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August 29, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編③

20060606213433響鬼編、第三回はずばり『響鬼』のテーマとはなんぞや?というところにせまってみたいと思います。

『仮面ライダー響鬼』は終るのが難しい作品だったと思います。大概のヒーローものは悪の組織や怪人を滅ぼしてジ・エンドとなるわけですが、『響鬼』の魔化魍というやつはほとんど自然現象みたいなもんなので、完全になくなるということはまずありえない。じゃあどうやって「終わり」らしい形に話を持っていくか。
わたしは副主人公である明日夢くんが「ぼく、鬼になります!」と決意して、幕となるのだと考えていました。船から落ちそうな子供を見ていても何もできなかった少年が、人のために体を張ることを決意する。それだって十分な成長です。ですが少年の結論はその一歩先を行きます。
「ヒビキさんの真似をして」「でもそれじゃダメなんじゃないかって」「僕は鬼にはなりません」
ここで朝日ソノラマから出版されたムック『魂』に載せられていた高寺氏の言葉を引用してみます。
「当初作品を通じて伝えようとしていたのは、自分探しって大変だけど、頑張って探し続けてみてね、っていうことだったと思います」「なにせ、自分の人生ですから、自分で自分なりの答えが出せないといけないんじゃないかって」
そういう目で見てみると、迷走をつづけたように感じられる後半の『響鬼』の各エピソードにも、それなりの意味があったことがわかってきます。
まず少年が何になりたいのか、本気で考えさせるために桐谷というわかりやすいライバルを持ってくる。そしていろいろ考えた末、鬼になる道を諦めるあきらの決断を描く。一方、「本当にこの道しかない」というトドロキのような生き方についても描く。どの道も決してまちがいではなく、真剣に考えた末の選択ならば、みな正しい道であるはず。それぞれの決定を見届けたあと、少年は果たしてどの道を選ぶのか・・・・となるわけです。

高寺氏はこの作品を、どんな世代に一番見てもらいたかったんでしょう。それはオモチャを買う年齢の子供ではなく、もちろんわたしのような「大きなお友達」でもなく、きっと明日夢くんみたいな年頃の少年たち。『クウガ』からずっと観てきた子供たちの中には、もう進路を考えなければならない子たちもいるかもしれない。実際、高寺氏には明日夢くんとほぼ同じくらいの年齢のお子さんがおられるそうです。んで、彼らだってもうさすがに仮面ライダーがこの世には存在しないこと、ましてやどんなにがんばっても仮面ライダーにはなれないということに気づいているはず。
じゃあ、自分たちがこれまで番組を通じて描いてきたことはウソ・絵空事にすぎなかったのか・・・ そうじゃないんだと。彼らの生き方を見て、それを自分の人生にフィードバックしてくれれば、改造人間、あるいは鬼でなくても、誰だって「仮面ライダー」になれる。そういうことが言いたかったんじゃないでしょうか。

桐谷くんについても少し。明日夢くんは本当にいい子だと思います。ヒビキさんも「たちばな」の人たちもそれがよくわかってるから、彼に暖かく接します。でもそれだと自分が「いい子」だとは思えない子たちに、メッセージが届かない恐れがある。というか、実際はそんな子たち・・・「自分はすごいんだ!」と無理矢理思い込まないとやっていけない子や、誰からも励ましてもらえず落ち込んでいる子。そんな子たちの方が多いんではないでしょうか。彼らに「キミたちだってやれば出来るんだよ」ということを伝えるため、桐谷くんは用意されたのだと考えます。だからといって桐谷くんがメインになってしまったら明らかに問題ですが、明日夢くん主・桐谷が従であることは変っていないわけですから。

20070829173119いずれ進路を選ばなければならない少年たちが、決定の際に『響鬼』のメッセージを思い出してくれたら・・・・ その時こそ『響鬼』という作品は最後まで続けられた意味があったと言うことが出来るでしょう。

次回はもう一人の主人公である「ヒビキ」さんについて少々語りたいと思います。

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August 27, 2007

チュウ文の多い料理人 ブラッド・バード 『レミーのおいしいレストラン』

20070826191202ドブネズミみたいに たくましくなりたい
写真には写らない 香ばしさがあるから

終了直前緊急UPその2&ブラッド・バード特集第二弾。CGアニメにおける第一人社ピクサーの最新作です。
ネズミ・・・ それは生まれながらにして虐げられるさだめにある生物。たえず食料と罠の心配をしなければならず、人の目に触れることは即、死に直結する。
だがそんな逆境を跳ね除け、スターダムにのしあがった者たちもいる。ジェリー、ピカチュウ、ハム太郎、アルジャーノン・・・・ そしてミッ○ーマウス。
生まれつき超人的な味覚を有するネズミのレミー平野は、いつか「究極のメニュー」を作り出すことで、このサバイバルな環境から脱出することを夢見ていた。
一方高名な料理研究家・グス原トー山を父に持つさえない新聞記者・山岡リン太郎は、仕事にかまけて家庭を顧みてこなかった父を激しく恨んでいた。
平野はそんなリン太郎の復讐心を利用して彼を料理の鉄人「煮汁8号」に改造し、悪の料理帝国に対し敢然と戦いを挑む。

『アイアン・ジャイアント』『MR.インクレディブル』のブラッド・バードの新作が、「ネズミもの」と聞いたときは少しがっかりしました。バードよ・・・ あなたには鳥のように雄々しくはばたくヒーローだけを描いていてほしかったのに・・・ よりによって選んだ題材が「ネズミ」ですか! 権利だけでなく魂までもネズニーに売り渡したのか!

