドワードはか弱い羊=民衆を外敵から守る役割をになう者として、諜報活動に邁進しますが、聖書では偽り、裏切りは重い罪とされています。でもそんなことを気にしていたら、諜報活動など到底なりたたない。エドワードは国のためにホラを流し続けますが、気がつけば彼の周りからは誰も人がいなくなってしまいます。牧師のつもりがホラ吹きの羊飼いだった・・・これはそんな男の物語。自業自得と言ってしまえばそれまでですが、人間というのは基本的にウソをつく生き物です。「一度もウソをついたことがない」などという人間が果たしているでしょうか? せめてその数をへらすよう、努力することはできるにしても。
エドワードが孤独になっていくもう一つの理由は、彼が誰の前でも感情をさらけ出さないところにあります。なにがあろうとバスター・キートンばりの石仮面で、ひたすら耐えるのみ。タフでなければ生きられない、そんな境遇だったのでしょうけど、本心を洗いざらいぶちまけることができる「誰か」がいたなら、もう少し救いようもあったかもしれません。

隠蔽や陰謀に明け暮れているうちに、どんどん薄汚れていくアメリカの裏面史として見ることもできます。たぶんCIAという暗部を抱え込むことによって、アメリカは国家として「大人になった」のでしょう。個人的に面白かったのは古きよき時代のアナクロチックなスパイ活動。ハイテク機器が発明される前は、こんな風に地味にやってたんだな~と少し微笑ましい気分になりました。

主人公にマット・デイモン。つくづく騙しあいとかスパイ活動とかに縁のある男です。今年公開されてる4本なんかそんな話ばっかしですし。
監督は冒頭でも述べたように、ロバート・デ・ニーロ。どちらかというとぶち切れたような役柄で知られるデ・ニーロですが、本作は極めて冷静で物静かな男を主人公としております。その辺興味深いですね。
さて、この映画アンジェリーナ・ジョリーが出てると聞いたのですが、観終わったあともどこに出てるのかさっぱりわかりませんでした。わたしの目が大概おかしいというのもありますが、今回の役は彼女のキャリアの中でももっとも「らしくない」役だったと思います。やっぱりアンジーだったら例え旦那とうまくいかなくてもメソメソしてたりしないで、マシンガン片手に浮気相手のところに乗り込むくらいやらないといけないと思います。

20071031194405やっぱり人間、正直が一番ですよね。最近のニュース見ててなおさら思うんですけど、世の中ウソとか隠蔽とかって、上手にバレるようにできてますし。
だからこの際わたしも正直に告白します。わたしが億万長者の息子でハーバード大卒でジャニーズ事務所から勧誘されてて、細木数子とマブダチだっていうあれ、全部ウソです!
本気にされたみなさん、どうもすいませんでした!


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October 30, 2007

適当掲示板55&ニャンコ先生との対話 男のケジメ編

ご意見その他ありましたらこちらにどうぞ

さて、ネタに詰まると現われるあの師弟が帰ってまいりました(来なくていいつーに)
では参ります

Bbs201またまた久しぶりじゃの、SGA

まあよいわ

最近の世の中はどうなっておる?


Bbs202はあ・・・

もう少し前のことになりますが、安倍晋三氏が首相をおやめになりました
やりかけていたことも全部放り投げた形になってしまい、「無責任だ」とゆー声も聞こえますね


Bbs203ふーん。アゴ&キンゾーに名前が似てるからどんな面白い人かと思えば

一年通じて面白みのない方であったのお

で、代わりは誰になったんじゃ?


Bbs202はあ

福田さんと麻生さんと二人候補がいたんですが

結局福田さんが勝ちました


Bbs205ええっ!

あの面白い顔のおじいさん、まだ生きてたんだ!

まじびっくりニャ!!


Bbs204おそれながら師匠、

お父さんの方と勘違いしてやしませんか

ちなみに息子さんの方は顔も性格も面白みがないともっぱらの評判です


Bbs203まったく紛らわしい・・・

姓の下に「ジュニア」とでもつけておけばよいものを・・・

他にはどんな事件があった?


Bbs202はあ。ボクシングの亀田さんとこの次男坊が

土壇場でボクシングとプロレスリングを間違えたとかで

大騒ぎになりましたね


Bbs203・・・・思うんだがSGA、

ボクシングとプロレスリングとは

そんなに違うものなのか?


Bbs204そうですね

ボクシングでは反則をやると客席からブーイングが起きますが
プロレスリングではむしろ客席が沸くとか

つか、ボクシングならあなたも昔やってたでしょうが!

Bbs23o1ネコは三日で人の顔を忘れるんじゃぞ

そんな大昔のことを覚えてるのは

お前だけニャ、SGA


Bbs204福田さんのお父さんのことは覚えてるのになんで・・・・
まあいいでしょう
あとは食品の偽造問題ですね
白い恋人」とか「赤福」とか

まさにニッポン無責任時代ですね

Bbs205白・・・
赤・・・・

読めたぞ!
次は「青」島みかんじゃな!
それとも「青い珊瑚礁」か!

Bbs204いえ

秋田名物、

「比内地鶏」です


Bbs205・・・・・・

ニャンじゃそりゃ!

全然オチがなっとらんじゃないか!


Bbs204いや・・・
オチとか言われても
そういう話じゃありませんから

ときに師匠、
この会話のオチもどうしたものでしょう?

Bbs21mon・・・・・・

わしゃ寝る

あとのことは任せた
ぐ~

Hpm45_2_thumbちょっと師匠!

無責任じゃありませんか!!


古いネタばっかりで申し訳ありませんでした

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October 28, 2007

井の中のモグラ 大宇宙を知る 今石洋之 『天元突破グレンラガン』

20071028211202たぶん未来、はるか地の下にある穴居都市、ジーハ村から物語は始まる。そこ以外に世界を知らなかった少年シモンは、トンネルを掘っていた際、巨大な顔の形をしたロボット・ラガンを発見する。それに呼応するかのように、上の世界から来襲してきた巨大メカ・ガンメン。「無理を通して道理を引っ込めるんだよ!」兄貴分カミナの言葉に励まされたシモンは、ラガンを駆ってガンメンに立ち向かう。それは後に大宇宙の果てにまで続く、長い冒険の始まりであった。

最近のアニメ・マンガ業界はゲッター線の濃度がかなり高くなっているように思われます。ゲッター線とはなんぞや? それは永井豪原作・石川賢画のコミック(アニメではない)『ゲッターロボ』に出てくる放射線の名前、転じてそのコミックの影響力を指してそう言います(とわたしが決め付けた)。で、先のシーズンのアニメでとりわけゲッター線にどっぷり漬かっていたのが、この『天元突破グレンラガン』です。
コミック版『ゲッター』の特色、それは異常なまでのハイテンションぶりにあります。最近のオリジナルアニメは大体全26話くらいで作られることが多いです。一年モノにくらべるとまだ楽かもしれませんが、それでも合計してゆうに12時間はあるわけです。出だしこそ勢いがあったのに、回が進むにつれ息切れしてしまうアニメは少なくありません。
ところが『グレンラガン』は多少の波こそあれ、最初から最後までず----っと高水準のテンションを保ち続けました。その点、まことに稀有の作品と言えるでしょう。成功の一つのカギは、全体を4部構成にしたこと。「一本で初代ガンダムから『逆襲のシャア』までやっちゃう」というスタッフの言葉どおり、お話はめまぐるしく慌しく進行していきます。しかしその駆け足進行が、この作品に異常なまでのテンションを保たせることになりました。
あとドリル。この徹底したドリルへのこだわりぶりは、まさしくゲッター線の影響以外のなにものでもありません。

シリーズ構成は劇団☆新幹線の中島かずき氏。文芸強化のために演劇畑からひっぱってきたのかと思いきや、この人は本業は双葉社の編集者で、『ゲッターロボサーガ』とか『スーパーロボットマガジン』などを発行していた根っからのオタキストであることを後に知りました。その中島氏、一番好きなロボットアニメは『ザンボット3』だそうです。あえて『ガンダム』ではなく、『ザンボ』という。その辺からしてもう重症です。
そういえば『グレンラガン』は『ザンボット3』と共通する部分も多々あります。主役メカのシルエット、庇護者を糾弾する一般大衆、次々と散っていく英傑たち、「ぶっちゃけ人類って宇宙のガン細胞だから」というテーゼ、などなど。
ただ『ザンボ』が非常に重苦しい作品であったのに対し、『グレンラガン』は全編通じてコミカルでアナーキーで元気いっぱいのアニメとなっております。
さらに『タイムボカン』、梶原一騎、出崎統らへのオマージュらしきものもうかがえます。

そういったオタク好みの要素もさることながら、何よりもひかれるのは登場人物の男っぷり。龍車に向かう蟷螂の如く、天をも覆わんばかりの巨大な敵に、勝利を信じて立ち向かっていくカミナ、そしてシモン。その姿にはいい加減ひねくれた三十男でさえも、拳をつきあげられずにはいられないものがありました。

20071028211030『天元突破グレンラガン』は現在早くもテレビ東京ほかで再放送中。いまならまだ間に合う!

