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August 29, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編③

20060606213433響鬼編、第三回はずばり『響鬼』のテーマとはなんぞや?というところにせまってみたいと思います。

『仮面ライダー響鬼』は終るのが難しい作品だったと思います。大概のヒーローものは悪の組織や怪人を滅ぼしてジ・エンドとなるわけですが、『響鬼』の魔化魍というやつはほとんど自然現象みたいなもんなので、完全になくなるということはまずありえない。じゃあどうやって「終わり」らしい形に話を持っていくか。
わたしは副主人公である明日夢くんが「ぼく、鬼になります!」と決意して、幕となるのだと考えていました。船から落ちそうな子供を見ていても何もできなかった少年が、人のために体を張ることを決意する。それだって十分な成長です。ですが少年の結論はその一歩先を行きます。
「ヒビキさんの真似をして」「でもそれじゃダメなんじゃないかって」「僕は鬼にはなりません」
ここで朝日ソノラマから出版されたムック『魂』に載せられていた高寺氏の言葉を引用してみます。
「当初作品を通じて伝えようとしていたのは、自分探しって大変だけど、頑張って探し続けてみてね、っていうことだったと思います」「なにせ、自分の人生ですから、自分で自分なりの答えが出せないといけないんじゃないかって」
そういう目で見てみると、迷走をつづけたように感じられる後半の『響鬼』の各エピソードにも、それなりの意味があったことがわかってきます。
まず少年が何になりたいのか、本気で考えさせるために桐谷というわかりやすいライバルを持ってくる。そしていろいろ考えた末、鬼になる道を諦めるあきらの決断を描く。一方、「本当にこの道しかない」というトドロキのような生き方についても描く。どの道も決してまちがいではなく、真剣に考えた末の選択ならば、みな正しい道であるはず。それぞれの決定を見届けたあと、少年は果たしてどの道を選ぶのか・・・・となるわけです。

高寺氏はこの作品を、どんな世代に一番見てもらいたかったんでしょう。それはオモチャを買う年齢の子供ではなく、もちろんわたしのような「大きなお友達」でもなく、きっと明日夢くんみたいな年頃の少年たち。『クウガ』からずっと観てきた子供たちの中には、もう進路を考えなければならない子たちもいるかもしれない。実際、高寺氏には明日夢くんとほぼ同じくらいの年齢のお子さんがおられるそうです。んで、彼らだってもうさすがに仮面ライダーがこの世には存在しないこと、ましてやどんなにがんばっても仮面ライダーにはなれないということに気づいているはず。
じゃあ、自分たちがこれまで番組を通じて描いてきたことはウソ・絵空事にすぎなかったのか・・・ そうじゃないんだと。彼らの生き方を見て、それを自分の人生にフィードバックしてくれれば、改造人間、あるいは鬼でなくても、誰だって「仮面ライダー」になれる。そういうことが言いたかったんじゃないでしょうか。

桐谷くんについても少し。明日夢くんは本当にいい子だと思います。ヒビキさんも「たちばな」の人たちもそれがよくわかってるから、彼に暖かく接します。でもそれだと自分が「いい子」だとは思えない子たちに、メッセージが届かない恐れがある。というか、実際はそんな子たち・・・「自分はすごいんだ!」と無理矢理思い込まないとやっていけない子や、誰からも励ましてもらえず落ち込んでいる子。そんな子たちの方が多いんではないでしょうか。彼らに「キミたちだってやれば出来るんだよ」ということを伝えるため、桐谷くんは用意されたのだと考えます。だからといって桐谷くんがメインになってしまったら明らかに問題ですが、明日夢くん主・桐谷が従であることは変っていないわけですから。

20070829173119いずれ進路を選ばなければならない少年たちが、決定の際に『響鬼』のメッセージを思い出してくれたら・・・・ その時こそ『響鬼』という作品は最後まで続けられた意味があったと言うことが出来るでしょう。

次回はもう一人の主人公である「ヒビキ」さんについて少々語りたいと思います。

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Comments

ご説ごもっともです。
響鬼の好きな理由の一つは正にそれです。

桐谷くんはキャラが迷走していたような気もしますがー(笑)。

Posted by: かに | September 01, 2007 at 08:25 PM

>かにさま

コメントありがとうございます
「誰にもできないこと見つけ出せ」「誰でもない自分の生き方で」
最終回に至って、ようやくこの歌詞の意図に気づきました

>キリヤくん

意図はわかるんですが、なにぶん急ごしらえのキャラでしたからね・・・
いろいろ限界はあったと思います
演じた中村優一くんは現在『電王』でも似たような役をやっていますが、こちらはよく練る時間があったせいか、十分に機能しています

Posted by: SGA屋伍一 | September 02, 2007 at 09:10 PM

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