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July 02, 2007

コード十二宮 デビッド・フィンチャー 『ゾディアック』

200707021734401960年代から70年代にかけて、アメリカで実際に起きた連続殺人事件を、奇才・デビッド・フィンチャーが映画化。
今回はちょっとマジメにいくぜ~(ムチャよ!)

1968年12月20日、サンフランシスコで一組の男女の他殺死体が発見される。それは「ゾディアック」と名乗る謎の男の最初の犯行であった。翌年の独立記念日には第二の事件が。ゾディアックは新聞社に暗号を用いた犯行声明を送りつけ、自分の凶行を高らかに誇示する。
新聞記者ポール・エイブリーと、風刺漫画家のロバート・グレイスミス、そしてシスコ警察の刑事デイブ・トースキーらは、ゾディアックの正体を暴くべく懸命に推理をめぐらせ、捜査を続ける。だがその手がかりは杳としてつかめない。事件に関った三人の男たちは、次第に精神の安定を欠いていく。

デビッド・フィンチャーについては、「ゲーム」と「狂気」・・・その連鎖を描く作家、という印象があります。最初は関係ないから、あるいはゲームだからと気楽な気分でいたら、いつの間にやら自分にも狂気が伝染し、のっぴきならない状況に追い込まれる・・・・ そんなイヤーな話が多いですね。こちらは初のノンフィクションですが、やはりそんなお話でした。

人は不可解かつ恐ろしい事件を知ると、その答えを求めるものです。「だれが」「なぜ」「どうやってやったのか」 その代表的な例がいわゆる「殺人事件」。特にこの「ゾディアック」事件はわからないことだらけなので、多くの人々の恐怖を煽り、同時に探究心をも刺激しました。しかし恐ろしい謎に深入りしてしまうと、追う側の人間たちとて、無傷ではいられなくなるようです。

それは底に何があるのか見極めようとして、深い池の底を覗き込むのと似ています。夢中になるあまり、身を乗り出しすぎたなら、池の中にドボン、ということになるでしょう。しかしずぶぬれになりながらも、何かを見つけることができたなら・・・まがりなりにも答えを得ることができたなら、そのとき人は狂気から解放されるのかもしれません。

事件解決のためにもっとも情熱を傾けるグレイスミス。他の二人は「仕事だから」ということでまだわかりますが、直接関係ない彼が、なぜそこまでして「ゾディアック」にこだわるのか、映画は明快な答えを出してくれません。自分なりに思い当たるフシはありますが、この辺は観客一人一人が自分なりの答えを見つけるべきなのでしょう。

「映画」としての感想を少々。前半の幾つかの流血シーンは、「実際にあった」ということが頭にあるせいか、半端なホラーよりよっぽどショッキングでした。後半に入るとその手の描写は控えめになりますが、今度は遅々として進まない捜査にイライラが募ります(これまた現実がそうだったから仕方ないんですけど)。恐らく登場人物の心情に同調させようという、監督の狙いかと思われます。
そういうわけで「最後まで画面から目が離せない」という映画では決してありません。でも「人の狂気」を考える上では、なかなかいい勉強になりました。

20070702173517それにしても今年の六月は、えらい殺伐とした映画が多かったですね・・・ 自分のチョイスにも問題あるんだけど。
『レミーのおいしいレストラン』とか、早く見たくなってきたSGAでありました。

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Comments

SGA屋伍一さんこんばんわ♪TB有難うございました♪

ゾディアックが暗号やヒントなどを送って、まるでゲームを楽しむかのように犯行を重ねていく所は、自分も『セブン』のジョン・ドウを思い起こしてしまいましたね。もしかしたらジョン・ドウのモデルもこのゾディアックなのかも?

流血シーンはかなり生々しくて自分も鳥肌立ちました・・ナイフでメッタ刺しは正直何度も観れないですよ・・(汗

Posted by: メビウス | July 03, 2007 at 08:48 PM

聖闘士の出番はありませんでしたね(笑)

グレイスミス君がなぜそこまでゾディアックに惹かれるのか。
奥さんにも「なぜ?」と問い詰められていたけど、
明快な答えなんてないというのが答えなんじゃないかな・・・と思いました。
ただ無償に真実が知りたいという気持ちはなんとなく理解できます。
途中淡々としてるのと、ラストもやもやするせいでちょっと評判良くないみたいですけど自分的にはかなり気に入りました♪

6月は殺伐月間でしたねー
『レミーのおいしいレストラン』は、キャラのかわいくなさが気になるところではありますが観たいなと思ってます。
『電王劇場版』には行かれないんですか?

Posted by: kenko | July 03, 2007 at 10:07 PM

久々にTB反映しました!やっほーぃ!!