「そのドリルで、天を貫け」

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October 26, 2007

風と雲とギャグと 『風雲児たち』を語ってみたい 雲竜奔馬編①

20071026185620気がつけばここもずいぶんほったらかしてたなー(苦笑)。お休みしている間に、なんと御作者みなもと太郎先生自ら目を通してくださっていたことが判明いたしました(((( ;゚Д゚))))。まさにお尻から血が出そうな気持ちでございますが、張り切って再開したいと思います。今回は懐かしの『コミックトム』の思い出について。つっても、わたしこの雑誌ほとんど読んだことないんですけどね(^^;)

1965年、潮出版社から『希望の友』という漫画雑誌が創刊されました。『希望の友』は後に『少年ワールド』『コミックトム』と名を変え、漫画黄金期の影でひっそりと出版され続けます。この『トム』、言ってみれば「横山光輝氏の『三国志』さえ載ってれば、あとは大概のことはOK」という雑誌だったため、世間ウケに流されない文芸的価値の高い漫画が、多数生み出されることになりました。手塚治虫『ブッダ』、諸星大二郎『西遊妖猿伝』、坂口尚『石の花』、星野之宣『ヤマタイカ』・・・・ そしてわれらが『風雲児たち』もまた、そうした作品の一つでありました。
『三国志』完結後も、横山先生は『若き獅子たち(項羽と劉邦)』『殷周伝説』と、『トム』に中国史劇を連載し続けます。しかしさすがに寄る年波には勝てず、97年に体調不良でダウン。大黒柱を失った『トム』は休刊を余儀なくされ、『風雲児たち』もそのあおりを食らってひとまず終了したのでした。

ところが横山先生&『トム』は驚異的なねばりを見せ、半年後に復活。『トムプラス』と名を改めた雑誌において『殷周伝説』を再開します。その連載陣の中にはもちろん「みなもと太郎」の名はありましたが、『風雲児たち』の字は見当たらず、代りにあったタイトルは『雲竜奔馬』というものでした。

この『雲竜奔馬』、主要キャラクターはみな『風雲児たち』から引き継がれておりますが、一応「坂本龍馬」が中心となった作品となっております。そのため竜馬と関わりの薄い人物(村田蔵六、おイネなど)は言わば「切られた」形となってしまいました。
多数の視点から公平な史観を作り出す、というコンセプトのもと描かれ続けてきた『風雲児たち』。しかし幕末も近くなってくるとどんどん追いかける人物も多くなっていき、いつまで経っても話が先に進まない事態に(笑)。そんなわけでリニューアルに合せて、編集部の「もっとシンプルに!」という命令が強行されることになりました。また編集部としてはメジャーな人物である竜馬を主役に据えることで、この作品を横山史劇と並ぶ二枚看板に発展させたい、という狙いもあったようです。しかし残念ながら『雲竜奔馬』が世間に浸透する前に、『殷周伝説』は完結。横山先生は事実上引退され、『トム』は今度こそその命を終えたのでした。

そんな事情のもと描かれたこの『雲竜奔馬』は、やや微妙なポジションの作品となってしまいました。『風雲児たち』の続編のようでいて、いささか方向性を異にしている。その点不満を抱いた読者たちも少なからずいたようです。わたしといえばどんな形にしろ続いてくれたこと自体がありがたかった。しかし宙ぶらりんになってしまった蔵六や西郷どん、おイネの物語はもう語れることもないのだろうか・・・と寂しいものを感じたのも確かです。幸いにも『風雲児たち』はその後さらに奇跡的な復活を遂げることになり、「切られた」キャラたちのお話はちゃんと続行されることになるわけですが。

『雲竜』の中で書かれたストーリーのほとんどは、現在連載中の『幕末編』にちゃくちゃくと組み込まれております。このまま行けば『雲竜奔馬』という作品が消滅するのも時間の問題でしょう。しかしそれではあまりにも不憫ですし、この漫画には好きなところも多々あるので、これから数回はこの『雲竜奔馬』を中心に語っていきたいと思います。忘れられぬよう(笑)

20071026185718現在オンライン書店ビーケー1では、みなもと先生の画業40周年を祝して、サイト内に「みなもと太郎特設コーナー」が設置されております。
http://www.bk1.jp/contents/booklist/0710_minamoto01
あとこちらはわたしが書いた1、,2巻のレビュー
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2006/03/post_e154.html
そんなわけで未体験の皆さん、買うなら今です!

そうです。回し者です(笑)

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October 24, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編⑤

Tbk6b1_thumb『響鬼』編ラストは、「ぼくのかんがえた『ひびき』のさいしゅうかい」ということで。
本物の方の後期ストーリー、あれはあの時点でスタッフができた精一杯のものだと思っています。しかし一話から観ていた者としては、多少の不自然さを感じたのも確か。じゃあどうだったら「自然」だったのか? なんとなく思いついちゃったので書いちゃいます。あくまで「オレだったらこうするんだけど」という程度のもので、「こういうの作ってくれ」ってわけじゃありません。あとけっこう好き勝手書いてますんで、『響鬼』に対して深い思い入れのある方は「個人の妄想だから」ということでお見逃しください。では参ります。大体本編30話あたりから。


ブラバン部のレギュラーを外されて落ち込む少年のクラスに、桐谷という少年が転校してくる。自分と変らぬ年なのにすでに猛士のメンバーとして立派に活躍している桐谷。彼を見ているうちに、少年は自分も「鬼」になりたいと思うようになる。そしてヒビキに弟子にしてくれるよう頼むのだが・・・・
「それが少年が本当に願っていることなら、他にいい師匠を紹介してやるさ。だがな、少年がやりたいことはもっと他にあるんじゃないのか?」
そう言われて、黙ってうつむく明日夢。そんな時、ボランティアを始めたモッチーの誘いで、少年はある病弱な少女に会いに行くことに。
「お兄ちゃんの得意なものはなに?」「太鼓、だったんだけど・・・・」「聞いてみたいな! お兄ちゃんの太鼓!」
その言葉を聞いて、少年は一念発起してもう一度真剣に太鼓に取り組む。熱心な特訓の甲斐あって、レギュラ-に復帰する少年。その後メンバー間の軋轢やらライバル校の出現などを経て、城南高校のブラバン部は著名なコンクールにおいて優秀な成績を修める。目立った活躍をした明日夢には海外留学の道まで開けてしまう。だが年老いた母をひとり残し(郁子さんスマン)、旅立つことにためらいを覚える少年。そんな折少年は偶然ヒビキの母親と出会う。彼女は息子が自分に内緒で危険な仕事をやっていることを知っていた。
「でもそれがあの子が本当に望んだ仕事なのなら(略)」 で、少年は留学することを決意する。

