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June 19, 2007

平成ライダーの六年間を振り返る 響鬼編①

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もうあらかた騒ぎも収まっているというのに、地雷原を突っ走るようでとっても怖いんですが、当コーナーを始めたきっかけでもありますし、いい加減『響鬼』編に突入したいと思います。

受験を控えた平凡な少年・安達明日夢は、母の郷里である屋久島へ向かう途中、風変わりな一人の男と出会う。「ヒビキ」と名乗ったその男は、実は鬼に姿を変えて、魔化魍なる怪物を退治することを仕事をしていた。ヒビキや彼の属する組織「猛士」との交流を通じ、少年の世界は少しずつ変っていく。

まずわたしの立ち位置を明らかにしておきますと、わたしはこの作品の前半も後半もそれなりに評価しております。それを踏まえていただいた上で、第一回はいわゆる「前半」響鬼の特長について述べてみましょう。

響鬼という作品でまず目につくのは、随所に見られる「和」のテイスト。例えば主人公の響鬼(下画像)ですが、名前の通り基本的には「鬼」を主要なモチーフとしております。また、炎を背負って登場するあたりは不動明王からの、太鼓を武器にするところは雷神からの着想かと思われます(さらに別に、「雷」がモチーフとなっているライダー=鬼もいます)。加えて彼のメイン武器である「音撃棒」。これの先端には口を開いた顔と口を閉じた顔が彫られていて、それぞれ「ア」「ウン」という名が付けられてたりします。体表には「たすき」や「ふんどし」を思わせる装飾もあしらわれていて、まあ「響鬼」一人をとってみただけでも、こんだけの意匠がこめられているわけです。

作品に登場する「鬼」全体の設定にも目を向けてみましょう。「厳しい鍛錬を重ねて鬼となる」という設定は修験道を、そして役小角が鬼を使役したという伝説を思い起こさせます。また、鬼たちが用いるディスクから動物状に変形する小型ロボット「ディスクアニマル」は、陰陽師が用いたという「式神」を彷彿とさせます。
さらに鬼たちが退治する魔化魍。これには「ウブメ」「イッタンモメン」など、よく知られている妖怪の名が付けられていて(形は微妙に異なる)、習性や出る場所、弱点なども細かく設定されています。そしてそれを育てる怪人には、鬼の異名である「童子」という名がつけられていたり・・・
このように『響鬼』は、日本に古来からある伝承や宗教から、様々な材料を取り出し、再構成した作品となっています。深読みしようと思えばいくらでも深読みできる。そんなところが、この手の伝奇ものが好きな方たちには大変ジャストミートだったようです。

もうひとつ『響鬼』の主要な特徴と言えるのは、その独特の語り口。
主人公の片割れである明日夢少年は、ごく日常にあるような様々な問題に遭遇します。受験に不安を覚えたり、盲腸になったり、バイトに慣れなかったり、不良から理不尽な暴力を振るわれたり、など。
普通なら「ちくしょー」とか「なんでだよー」という場面で、少年は何も言いません。ただ、なんともいえない辛そう~な表情をします。
それに対しヒビキさんも具体的に「ああしろ」「こうしろ」とは言いません。ただ「オレならこうするけど」と言って、実際その通りやってみせる。それを見て励まされた少年は、自分も日常の問題を乗り越えていく・・・ そんなスタイルが取られています。
スタッフはこうした形をとることで、「言葉を越えた交流」みたいなものが描きたかったのかもしれません。また、今の時代言動と行動が一致しない大人が多いので、「行いは言葉よりも雄弁である」ということも言いたかったんではないでしょうか。

20060606213344_3次の回では前半を担当した高寺成紀プロデューサーと、後半を担当した白倉伸一郎プロデューサーの作家性の違いについて論じてみたいと思います。

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Comments

こんにちは。
響鬼はこれまでのライダーの中でも異質で、放映前には「アマゾン風」などと言われていましたが、これは素晴らしい切り口の正義の味方の姿でしたね。
怪人も和のテイストで、何度か子連れでショーを観にいった時も、まかもうが出てきたときの子供達のビビリ具合が物語っていました。

しかし、終盤・・・・明日夢くんの同級生の桐谷くんが現れてきたあたりからラスト・・・方向性が分からなくなった感じがして残念でした。

細川茂樹・・もう少し俳優としてしっかりして欲しい・・・
残鬼さん・・耳元で囁いて欲しい・・エッチィー♪…(*ノ∀ノ)イヤン

Posted by: HARRY | June 24, 2007 at 02:21 PM

HARRYさま、こんばんは

おそらくHARRYさまは王子の付き合いでライダーをご覧になられてるんでしょうね。でも付き合いの大人もそれなりに引き込まれてしまうのがこのシリーズ。わたしゃ純粋に自分が好きだから見てるんですけど(^^;)

で、『響鬼』。個性派ぞろいの平成ライダーシリーズにおいて、もっとも「挑戦」した作品でしょうね。メッセージはごくシンプルなものでしたけど

後半に関しては不満の声も多いようですが、わたしは複雑な事情の中、なんとか最後までもっていった後期スタッフもアッパレだと思っています

>キリヤくん

いま『電王』に出てますね(笑)

>斬鬼さん

魅惑の低音ですな。

Posted by: SGA屋伍一 | June 24, 2007 at 09:40 PM

とんとご無沙汰です。
待ってました、『響鬼』。

ある意味、教育者としての仮面ライダー
という点で非常に興味深かったです。

裏事情は知りませんが、
私も前半、後半ともそれなりに評価しています。
というか、上に述べた点において
最も好みをついた作品です。
それだけに満足(キリヤ君の迷走は忘れることにしました)。
と同時に平成ライダーシリーズの限界も見た気がして、
ここでライダーは卒業ということにしました。

次回も期待してます!

Posted by: かに | June 25, 2007 at 11:14 AM

かにさん、こんばんは

教育に携わっておられるかにさんとしては、いろいろ考えるところがあったようですね。後に詳しく書きますが、「相互教育=響きあう」ということもこの作品のテーマだったと思うのですよ

今後の予定としましては第二回は記事の通りで、
第三回 作品に込められたメッセージと明日夢くん
第四回 「大人」としてのヒビキさん
第五回 ぼくのかんがえたさいしゅうかい

間に『電王』の記事も挟みつつ、こんな感じでいってみたいと思います
例によってあまり期待せずご覧ください

>ここでライダーは卒業ということにしました。

わたしはたぶんシリーズ終了まで付き合うことになりそう。この視シリーズほどツボにはまるテレビ番組って、なかなかないもんで。要は「ガキ」ってことですな(^^;)

Posted by: SGA屋伍一 | June 25, 2007 at 09:17 PM

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