しかし悔しいことに「ネズミもの」ってのは傑作が多いんですよね。『スチュアート・リトル』『マウス・ハント』、あとこれアニメだけど『ガンバの冒険』etc・・・
そして拝見した『レミーのおいしいレストラン』は、「ネズミもの」としてもピクサー作品としてもその名にふさわしい大傑作でした。
「ネズミが人を操って料理させる」なんつーアホな話、普通思いつきますか!?(←誉めてる) フルCGアニメも珍しくなくなった昨今ですが、ピクサーはこの「着想」の時点で、いつも他よりぬきんでていると思います。また大元のアイデアだけでなく、各シーンに細かい工夫やギャグが「これでもか」というくらいつめこまれている。本当にどうしてこう、次から次へと愉快なことを思いつけるのか。この才能に匹敵するのは、今のところ『ウォレスとグルミット』のニック・パークくらいではないでしょうか。
あとこの『レミー』、他のピクサー作品よりも危険な香りがするんですねー(笑)。そもそも主役のレミーが始終妄想とくっちゃべってる話ですし、相方のリングイニも現実であればその手の病院に放り込まれることは確実でしょう。
さらにこの作品に出てくる料理人たちが、どいつもこいつも犯罪者まがいだったりとか(笑) 一番まともそうなコレットですら、切れるとすぐに包丁を振り上げる始末。
わたしもむかし調理場でバイトしてたことがあるんですが(もちろん雑用)、そういえば板前さんてすごく人がよく出来てるか、メチャクチャ問題児のどっちかであることが多かったなあ(^^;) もちろんどんな職業にもいろんな人がいるんでしょうけど、特に「料理人」はそのふり幅が大きいのかなあ、と思いました。

他に連想した作品を幾つかあげてみます。
トム・ティクバ 『パフューム』
チャウ・シンチー 『食神』
三谷幸喜 『王様のレストラン』(テレビドラマ)

20070826191216よそさまのご意見をみてみますと、「ネズミが作った料理なんて食えるか」というのが多かったですね。ごもっともです。
でもわたしはネズミが作ったもんだろうとチュウ国産であろうと、うまくて安全なら全然OKです。
まだ暑い日が続きそうなので、みなさん食チュウ毒にはくれぐれもごチュウ意を。

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August 25, 2007

河童だって うまいんだもーん のーんだら こう言っちゃうよ~ 原恵一 『河童のクゥと夏休み』

20070825114342♪きーざくらー

公開終了前に慌ててUPその一。劇場版『クレヨンしんちゃん』でも別格とされている、『オトナ帝国』『戦国大合戦』。その二作を手がけた原恵一監督の最新作です。

東京は東久留米に住む上原康一少年は、ある日川原で風変わりな石を拾う。それは江戸時代の昔から眠りについていた河童の子供「クゥ」だった。康一の家で目覚めたクゥは、最初こそ怯えていたものの、次第にのんきな上原一家に馴染んでいく。しかし現代社会はクゥにとって生きていくにはあまりに窮屈な環境。康一と家族はクゥをどうするべきか頭を悩ませるが・・・

原監督(巨人の人ではなく)は、過去と現在の邂逅を描く人だと思います。『オトナ帝国』では21世紀に突如として出現した「70年代の世界」を描き、『戦国大合戦』では時を越えた二つの純粋な精神の出会いを描きました。そしてこの『クゥ』では、失われた環境の象徴である「河童」が文明社会によみがえったらどうなるか、ということを題材としています。作品では現代の世相その他の批判もありますが、原監督は単純に「昔は良かった今はダメ」とは言っていません。プロローグを見ればわかるように、人が異物を排除したり、環境を思うがままに作り変えようとするのは江戸時代から変っていないわけですから。ただ現代はその繁栄が極に達してしまったため、ひずみもまた大きくなってしまったということなのでしょう。しかし包容力豊かな上原家の人々を見ていると、わずかながら希望はある、と思えてきます。
また『クゥ』を見て一番心に残るのはそういう悲観的な部分ではなく、康一少年のみずみずしく、切ない「夏休み」の部分。夏のプール。親と離れての冒険旅行。急にそれまでと変って見えた同級生のあの子。どこかの町の夕焼け・・・・
そういうわけで「暗いのダメ」という人も安心してごらんんください。

多くの人が気づいていると思われますが、この上原家、「しんちゃん」の野原家と構成がまったく一緒です。もちろんそれなりの違いはあります。康一くんはしんちゃんに比べればかなり平凡な少年だし、妹のひとみちゃんはひまわりちゃんよりもひねくれている。ヒロシはヒロシほどスケベではありませんし、ミサエはミサエほど暴力的ではありません。ただ両家とも家族全体が「幼い」というところは同じです。
その中で唯一の例外と言えるのが上原家の老犬「オッサン」。彼だけが一連の騒動の中で大人らしく冷静に、また自己犠牲的に行動します。先日書いたこととかぶってて恐縮ですが、それは彼だけが胸を切り刻まれるような、辛い経験をしてきているからだと思います。
野原家はもはや磯野家・野比家と並ぶ日本の代表的ファミリーと化してしまった感があるので、変化=成長することは許されません。しかし上原家は奇妙な来訪者との関わりを通じ、みなそれぞれに「大きくなった」のではないでしょうか。

いうまでもなく、ひょうきんなカッパのクゥも様々な芸やコロコロ変る表情などでわたしたちを楽しませてくれます。八方ふさがりの状況の中で、あんな意表をつく抜け道を思いつくところにも本当に感心しました。夏休み映画もいろいろみましたが、この作品と『レミーのおいしいレストラン』が、「職人芸」という点で明らかに他を圧倒しています。先入観に囚われず、ぜひ実際に観て欲しい一本です。

20070825114416ただ一点、文句を言わせてもらえるなら・・・・ 「予告編でネタバレ」しすぎです。先を知っていても十分楽しめましたが、知らなかったらもっと楽しめたのに・・・と思うと、ちと歯がゆいです。
あとこれは明らかに無い物ねだりなんですが、『クレヨンしんちゃん』のヴァージョンでも是非見たかった! と思ったら、31日の放送ではなんとカッパが登場するそうで。すでに『クゥ』を観た人は、チェックしてみるのも一興かと。あんまり期待はできないけど(笑)

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August 21, 2007

パンと蹴りゃニャンと鳴く 約七蹴り目

そのいち なんか似てる

2007082117410020070821174111 ○

 ●
 
 ○
 
 ●


そのに スイカ割り

20070821174128200708211742102007082117423720070821174301 ・

 ・
 
 ・
 
 ・


そのさん 差別発言

200708211743172007082117432920070821174343 ☆

 ☆
 
 ☆
 
 ☆


そのよん 続・差別発言

2007082117435920070821174411 ?
 