折りしも魔化魍の発生率はピークに達する。その原因が謎の「洋館の男女」にあることをつきとめた猛士は、関東十一鬼の総力を持ってこれを撃滅する計画を立案。攻撃の要はもちろん「響鬼」だ。ヒビキはなんとその場に少年を同行させたいとおやっさんに申し出る。
「いくらなんでも危険すぎるよ~」「こいつに見せてやりたいんすよ。オレの渾身の『響き』ってやつをね。大丈夫、少年ならあきらと恭介が守ってくれますから。なあ?」「はい!」「しょうがねえなあ」
で、決戦が始まる。戦いは熾烈を極めたが、猛士側は誰一人死者を出すことなく勝利を収める。
「見てくれたか? 明日夢!」「はい!」
一方で洋館の男女は爆死。それを遠くから眺めているチャーリーとチョコレート工場。
「ま、今回はこんなものか」「あーあ、次は○十年後かあ」

戦い終わって日が暮れて、別れの季節がやって来る。一年の間にたくましく成長した明日夢を見て、ヒビキは正式に弟子を取ることを決意する。そして長い間あいまいな態度を取っていたカスミさんにプロポーズする。結果としてイブキはふられるわけだが、二人を祝福して猛士の中心メンバーとなるべく吉野に戻っていく。当然あきらもそれについていく。トドロキはザンキさん(←生きてる)に「今度こそ、オレ本当に一人で大丈夫っす」なことを告げ、新たなパートナーにヒナカちゃんを指名する。モッチーはとりあえず、泣く。

ラストシーンは空港。前を歩きながら、少年に背中越しに語りかけるヒビキ。「ちゃんとフロ入れよ。歯も磨けよ」「わかってますよ(笑)」 そして急に真顔で向き直り、こう告げる。
「明日夢、お前はいつだって、オレの自慢の弟子だったさ。これからも、お互い鍛えていこうぜ!」「はい!」「じゃな! シュッ!」
それだけ言うと、きびすを返して走り去っていくヒビキ。少年の笑みが満面に広がって・・・・・ 「完」

こんな感じじゃなかろうかと。でも「これじゃ寂しい」という方には「明日夢、実はオレもウィーンに行くことになったよ」「へ?」というヴァージョンもありです。

20060606213725丸二年もかかって、ようやく「六年間」を振り返り終えることが出来ました(ははは・・・)。
でも平成ライダーに関してはこれからもいろいろネタにすると思いますので、「読んでやってもいいよ」という方は引き続きよろしくお願いします。

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October 22, 2007

アラビアのバイオレンス ピーター・バーグ 『キングダム 見えざる敵』

20071022120301石油という富とイスラムの教えが不穏な空気を生じさせているサウジアラビア。そのサウジで、石油会社に務めている米国人を標的とした凄惨なテロ事件が起きる。事件で友人を失ったFBI捜査官フルーリーは、犯人の捜索・逮捕のため現地へ飛ぶが、トラブルを恐れる政府から行動を制限された上に、サウジの人々の敵意と直面することになる。

あ、すいません。今回はボケはなしです(笑)。恥ずかしながらサウジアラビアに関しては今まで「石油が出る」「サッカーで日本とよくあたる」くらいの印象しかありませんでした。イラクやイスラエルと比べて話題に出ることも少ないので、わりかし平和な国なのかな、と思っていたんですが、ここも色々大変みたいです。

最初はイスラムの教えを根底に置いたモラルの高いを目指していた。しかし国内で油田が発見されたために、大国がバンバンお金を落とすようになり、支配階級は金まみれに。恩恵に浴さない一般民衆は「理想はどこへ」「外国のせいだ」と怒りを燃やす・・・・ 例えるなら質素に仲良くやっていたご一家が、うっかり宝くじで一等をひきあててしまったために、深刻な家庭不和に陥ってしまうようなものでしょうか。その場合アメリカは「そのお金で一発派手に儲けましょうよ♪」と擦り寄ってくる金融ブローカー? 先日終了した『どんど晴れ』のクライマックスとも少し似ています(笑)

この『キングダム』、注目すべきはアメリカ製であるにも関らず、「テロが起きる原因は自分たちにもある」ということを認めている点ですね。これまでもテロを描いた映画はありましたが、大抵は首謀者が悪魔的な愉快犯だったり、あるいは被害にあった人々の心情にばかり焦点があてられたりしていて、「テロリストの動機」については完全スルーされることがほとんどでした。なぜかって言えば、そこに踏み込んでしまったらアメリカの欺瞞についても触れざるをえなくなるからです。

もう一つ印象に残ったのは事件の首謀者らしき男「アブ・ハムザ」に関する描写。こういう「対決もの」では普通敵のボスには演技派の大物俳優があてられたりして、冒頭から主人公と舌戦を展開したりするものですが、アブ・ハムザはビデオカメラの映像にしか姿を現さないため、フルーリーたちはその居所をつきとめるのに苦労します。まるで昨今のビン・ラディンみたい。
さらにビデオの中ですらターバンのようなもので顔を覆っているため、ますます正体がつかみ辛い。果たして実在しているのか?という疑問すら湧いてきます。恐らく副題の「見えざる敵」というのはその辺からきているものと思われますが、最後の最後でもう一つの意味があることが明らかにされます。

で、一本の映画として観ますと、序盤から中盤にかけては少しずつ少しずつテロ組織に近づいていく様子がとてもていねいに描かれています。ところが半ばをちょいと過ぎたあたりから、問題が急にパタパタと解決していき、ド派手な銃撃戦まで描かれることに。言ってみれば、クライマックスの前後だけがやけに浮いてるんです。このバランスの悪さは、諸般の事情によるものなのか、それとも監督の計算なのか。
前者であるなら
「あーっ!! このまま『おっとり捜査』続けてたら尺が足りなくなっちまうよ!」「上がもっとアクションを増やせと言ってます!」「しゃあねえ! こっから先はテンション高めにまいていくか!」
・・・・となってしまったのか。
後者であるなら
「観客の皆さん、悪いテロリストが派手にぶっ殺されてスカッとしましたか? でもね、そういう感情が今の世の終らない悲劇を生み出しているんですよ」
・・・・ということだったのか。

20071022120203願わくば後者であってほしいものです。

『キングダム 見えざる敵』は現在全国の劇場で公開中。架空の事件がモデルとなっていますが、良いテロリストの皆さんはくれぐれも真似しないでください。
 


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October 20, 2007

ニコニコイマジン(ライダー含む)劇場

そのいち

20071020123801「東○電力です
今日は仮面ライダー電王からみんなにメッセージがあるよ!
では電王ちゃん、どうぞ!」

「電王です
電波を大切にネ!」

「カット! やりなおし!」


そのに

20071020123834「ヒビキさん・・・
ボクはいつになったら、一人前の鬼になれるんでしょう?
ふう~」
「なに言ってる
お前はもう立派な鬼じゃないか
もっと自信持てよ!
つか、生まれた時から鬼なんじゃないのか?」

20071020123857「ちょっとヒビキさん!

人を見かけで判断しないでください!」

「あー はいはい」

(・・・・メンドくせえヤツだなあ)


そのさん 

20071020124008モモ 「じゃあこれからどうやったら良太郎をもっと効果的にサポートできるか、じっくり話し合うとするか」

ウラ 「あのー、先輩。大変言いにくいんですけど
実は僕らこれから冬眠に入る時期でして・・・・」

モモ 「何ィ!!」


2007073018394220070730184015モモ 「そんなの関係ねー!!

気合と根性でなんとかしろ!」

「そうは言われましてもねえ・・・

これ、生理現象(?)ですから」


20071020124244モモ(小声で) 「だいたいよう

似たようなネタ、前にもやったんじゃなかったか?」

ウラ(小声で) 「大丈夫ですよ♪

あんなの誰も覚えてませんから。つか、読まれてすらいないんじゃ?」


そのよん

20071005185732ウラ 「ご心配なく先輩
ぼくらが休んでる間の助っ人を、前もって呼んでおきましたから
帰ってきた渡り鳥のジークさんです
ジークさんどうぞ!