Posted by: kenko | July 03, 2007 at 10:10 PM

>メビウスさま

試験勉強お疲れ様でした

>『セブン』のジョン・ドウを思い起こしてしまいましたね

そうでしたっけ(笑) なんか『セブン』は全体的に印象が薄くて・・・
でも確かに自分の存在をアピールするために凶行を繰り返すところは同じですね。日本でも警察に犯行声明が送られた事件が幾つかありましたが、捕まってないのは「かいじん21面相」くらいかなあ

>流血シーンはかなり生々しくて自分も鳥肌立ちました・・

ですね・・・ ただ自分はあのあと、「人間ってけっこうしぶとく出来てるもんなんだなあ」なんて不謹慎なことを考えてしまいましたよ

Posted by: SGA屋伍一 | July 03, 2007 at 10:29 PM

>kenkoさま

毎度コメント&TB、そしてツッコミ(笑)ありがとう。本当にありがとう

ボケを放置されるとツライものです。つまらんボケをかますのが悪いんですが

>グレイスミス君がなぜそこまでゾディアックに惹かれるのか。

まあこれを言うと野暮になるし、根拠も全くないんですけど、「なんか自分と通ずるものを見つけてしまったから」というのがわたしの説です。図書館好きというだけでなく、かなりパラノイアなところも二人はなんか似ています
「彼と向かい合いたい」というのは、自分とどこまで似てるのか確かめたかったからじゃないですかねー
まあこんあ風に強引に答えをこじつけてしまうのがわたしの悪いクセです

>6月は殺伐月間でしたねー

ハシゴしてみたらかなり消耗しそう・・・ ちなみにわたしが一番堪えたのはこの『ゾディアック』でした
『電王』劇場版はもちろん行きますよー ほしのあきの出番はわずかに十分程度だそうです(笑)

Posted by: SGA屋伍一 | July 03, 2007 at 10:38 PM

こんにちわ!TB&コメントありがとうございました。

>今度は遅々として進まない捜査にイライラが募ります

そうですね。なかなか解決に向かわない事件に、む~んとなってしまうという率直な声も結構聞きますね。それ程に、事実を緻密に描いている几帳面な作品なのかもしれませんが。『セブン』が大好きで~と、期待していた人からすると、この良さを受け入れられないという部分もあるのでしょうか。
私は、なかなか良かったけれど満点まではいかないという中立派といった感じでした。

>『レミーのおいしいレストラン』

今日も劇場で予告を見て来ましたけど。レミーがとっても可愛かったです。この作品には猫さんは登場するんでしょかね。

Posted by: 隣の評論家 | July 04, 2007 at 11:36 PM

>隣の評論家さま

返事が遅くなってしまい申し訳ありません

>なかなか解決に向かわない事件に、む~んとなってしまうという

考えてみれば実際に未解決だった事件に、「解決しろよ!」と言うのも無理な話なんですよね(笑) 
しかしそれが痛ましい事件であればあるほど、「犯人が見つかってほしい」と思うのも当然のことで
フィンチャー氏もそういう願いを込めてこの映画を作ったんでしょうか。動機は他にもあるような気がしますけど

>『セブン』が大好きで~

けっこうこういう方おられるんですね。上のコメントにも書いてますけど、『セブン』にさして深い印象のないわたしとしては、最初からフィンチャーさんにそんな期待してるわけではないので、普通に興味深く観られました

>レミーがとっても可愛かったです。この作品には猫さんは登場するんでしょかね。

登場するといいですねえ。だけどネコってハリウッド映画では大体悪玉なんですよねえ。差別だ!

Posted by: SGA屋伍一 | July 07, 2007 at 01:50 AM

こんばんは☆
コメントありがとうございます♪
イラスト、面白いです☆
最後の団子3兄弟笑えました〜。
パンダちゃんの絵もかわいいですね。

Posted by: mig | July 09, 2007 at 02:25 AM

>migさま

これまたツッコミというか、フォローに感謝です

ゾディアックのマークは他にもどっかで見たような記憶があるんですが、なんだったかな・・・・ ミステリーサークル?

パンダの方もわざわざ見ていただいてありがとうございます。わけわかんなかったと思うんですけど(^^;)

Posted by: SGA屋伍一 | July 09, 2007 at 07:17 PM

SGAさん、こんばんは。
これ、いつTB来るのかなあ、とワクwakuして待ってたんですが、いつになっても来ませんねえ(笑)
あんまりTB出して、コメントやり取りする気のない映画ってありますよね。
疲れてしまいましたか、かわいそうに・・・
寝た子を起こすようで悪いのですが、ネタだけはいつも豊富な子、SGAちゃんなので、大丈夫よね。

Posted by: とらねこ | July 18, 2007 at 09:09 PM

違うの!

あんまししょっちゅうコメント入れると、「何この男、ウザイ!」と思われそうで、遠慮してたの・・・・

この微妙なオトコ心、わかって!

・・・・う~ん、てめえで書いてて気持ち悪くなってきた。これもゾディ公の呪いなのか

そいじゃいきますけど、くだらねー内容だからひかないでね♪ ウフ!

Posted by: SGA屋伍一 | July 18, 2007 at 10:53 PM

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