 ?
  
 ?

 ?


そのご 八月のパン太くん

200708211744302007082117444320070821174455 ●

 ●

 ●

 ●


そのろく 新学期のパン太くん

2007082117451020070821174525 次

 回

 未

 定


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August 20, 2007

百年間生きる猫 畠中恵 『ねこのばば』

20070211132914夏が終る前にオバケの話をします。でも全然怖くありません。畠中恵さんの『しゃばけ』シリーズ三冊目、『ねこのばば』の話です。
一作目『しゃばけ』のレビューはこちら
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2006/08/post_ad56.html
二作目『ぬしさまへ』はこちら
http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2007/01/post_3db6.html

一太郎は江戸有数の開戦問屋・長崎屋の一人息子。若だんなとして一生懸命務めを果たそうと努力するけれど、生まれついての病弱な体ゆえ、なかなか思うようには動けない。しかし一太郎には常人にはない、不思議な力が備わっていた。巷に住む妖怪変化たちを実際に見て、言葉を交わすことができるのだ。そしてなぜか妖怪たちは、この変った若だんなを慕い、自らを役立てようと彼のために必死で働く。

前にも書きましたとおり、このシリーズは時代劇であると同時にミステリでもあります。周囲で起きる不可思議な事件を、一太郎と妖怪たちが協力して解決していくという話。一作目が長編だったのに対し、二作目とこの『ねこのばば』は連作集。作者が設定にかなり馴染んできたせいか、この三冊目はいよいよストーリーのパターン化が著しくなってきます。ただもちろん「どれも同じ話」というわけではありません。
この本には様々な事情で罪を犯すものたちが出てきます。全く同情できない不気味なヤツもいれば、それなりに共感できなくもないものもいる。さらには「こりゃあ本当にどうしようもないよな・・・」という者も。「悪者」キャラというのは作者によってはどれも同じように書かれたりすることもありますが、畠中さんの書く「罪人」たちは実にバラエティに富んでいます。

そうして生み出される悲しみに対し、一太郎は常に傍観者であります。まあこれは名探偵のセオリーなんで、しょうがありません。末尾の一編において、彼もようやく「何かを失う」ということの寂しさを味わうことになりますが、「人生を揺るがす」くらいの悲しみには程遠い。
いつか彼が本当の悲しみを知り、真の意味で大人になったとき、このシリーズは終わりを迎えるのかもしれません。その前に若だんながくたばってしまうということも十分ありえますが。

小説として面白い特長を幾つか。表題作は寺に預けられた「ねこまた」に関るお話なんですが、架空の動物が実在することを前提にしてああでもない、こうでもないと推理が巡らされます。こういうスタイルは京極夏彦よりも山口雅也のほうに近いかも。
またあえてタイトルを明かしませんが、収められてる短編の幾つかは、読んでいて「あれ? 畠中さん自分で作った設定忘れちゃったんかな?」と思えるものがあります。しかしそれはもちろんうっかりミスではなく、読み終えたあとには「そういうことだったのか」と納得できるものなので、安心して読み進んでください。

わたしが一番この本で印象に残ったのは、『産土』という一編。仁吉と並んで一太郎を支える手代、佐助の過去にまつわるお話です。筋肉バカで、イケメンの仁吉に比べると影が薄い佐助に、こんな切ない過去があったとは・・・
彼が若だんなに対して異常なまでに過保護なのには、こういう理由があったからなのかもしれません。

20070820191931読んでいてつくづく思いましたが、やっぱり『仮面ライダー電王』とよく似ています。
シリーズはいまのところ文庫が三冊まで、単行本が六冊まで出ています。番外編的な絵本『みいつけた』も発売中。

こないだの新聞に出てたんですけど、このシリーズ読者の7割は女性なんだとか。今は筋肉もりもりのタフガイよりも、ほっとけば倒れてしまいそうな王子様がうけるってことなんですかね。
いかん・・・ わたしも急にめまいが・・・


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August 18, 2007

トラック大将 夜明けの一番星 マイケル・ベイ 『トランスフォーマー』

20070818180622サムは走り屋ナンバーワンを夢見るしがないボンクラ高校生。やっとの思いでマイマシンを手に入れるが、そいつはおおよそレディなどよってきそうもないオンボロのハチロク、ではなくカマロだった。ところがそのポンコツカマロには驚くべき秘密が隠されていた。なんと彼?は車の国からやってきた妖精さんで、凶悪な暴走集団「泥背吹魂(でぃせぷこん)」と戦う使命を帯びていたのだ。公道の平和を守るため、またのびのびとナンパできる環境を取り戻すため、サムは正義の走り屋集団「オートボックス(リーダーは長距離トラックのアカツキ店長)」とともに泥背吹魂に戦いを挑む。

はい! つまんないですね!
今を去ること20年くらい前、『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』というアニメが放映されておりました。日本で作られたオモチャにアメリカがストーリーを後付して、アニメにした作品です。意思を持ったロボットの集団が善玉・悪玉に別れてバトルを繰り広げるというコンセプトはそれ以前に例がなく、『トランスフォーマー』は国境を越えて日米のハナタレ小僧たちのハートをがっしりとつかんだのでした。
シリーズはその後何度かの休止を挟みつつも現在に至るまで続き、世界にはますますそのオモチャが溢れかえることに。ある日その内のひとつがスピルバーグの目に止まり、「これ、面白いじゃん!」ということで映画化の運びとなりました。