ジーク 「降臨・・・・ 満を持して」

モモ 「・・・・こいつか」


20071020124332ジーク 「なんだ! この殺風景な場所は!
下賤の者ども!
さっさと出迎えにふさわしい装いをせんか!!」

モモ 「なあ、もっと他にマシなヤツァいねえのか?」

ウラ 「そう言われましても、あとはもうこんなのしか・・・」


2006081118564320071020124833? 「ちわーっす
とりあえずオムライス一つ。コーヒー付きで」

モモ 「アホ! 
こりゃイマジンじゃくて
“ヒマジン”じゃねえか!」
ウラ 「・・・・本当にネタ不足が深刻になってきましたね・・・・」


そのご

20071020123801_2「では(気を取り直して)電王ちゃんよりメッセージです!
どうぞ!」

「電王です
便器は清潔にネ!」

「てめえ!
やる気あんのか!」

次回未定


 


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October 19, 2007

邦画173番勝負 リリー・フランキー 『日本のみなさんさようなら』

20071019131431最近とみに多才な活動で知られるリリー・フランキー氏。これは氏がいかに日本の薄汚れた社会に絶望し、華麗なるフランス国民へと転身したかを克明につづった迫真のドキュメンタリー・・・・ではなく
『ぴあ』誌に94年末から99年の半ばまで連載された邦画オンリーの紹介コラムであります。作品のひとつひとつにリリー先生の緻密な(笑)イラスト付き。ちなみに本のタイトルは『日本沈没』(昔の方ね)の有名なセリフから取られたもの。

この本の存在を知ったのはやまわきさんとこのブログで(http://www.yamawaki3.com/blog/blosxom.cgi/book/20050208_1.htm)
『東京タワー』(映画)を観た後唐突に思い出して、「何か読んでみてえなー」と思ったものの古書店にも普通の本屋にも置いておらず、結局東京の某大書店でようやく入手しました。奥付をみたら、なんと「2002年3月10日 第1刷」とある。ごていねいに「2002年3月の新刊 文春文庫」と書かれたチラシまではさまってました。
・・・・よく5年もの間裁断されずに生き延びてきましたね・・・・ きっと書店の倉庫の片隅で
「オラァ、こんなウン年前の本さっさと始末しちまえよ! 邪魔でしょうがねえよ!」
「待ってください課長! あと三ヶ月・・・・ いや一ヶ月したら、必ずリリーブームがやって来ますから!」
というやりとりがあったに違いありません。そんな知られざるドラマのことを思うと、ふと目頭が熱くなるSGA屋伍一34歳独身でありました。


序文にはなかなか気合の入ったリリーさんの邦画へのラブコールが書かれております。
「日本の人々は日本映画には厳しいと思う」「日本映画がツマラないのではない。洋画も同じようにツマラないのである。そして、その両方に時として“イイモノ”が入っている。」「日本の映画が好きな理由はひとつである。」「わかるから。そこにある言葉、空気、色々なこと。わかるから腹が立ち、わかるから好きになる。」

熱いぜ・・・・ リリー!

ではこの本を読むと今まで見え辛かった邦画の良さがパーッとわかるようになるかというと、そんなことはまったくございません。確かにたまーに正面から作品を論じた項もないではないですが、大半はその作品や役者さんの意外なお笑いポイントを「はい!ここですよ!」と教えてくれるような内容。せっかく今まで感動できてた傑作でさえ、出るべきところで涙がひっこんでしまう恐れさえあります。

例えば74年製作、野村芳太郎監督の『砂の器』はこんな感じ。
「『砂の器』のクライマックス。(丹波哲郎が)加藤嘉に一枚の写真を差し出し問いかけるシーン。 『あなたは!! この写真のヒドに見おぼえがおありですがアアアア!! プワーッ!!』 このパワーに対して加藤嘉は気迫で返す。『ウォォォ!! そんなヒド!! 知らんんんグボゲロバー!!」。これがかっこいい芝居というものだ。」

・・・・・松本清張先生をして「わたしの映画化された作品の中で、唯一原作を大きく上回る」と言わしめた傑作だというのに・・・・

台無しだ・・・・ 台無しだよ。


でも面白い(笑) そんな本です。

無理矢理話を元に戻しますと、このコラムが始まった1994年当時、邦画界は大変お寒い状況にありました。興行収入でもヒット作の本数でも洋画に遠く及ばず、「邦画を映画館で観る気にはなれない」という人種も多数存在していました。どうせ高いお金を払うんだったら、高い金がかかったものが観たい。そう考えるのは貧乏人、芸術を解さぬ人間にとって当然のことではないでしょうか(わたしも含めて)。
ところが連載開始から3年経った1997年あたりから、邦画界は『もののけ姫』『踊る大捜査線 THE MOVIE』『千と千尋の神隠し』『世界の中心で、愛を叫ぶ』など、洋画に負けないメガヒットを連発。昨年にいたってはとうとう国内における興業収入が洋画を上回ったというから驚きです。その「邦画復権」の影には、もしかしたらこのコラムの影響も少なからずあったのかもしれません。
・・・・・と筆の勢いで書いてしまいましたが、冷静に考えてそんなことはまずありえないでしょう。絶対に。

取り上げられている映画は全部で173本。邦画マニアを自負する方は、自分がどれほど観ているかチェックしてみるのも一興でしょう。ちなみに自分は二十数本、名前は知ってるというものは百本ちょっとでした。

20071019131348最後に個人的にとっても勉強になった一文を紹介いたします。
「似てない似顔絵を描いた時は、カオの近くに名前を書いておけばOK!!」

リリー先生! 一生付いていきます!!

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October 17, 2007

最近(2007.4~9)のアニメについて② 『地球へ・・・』『DARKER THAN BLACK ~黒の契約者』

20071017195727それでは予告どおり最近のアニメレビュー第二弾をば。最近話題作を連発している竹田靑滋氏プロデュースによる「超能力者もの」二題です。


☆ヤマサキオサム 『地球へ・・・』

はるか未来、遠く宇宙まで根を張り伸ばした人類は、DS体制と呼ばれる強固な管理社会の下で生活していた。その社会に、いつしかミュウと呼ばれる異端の存在が生まれ始める。体の障害とひきかえに人知を超えた能力を有するミュウを、体制側は激しく迫害する。ミュウの長ソルジャー・ブルーからリーダーの座を譲られた少年ジョミーは、仲間たちとともに人類の故郷、地球(テラ)へと向かう。そこに希望があると信じて・・・・

原作は竹宮恵子の名作コミック。読んだことはありませんが、1980年に製作された劇場版は観たことがあります。「壮絶」という言葉がぴったりあてはまるようなそのストーリーは、幼心に強い衝撃を残しました。
で、今回のテレビ版。序盤はけっこう熱中して見てたんですが、お話の中盤にさしかかったあたりから、(わたしの)テンションが段々と下がっていってしまいました。たぶんそれはジョミーと、その対となるキャラ・キースが、早々と「大人」になってしまったからだと思います。自分、どうも序盤の二人が感情をもてあまして右往左往する展開が好きだったみたいです。ところが10話を越したあたりから、ジョミーもキースもすっかり自分を捨てて達観したようなキャラになってしまいました。あんだけ大きな責任をゆだねられりゃ、そりゃいつまでもわがまま言ってられないでしょうし。これはもう個人的な嗜好の問題なんで作品は悪くありません。
あと作品全体のペース配分もも少しなんとかならなかったかな、と思いましたが、全体的には「良心作」というにふさわしいアニメでした。


