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August 07, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編②

20070807190441前回は『響鬼』の特異な点についていろいろあげてみましたが、この作品は「途中でプロデューサーが交替した」という点でも特異な番組といえます。高寺成紀氏に代わって後半を担当することになったのは、『アギト』から『555』までをてがけた白倉伸一郎氏。この二人はそれぞれ強い個性を持つ作り手であるため、『響鬼』は前期と後期で多少カラーの異なる作品となってしまいました。

高寺氏の作る作品では、善と悪の境界が非常にはっきりしています。ですからその両者が混じりあうことはありません。それに対し白倉作品では両者のラインはとてもあいまいで、どちらが正義でどちらが悪とは一概には言えません。
高寺氏はヒーローを「理想」として描きます。だからどんな事態に直面しようと決して自分の行動に疑いをもったりはしないし、どんなピンチに陥ろうとも最終的には必ず勝ちます。
それに対し白倉氏はヒーローを「人間」として描きます。だから自分の行動に対し迷いが生じることもありますし、状況によっては死ぬこともあります。
さらに言うなら、高寺氏は作品のムードや設定を非常に大事にする人。それに対し白倉氏は作品の持つ勢いというか「ノリ」を大事にする人。そのため細かい設定や伏線が、どっかにいってしまうこともしばしばです(笑)
自分なりの「テレビ番組としての『仮面ライダー』」を作ろうとしたのが高寺氏。それに対し自分なりの「石(ノ)森ヒーロー」を再現しようとしたのが白倉氏。ついでに言うと自分なりの「平成ライダー」を作ろうとしたのが日笠氏。
また、高寺作品では1エピソ-ドごとの区切りがわりとはっきりしてるのに対し、白倉作品では各エピソードが密接につながりあっていたり。
見事なまでに対象的なお二人です。ただしこれらの特長はあくまで「そういう傾向がある」という程度のもので、「絶対にそう」というわけではありません。

一年半前、「ライダーでやりたいことは全てやった」と言って、ライダーシリーズを去って行った白倉氏。その彼がなぜ再び『響鬼』で戻ってきたのか。消されてしまったブログの記事などから類推するに、どうやらその目的は彼が苦楽を共にしたスタッフの救済にあったようです。
チャレンジ精神と独特なムードで、一部で熱狂的な支持を得た『響鬼』。しかしオモチャを買う子供たちにとってはその姿はあまりに斬新だったようで、グッズの売り上げはあまり芳しいものではありませんでした。また高寺氏の情熱が災いしたため、スケジュールもかなりずれこんでいたようで、推測の範囲ではありますが、交替の理由はどうやらその辺にあった模様です。

そんな中、白倉氏が自らに課したのは、まず作品をとにかく完結までひっぱっていくこと。そして少しでも視聴率をあげて&オモチャを売って、スタッフが路頭に迷わないようにすることだったと思われます。
そのため作品の前半にみられた独特のムードや、細かい設定の幾つかは失われました。予算の面でも時間の面でも極めて限られた状況では、それもやむなきことだったでしょう。では高寺氏のチャレンジは後半において全て否定されてしまったのか。わたしはそうは思いません。その点については、また次回語らせていただくとしましょう。

それにしても、これほどまでに「プロデューサーの仕事」というものがクローズアップされたことが、かつてあったでしょうか。ワンクールドラマにおいて、真っ先に名前があげられるのは普通脚本家、もしくは原作者です。映画やアニメはふつう「監督」の作品とみなされます。で、特撮や時代劇、刑事ドラマなどは、東映や円谷といったように「会社」の作品とみなされることが多い。本来裏方に徹するのがプロデューサーなんでしょうけど、そんな点でもこの「平成版仮面ライダー」は特異なシリーズだと思っています。

20060606213358ちなみに番組後半に出てくる「スーパー童子」を白倉&井上、「洋館の男女」を高寺&大石(のもっぱら影響力)、そして最終回のみ登場の「さらに身なりのいい男女」を東○&バ○ダイと考えると、ちょっと面白い見方ができるかもしれません。

やべ、地雷・・・・(どーん)

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Comments

(*´∀`)こんにちは

そうだったんですか・・・それで納得です♪

二人のプロデューサーの違いも、販売促進のため作品作りも、仕方ない部分ではありますよね・・でも・・・

私としては、前半の響鬼の斬新さや切り口に一つの作品としての質の高さを感じてたので、残念です・・・

Posted by: HARRY | August 08, 2007 at 03:00 PM

>HARRY奥様

コメントありがとうございます
我々はいつものほほんと視聴しておりますけんど、毎週毎週番組を作るのって、本当に大変なことみたいですね。上のようなことが起きますと、あらためてそのことに気づかされます

HARRYさまは本当に『響鬼』が好きだったんですねえ。確かにお子さんを育てるうえで、いろいろ学べる作品だったと思います。王子さまもぜひヒビキさんのような雄々しい男に育つとよいですね

Posted by: SGA屋伍一 | August 08, 2007 at 10:00 PM

>童子、男女ほか
あはははは。確かに地雷だけど、ザンキ、じゃなかった、斬新な解釈ですわ。
あのオチは、後半の中では珍しくウケた部分だったし。
まあこのテの解釈は、前半ファンが後半において沢山する類いの1つでもありますが。
早く帰宅して映画版のDVDが観たい高野でした。

Posted by: 高野正宗 | August 09, 2007 at 02:12 PM

>高野正宗さま

大仕事おつかれさまでした

>S童子

C調になったりシリアスになったり、ほんで結局「オレたちなんだったんだ」みたいなところがねー あ、また踏んだ(どーん)

ぐはっ

全然関係ないすけどいま夢野久作の『犬神博士』という話を読んでます。面白いんだけど、これ相当ヘンな話ですね・・・ 

Posted by: SGA屋伍一 | August 10, 2007 at 07:57 AM

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