そんな風に「まずはじめにオモチャありき」という映画なんで、ストーリーもそれ相応というべきか。全体の印象としては『インデペンデンス・デイ』に『スモール・ソルジャーズ』を混ぜ合わせた感じです。車が無人で動き出して主人公がビビる様子などはマイナーホラー『クリスティーン』をほうふつとさせます。
しかも作っているのがマイケル・ベイ。マイケル、キミは宣伝で「ニホンノミナサン、コニチハ」なんて言ってたけど、ぼくはまだあの映画のこと忘れたわけじゃないから。そう、確か『パール・ハーバー』って言ったかな。まさにリメンバーだよね。
・・・とついついイヤミを垂れちゃいましたが、そんなわだかまりは実際に巨大ロボットがガキョガキョ動いているところを見たら吹っ飛んじゃいました。しかもそれが一体や二体ではなく、各々変形までしてしまう。これはもう「最初にやったもん勝ち」としか言いようがありません。実は日本でも一昨年『鉄人28号』(実写)という作品があることはありましたが・・・・・  ここは黙殺しといてあげるのが大人のマナーでしょう。

気づいた点を少々。正義のロボ集団『オートボット』の連中は、みんな示し合わせたように車に擬態します。これには『アイアン・ジャイアント』の項でものべたように、「向うさんにとって巨大ロボはモンスターである」ということが関連しているかと思います。本来なら倒さなきゃいけないいかめしい怪物も、我々にとって最もなじみ深い「自動車」の性質も持っているなら、あれ?なんだか急に親近感湧いてきたよ?みたいな。実際サムのパートナーとなるバンブルビーなどは、ほとんどペット扱いでしたし。敵側にも一体自動車をモチーフとしたロボがおりますが、そいつが変形するのがよりによってパトカー・・・・ それってちょっとマズくないですか?
あとオートボットさんたちはシルエットとか仕草とか、どことなくサルっぽい。格闘シーンなどは、まるで鋼鉄のキングコングが暴れまわってるようでもありました。本当にアメリカ人のゴリラ好きって「どんだけ~」って感じです。

おまけにトランスフォーマーにまつわるトリビア、略して「トラビア」を三つばかりご紹介しましょう。どれも明日からさっそく使えるものばかりです。
☆旧作におけるオプティマス・プライムの定番のセリフのひとつに「待て、私にいい考えがある」というのがあります。ただしそう言って実行される作戦のほとんどは失敗に終るため、指令の口からその言葉がもれると部下たちの間に戦慄が走るとかなんとか
☆リュック・べッソンの名作『レオン』の最初の方で、ナタリー・ポートマンが観ている番組がなぜかトランスフォーマー。女の子ならキティちゃんとか観ようよ
☆『市民ケーン』で知られる名優中の名優オーソン・ウェルズ。彼の遺作はなんとアニメ『トランスフォーマー・ザ・ムービー』。ご存命であれば今回も是非出演してほしかった・・・・

20070818181134画像はつい勢いで買ってしまった復刻版『コンボイ』。買ってみるとわかりますが、司令官、なかなか背中がガラ空きです。

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August 15, 2007

コント山本くんと武田くん⑫ 竜虎邂逅編  ~大河ドラマ『風林火山』より

武田 「オダギリジョージです」
山本 「山本カンスケでごっつええかんじです。今日はスペシャルゲストをお招きしております。新潟よりおこしの長尾景虎さんです。どうぞ!(パチパチパチパチ)」
長尾 「・・・・・・(無言)」
武田 「・・・カンスケ、こいつちょっとノリが悪くねえか?」
山本 「まあまあ、テレビ慣れしてないアーティストにはよくあることでごいすよ」
長尾 「むなしい・・・ なぜわしはこんなところで、このような醜き男どもと席を並べねばならんのだ」
武田 「カンスケ、こいつ斬っちゃっていいよね?」
山本 「殿、こらえてください」
武田 「答えは聞いてない!」
山本 「ああもう、頼むから我慢してくださいよ。ここまで連れて来るの、本当に大変だったんですから!」
長尾 「用は済んだか? もう帰らせてもらうぞ」
山本 「それじゃ長尾さんの好きそうな話でもしましょうか。ズバリお聞きしましょう。あなたにとって『美』とは一体なんですか?」
長尾 「ふむ・・・ そうだな。わしにとって美とは・・・ そう、若さゆえの過ちとでもいおうか。哀、震える哀、血の色は、大地に捨てて・・・ まあ、そんなところだ」
武田 「わけわかんねー」
山本 「ふうむ。つまり長尾さんは・・・・いわゆるガンダムオタクというヤツですね(ニヤリ)」
長尾 「し、知らん! ガンダムとは一体なんだ!?」
山本 「おかしいですね。たしか『新訳』Zガンダムでは主題歌まで歌われたと聞きましたが・・・・」
長尾 「知らんと言ったら知らん! 通常の三倍のスピードとかミノフスキー粒子とか、MS-06R-2(ジョニー・ライデン専用)のことなぞ何も知らん!」
山本 「よーくご存知のようですね」
武田 「見苦しいぞ、長尾とやら
 
イケメンの 正体見たり ガンダムファン

    どうやら勝負あったな」
山本 「何の勝負ですか」
長尾 「うるさいわいうるさいわいうるさいわい! この業界じゃガンダムファンなぞ珍しくもないわい! TMの西川だってラルクのハイドだって及川のミッチーだってどいつもこいつもガンダムオタクじゃ!」
武田 「開き直りおったな。・・・だがそう言われてみると、ワシも美形王子の一員として、なんだか勉強しなきゃいけない気がしてきたのう」
山本 「そういえば音楽担当の千住明先生も、前に『一番納得のいった録音はVガンダム』なんて言ってましたっけ」
長尾 「こうなった以上、もうぶっちゃけてしまおう。わしにとっての『美』、それはつまりシャア・アズナブル、もしくは『赤い彗星』。そういうことだ」
武田 「そうするとワシはさしずめアムロ・レイかの」
山本 「いや、顔の輪郭から言ったらリュウ・ホセイではないでしょうか」
長尾 「水中モビルスーツでいうとゴッグとかズゴックとか」
武田 「はっはっはっはは・・・・ ぶっ殺ーーーーす!!!」
山本 「いかん、ご乱心じゃ! 殿、刀をお納めください!」
長尾 「キミは、生き延びることができるか?」
山本 「でんでん♪ ででででん♪ シュウ!」
20070815182237
 
  

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August 14, 2007

電王戦隊イマジンジャー 『劇場版仮面ライダー電王 俺、誕生!』

20070813114128普通の映画ファンなら、まずこんな映画は観にいかないでしょう。
だがオレは・・・違うぞ!

