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June 15, 2007

魁!! スパルタ塾! ザック・スナイダー 『300』

20070615183103いまどきバンカラ(死語)な気風で知られる私立スパルタ学園。番格の西田烈王(にしだ れお)は、保健所から脱走してきた狂犬を、竹刀一本で撲殺したという伝説を持ち、周囲から恐れられていた。
ある日スパルタ学園に、ペルシア大学付属連合よりの使者が訪れる。ペルシア連合は身長3メートルの巨人・久世卓(くぜ すぐる)をボスと頂く、全国でも最大規模の番長グループ。その傘下に下るようにという一方的な申し出を、西田は毅然として跳ね除けた。
「こちとら百万からの命知らずを抱えとるんやで~!! そいつを敵に回すたあ、おどれらアホかーっ!!」
「上等じゃ~ ペルシアの~ 男にゃあ、“けじめ”つーもんがあるさけえの~」
学校側の退学処分も意に介さず、西田ら三百人の精鋭は暴走族の聖地「ホット・ロード」へと向かう。そして二千年の長きに渡って語り継がれる、伝説の戦いが幕を開けた。

原作はフランク・ミラーによるコミック。コチラにレビューしてあります。

映画の第一印象は、上のあらすじからもわかるように(ええ!?)、「すごく映像の凝ったヤンキーもの」という感じでした。
ご存知の通り不良のみなさんは、あまり頭がよくありません。はっきり言うと「バカ」です。この『300』はそんなおバカさんたち(天然・体育会系)を、真っ向から描いた作品です。
彼らは頑固で、ケンカっぱやくて、やかましくて、計算が苦手で、はた迷惑で、人の話を聞かず、趣味が甚だ悪い。反面、純粋で、欲がなく、恐れを知らず、仲間思いで、目標を決めたらひたすらそれに向かって突き進みます。
さらに単なるヤンキーと違って、その覚悟や鍛えられ方が半端じゃありません。例えばとても敵いそうにない大軍団を目にして、スパルタの若い兵士はにやけながらこう言います。
「これなら念願の“理想の死”が遂げられそうだ」
まさに「武士道とは死ぬことと見つけたり」じゃあーりませんか。恐らく『子連れ狼』か平田弘史の影響かと思われます(ミラー経由)。
そんな激烈バカが300人もいたら。それはもう、大変なことになってしまいます。大型トラックも機動隊も、気合でことごとく吹っ飛ばされるほどに。その猛威は、ぜひ劇場にてお確かめください。

映像について。今回のコンセプトは「オレ(監督)の絵なんざいらん!! とにかくミラー先生の絵を忠実に描け!」というものだったそうです。その甲斐あってか、実に見事な再現ぶりでした。こういう姿勢、一昨年公開された『シン・シティ』と実によく似ています。その『シン・シティ』についてザク監督は、「悪いが踏み台にさせてもらった」と不遜なことを申しております。これはまあ、「ぼくがフランクを・・・一番上手にコピれるんだ!」という、オタク特有の競争意識なんでしょうね。
もう一つ思い出されるのは、宣伝でも引合いにだされていた『マトリックス』。『マトリックス』が光ったのは、それまで「動いたら動きっぱなし」だったハリウッド・アクションにおいて、「静止画像の美しさ・かっこよさ」を取り入れたからだと、わたしは考えています。
ご存知の通り、マンガというものは基本的に動きません。その代わり、背景や人物のポーズがはっきりとわかります。この『300』でもそうしたコミックの長所が、いかんなく発揮されています。
印象派の画風を思わせる、独特の色彩の背景。スローモーションを多様したアクション。その二つの効果により、こんだけ人がうじゃうじゃ出てくる映画なのに、実に明快なアートを作り出しております。
さらに素早い動きも織り交ぜて、多彩なリズムをも作り出しています。なんとなく「電気紙芝居」という語が、ぴったりくるような作りでした。

20070615183142ザク監督の次回作は、アメコミの最高傑作と噂される『ウォッチメン』。今回のヒットのごほうびに、会社から映画化のOKをもらったそうですが・・・ ははは、この人のオタクっぷり、筋金入りだよ。

『300/スリー・ハンドレッド』は全国で大ヒット公開中。国際抗議がなんぼのもんじゃい!(あわわ)