☆岡村天斎 『DARKER THAN BLACK ~黒の契約者』

近未来、謎の現象により「契約者」と呼ばれる超能力者が世界に多数出現。その発生と大きな関わりがあるらしい「新宿」を舞台に、とある秘密組織の命を受け暗躍する契約者「黒(ヘイ)」と、彼に関った者たちの物語。
それぞれ個性的な能力を有する「契約者」は『X-MEN』のミュータントか、あるいは「忍法帖」の忍者を彷彿とさせますが、感情が乏しい代りにある種の欲求だけが特化するという独特な設定もあります。
こちらは序盤惰性で見ていたものの、話数が進むにつれひきつけられていった作品。作家の大沢在昌氏は「ハードボイルドとはムードやスタイルではなく、無関係だった二人がつかの間のひと時出会い、そして別れていく物語」というようなことを言っていましたが、その線でいくならばこの『DARKER~』こそはまさしく「ハードボイルド」を地で行く作品だったと思います。
キャラクターでは肉体を失ってしまい猫の体を借りている「猫(マオ)」がめちゃくちゃツボでした。可愛い顔してオヤジ声でしゃべるんです。こいつ。あと日中関係が微妙な中(笑)、主人公が中国人というのも特筆に価します。


20071017195858そんなわけで気に入った順に四作品紹介して来ましたが、先のシーズンで一番はまったのは『天元突破グレンラガン』というアニメ。これに関しては一本の記事でじっくり書きたいと思います。


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October 16, 2007

コント山本くんと武田くん⑭ 戦線佳境編  ~大河ドラマ『風林火山』より

(この記事をごらんになる方々へ。今回は『風林火山』の結末を思いっきりばらしております。先の展開を知りたくない方は急いで避難されてください)


武田 「赤西ヒトシ(復帰おめでとう)です」
山本 「山本カンスケでゴリラ芋です」
武田 「いやー、とうとう始まったな。川中島の戦い」
山本 「始まりましたねー。すでに5ラウンドのうち2ラウンドを消化しました」
武田 「するってえと、あれだな。カンスケ、お前の命もだいぶ残り少なくなってきたな」
山本 「ちょっと殿、縁起でもないこと言わないでくださいよ!」
武田 「いや、だって資料に書いてあるよ。『山本勘助、第五次川中島の戦いにおいて戦死』って」
山本 「ええええええ!! マジっすか!! 大ショック!」
武田 「・・・・お前さ、曲がりなりにも主役なんだから資料にくらいキチンと目を通しとけよ」
山本 「あの、実は影武者だったとか、モンゴルにこっそり療養にいったとか、そういう抜け道はないんでごいすか?」
武田 「ないな(きっぱり)」
山本 「そんな殺生な! 殿だって『まだまだ働いてもらう』っておっしゃってたではないでごいすか!」
武田 「ああ、あれ、社交辞令だから。まあワシも不思議ではあるけどな。いままでゴキブリのようにしぶとく何度も何度も生き延びてきたお前が、たかだか合戦くらいで死ぬかなあって」
山本 「言われてみれば色々ありましたなあ。ガッキーに切り殺されそうになったり、ガックンに射殺されそうになったり・・・・・ それにしてもこの資料みてみると『戦死・戦死・戦死・自刃・戦死・戦死・戦死・痴話ゲンカ』って・・・・ 武田二十四将ってどいつもこいつもろくな死に方してませんね。一体どなたが率いていたのやら」
武田 「こらカンスケ! ネタバレはいかんぞ! 先の展開を楽しみにされてる方もたくさんおられるのでな!」
山本 「殿が最初にばらしたんじゃねえでごいすか!」
武田 「あー、ところであれもようやく決まったな、三国同盟」
山本 「うわ。なんちゅう露骨な話のそらし方」
武田 「(小声で)いいから話をあわせんかい!」
山本 「・・・・ったく。ええそうですね。決まりましたね」
武田 「微妙に違うけど、なんか『三国志』とちょっと似てるよな」
山本 「さしずめ殿は魏の曹操あたりでしょうか」
武田 「そうそう」
山本 「・・・・・・・・・・・・・」
スタッフ 「・・・・・・・・・・・・・」
聴衆席 「・・・・・・・・・・・・・」
視聴者 「・・・・・・・・・・・・・」
テロップ 「(事故画面で)しばらくおまちください」


武田 「(何事もなかったように)で、三国同盟だがな。お前はどう思う?」
山本 「そうですね。同盟というか危うい綱引き状態と言ったほうが近いやも。そういった点ではあれを思い出しますね。『三すくみ』」
武田 「あれかー。あれってけっこう考えるのむずかしいいんだよね。カンスケ、お前なんかいいネタ知ってるか?」
山本 「は、恐れながら殿とそれがしと由布姫さまがごときものかと」
武田 「そのこころは? 」
山本 「は。それがしは由布姫様にまったく頭が上がりません。その由布姫さまは殿にベタぼれです(不可解な話ですが)。そして殿はそれがしに言われたい放題と」
武田 「むむ。急ごしらえにしてはなかなかやるじゃないか。ん?(カンペを見て)CMです」
(舞台裏で)
武田 「なんだよ。またさっきの事故のことかよ」
使者 「火急の報せです。実は殿、さきほど由布姫様がお亡くなりになられました」
武田・山本 「ななななな、なにぃーっつ!!」

20071016213014
(つづく)

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October 15, 2007

最近(2007.4~9)のアニメについて① 『ヒロイック・エイジ』『ロミオ×ジュリエット』

20071014202941・・・・あ。最近映画観てないわ。というわけでいまのうちに最近パタパタと終ったアニメ群を紹介いたします。今日は古典に材を取った二作品を。

☆鈴木利正 『ヒロイック・エイジ』

かつてこの宇宙には「黄金の種族」と呼ばれる神にも等しき者たちがいた。彼らはある時を境にいずこかへと姿を消し、後の世界を銀・青銅・鉄の各種族にゆだねる。ところが銀の種族は自らを黄金の種族の後継者と主張し、鉄の種族である人類を攻撃。圧倒的に不利な状況に追い込まれた人類は、絶大な力を誇る「英雄の種族」を体に秘めた少年・エイジに希望を託し、起死回生のチャンスを狙う。

物語の中心となる船の名が「アルゴノート」で、エイジと一心同体の怪物の名が「ヘラクレス」からとられている(「ベルクロス」といいます)ところから明らかなように、ギリシア神話を下敷きにした作品。特にどの話をってわけではなく、色んなエピソードから材料をひっぱってきて、「宇宙SFでまとめてみました」という趣向です。お話は先達である黄金の種族が、なぜ後続の種族たちを争わせるような契約を残していったのか・・・という謎をカギとして進んでいきます。
主人公が限りなく無垢な存在であると同時に、星々をふっとばすほど絶大な力を有しているというところは、なんだかシリアスなドラゴンボールなようでもあり。
個人的にはエイジが自分の桁外れの力に恐怖したり、周りから「ば、化け物」とかドンびきされるシーンがあったらもっとのめりこんだと思います。でも意外にも全体的にほのぼのとした印象で、あんまりそういう方向にはいきませんでした(笑)。悩めばいい、ってもんでもないですけどね。
怪獣が鎧を着込んでいるかのようなベルクロスや、独特な形状の宇宙船、様々な星の情景描写などには、美術スタッフのがんばりが感じられました。


☆追崎史敏 『ロミオ×ジュリエット』

意欲的な作品を多く手がけているGONZOが製作。タイトルが示すようにウィリアム・シィエイクスピアの名作をアニメ化したもの。といっても、ジュリエットが男装の麗人で、民衆を圧制から解き放つために剣を取って戦うというストーリーは、原作からとんでもなく逸脱したものとなっております(ちなみにロミオは独裁者のセガレ)。「お家の事情のため実らぬ恋に胸を焦がすカップル」という屋台骨だけ借りてきたという感じ。
粗筋はともかくとして、世界観は若干おとなしめ。一応ファンタジー的な要素もあるんですが、あくまで添え物程度に抑えられており、よくいえば落ち着いた、悪く言えば「地味」な印象です。その点、異色作『巌窟王』のかっ飛びぶりにしびれたファンは、多少物足りなく思えるかもしれません。
作中人物のほとんどの名がシェイクスピアの作品の中から取られていて、その方面に詳しい人はなかなか楽しめると思います。またシェイクスピア自身もオカマの劇作家として登場。お笑い担当のようでいて、たまに重要なセリフヲさらっと言っていくあたりが面白かったです。
主題歌はノルウェーのミュージシャン「シークレット・ガーデン」が2002年に発表した『YOU RAISE ME UP』の日本語カバー。この曲がバックに流れるOPは、個人的にシーズン中NO.1でした。

