チュウ文の多い料理人 ブラッド・バード 『レミーのおいしいレストラン』
ドブネズミみたいに たくましくなりたい
写真には写らない 香ばしさがあるから
終了直前緊急UPその2&ブラッド・バード特集第二弾。CGアニメにおける第一人社ピクサーの最新作です。
ネズミ・・・ それは生まれながらにして虐げられるさだめにある生物。たえず食料と罠の心配をしなければならず、人の目に触れることは即、死に直結する。
だがそんな逆境を跳ね除け、スターダムにのしあがった者たちもいる。ジェリー、ピカチュウ、ハム太郎、アルジャーノン・・・・ そしてミッ○ーマウス。
生まれつき超人的な味覚を有するネズミのレミー平野は、いつか「究極のメニュー」を作り出すことで、このサバイバルな環境から脱出することを夢見ていた。
一方高名な料理研究家・グス原トー山を父に持つさえない新聞記者・山岡リン太郎は、仕事にかまけて家庭を顧みてこなかった父を激しく恨んでいた。
平野はそんなリン太郎の復讐心を利用して彼を料理の鉄人「煮汁8号」に改造し、悪の料理帝国に対し敢然と戦いを挑む。
『アイアン・ジャイアント』『MR.インクレディブル』のブラッド・バードの新作が、「ネズミもの」と聞いたときは少しがっかりしました。バードよ・・・ あなたには鳥のように雄々しくはばたくヒーローだけを描いていてほしかったのに・・・ よりによって選んだ題材が「ネズミ」ですか! 権利だけでなく魂までもネズニーに売り渡したのか!
しかし悔しいことに「ネズミもの」ってのは傑作が多いんですよね。『スチュアート・リトル』『マウス・ハント』、あとこれアニメだけど『ガンバの冒険』etc・・・
そして拝見した『レミーのおいしいレストラン』は、「ネズミもの」としてもピクサー作品としてもその名にふさわしい大傑作でした。
「ネズミが人を操って料理させる」なんつーアホな話、普通思いつきますか!?(←誉めてる) フルCGアニメも珍しくなくなった昨今ですが、ピクサーはこの「着想」の時点で、いつも他よりぬきんでていると思います。また大元のアイデアだけでなく、各シーンに細かい工夫やギャグが「これでもか」というくらいつめこまれている。本当にどうしてこう、次から次へと愉快なことを思いつけるのか。この才能に匹敵するのは、今のところ『ウォレスとグルミット』のニック・パークくらいではないでしょうか。
あとこの『レミー』、他のピクサー作品よりも危険な香りがするんですねー(笑)。そもそも主役のレミーが始終妄想とくっちゃべってる話ですし、相方のリングイニも現実であればその手の病院に放り込まれることは確実でしょう。
さらにこの作品に出てくる料理人たちが、どいつもこいつも犯罪者まがいだったりとか(笑) 一番まともそうなコレットですら、切れるとすぐに包丁を振り上げる始末。
わたしもむかし調理場でバイトしてたことがあるんですが(もちろん雑用)、そういえば板前さんてすごく人がよく出来てるか、メチャクチャ問題児のどっちかであることが多かったなあ(^^;) もちろんどんな職業にもいろんな人がいるんでしょうけど、特に「料理人」はそのふり幅が大きいのかなあ、と思いました。
他に連想した作品を幾つかあげてみます。
トム・ティクバ 『パフューム』
チャウ・シンチー 『食神』
三谷幸喜 『王様のレストラン』(テレビドラマ)
よそさまのご意見をみてみますと、「ネズミが作った料理なんて食えるか」というのが多かったですね。ごもっともです。
でもわたしはネズミが作ったもんだろうとチュウ国産であろうと、うまくて安全なら全然OKです。
まだ暑い日が続きそうなので、みなさん食チュウ毒にはくれぐれもごチュウ意を。
Comments
これ…観てないのにコメントしてすんまそん。
私としては、ネズミが作ったメシでも美味しければいいかなあ。
でも、ネズミという、厨房では最も嫌われるモノ!にメシを作らせるって、ギャンブルですねえ
私が見たことのある唯一のドブネズミは、新横浜の駅前をターッと走っていった奴です。
ネズミもの…「スチュアート・リトル」。借りたのに観ないまま期限が迫って返却してしまった唯一の悔恨作品。吹き替えが藤原竜也君という貴重な作品でもありますが。