というわけで毎年恒例の劇場版『仮面ライダー』最新作をご紹介いたします。

はるか未来からやってきて、時間を消失させてしまう謎の怪物「イマジン」。ひょんなことから変り種のイマジン「モモタロス」と遭遇した野上良太郎は、彼と融合することにより、「仮面ライダー電王」となる力を得た。良太郎と仲間のイマジンたちは時間を走る列車「デンライナー」を駆って、時の運行を守るために戦い続ける。
ある時、そのデンライナーが何者かによって奪い去られた。犯人の名は「ガオウ」。時の列車ばかりを狙う強盗団のリーダーだ。ガオウとの戦いの最中、記憶を失った良太郎は電王に変身できなくなってしまう。果たして良太郎は再び電王となれるのか。そして圧倒的なパワーを誇るガオウに打ち勝つことができるのか。

以下はかなりネタバレ気味でお送りします。ご了承ください。

まずダメだったところから。
・去年も同じことを書きましたが、かなり詰め込みすぎです。スタッフのサービス精神は買いますが、ただでさえ普通の映画より尺が短いんですから、筋立てはもっともっとシンプルでいーんじゃないでしょうか。
・陣内&ほしのあきってなんの意味があったんでしょう・・・
・「ウィング」フォームなんだから、   飛     べ    !!
・ガオウの背景がさっぱり明かされないのはちょっと・・・ あいつ結局何者だったんだ?
あと今年は映画でやりきれない部分がテレビシリーズの方に回されたため、テレビの方までわけがわからなくなる、という弊害も出ました(笑)

では気を取り直してよかったところを。
・例年子供がおいてけぼりになってしまうライダー映画ですが、今年はいい意味で子供たちにむけたメッセージが光りました。「その人が覚えている限り、時間は消えない」 いい言葉です。
・チビ電王。劇場で一番湧いてました。このアイデアだけで十分一本作れると思うのはわたしだけでしょうか。『JOJO』第三部のアレッシー編を思い出しました
・自分を忘れてしまった良太郎に対し、「ま、しょうがねえか・・・ その内思い出すさ」と呟いて夜の街へ消えていくモモタロス。背中に濃ゆい男の哀愁が漂っておりました
・夢の4フォーム揃い踏み。『ドラえもん のび太の大魔境』を思い出しました
・クライマックスにおけるガオウとの一騎打ち。「燃えるデ!」

それではお決まりの脳内補完コーナー。
2000年に小(良)太郎を下ろす場面で。
「モモタロス・・・ お別れだね。いろいろありがとう」
「おう! 一足先に未来で待ってるぜ~!!」
「約束だよ!」

時は移って現代。微妙に設定の変った第1話のあのシーン
「モモタロス・・・だよね? また会えて嬉しいよ」
「何のことだ? まあいい、お前の望みを言え!」

20070813114843今年の「えこひいき賞」四年連続はほぼ決まりでしょうか。実は『アギト プロジェクトG4』や『龍騎 エピソード・ファイナル』なんかは、わたしにとってかなり重要な「映画」なんですけど
(恥ずかしいな(^^;))

今年は秋にも『仮面ライダー THE NEXT』が公開予定。期待はしてませんが、絶対観にいきます(爆)

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August 12, 2007

適当掲示板51&ある日のSGA屋伍一T(タロウ)

ご意見その他おありの方は、この辺にどうぞ


Usatann1_3_thumb薄暗く、カビ臭い部屋でひとりうなだているこの男の名はSGA屋伍一。相変わらず、浮いた噂のひとつもない。
(おれもとうとう34歳。いつまでもこんなんでいいのだろうか・・・)
そんな彼を哀れんだのか、ある日友人のZもしくはMが電話をかけてきた

20070812205834「おうSGAか? 今度看護士のみなさんと合コンやるんだけど、おまえ来るか?」
(行くに決まってんじゃねえかーっ!!)
そう叫びたい衝動を必死にこらえ、SGAは務めて冷静に答えた
「あ・・・・ いや・・・ そうだな・・・・ 人が足りないなら行ってやってもいいかな・・・・」
「そうか。じゃ、また連絡する」

20070125114219(持つべきものは友だな!)
だがしかし、MというかZからの連絡はなかなか来ない。
シビレをきらしたSGAは自分から電話をかけてみた
「M(Z)? こないだのあの話だけどいったいどうなっ」
「ああ、わりいわりい。あの話、流れたんだわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう」
夢ははかなく敗れ去った。

Usa3_2_thumbそんな時彼をいやしてくれるのは、やっぱりサッ○ロド○フトワン

この猛暑に唯一救いがあるとするなら
それはビールがとてつもなくうまいということだ
(正確にはその他の雑種②)


Usa4_2_thumb「あ、でも来なくてよかったかも。キミのことついつい『三高エリートサラリーマン』なんて、大ボラ吹いて紹介しちゃったから」
「ば、てめ、どこをどう間違えばそういう話になるんだよ!」
侮りがたし、畏友MというかZ
しかしこれしきのことで希望を捨ててはいけない。信じるところから希望は生じるのだから


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August 10, 2007

スーパーマンになりたい ブラッド・バード 『アイアン・ジャイアント』(再挑戦)