この二作品、全体的にお話の密度はそれほど濃くもなかったりして。途中二、三話見逃したりしてるんですが、それでもあんまり支障ありませんでしたし(笑)
しかしクライマックスにおいてはさすがに盛り上がりを見せ、「がんばって通して見た甲斐があった」という感動を与えてくれました。

20071014202917次回は『地球へ…』と『DARKER THAN BLACK 黒の契約者』を取り上げます。

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October 12, 2007

適当掲示板54&帰ってきたへっぽこ料理教室

時はまさに食欲の秋、でございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。SGA屋伍一です
本日は前回ご好評を頂いた(のか?)「へっぽこ料理教室」http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2007/06/48_9595.htmlの第二弾をお届けいたします。
前回はそれなりに使える料理をご紹介したつもりですが、今回は非実用的だったり微妙なものを中心にお届けいたします。そういう意味では今回こそがへっぽこ料理の真髄と言えるかもしれません。
では参ります


A:タラコスパゲッティ

20060909120201これは簡単です。ゆでたパスタに大量のタラコとバターをかき混ぜるだけ。その上にパラパラッと刻みノリなどふりかけてもいいでしょう。辛いのが好きな人は辛子明太子でもOKです。
コツはタラコをケチらないこと。ちなみに左はケチった悪い例です。
ただしこの料理、コレステロールが半端じゃりません。あとタラコってけっこう高いんですよね・・・ 財政的に余裕の無い方はママーかSBが出してるタラコソースで代用してください。


B:グラタン

20060610184021これはまあ箱の説明どおりに。タマネギと鶏肉を切って炒めて、その上に粉・水・牛乳をぶっかけて似ます。ほどよく似たところで耐熱皿に移してオーブンで焼きます。
最近はマカロニを別にゆでなくても一緒に煮てしまえる商品もあるので、それほど面倒くさくはないです。しかしちょいと時間がかかる上にバカうまってわけでもないので、わざわざ作るほどのものかなあと。
ただこれからの時期にむいた料理ですので、たまにきまぐれにチャレンジしてみるのもいいかも。


C:ハンバーグ

20070915090151まずタマネギを細かく刻んで炒めます。そいつをひき肉と卵とパン粉をまぜて、ひたすらこねます。ほどよい形に整え、じっくり焼きます。終了。
あとこねてるところに塩コショウするのを忘れないでください。
お子さんのおられる方は作ってあげたら喜ばれると思います。しかし独身男が作る意味はあるのかといえば・・・・(笑) だっていまマックで百円でハンバーガー買えますからね。手間ひまかけてこねこねするのも、むなしいっていやむなしい


D:謎のブラジル料理

20070120184939これはブラジル料理店でバイトしていた弟から教わったもの。いまだに名前がわかりません。ひき肉(適量)をコンソメの素(適量)と一緒に炒め、その上にカレーパウダー(多目)をふりかけます。ほどよくいためたそれをご飯に載せ、さらに輪切りにしたゆで卵を載せ、マヨネーズをかけて終了。
これは今回紹介した中では使える・・・簡単でうまく、やすい・・・・方じゃないかと思います。ただ世の中には「ご飯にマヨネーズをかける」ということに抵抗感を抱く人も多いようです。


E:マッシュポテトを作ったつもりだったのだが

20070420192013唐突に昔給食によく出たマッシュポテトが食べたくなりまして。Akimboさまから頂いた情報をもとに、ジャガイモをゆで、バターを混ぜてすりつぶし、その中にゆでたニンジン、輪切りにしたソーセージ、グリーンピース、コーンなどを入れて、塩コショウしつつこねくり回しました。
するとAkimboさまから「それはポテトサラダです」というコメントが寄せられました。マッシュというのは何にも入ってない基本ポテトオンリーのものを言うのだそうで。では給食で出たあれはいったいなんだったのだろう?
味はまずくはないけど取り立ててうまくもなく。これは腕の問題か


E:カップラーメン

20071012072449最後に最も高度なテクニックを要する料理を紹介いたします。まずお湯をわかします。ついで容器のフタを慎重にはがします。ものによっては中にスープの素ほかが入っている場合もあるので、それらを取り出してください。
熱湯を容器に注ぎ、三分(四分・五分のものもあり)待つと完成です。完成時お湯を捨てるという「カップ焼きそば」というバージョンもあり。
安価で大変おいしいためついついこれに頼ってしまうことも多いでしょうが、こればっかりだと栄養が偏ること間違いなし!ですので、週に1・2回にとどめておいたほうが賢明です。


いかがだったでしょうか。わたしのレパートリーはこれでほぼ出尽くしたので、「へっぽこ料理教室」は今回で終ります。みなさま、長い間ご声援ありがとうございました。

20061008051031この夕日がある限り、いつかまた、会える・・・・

その時まで・・・あばよ!


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October 10, 2007

うつし世は夢野久作② 『爆弾太平記』

20071010173910先日は現代教養文庫の『爆弾太平記』に収録された『犬神博士』について語りましたが、今回は表題作について解説するといたします。みなさんはダイナマイトはお好きですか? 男と生まれたからには一回ぶっとばしてみたいもんですけど、これはそのダイナマイトにまつわるお話。

作品が発表されたのが昭和8年ということなので、たぶん舞台はそのくらいの年代。冒険心あふれる水産系の技師・轟(とどろき)は、当時日本の領土であった朝鮮に渡り、新たな漁場を幾つも開発。本土から困窮していた漁師たちを呼び寄せ、彼らから大いにありがたがられる。ところがこの新たな漁場に、「ダイナマイト漁」を行なう無法の輩が現われはじめた。
ダイナマイト漁とは着火したダイナマイトを魚群の真ん中に放り込み、気絶した魚をすくい集めるという乱暴極まりない漁法。手間がかからない上に魚は取り放題なので、半端じゃなくもうかるが、これをやると当分そのエリアにお魚たちが近寄らなくなるため、近隣の漁師たちがこうむる迷惑は測り知れない。
轟はこの漁を行なう者たちを駆逐しようと奮闘するが、彼らの後ろには驚くべき者たちが控えていた。

この短編、まず初めに目に付くのは「△△府」とか「××浦」といったたくさんの伏せ字。ややこしくてちょっとげんなりするんですけど、根気よく読んでいきますと、地名に関してはどうやら朝鮮半島のそれらしいことがわかってきます。どうしようもない物はともかく、適当に架空の地名でもひねくればよかったのに、と思いましたが、こうすることでリアリティを深めることが狙いだったのか。あるいは当時としてもこの方面の話題はデリケートなものだったのか。

夢野さんのお父さんは朝鮮の開発にも深く関っていたそうで、当然このお話も実際の事件に材を得て書かれたものと思われます。わたしは当時「ダイナマイト漁」なんてものがあったことを初めて知ったので、この機会にと思ってちょいと検索してみたんですが、これ、今でも東南アジアあたりでは「比較的日常的に行なわれている」そうです。うっかりタイミングをまちがえて船ごと大爆発、なんていうシャレにならない事件も時々あるとか。
いつの時代にも「儲かりさえすりゃ後のことは関係ない&危なくたって構わない」という人間はいるんですね・・・・

作品の方に話を戻しますと、やる気まんまんの轟技師のキャラクターと語り口がまことに痛快。爆弾を取り締まる側の人間の名が「とどろき」というのはちょっと笑えますけど。さらに轟を助ける友吉という荒くれ男がまた面白い。この友吉、もともとはダイナマイト漁に携わっていた者だったんですが、死に瀕していたところを轟に助けられ、以後彼の手足となって働くようになります。例えるなら鬼平とその密偵みたいなもんでしょうか。