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Comments

あーもーSGAさん面白すぎ(笑)
サイコーです、魁スパルタ塾。

原作のビジュアルをほぼそのまんまコピってるんだけど
映画はさらにテンション高めで派手に盛り上がってて
ぶっちゃけ映画の方が楽しいなと思いました。

ゾンビにはゆらゆらと揺らめいていてほしい方ではありますが
今回はザク監督の手腕を認めざるを得ませんね。
でもやっぱり『シン・シティ』の方が好きだけどー

『ウォッチメン』ってSGAさん的にもオススメなんでしたっけ?
翻訳本が普通に手に入るなら読んどきたいなぁ~

Posted by: kenko | June 15, 2007 at 11:43 PM

>kenkoさま

ふはは。またやりすぎたような

>映画はさらにテンション高めで派手に盛り上がってて

ペルシアの使者をつっぱねるシーンも、映画では思い切り絶叫してましたけど、原作では淡々と「そら、もってけ」って感じでしたもんね
アメコミの名作って、なんでかこういう風に静々とした語り口のものが多いんですよね。わたしはそういうのにも魅かれるんですが

ザクさんの前作は、ちょっと怖そうで見られそうにありません・・・

>『ウォッチメン』ってSGAさん的にもオススメなんでしたっけ?

うーん(^^;) なんせ20年前のマンガなもんで、期待しすぎると外しちゃうかも。あと全体に流れるぺシミスティックな空気があまり好きではなかったりして
ただ、章の合間に世界観を説明するテキストが折り込まれていて、そういう作りこみは本当にすごいと思う
今回の映画化で復刊されるといいんですがねー。前ヤフオクでけっこうな値段付いてたそうだから


Posted by: SGA屋伍一 | June 16, 2007 at 07:00 PM

>魁!!スパルタ塾!
今回のキャッチもまた、最高じゃあ~りませんか!
それから、フランク・ミラーの方も、面白かったですよ。
「ヒマジン」にも笑わせてもらっちゃった^^w

そうか~、「俺の画なんぞいらん!」なんて覚悟で臨まれていたのですね~。
本当、こういうのが好きで好きでやってるんだな、と伝わりました。

それから、リンクですが、どうぞよろしくお願いします(ペコリー☆)

Posted by: とらねこ | June 16, 2007 at 09:06 PM

>とらねこさま

さっそくお返事ありがとうございます。リンク快諾もありがとうございました

>魁!!スパルタ塾!

「スパルタン・マックス」「教育的死闘」というのも考えましたが、一番アホらしい、これで
「ヒマジン」ネタもご理解いただけたとは・・・・ 小さいお友達からの情報でしょうか

>本当、こういうのが好きで好きでやってるんだな、と伝わりました

イランから抗議が来てるみたいですけど、少なくとも監督はなーんにも考えてないと思います。
映画監督の中にはけっこうアメコミオタクがいるみたいですね。タランティーノもそうじゃなかったかな?

Posted by: SGA屋伍一 | June 16, 2007 at 09:42 PM

こんにちは!いつもありがとうございます!
いやぁ~、、、さんびゃく、ですyo、、、
なるほどねぇ、、、オタクなんですね。
ホント、おもしろい映画でした。

Posted by: 猫姫少佐現品限り | June 21, 2007 at 03:48 PM

こんにちわ。
むーん、またまたTBが送れませんでした。ココログ同士だと上手くいかないなんて、ここは一発スパルタ軍の皆さんにニフティまで喝を入れてもらいたいくらいですー

>ザク監督の次回作は、アメコミの最高傑作と噂される『ウォッチメン』

これ、是非とも観たいですー。
私は、結構真顔で『300』にウットリしていた昭和生まれの女ですから~

追伸:リンクして頂きまして、ありがとうございました!まだチラ見しかできていませんが、今度ゆっくりと時間をかけて《ペット》のネコさん達を拝見させて頂きますっ

Posted by: 隣の評論家 | June 21, 2007 at 09:22 PM

>猫姫さま

お返事ありがとうございます

オタクなんですよ
プロパガンダがどーのこーの言われてますが、本人はなーんも考えてないと思います

Posted by: SGA屋伍一 | June 22, 2007 at 07:29 AM

>隣の評論家さま

お返事ありがとうございます。TBなんとか届いてました。わたしも3度トライしてようやく成功・・・

>『ウォッチメン』

原作者のアラン・ムーアは自分のコミックの映画版(『フロム・ヘル』『リーグ・オブ・レジェンド』『V・フォー・ヴェンデッタ』などがあります)はことごとく失望してるそうですので、これにもたぶんいい顔はしないでしょう。

でもわたし個人としましてはザック・スナイダー氏のアメコミ愛にかけてみたいと思います。『300』に比べると映像的にはかなり地味になりそうですが・・・

『ペット』の方は相当おバカな記事なんで、どうぞあまり期待せずご覧ください(^^;)


Posted by: SGA屋伍一 | June 22, 2007 at 07:40 AM

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