20070810183425現在絶賛公開チュウの『レミーのおいしいレストラン』。なんだかんだでまだ観にいけてないのですけど、幾つかレビューを読んでるうちに、ブラッド・バード監督の『アイアン・ジャイアント』について猛烈に語りたくなってきました。
思えばブログはじめたてのころ、一回とりあげたことがありましたが、まだレビューの要領がよくわからなくて、言いたいことの十分の一も書けなかったような。
そんなわけで今日は存分に書きます。

この映画の内容を一言で言うと、「少年と巨大ロボットの友情物語」。筋立てはこれ以上ないくらいベタベタです。それがどうしてこうも自分の心をとらえてしまったのか。「ツボにはまった」としか言いようがありません。ただ一言断言できるのは、「こんなにムダのない映画は滅多にない」ということ。全てのシーンに意味があります。
以下は最初から最後まで完全にネタバレしてます。できれば先に実物をご覧になってから読んでいただきたいもの。

舞台は冷戦華やかなりし頃の米国。一人の老人が荒れ狂う海の中、巨大な怪物の影を目撃したところからお話は始まります。まるで『ゴジラ』を思わせる登場シーン。日本では「ヒーロー」という印象の巨大ロボットですが、欧米においては「怪物」の延長であることがわかります。前の記事では「ロボット版E・T」と書きましたが、どちらかといえば『フランケンシュタインの怪物』の方がより近いかもしれません。

どうやらどこかの星で作られた秘密兵器らしいこのロボット。長旅の空腹を満たすため、闇夜にまぎれて発電所をバリバリとかじろうとします。ものの見事に大感電するロボ。彼はこのショックで、自分が何ものだったのか、すっかり忘れてしまったようす。そして最後まで彼の出自が明らかになることはありませんでした(笑)
ショート寸前のロボを救ったのは、不審な物音にひかれてやってきた、近所に住むホーガスという少年。ホーガスはなにもわからぬこの巨人を、突然できた弟のように可愛がり、なにくれとなく世話を焼きます。けれどもサイズの違いもあって、それは並大抵の苦労ではありませんでした。なにせこのロボ、ちょっと目を離したすきに、線路を食べようとして列車ともろに激突してしまったりするからです。

それでもなんとか一人と一台は、落ち着ける場所とエサ場を発見。そこで少年はロボに様々なことを教えます。
あるときは漫画を教科書にして、「スーパーマンは決してその力を自分のためには使わず、正義のために役立てる」ということを。ある時は撃たれた小鹿を前にして、「生き物は死ぬ」ということを。そして武器が、その命を奪うのだということを。

別れは突然に訪れます。ある時遊びでホーガスが向けたオモチャの銃に、ロボの防衛プログラムが作動。一瞬完全な戦闘マシンとなりかけたロボは、あやうく少年の命を奪いかけます。我に返り、自分という存在の恐ろしさに呆然とするロボ。意気消沈した彼は、警戒心を忘れて、フラフラと街の方へ向かっていってしまいます。
たちまちパニックに陥る市街。東側からの攻撃だと思い込んだ軍は、戦闘機や戦車をロボにさしむけます。
防衛プログラムのため、内部からせりだしてくる銃を、懸命に押し込めようとするロボ。それはまるで飛び散る内臓を必死でかき集めているようで、痛々しいことこの上ありません。
しかし軍の攻撃により少年が吹きとばされたのを見て、ロボは今度こそ理性を失います。おぞましい異形の姿に変り、街をまさに灰燼に帰そうとしたとき、彼を止めたのはやはりホーガス少年の言葉でした。

「銃になんかなるな キミのなりたいキミになれ」

済んでのところで、穏やかな自分を取り戻すロボ。ですがその時街に向けて基地から核ミサイルが発射されます。
少年に別れを告げ、ロボは天空よりせまりくる弾丸へ向かって飛んで行きます。脳裏に再びよみがえる少年の言葉。

(キミは自分のなりたいものになれる。キミがなりたいのは?)

「すーぱーまん・・・・」

一瞬光を放ったあと、また暗さを取り戻していく空。こちらに背を向けて、微動だにしない少年。
果たしてロボは粉微塵に砕け散ったのか。それとも・・・・


「今度こそバッチリ決めるぜ!」と意気込んだわりに、普通にネタバレしただけで終ってしまいました。お恥ずかしい。
わたしは男塾出身なので、「親の葬式といえども人前で涙を見せない」ことをモットーとしております。しかしこの時ばかりはあふれ出る鼻水を抑えることができず、周囲の人たちから大層不気味がられました。

20070810184952もしかするとこの時得た以上の感動を、わたしはいまだ劇場で味わっていないかもしれません。
それでもいつかまた同じ感動を得られることを待ち望んで、わたしはまた映画館へ足を運ぶのでした。

とりあえずは『レミー』と『トランスフォーマー』か・・・

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August 08, 2007

さあ一回最初の打席、ピッチャー・・・ ひぐちアサ 『おおきく振りかぶって』① 序章編

20070808184045いーけー おおしーくー ひかりあふーれーてー

甲子園ももう開幕ですか。今日は話題沸騰の野球マンガ『おおきく振りかぶって』を紹介いたします。

お話は主人公・三橋廉が、新設された西浦高校野球部をこっそり見学しにきたところから始まります。三橋は中学時代ずっとエースを務めていましたが、それは実力というより、「祖父が学校の理事長」という背景のゆえでした。そんな風にひいきされてエースになった彼を、当然チームメイトたちは快く思っていませんでした。
祖父の経営する三星学園から離れたものの、野球を続けるべきか悩む三橋。そんな彼に西浦野球部キャッチャーの阿部は「試しに投げてみろよ」とすすめます。阿部は球を受け続けているうちに、三橋にはピッチャーとして、特殊な才能があることに気づくのですが・・・・

『おお振り』の噂は前から聞いていました。新聞等で何回も紹介されていたし、ある席で漫画家のみなもと太郎先生が「『キャプテン』以来の傑作」と評していましたし。
そんなわけで折に触れブックオフで探していた(ケチ)んですが、なかなか見つからず、とうとうシビレを切らして第一巻を新刊で購入。あっという間にその不思議な面白さのとりことなり、二週間の間に最新8巻まで一気にそろえてしまいました。