>レミー平野
お父さんの平野威馬雄(仏文学者。この方がハーフ)は、星新一と一緒に「UFO研究会」に所属。
また、森茉莉もエッセイで、レミー平野のことは、「流石威馬雄の娘」と面白がっておりました。若い頃は(料理愛好家の側面よりは)結構あけすけな発言してたヒトみたいです。
Posted by: 高野正宗 | August 27, 2007 09:22 AM
>高野正宗さま
>ネズミが作ったメシでも美味しければいいかなあ
まず現実的にありえませんがね(笑) 殺菌している描写はちょこっとありました
わたしは形がわからなけりゃミ○ズバーガーだってOK・・・ いやなんでもありません
>「スチュアート・リトル」
>吹き替えが藤原竜也君
忘れてました・・・ ちなみに今回人間の方の主役の声は、現在の大河脇役である佐藤隆太くんがやってました。なかなか上手でした
関係ないけど『河童のクゥ』では西田尚美さんがお母さん役をやってましたね
>レミー平野
>結構あけすけな発言してたヒトみたいです
対談で三谷幸喜を「なんにも知らないのね!」と叱り飛ばしておられたのが印象的です
実は公式HPにはこんなコーナーがあったりして
http://www.disney.co.jp/movies/remy/campaign02/remi.html
Posted by: SGA屋伍一 | August 27, 2007 10:50 AM
>公式HP
こりゃまたあっさりしたラタトゥイユのレシピですが…
ま実際こんなもんです。
「火にかけて、一家でピクニックに出かけている間に出来上がる料理」
ですから。
こーゆーのには、申し訳ないけどレミパンよりはル・クルーゼのお鍋でしょうなぁ…(野菜の水分だけで煮込む料理なので)
私は唐辛子とバジルは入れないなぁ。
ズッキーニがなかったらナスでよろしい。私は両方入れます。両方好きだから(笑)
冷やしても美味しく、パスタに添えても美味しいです。
レミパンは…
高いよ…
(しかもテフロン加工が1年でダメになるとくれば、割高だと思う…)
Posted by: 高野正宗 | August 27, 2007 11:16 AM
どうもちょっくら海水に漬かってきました
>ラタトゥイユ
この映画を観なければ知ることもなかったであろう料理
これは本来レストランで出すというより、家庭料理に近いものなんでしょうか。映画ではけっこう重要なアイテムとして使われています
せっかく作り方教えてもらったけど、手間ひまかかりそうな割に二口三口で終っちゃいそうなんで、あまり作りたいとは思いませんね。つかフランス料理ってそんなもんばっかし・・・・
>レミパン
すいませんずっと今の今まで「パン」のことだと思ってました・・・・
Posted by: SGA屋伍一 | August 27, 2007 01:06 PM
こんにちは、SGA屋伍一さん☆
きゃ!料理の映画でチャウシンチーの「食神」が入ってるのが嬉しい♪
大好きなんですよ〜。
そういえば、『アルジャーノンに花束を』もネズミでてきましたね、
この映画、どうやってネズミに料理させるのかと思ったら
描かれてるイラストのように髪の毛ひっぱっててスゴいアイディアですよね(笑)
さすがピクサーといった感じで面白かったです☆
Posted by: mig | August 28, 2007 09:08 AM
こんにちは。
レミーのおいしいレストラン見たいな〜と思っていたら
SGA屋さんが紹介してるじゃありませんかっ
夏は面白そうな映画ばっかりでどれを見たらいいか
迷っていたんですが…
河童のクゥと夏休みもSGA屋さんのおすすめみたいなので、
見に行こうかと思いますvv
河童のクゥはYahoo!での評価が高評ばかりでびっくり。
何しろ、あの原恵一監督ですからね〜。
クレしんの「大人帝国の逆襲」と「戦国大合戦」は
大好きな作品です。
レミーは見る以前からネズミの可愛さにもえもえしていたので
楽しみです。
Posted by: みずぐきまり | August 28, 2007 12:26 PM
こんにちは!
