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September 22, 2007

生きているすき焼きのタレ 三池崇史 『ジャンゴ』 

20070922182156記事タイトルの元ネタがわかったあなた・・・ ずばり三十代以上ですね?
黒澤明の『用心棒』を、イタリアの映画会社が勝手に西部劇化したのが『荒野の用心棒』。そしてそれにまた醤油を加えて、オリジナル続編『続・荒野の用心棒』と混ぜちゃったのが本作・・・なのか? ああ、ややこしー

源氏と平家ががっぷり四つに組んだ壇ノ浦の戦いから数百年。お宝が眠っているという伝説のある根畑(ねばだ)に、かつて激闘を繰り広げた二つの一族が再び会いまみえた。両勢力のにらみ合いが続いていたあるころ、一人の風来坊が町を訪れる。すご腕のガンマンであるその男を巡る争いは、源平の奇妙な均衡を崩し、やがて根畑を壮大なカタストロフィーへと導いていくのであった。

冒頭で書き割りの富士をバックに、タランティーノがすき焼きをちゅるちゅるすすっているシーンから頭が爆発しそうになります。建物は東洋風で、衣装はなんとなく西部劇風。登場する文字は仮名・漢字なのに、セリフは全編英語のみ。つけた異名が「スキヤキ・ウェスタン」ときたもんです。ジーパン刑事であれば「なんじゃあ、こりゃあ!」と絶叫されることでしょう。
そういえば一昔前はこんな洋画が時々ありました。「舞台は日本」と言い切ってるんだけど、わたしらが見ると「どこの国だよ! ここは!」とツッコミたくなるような、メチャクチャな「日本」が出てくる映画(例:『ベスト・キッド2』『007は二度死ぬ』)。
これは「てめえ『荒野の用心棒』のくせに日本語で立派な映画撮ってんじゃねーよ」という、イーストウッドへのあてつけでしょう。まちがいありません。三池崇史さんって「実はマイケル・タルカスという名のアメリカ人」という噂がまことしやかに流れてましたけど、その噂の信憑性がぐっと高まってきました(ウソ。そんなウワサはない)。

設定がそんなですからお話も全編お笑い調です。たまにシリアスにもなりますが、すぐにしょうもないギャグで流してしまうので、真剣に見るだけ損ってもんです。ですからマジメなひとにはオススメしません。つか、できません。
「無駄遣い大好き!」という人や、ファミレスで変った新メニューがあると、つい一か八か頼んでしまう人。そんな方たちにオススメします。

せっかく「スキヤキ」を標榜してるので、以下は役者さんたちを具に例えて印象を語ってみます。

☆伊勢谷友介(ジンギスカン)
一番強そうだし一番かっこつけてるんで和牛にしようかとも思いましたが、「義経」なんで
☆石橋貴明(アメリカ産牛スジ肉)
弁慶役。普通のお肉かと思いきや、終盤で秘められた狂気が大爆発。狂牛病の恐怖を乗越えて試してみる覚悟はあるか

☆佐藤浩市(鴨肉)
☆堺雅人(鳥のササミ)
平家の頭領清盛親子。わたしにとっては大河ドラマ『新選組!』で思い出深い二名。こんなにかっこ悪い二人は初めて見ました。

☆桃井かおり(イノシシ肉)
茶屋のおばちゃん。最初は固い(味気ない)と思えるが、なれてくるとクセになるうまさということで。

☆香川照之(冬虫夏草)
どっちつかずの保安官。二面性があるということで。

☆木村佳乃(しらたき)
☆塩見三省(しゅんぎく)
☆トシオさん(しいたけ)
運命に翻弄される町の人々。まあこの辺は順当に。

☆安藤政信(フグ)
射撃の名人→よくアタるということで。
☆小栗旬(おでん缶)
悲劇のヒロイン(あれ?) アニメオタクに人気の商品を。
☆クエンティン・タランティーノ(イノキダケ)
アゴのあたりが

☆香取慎吾(ビストロ)
☆石橋蓮司(電子レンジ)
すいません。もう面倒くさくなってきました。

☆伊藤英明(お豆腐)
一応主人公? 上のほうの面々と較べていまいち影が薄い(セリフも少ない)。けどすき焼きに欠かせないもの・・・ということで。だけど、これってもうすき焼きじゃなくてヤミ鍋ですよね。

そう、これは何が出てくるかわからないヤミ鍋のような楽しさを持った映画です。腹痛を起こす可能性もありますが、もしかしたらいまだかつて無い珍味にめぐり合えるかも?