まず主人公の三橋ですが、こいつが相当変ったヤツです。内気で卑屈で気弱で小声。それだけならこれまでのスポーツマンガでもちょくちょく見かけたタイプですが、「ごめんなさあああい」と泣きじゃくりながらも、意地でもマウンドを降りようとしない。マジメな話、こんなのがそばにいたら相当むかつくことでしょう(笑)
三橋がなぜそこまで「投げる」ことにこだわるのか。ここら辺は憶測ですが、それは彼が背負ってきた「孤独」にあるような気がします。その性格のため、ずっと友達ができず、壁の的に向かってひたすら球を放ってきた三橋。彼がグランドの中央に居座り続けるのは、「自分に気づいてほしい」「自分をわかってほしい」という無意識のメッセージのような気がします。言葉でうまくそれを伝えることができない三橋は、ピッチングでそれを主張するわけです。しかし中学時代そのメッセージはことごとく空回りしてしまい、彼の心に深い傷を残すことになりました。

一方三橋の相棒となる阿部。彼は彼でかつてのパートナーに、徹底して主張を無視されたという過去があります。どんな性格でも、こっちの指示に従ってくれさえすればそれでいい。そんなピッチャーを求めていた阿部の前に、ちょうど良く三橋が現れます。

で、二人は出会うことによって、やっとこお互いの隙間を補いあえる・・・ようになればいいんですが、そこが人間関係の難しいところ。三橋のビクビクした態度に、阿部はイライラし、それを感じた三橋がまたビクビクし・・・という悪循環が果てしなく繰り返されます(笑) それでもまあぎごちないコミュニケーション重ねながら、少しずつ信頼関係を築いていく。そんなところが『おお振り』の魅力ではないかと思います。

あと、こういうことはあまり言いたくないんですが、なんとなくこのマンガ、少女マンガとしてのテイストも含まれている気がします。なんつーか、三橋が仮に女の子だとしても、まったく違和感がないような。それは『のだめカンタービレ』の千秋くんが女性だとしても、それなりにお話が成立してしまいそうな、そんな感覚と似ています(イヤ、さすがにそれは無理があるか)。一方でこの作品は紛れもない「少年漫画」でもあり、そんな二面性がこれまでにないカラーを作りだしております。

20070808184115もちろん三橋、阿部のほかにも魅力的なキャラクターが多数登場。しかし一回だけでは到底語りきれません。んなわけで、このマンガに関しては何回かに分けてじっくり語らせてもらおうかと思います。本当に自分で宿題ばっかり増やしてどうすんだ、オレ。
悔しいからみんなにも宿題です。可能な人は近日中にコミックスの二巻までを読んでおいてください。おおおおおお、お願いしますゥゥゥ(三橋調)

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August 07, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編②

20070807190441前回は『響鬼』の特異な点についていろいろあげてみましたが、この作品は「途中でプロデューサーが交替した」という点でも特異な番組といえます。高寺成紀氏に代わって後半を担当することになったのは、『アギト』から『555』までをてがけた白倉伸一郎氏。この二人はそれぞれ強い個性を持つ作り手であるため、『響鬼』は前期と後期で多少カラーの異なる作品となってしまいました。

高寺氏の作る作品では、善と悪の境界が非常にはっきりしています。ですからその両者が混じりあうことはありません。それに対し白倉作品では両者のラインはとてもあいまいで、どちらが正義でどちらが悪とは一概には言えません。
高寺氏はヒーローを「理想」として描きます。だからどんな事態に直面しようと決して自分の行動に疑いをもったりはしないし、どんなピンチに陥ろうとも最終的には必ず勝ちます。
それに対し白倉氏はヒーローを「人間」として描きます。だから自分の行動に対し迷いが生じることもありますし、状況によっては死ぬこともあります。
さらに言うなら、高寺氏は作品のムードや設定を非常に大事にする人。それに対し白倉氏は作品の持つ勢いというか「ノリ」を大事にする人。そのため細かい設定や伏線が、どっかにいってしまうこともしばしばです(笑)
自分なりの「テレビ番組としての『仮面ライダー』」を作ろうとしたのが高寺氏。それに対し自分なりの「石(ノ)森ヒーロー」を再現しようとしたのが白倉氏。ついでに言うと自分なりの「平成ライダー」を作ろうとしたのが日笠氏。
また、高寺作品では1エピソ-ドごとの区切りがわりとはっきりしてるのに対し、白倉作品では各エピソードが密接につながりあっていたり。
見事なまでに対象的なお二人です。ただしこれらの特長はあくまで「そういう傾向がある」という程度のもので、「絶対にそう」というわけではありません。

一年半前、「ライダーでやりたいことは全てやった」と言って、ライダーシリーズを去って行った白倉氏。その彼がなぜ再び『響鬼』で戻ってきたのか。消されてしまったブログの記事などから類推するに、どうやらその目的は彼が苦楽を共にしたスタッフの救済にあったようです。
チャレンジ精神と独特なムードで、一部で熱狂的な支持を得た『響鬼』。しかしオモチャを買う子供たちにとってはその姿はあまりに斬新だったようで、グッズの売り上げはあまり芳しいものではありませんでした。また高寺氏の情熱が災いしたため、スケジュールもかなりずれこんでいたようで、推測の範囲ではありますが、交替の理由はどうやらその辺にあった模様です。

そんな中、白倉氏が自らに課したのは、まず作品をとにかく完結までひっぱっていくこと。そして少しでも視聴率をあげて&オモチャを売って、スタッフが路頭に迷わないようにすることだったと思われます。
そのため作品の前半にみられた独特のムードや、細かい設定の幾つかは失われました。予算の面でも時間の面でも極めて限られた状況では、それもやむなきことだったでしょう。では高寺氏のチャレンジは後半において全て否定されてしまったのか。わたしはそうは思いません。その点については、また次回語らせていただくとしましょう。