TB&コメントありがとうございました~♪
ガンバの冒険って懐かしいなぁ~好きでしたよ、これ。
もうスッカリ内容は忘れたけど、歌は歌えるかも(笑)
♪ガンバ、ガンバ、ガンバと仲間たち~♪
レミーは可愛かったですね~
それにしてもレミーの料理の才能は天性のものでしたね。
いとも簡単に美味しい料理を作るなんて羨ましい~~~ゾ。
私が作るラタトゥユなんて・・・ただのごった煮ですぅ~(泣)
Posted by: 由香 | August 28, 2007 12:43 PM
こんにちわ!
TB&コメントありがとうございます!
ああ!ミッ○ーが犯罪者みたいになってる!!ウハハハハ!!
いまや、ネズミーランドのメインキャラはミッ○ーじゃなくてスパロウに
なっているみたいですからね。
パイレーツナイトとかいうお祭り行事で毎晩盛り上がっている
ネズミーランド・・・・。
みんな、ネズミではなく海賊に会いに行ってるみたいです。
やっぱり、ネズミは結局どこでも虐げられる運命なんでしょうか?
SGA屋さんも食チュウ毒にはお気をつけくださいましね♪
Posted by: 睦月 | August 28, 2007 04:48 PM
>migさま
返信ありがとうございます
『食神』お好きですか(笑) 『少林』と『カンフー』の影に隠れてイマイチ知られてないですよね。同じくらい面白いのに。あのとんでもねーヒロインの造形が気に入っています
>髪の毛ひっぱっててスゴいアイディアですよね(笑)
この辺の強引さというか、力技もピクサーの持ち味だと思います
お子さんが真似をしてパパやママの髪を引っ張りそうで、ちょっと心配
Posted by: SGA屋伍一 | August 28, 2007 05:30 PM
>みずぐきまり様
コメントありがとうございます
『レミー』も『クゥ』も両方おすすめです。前者にはハリウッドの、後者には日本映画のいいところが出ていると思いました。カンですけどどっちかといえば『クゥ』の方がみずぐきさんのツボじゃないかなあ。ていうか、そろそろ公開終わっちゃいそうだよ! 急いで!
>大人帝国
これもわたしにとっては本当「ツボだらけ」の映画。「違うもん月の石だもん」「なんでこの町はこんなに懐かしいんだー!」「だってオラ、大人になりたい!」 まだまだあるんだが・・・
>ネズミに萌え萌え
みずぐきさんはネズミ平気なんですね。ウジャウジャ出てくるシーンあるけど、それじゃあ大丈夫ですね(笑)
Posted by: SGA屋伍一 | August 28, 2007 05:36 PM
>由香さま
返信ありがとうございます
>ガンバの冒険って懐かしいなぁ~
>もうスッカリ内容は忘れたけど
どうして忘れちゃったんですか! ひどい! 信じてたのに!
・・・・失礼、取り乱しました
七人の侍ならぬ七匹のネズミが、化け物みたいな白イタチに向かって絶望的な戦いを挑む話ですよ ・・・どうです、思い出してきました?
歌はそのあと「尻尾を立てろ~」と続くんですよね
>私が作るラタトゥユなんて・・・
いや、作れるだけすごい。わたしなんて存在すら知りませんでしたから(笑)
大変大きなお世話ですが、ご子息がイーゴさんのように母の味を忘れぬよう、祈っております
どうでもいいことですが「ラタトゥィユ・グルヌイユ・リングイニ」と続けて言うと早口言葉になりますね
レッツ・チャレンジ
Posted by: SGA屋伍一 | August 28, 2007 06:01 PM
>睦月さま
返信ありがとうございます
>ミッ○ーが犯罪者みたいになってる!!
マジメな話、このキャラクターは版権とかすげえ厳しいらしいんですよ。ほら、こないだ北京でも問題になってたでしょ?
だからちょっとわからないようにしておきました(どこがやねん)
>ネズミーランドのメインキャラはミッ○ーじゃなくてスパロウに
なっているみたい
ほほう。シーだけでなくランドまで制覇したとは・・・ 恐るべしジャック・スパロウ。あ、でも本拠地(『カリブの海賊』)はもともとランドの方にあったんだっけ
レミーという同じ種族のライバルまで現れて、ミッ○ーの立場がいよいよ危うくなってきました。どうする、○ッキー!!