20070922182026本作品はビッグコミックスペリオール誌上にて、しりあがり寿氏の手によるコミカライズが進行中。前回までは普通にストーリーをおっかけていたようですが、最新号では「結末を映画と同じにしても誰も喜ばねー!」とばかりに、すごい展開に突入しておりました(笑)。気になる方はチェックしてみてください。

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Comments

キュッキュッ、キュー☆(スネコスリ風に)
そうなんですよね、それが、三池さんがいいことを言っていたんです。
「黒沢明ブランドが、アメリカに渡り、西部劇になり、それがイタリアに行って、マカロニ・ウェスタンに。そして、現在、こうして日本に。
つまり、グルリと一周して、日本に戻って来たんだ」、と。
この言葉、私すごく気に入ってしまいました!なかなかの言い方ですよね。
しかし、SGAちゃんは、思わぬ分野にすごく詳しかったりして、面白いですね。ウェスタンもご存知なんですね。三池さんだって、ウェスタンは自分の年代ではないそうですよ~。
私はこの記事のタイトルの意味が分からなかったんですが、ちょっと教えてもらえませんか?
あと、出演者を具にたとえるの、義経と弁慶がふるってていいですね♪
さらに、「この人も、あの人も、肉か」つ~、ところがね^^
それに、いろんな肉と肉とのぶつかり合いで、味を殺しあってるところもね(笑)
肉弾戦だったらもっと良かったのですが(笑)
あと、実はベネチア映画祭のところで、出演者をスキヤキの具に喩えているのがあるので、よければこちらをどうぞ♪
http://broadband.biglobe.ne.jp/index_program.html?prog=sukiyaki&ch=movie_p&movieid=824548

Posted by: とらねこ | September 23, 2007 at 01:04 AM

こんばんわ。
TB&コメントありがとうございました。


キャストそれぞれの食物解説・・・大変面白く読ませていただきました。中でも伊藤さんの豆腐にはひどく納得(笑)。
私にしてみれば、エイブルのCMでエイブルマンとして出演している伊藤さんの方がインパクトがあって面白いと思った次第です。きっと彼は着ぐるみを着てないと本領発揮できないのかもしれません。

≫記事タイトルの元ネタがわかったあなた・・・ ずばり三十代以上ですね?

ああ安心しました。
元ネタ分かりませんでした(苦笑)。実は私、まだギリギリ三十路前なのでね(笑)。

Posted by: 睦月 | September 24, 2007 at 12:10 AM

>とらねこさま

レスが遅れてすいません

>グルリと一周して、日本に戻って来たんだ

なるほど。しかしまあ、えらいファンキーになって帰ってきたもんですね。あと最初に伝えられた文章が列の最後で全然違っている「伝言ゲーム」を思い出します

>私はこの記事のタイトルの意味が分からなかったんですが、ちょっと教えてもらえませんか?

えーとですね。昔焼肉のタレで「ジャン」という商品があったんですね。それのコピーが「生きている焼肉のタレ」というものだったんです。思ったより知られてないCMだったんだなあ

>「この人も、あの人も、肉か」

やっぱすき焼きっていや肉ですから! でもこうもクセの強い肉ばっかりだと、あとで胃もたれするかもしれませんね(^^;) あとまともな牛肉が入っていないのというのも問題です

リンク先の映像も楽しく見させていただきました。桃井かおり、三池さんをベタホメですね

Posted by: SGA屋伍一 | September 24, 2007 at 03:42 PM

>睦月さま

お返しありがとうございます

>伊藤英明

前は「きざな二枚目」という印象でしたが、最近どんどん壊れていっているような(^^;)
かつてはそれなりに「伊藤英明ファン」というものが存在したと思うのですが、ここのところあまり見かけなくなりました。これも地球環境の変化のせいでしょうか

>元ネタ分かりませんでした(苦笑)。

あー、今回は記事タイトル、完全にハズしましたね・・・・

>まだギリギリ三十路前なのでね(笑)。

ピチピチですね(笑) はやく素晴らしき三十代の世界へいらっしゃ~い!!