それにしても、これほどまでに「プロデューサーの仕事」というものがクローズアップされたことが、かつてあったでしょうか。ワンクールドラマにおいて、真っ先に名前があげられるのは普通脚本家、もしくは原作者です。映画やアニメはふつう「監督」の作品とみなされます。で、特撮や時代劇、刑事ドラマなどは、東映や円谷といったように「会社」の作品とみなされることが多い。本来裏方に徹するのがプロデューサーなんでしょうけど、そんな点でもこの「平成版仮面ライダー」は特異なシリーズだと思っています。

20060606213358ちなみに番組後半に出てくる「スーパー童子」を白倉&井上、「洋館の男女」を高寺&大石(のもっぱら影響力)、そして最終回のみ登場の「さらに身なりのいい男女」を東○&バ○ダイと考えると、ちょっと面白い見方ができるかもしれません。

やべ、地雷・・・・(どーん)

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August 01, 2007

『ザ・リング』に挑んでみる J・R・R・トールキン 『指輪物語』 「旅の仲間」上1編

20070801181757おっす! おらゴクリ! 今日は不朽の名作『指輪物語』(最近じゃ『ろーど・おぶ・ざ・りんぐ』って言ったほうが通りがいいらしいよ!)の、「旅の仲間」上1巻部分を解説させてもらうだよ。
最初に言っとくだが、あくまでオチャラケ中心だから。マジメなレビューは期待するなよ!

まずこの第一部の「旅の仲間」っつう題だがよ、原文じゃ「THE FELLOWSHIP OF THE RING」となっとるだよ。意訳すっと「指輪の友情」もしくは「指輪の絆」ってとこかの。うけけ、つい学のあるとこ見せちまっただよ!

んで、最初のページをめくるとおったまげるだよ。いきなり「解説」から始まっとるから。普通「解説」から始まる小説ってあるか!? 最初から夢ワクワクの大冒険を期待するお子チャマたちは、この辺でひいてしまうだよ。楽しみっつーのは、まず勉強してからでないとゲットできないもんらしいの。うけけ。
その解説部分には、あのむかつくホビット連中の生態なんかが書いてあるだよ。この辺もまあ楽しめるっていや楽しめるかの。雪男とかネッシーとか、そういう「幻の生物」の論文読んでるみたいで。「パイプ草の発見」とか、「そらなんじゃー?」みたいな項もあるんだけんど、もしかして後の重要な伏線かもしれんからのー ゆめゆめ油断してはならんよ。油断してると大切な「いとしいシト」を奪われてしまうかもしれないだよ!
 この辺にはプレ・ストーリー『ホビットの冒険』の簡単なあらすじなんかもこっそり混ぜてあるだよ。トールキン先生もなかなかちゃっかりしてるの(笑)

その後やっとこ本編が始まるだよ。まずビルボのトンチキのお誕生会から始まって、ついでわしらのいとしいシト「指輪」の来歴が語られるだよ(萌えええええ)。そのあとフロドのバカ旦那がさんざん粘ったあげくようやく重いケツをあげて、ちょびっとだけ冒険が進んだところでこの巻はおしまい。簡単だのー
ほとんどホラーみたいだった印象のある劇場版第一作と比べて、ずいぶんゆるゆるほんわかなムードだよ。ケッ! 敵の追っ手といったら、「黒の乗り手」が一名のみ。そいつだってストーカーみたく影をちらつかせるだけで、実際に襲ってくるシーンはないからの。まあまだまだほんの始まりだから、そんなもんかもしれんだよ。

面倒臭いが映画と比較しながら各キャラの印象を語るだよ。まずフロド。映画じゃまだ中坊とあんまし変らない風貌だったけんど、こいつ旅立った時の年齢は、実に50歳。・・・いかにホビット連中が若作りとはいえ、50といや確実におっさんではなかろうかの。そのせいかセリフもいちいち年寄りくさかったりするだよ。
次に太っちょのハム。じゃなくってサム。原作のこいつはまた、かなり頭が悪そう。っていうか天然。旅に出た理由が「エルフを見たいから」ってんだから。地方のオタクが「生のアイドルを見てみたい」という様なもんかの? んなわけで旦那への忠誠心とかは、この時点ではあんまし感じられんだよ。
あと旅の仲間でもほとんどオミソ扱いのメリーとピピン。映画では「いつの間にか成り行きでついてきちゃった」って感じだったが、原作ではちゃんと覚悟を決めた上で旦那に同行したことが書かれてるだよ。ホビット連中は気に食わんが、こいつらの健気な心意気にはこのゴクリもちょっとホロッときた。「旅の仲間」上1巻で一番泣けるシーン。ただ、どっちがどっちかわかりづらいのは、映画と変らんだよ。

そしてこのゴクリさまだよ。まあこの巻ではお話の中にしか出てこんのだけんど。でもわしらの話にページがけっこう割かれてるのは、やっぱしわしらが「真の主役」だからかの? うけけ
その名前の由来は「ぶつぶつ独り言を言って歩き回り、ゴクリゴクリと喉をならしたから」 ・・・・トールキン先生とやらも、ずいぶん適当なお方じゃて。映画の「ゴラム(Gollum)」という名も意味はおんなじみたい。ちなみにこの説明の部分で、フロドのバカは「そんなヤツぶっ殺しちまえばよかったんですよ」なんてしどいことを言ってくれたりするだよ。やっぱホビットなんぞにロクなやつはおらんの。

旅に出た一行はそれからどうなったのかとか、ガンダルフやアラゴルンについては次回に回すとするだよ。もっともこのコーナーが続けばの話だがの。
最後は『指輪』名物のポエムでお別れじゃ。曲は『リングにかけろ』アニメ主題歌からいくだよ


リングにかけろ 燃えろ 明日への闘志
たった一度の今日という日

リングにかけろ 自分の存在全て
明日という日へかけぬけろ


20070801181835それでは皆さん、また次回。
わしらの、いとしいいとしいいとしいシトおおおおお!


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