>食チュウ毒にはお気をつけくださいましね♪
ありがとうございます。時々賞味期限などで冒険してますけど(^^;)
睦月さんはデリケートそうなんでどうぞお気をつけください
Posted by: SGA屋伍一 | August 28, 2007 06:19 PM
うおっ!『チュウ文の多い料理店』は宮沢賢治の中でも大好きな作品の一つだし、ブルハも懐かしい〜!
やたらと心を捕まれた出だし部分でした♪
でもピカチュウはネズミじゃなくて化け物じゃなかったっけ?
ハム太郎だってとっとこだし・・・じゃなくてハムスターだし。
>『マウス・ハント』
これねー、本当、ディズニーの作った鼠映画の中で、ミッ〇ーに迫る大傑作!でしたよね。
特にクリストファー・ウォーケン!鼠退治にあそこまで情熱を傾ける演技は爆笑必須!ですよね。
『食神』これ夜中のTVからDVDに焼きましたよ。
チャウ・シンチー大好きなんですよね。
>ガンバの冒険
名前は聞いたことあるけど、知らないですね〜。
ガンバ大阪と関係はあるのかな?
SGAちゃんは今どちらにお住まいでしたっけ?
Posted by: とらねこ | August 29, 2007 04:13 PM
>とらねこさま
>やたらと心を捕まれた出だし部分でした♪
一度聞いたら忘れられない歌詞ですね。自分の高校時代はブルハとボウイが特に人気ありました
>ピカチュウ
>ハム太郎
細かいことは言いっこなしだ! ていうかハムスターってネズミじゃないの?
>マウス・ハント
ウォーケンが調査のためにネズミのフンをぺロッと食べるシーンで「食うなー!!」と絶叫しました(笑)
あとワタシも細かいこと言うようですが、これってディズニーじゃなくてドリームワークスの作品だったような・・・・
>ガンバ大阪と関係はあるのかな?
ありません(笑)。いや、微妙にあるかな? 『ガンバの冒険』は斉藤惇夫さんという方の児童文学が原作なんですが、それによりますと「頑張りや」がつまって「ガンバ」になったと。Jリーグの「ガンバ」はどっかの国の言葉で「足」という意味なんだそうですが、きっとそれと「頑張る」をかけてるんでしょうね
ちなみにわたしは神奈川と静岡の境に生息しております
Posted by: SGA屋伍一 | August 29, 2007 09:26 PM
どもども
言われてみればネズミものっていっぱいありますねぇ~
ガンバの冒険はアニメはあまり観たことないけど
原作の児童文学の方は、子供の頃好きで繰り返し読んでました。
ボーボが死んじゃうくだり・・・子供心に何度読んでも泣けて泣けて・・・
レミーを観たあと、未見だった『Mr.インクレディブル』と、
SGAさん大絶賛の『アイアンジャイアント』を借りてきて観てみたんですよ。
『アイアン~』はテレビでやってたのを流し見みたいな感じでしか観たことがなかったので・・・すいません。
『Mr~』は、ウォッチメンを読んでると読んでないとでは全然印象違うかも?と思われるくらいウォッチメンで、
『アイアン~』はちゃんと観たら案の定ボロ泣きしてしまいました。
なんか最近、泣いてばっかりだ・・・
Posted by: kenko | August 30, 2007 12:04 AM
>kenkoさま
返信ありがとうございます
>ガンバの冒険
原作は原作でまた違った味わいがあるんですよね。
>ボーボが死んじゃうくだり
(この道化野郎め!)と心の中で呟くイカサマ。でも目の下だけはいつまでも濡れていました・・・ そんな感じだったかな
kenkoさまにはひごろからいろいろ強引におすすめして申し訳ないと思ってるんですが、アニメの方も機会がありましたらどうぞ。わたしがDVD-BOXを持っている唯一のアニメです(でもまだ見られてない・・・)
>『アイアンジャイアント』を借りてきて観てみたんですよ。
ありがとうございます~(TT) 『アイアン』の素晴らしさを語り継いでいくことがわたしの使命だと思っています
あのすっとぼけたツラで「すーぱーまん・・・」と呟くシーンを思い出すだけで鼻水大全開ですね・・・
>『Mr.インクレディブル』
は他にも濃いィアメコミネタがいっぱいつまってるんですよ。今度じっくり解説します
>なんか最近、泣いてばっかりだ・・・
そんな時は僕の胸の中で・・・・
あ。ダーリンがいるか
Posted by: SGA屋伍一 | August 30, 2007 07:21 AM