Posted by: SGA屋伍一 | September 24, 2007 at 03:52 PM

こんばんは♪

私きっちり30代なんですけど・・・元ネタ分かりませんでした。
くやし~そしてごめんなさい。

根畑(ねばだ)とか湯多(ゆた)といったネーミングセンスとか、実はちょっとだけSGAさんの映画レビューのオリジナリティ溢れるあらすじ部分を連想してしまった・・・なんて言ったら失礼ですか?

スキヤキの具に例えてるの、おもしろいですね~
冬虫夏草といえば、ミスター味っ子で初めてその存在を知りました。
しりあがりさんのコミカライズってつい先日本屋さんに並んでるのを見てちょっと気になってた。
やっぱりスゴイことになってるんですね(笑)
今度読んでみよっと。

Posted by: kenko | September 26, 2007 at 12:52 AM

>kenkoさま

>元ネタ分かりませんでした。

うう。こりゃ相当マイナーだったんだな。最近あった『鉄板焼きのジャン』というマンガ、たぶんこれから取ったのだと思うのだけど

>なんて言ったら失礼ですか?

いえ、全然。むしろ天下の?三池監督と並べていただいて光栄です(笑)

>冬虫夏草

「もやしもん」にも出てましたね。「虫を食べる」ということに抵抗のある方もおられるでしょうが・・・ 源平のみなさんは平気でむしゃむしゃ食いそうですね

>今度読んでみよっと。

いきなり単行本買わないで、まず立ち(試し)読みをしてみることをおすすめします(笑) 映画と同様、人を選ぶマンガだと思うので

Posted by: SGA屋伍一 | September 26, 2007 at 08:04 AM

こんにちは!
スーパーで新発売のお菓子を見つけると喜んで買ってしまう性質なので、この映画楽しめました~♪
オープニングのタラちゃんのシーンからププッとなっちゃって・・・もうノリノリです。木村さんのダンスシーンと貴さんのオカマシーンはイマイチ引いたのですが、好きだったなぁ~あの世界!

例のTV番組で、伊藤さんが自分のことを春菊だと言っていましたよ。
「あっても無くてもいいんだけど、無いと寂しいから」ですって。
プププ(笑)・・・ピッタリ!

Posted by: 由香 | September 26, 2007 at 09:11 AM

>由香さま

おばんでやんす。

>スーパーで新発売のお菓子を見つけると喜んで買ってしまう

ナイスチャレンジ精神。わたしは前にハヤシライスにバナナを入れて失敗した苦い経験をしたことがあります。甘かったけど

わたしこの映画見て「似てるな」って思ったのは宮藤官九郎の『真夜中の弥次さん喜多さん』。あれもメチャクチャな時代劇でした。んで、あちらは途中からさっぱりついていけなかったんですけど、『ジャンゴ』の方はけっこう楽しめました。『弥次喜多』と違って「お客を楽しませてやるぜ!」というスピリットがあふれていたからだと思います

>例のTV番組で、伊藤さんが自分のことを春菊だと言っていましたよ

意外に謙虚な男だ(笑) でもその謙虚さが今回はマイナスになってしまったのでは? 現場ではもっと自分をアピールしてほしい。例えシイタケでも、「俺は肉だ!」って思うようでないと(BY吉田戦車)


Posted by: SGA屋伍一 | September 26, 2007 at 09:03 PM

こんにちはーSGA屋さん☆

TBコメントありがとうございます。
肉や野菜すきやきの具に例えた面白いレビューに映画より笑わせてもらいました(笑)
タラのエノキダケ(爆)
ほんとごった爾な感じで、煮詰まりすぎたすきやきでしたね〜。
そうそう、最新メニューを試さずにはいられない人向けかも☆
キャストは濃くて楽しいけど、内容はちょっといまいちでした☆