巨悪にもひるまず戦いを挑む轟でしたが、いつしか彼らの奸計にはまってしまいます。その時友吉のとった行動とは・・・・ ラストでは夢野作品らしからぬ、さわやかな感動がわたしたちを包みます(笑)。ただ扱ってる場所が場所だけに、向こうの人が読んだら気を悪くすることは間違いないでしょう。
幸か不幸か比較的入手しやすいちくま文庫版の全集でも、この話が収録された巻は絶賛品切れ中。「ぜひ読んでみたい」という人はとりあえず近所の図書館とかあたってみてください。わたしが学生のころは三一書房版の全集なんか、けっこういろんなところに置いてあったものですけど。

この現代教養文庫版にはもう一編『冗談に殺す』という小編も収録されています。紛れも無い探偵小説でありながら、トリックなどは一切なく、異常心理のみに焦点が当てられたいかにも夢野久作らしいお話。乱歩の『目羅博士』と似ているような・・・・似てないような(笑)

20071010173932夢野作品は『ドグラ・マグラ』に感銘を受けて幾つか短編を読み漁ったことがありましたが、今では『瓶詰の地獄』と『氷の果て』以外は全て忘却の彼方です(笑) 自分でもまた図書館で探してみようかしらん。

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October 06, 2007

宇宙の波はオレの波 スタン・リー メビウス 『シルバーサーファー』

20071006184805あちこちのブログ見てみますと、なんか『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』の評判があんましよろしくないじゃござーせんか。
だから、わたしはこの映画を誉めることにします。

『ファンタ2』はすげえよ!! 世紀の大傑作だ!! スーパーマンもスパイダーマンも全然目じゃないね!! キャーキャー!! ヒューヒュー!!

・・・・・えーとね。その一環として、いまから約10年前にひっそりと日本に紹介された、このコミックについて本日は語るっとしましょう。アメコミ界の大御所スタン・リーとフレンチコミック(BD・・・ベーデーというらしい)の巨星メビウスががっちりと手を組んだ奇跡の作品です。

飽くことなき飢えのゆえに、星々を喰らい続ける宇宙の巨人ギャラクタス。かつて地球もその標的となったことがあった。幸い彼の忠実な僕であったシルバーサーファーが、突如として人間の味方についたことにより、地球は命を永らえた。だが時を経て、再び魔神は地球を喰らわんとその姿を現す。
危機に直面していることもわからず、威厳溢れるギャラクタスを神と崇め始める人々。サーファーは以前の主を追い払うべく奮闘するが、それはギャラクタス信奉者たちからの攻撃を身に招くことになった。

シルバーサーファーの初登場は1966年、『ファンタスティック・フォー』誌第48号にて。最初はファンタチームの敵でしたが、いろいろあって彼らの仲間となります。二年後には脇役から『シルバーサーファー』誌の主役に昇格。このコミックはそのシリーズとは別に、1988年に二冊こっきりの特別版として出版されたものです。ちなみにオリジナルのギャラクタスは映画とは違い、バケツをかぶったような頭のバカでかい巨人として描かれています。
アメコミ世界では同じ世界に複数のヒーローが存在していることになっていて、例えばMARVELコミックスの作品ではスパイダーマンとX-MENが共演したりとか、ハルクとゴーストライダーがすれちがったりなんてことはしょっちゅう。ところがこのメビウス版『シルバーサーファー』においては、地球の危機だというのに誰一人サーファーを助けに来ようとしません。かつて共にギャラクタスを追い返したファンタスティック・フォーでさえ(・・・・)
恐らくこのコミックの世界は本家マーヴル世界とはまた別のもので、ヒーローはサーファーしかいないという設定になってるのでしょう。その辺はちょっと脳内補完が求められます。
邦訳は96年に出された『マーヴルクロス』という雑誌の1号と2号に掲載されました。『マーヴルクロス』はアメコミの名作・傑作を多数紹介してくれたとってもありがたい雑誌でしたが、17号を持って終了。ああ・・・ あのころは良かったよなあ・・・・  

おっと、ついひたってしまった。このコミック、たぶんいまはもう読める機会はほとんどないと思うので、ラストばらしちゃいます。「意地でも探して自分で読む!」という方は急いで避難してください。

サーファーの捨て身の戦いにより、ようやく人々はギャラクタスが地球を滅ぼそうとしていることに気づきます。自分の計画が失敗したことに気づき、おとなしく宇宙へ帰っていくギャラクタス。すると今度は人々はサーファーを代りの新しい「神」に据えようとします。それが皆のためにならぬとわかっているサーファーはこう告げます。
「あなた達は他の誰も頭上に仰ぎみてはいけない」「神性のきらめきは皆の内にある・・・・ あるいは誰の内にもないものなのです!」
しかしそうしたサーファーの言葉にかえって感動してしまう民衆。「どうか我らにお導きを! 我々は皆あなたの使徒になります!」
すると突然態度を一変させ、高圧的な命令を連発し始めるサーファー。
「よろしい。諸君の申し出を受けよう」「だが手始めにわが要求を聞け!」「わがいかなる命令にも黙して従うのだ。いかなる気まぐれをも満たし、あらゆる欲望を充足せしめよ」「各国の富の三分の一を私に上納するのだ」「私が姿を現したときは立ち上がって向かえよ。私の許しなく口を開いてはならぬ」
彼の言葉を聞いた民衆は瞬時にして手のひらを返し、拳をふりあげてサーファーにつめよります。「リンチよ! その銀ピカのゾンビを吊るしなさい!」「薄汚いエイリアンめ!」
その狂騒の中、以前ギャラクタス信奉者のリーダーであった男・キャンデルは一人叫びます。
「彼は本気で言ってるんじゃないんだ!」「わからないのか?みんな我々のためなんだ! 我々が再び道をあやまらないために!」「だめだ、サーファー行かないでくれ!」「人類は狂っている! あんたは最後の希望なんだ!」 

しかし群集の手が体に触れる前に、ボードに乗って天空へと去っていくサーファー。キャンデルはなおも叫び続けます。「なぜだ? なぜこんなことを? あんたは全てを手にできたのに! 神にさえなれたのに! 神にさえ!」「それを全部投げ出してしまった 俺たちなんかのために!」「取り返しのつかないことを・・・・」「俺たちにそんな値打ちはないのに!」

物語は宇宙から地球を見下ろすサーファーの独白でもって幕を閉じます。
「だが私は この地球という狂気の砂漠の中に 理性というオアシスを 捜し求めることを 決してやめはしない」
「数知れぬ世界と 終わりなき星々の中にあって 最も忌まわしき運命とは・・・・」「・・・・永遠の孤独に生きることなのだ」

20071006184822この作品が発表されてから約20年。いまだドンパチを各地で繰り広げている地球人の姿は、シルバーサーファーの目にどう映っているでしょう。


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October 05, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編④

20071005185656『響鬼』編4回は本作品のタイトルでもある「ヒビキさん」について少々語るであります。

高寺成紀氏が作ったいま一人のライダーに『クウガ』の五代雄介がおりますが、彼のモデルって実は『男はつらいよ』の「寅さん」では・・・というのがわたしの妄説。風来坊だし、しっかり者の妹がいるし、どこへ行ってもすぐ人気者になってしまうし。
じゃあ本編の主人公たる「ヒビキさん」のモデルは誰か? それはたぶん「スーダラ節」でおなじみの植木等さんではないでしょうか(そこ、怒らないで)。
ヒビキさんのことをよく知らない人の目には、彼ってかなりいい加減な人間に映ることと思います。戦いに赴く時だって鼻歌交じりで、倒すべき魔化魍に対してもなあなあ口調で話しかけたりする。その姿からは「真剣味」というものがおおよそ感じられません。
ところがそんな「無責任男」のヒビキさんが、歴戦の鬼たちでさえてこずるような難敵を、次々と退治していきます。見かけと実績が著しくかけ離れている。そんなところがまさしく植木氏演じる「平均(たいらひとし)」を連想させます。あと彼、楽器も扱えますし、何より本名は「ヒトシ」さんというそうですから(笑)。その線でいくなら、イブキやトドロキといったほかの鬼は、クレージーキャッツの他のメンバーということになるでしょう。
たぶん胸の底には熱いものを持ってるんでしょうけど、そうした感情・・・怒りは決して面に出さない。だから中盤までのわたしのヒビキさんに対する印象は、「鬼でありながら仏のような男」というものでした。
しかし終盤に来て、初めてヒビキさんは「怒り」に近い感情をあらわにします。それは意外なことに敵である魔化魍に対してではなく、年下の友人であり弟子となった明日夢くんに対して向けられたものでした。