Posted by: mig | September 27, 2007 at 08:53 AM

>migさま

お返しありがとうございます。さぶいギャグにも付き合っていただいて感謝です
タラさんは鱈かクエン酸というのも考えました。どっちにしてもさぶいっすね

>ほんとごった爾な感じで、煮詰まりすぎたすきやきでしたね〜。

しかしまあこのふやけすぎるほど煮込んであるあたりとか、調味料いれすぎなところがファンにはたまらないようですね。わたしも嫌いじゃないけど、連日食べるのはきついかも

>最新メニューを試さずにはいられない人向けかも☆

大変失礼ながら、migさまもそういうタイプじゃないかな?(笑)
でも失敗を恐れていたら「新しいうまさ」は見つけられないですもんね!

Posted by: SGA屋伍一 | September 28, 2007 at 07:17 AM

SGA屋伍一さんこんばんわ♪

『スキヤキじゃなく闇鍋』という点には同感ですねw和洋色々な要素(具材)をごちゃ混ぜにしてて、一見したらお腹壊しそうな感じがするんですけど、食べてみたらあら不思議?という意外な面白さがありましたっ♪

ガンマンの伊藤英明は個人的に一番カッコ良かったから『お肉』にしたいんですけど、主人公なのに影が薄い『豆腐』というのもさもありなんw
でも出演者の殆どが主役級なので、影が薄いのはしょうがないかも?(^^;)

Posted by: メビウス | October 01, 2007 at 08:26 PM

>メビウスさま

こちらから出向こうと思ってたんですが、先に来ていただいてすいません

>一見したらお腹壊しそうな感じがするんですけど、食べてみたらあら不思議?という意外な面白さがありましたっ♪

考えてみたらこれ、けっこうハイレベルな仕事なのでは? その辺はベテラン・三池崇史だからこそなせる技でしょうか

>出演者の殆どが主役級なので、影が薄いのはしょうがないかも?(^^;)

伊藤氏は自前の衣装でかなり気合入れてたようですけどね(笑) 『妖怪大戦争』でも「神木くん、いなくてもどうにかなったんじゃないのか?」というところがあるんですが、三池さんはあんまり主人公に思いいれしないタイプの作家のようです
でもやっぱり主役より桃井かおりがかっこいいというのは、問題あるよなあ(ないか)

Posted by: SGA屋伍一 | October 01, 2007 at 09:14 PM

こんにちわ。
TB&コメントありがとうございました。
闇鍋、あっ違った、すきやきの具に例えた部分は楽しいですねぇ
何よりも、トシオさんこと松重豊と塩見三省と石橋蓮司も挙げてくれたことが嬉しいです。割と重要な雰囲気もあるけど、たくさんの方が素通りしてしまうキャラクターだったみたいで。私は、いつもそういうキャラクターにこそ目がいってしまうもんでねぇ
だって、下手したらガンマンよりも目立っているシーンもありましたしー
私も、伊藤英明はビシッときめているよりも、ちょっと崩れたキャラの方が好きです。

ところで、私もミソジだけどタイトルの元ネタがわかりませんでした。
残念無念・・・。。。

Posted by: となひょう | October 01, 2007 at 10:24 PM

>となひょう様

お返しありがとうございます

>松重豊と塩見三省と石橋蓮司も挙げてくれたことが嬉しいです

いや、わたしも十把一絡げな扱いでしたが(苦笑)
蓮司さんはたったあれだけの出番の上に「いいとこひとつもなし!」な役どころで、「よく出たなあ」と思いました
彼は少し前に、『ライオン丸G』というすっごいくだらない深夜特撮にも出てました。本当に仕事を選ばない人だなあと感心することしきり
それに較べると塩見さんはマジメな話にばっかり出てる印象。今回のコスプレ出演は、かなり貴重かもしれません
一見めだたなそうな役者もキチンとフォローしているとなひょうさんの視点にも、いつも感心させられております

>残念無念・・・。。。

いや、こんなの知っていても何の役にも立たないし自慢にもなりません(^^;)
youtubeで「焼肉のタレ ジャン」で検索してみましたが、案の定何も出てきませんでした

Posted by: SGA屋伍一 | October 02, 2007 at 06:57 PM

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