物語を通じてあった謎のひとつに、「なぜヒビキさんは弟子取りに消極的だったのか」というものがあります。キャリアからすればもうとっくに弟子を取っていていいはずなのに、「ガラじゃないから」ということでそれを断り続けるヒビキさん。終盤で「彼自身が師匠についたことがなかったから」という理由が明かされましたが、わたしはそれだけではないような気がします。

中島らもさんの著書にこんな言葉があります。「人に上に立つものは、人を怒れないとだめだ」(そのあと、「だからわたしはなるべく誰かの上に立とうとしなかった」と続きます・笑) これは師匠と弟子に関してもあてはまると思います。真に弟子のことを思うなら、心を鬼にして叱らなければならない時もあるでしょう。そして弟子のためを思ってしたことなのに、逆に恨まれることもあるかもしれません。
ヒビキさんはそういう風に「誰かを怒らねばならない」ことがイヤだったんではないでしょうか。まして親しい友である明日夢くんを弟子にしたら、せっかく築いていた「いい関係」が壊れてしまうかもしれません。しかしヒビキさんは結局明日夢くんともう一人の少年の熱意にほだされ、初めて弟子を持ちます。そして人生の岐路に悩む明日夢少年に、厳しい言葉を言わねばならなくなります。けれどもそうしたヒビキさんの叱責が、結果的には少年をさらなる成長へと導くことになったのでした。

昔寝ながら聞いていた「教育原理」という授業で、こんなことを学びました。「教育の理想とは、教師が生徒を一方的に成長させるだけではなく、教えることによって教師もまた成長していくこと」なんだそうです。
明日夢くんを弟子とすることによって、彼を次の段階へ導くだけでなく、ヒビキさんもまた一人の大人としてレベルアップを果たしたことでしょう。本作品でいう「響きあう」ってのは、つまりはそういうことなんでは、と考えております。

20071005190120『響鬼』編ラストについては、本当にどうでもいいことを書きます(苦笑)。乞えないご期待。


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October 03, 2007

新たなる福音 庵野秀明 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』 0パート

Eva3_2現在絶賛公開中の 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』。今回はその底本であるテレビシリーズ1話~6話の思い出を語ってみたいと思います。

わたしが最初に『新世紀エヴァンゲリオン』の名を見たのは、1995年夏ごろのアニメ雑誌(オタクです)。放映前の宣伝記事で、「最近のロボットアニメはつまらない! おれたちが本当に面白いものを見せてやる!」というスタッフの意気込みが書かれてました。当時『新機動戦記ガンダムW』のハードボイルドな作風にしびれていたわたしは、「てめえら、偉そうなこと言ってくれんじゃねーか」と少なからずカチンときたのを覚えています(笑)。キャラクターデザインがちょっと軟派調だったのも気に入りませんでした。

そんなわけでやや斜に構えた姿勢で臨んだ第一話視聴。感想は「ふーん。まあ言うだけのことはあるんじゃないの?」でした。確かに作りこまれた設定&画面構成は凡百のアニメとは一線を画しておりました。特に印象に残った絵は、なんでか蜂の巣状につながったモニターに、シンジくんの顔がたくさん映ってるシーン。

しかし本当の意味で「違うな」と思ったのは、第二話でした。この回は前話からのヒキで初号機と最初の敵・サキエルが向かい合ったところから始まります。操縦に不慣れなため、シンジ君はあっという間にピンチに陥ります。絶体絶命のその時、お話は突如として先の時間へジャンプ。病院のベッドで目覚めるシンジ。そのあと退院やら引越しやらの描写が入るわけですが、「もしかして決着のシーンがないまま終ってしまうのか?」とえらい不安になりました(笑)。
幸いにもその部分はちゃんとありました。多忙だった一日が終わり、ベッドについたシンジのフラッシュバックという形で、ようやく初戦の決着が描かれます。
今にして思えば「クライマックスにバトルを持ってきたい」というスタッフの苦肉の策だったんでしょうけど、この定型を踏みつつ斬新な構成に、「これまでになかった」ものを感じたのでした。

続く第三話は特にこれといって目立ったところはありませんでしたが、注目すべきは第四話です。この話は家出したシンジが町をふらふらとさまよう、その描写にお話のほとんどが費やされています。当然エヴァも怪獣もバトルもありません。ここにいたってスタッフも、ロボットアニメのパターンを当てはめることを諦めたたようです。あるいは「つかみ」は終了した、と考えたのか。いずれにしてもパターンよりもドラマを重視した、その姿勢には感銘を受けました。ロボ目当てで見てるお子さんたちは、きっとがっかりしただろうなーとも思ったけれど(^^;)

そして5話・6話にいたると、わたしのわだかまりもほとんど消え(笑)、かなりのめりこんで見ていたような。特に「ヤシマ作戦」における、「日本中を一時停電させてエネルギーを引っ張ってくる」というアイデアには言い様のない面白さを感じました。ロボットのエネルギー限界って、気合と根性でクリアされてしまうことが多いですからね(笑)。あえてこういう「縛り」を作って、バトルの緊張感・ゲーム性を高める。この手法は後のアニメにも大いに影響を与えていると思います。

おしまいに今回劇場版から削られて惜しいな、と思った場面を幾つか。もし記憶違いがあったらすいません。

☆VSサキエル戦における初号機の宙返りシーン。「巨大ロボが宙返りを!」と素直にびっくりしました(追記:すいません・・・これありました)
☆サキエル戦終了時、頭部装甲がすっ飛んだ初号機と目があってびびりまくるシンちゃん。初号機の怪物性を表わす上で重要なシーンだったと思うんですが・・・
☆ミサトが買い物をしてる間えんえんと映っているシンジの横顔(追記:これもありました。ただオリジナルよりも時間的に短かったような。重ねてお詫びいたします・・・・)。あるいは駅のホームでずーーーーーっと向かい合ったまま動かないシンジとミサト。いわゆる「時間稼ぎ」の意味もあるんでしょうけど、動きっぱなしのことが多いテレビアニメにおいては斬新な手法でした。しかしこれってやっぱりやるのに勇気がいるのか(笑)、その後の作品においてはあんまり見かけません。Eva4


つづく七話以降に関しましては、また『破』が公開された時にでも振り返ってみましょう。でもそれって、いつのことになるのやら・・・・


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October 01, 2007

じゅおん・パンダミック 概ね八匹目

そのいち サングラスをかけたパン太くん

20071001184921 ・

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そのに 眼帯をつけたパン太くん

20071001184946 ●
 
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そのさん 寝不足で目の下にクマができたパン太くん

20060620212012 ☆

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そのよん 日本はいま

200710011850152007100118503220071001185054 一
 周
 年
 を
 祝
 し
 て


そのご 続・日本はいま

2007100118511920071001185136 勘
 弁
 し
 て
 下
 さ
 い


そのろく いま復活のブラックパン太くん

200710011851512007011519470320061208135047 ネ
 タ
 切
 れ
 警
 報
 発
 令


そのなな いま復活のブラックニャン太くん

2007100118520820071001185225 む
 し
 ろ
 猫
 違
 い
 で
 は


そのはち 百万の死に様

200710011853242007100118535720071001185413 作
 者

 佐
 野
 洋
 子


そのきゅう (リクエストにつき)すごくびっくりしたニャン太くん

20071001185444 次
 
 回

 未

 定

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