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April 25, 2007

のち、オデンくん リリー・フランキー 松岡錠司 『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

20070425180834そのシュールなデザインと斬新なスタイルで、映像界に衝撃を与えたリリー・フランキー氏の手によるショートアニメ『おでんくん』。これはかのキャラクターがいかにしてこの世に生を受けたのか、その謎に迫る緊迫のドキュメント


では全くありません。「親譲りの無節操で、子供のころから不孝ばかりしている」フラキリ・ジョー青年とその最愛の母の、共に過ごしてきた日々、そして別れを描いた作品です。原作は200万部を超すべストセラー。先にSPドラマ版、テレビシリーズも作られています。

印象を一言で申しますと、すごく淡々とした映画です。哀しい場面もあるけれど、「どどーん」と押し寄せる波のようなベタな演出があるわけではなく、控えめ、控えめにしっとりと語られます。(『泣かせに走ったら抵抗するつもりだった』オダギリ・ジョー談)。また、そういう場面の合間合間にも、しょうもない下ネタなんかがふられたりしてまして。この辺は脚本松尾スズキ氏のカラーでしょうか。
ですから物語の山もすごくなだらか。いいとこ標高50メートルくらい。山っつーか丘ですね。わたしも付き合いでなければ、あんまり「観にいこう」という気にならなかったと思います(珍しく連れがいた)。
ですが、最近ちょっと演出過剰気味の映画ばかり見ていたので、自分としてはちょうどいいリセットになりました。感性をまっさらな状態にしてもらったと言うか。
たまにはこういうのもいいものですね。自分も母を思い出して少し切ない気分になりました。うちの母ですか? バリバリ生存中ですが?

ただそういう構成のためか、この映画「もう終わりかなあ」というところでなかなか終りません。アイスコーヒーをがぶ飲みしていたため、終盤になるとわたしの尿意もかなり限界に来ていました。でもそこでトイレに行ったら重要なシーン見逃しちゃいそうだし。つーか、戻ってきたら映画終ってるかもしんないし。そんなわけでラスト近くはずっと内股状態でもだえ続けておりました。

そんな極限状態の中にありながらも、オダギリ君のオカン樹木希林に対する演技には、一瞬尿意を忘れさせるほどの力がありました。本当に、仮面ライダーのころから比べるとずいぶんと成長したものです。
また、恐らくこれが映画初出演であろう内田也哉子さんもとても魅力的でした。前に雑誌の記事で見かけたことあるんですが、こんなにチャーミングな女性には見えなかったんですが・・・・ フィルムの魔力というやつでしょうか。ちょっと惚れました。近日中にモックンに話をつけに行きたいと思います。

わたくしこの映画を観た次の日に『ブラッド・ダイヤモンド』を観たんですけど、偶然両方とも親子の絆を描いた作品でありました。そして続けて見ると、日本が平和であるということがよくわかります。やっぱ人間、平和が一番ですよね。

20070425180816それにしても本がバカ売れして映画までヒットした日にゃあ、リリーさん儲けすぎて笑いが止まらなくなっちゃうだろうなあ。そしてまたトコトン堕落しちゃうだろうなあ。天国のオカンのためにも、今のうちにその莫大な収益を信頼できる誰かに預けておいた方がいいと思います。リリーさん! わたしで良ければいつでも引き受けますよ!


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Comments

クウガがー!泣いてるー!うぅ・・・
『東京タワー』は読んでないのですが、リリー・フランキーさんの
『女子のいきざま』という本なら読んだことあります。
女子高生のパンツがどーしたこーしたいう内容でとっても面白かったんですけど、
そんなリリーさんがそんなに泣けちゃう本も書くなんて、
こんだけ世の中でもてはやされている今も
不思議な気持ちでいっぱいです。(←とっとと読め)

>近日中にモックンに話を

SGAさんにそこまで思わせるとは、なかなかやりますね、内田也哉子。
観たい映画がたくさんあり過ぎてなかなか追いつかないのですが、
私もまっさらな気持ちになるべく、観てみようかなぁ。

Posted by: kenko | April 28, 2007 at 06:25 PM

kenkoさん、こんばんは

わたしもリリーさんつったら、「『ココリコミラクルタイプ』に出てる変なオジサン」くらいの印象だったんですけどねえ。あれよあれよと言う間にベストセラー作家になってしまいましたね
やっぱりくだらないことばかり集めたエッセイで、『美女と野球』という本もありました。今度読んでみようかな・・・・ 『東京タワー』が文庫になる前に

>私もまっさらな気持ちになるべく、観てみようかなぁ

そうですね。派手系、グロ系の合間に見ると、丁度いい気分転換になると思います

Posted by: SGA屋伍一 | April 28, 2007 at 09:23 PM

リリー・フランキーは結構読んでますが、くだらん中にも「東京タワー」系の空気がこっそり仕込んであったりするんで、「東京タワー」がそんなに特別扱いされた意味がよーわからんかったですねー。

ちなみに「おでんくん」は、最初にオデン屋の屋台でキャラクターを考えたそうですが、一発目からふんどしの今の形やったらしいですよ。「おでんくんマガジン」に書いてありました。

「おでんくん」1巻(絵本の)が、「東京タワー」読んだあとやと、しんみりきちゃうっすよ。お勧めっす。

Posted by: やまわき | May 03, 2007 at 01:32 AM

やまわきさま、おはようございます

>リリー・フランキーは結構読んでますが、くだらん中にも「東京タワー」系の空気がこっそり仕込んであったりする

そうなんだ!(笑) てっきりそれ以前はお笑い専門の方だと思ってました。失礼しました
たしか『東京タワー』以前にちょこっとだけ「『おでんくん』でブレイク!」と言われてた時期がありましたよね。でも『タワー』のバカ売れで、すっかり忘れられてる感が・・・・

>「おでんくん」1巻(絵本の)が、「東京タワー」読んだあとやと、しんみりきちゃうっすよ。

おすすめ情報ありがとうございます。公式見てみたら「生き別れのお母さんを探している」と書かれてますね。おでん屋で「ぽっ」と出来た割には、けっこうかわいそうなキャラクターなんだな・・・・

Posted by: SGA屋伍一 | May 03, 2007 at 07:50 AM

SGA屋さん、こんばんは~^^
キャハハ~☆この記事、今までのSGAさんのレビュの中でも、私かなり好きです!
本当、これと『ブラッド・ダイヤモンド』続けて見た日には、「日本平和」と思いますよね。
あ、”ピンフ”て読んじゃ、ダメですよぅっ(意味不明)
本当、標高50Mって・・・それ全然山じゃないですね~^^;
そうなんですよね、確かに、すっごく地味な作品だったんですけど、とてもその地味さが良くって・・・。SGAさんがそういってくれるなんて、とても嬉しい♪
最後のウルトラマン、「オカン」って言いながら、ちょっと内股になってるのは、まだトイレ我慢してるんですよね?
本当、アイスコーヒーは、トイレ近くなっちゃう・・・ううっ、可哀想!(爆笑)

Posted by: とらねこ | July 04, 2007 at 01:43 AM

>とらねこさま

返信ありがとうございます

>「日本平和」と思いますよね

そうですね。ピンフでもあがれれば十分なんです。『ブラッドダイヤモンド』のように役満ばかりねらってると、目も当てられない事態に・・・

>すっごく地味な作品だったんですけど、とてもその地味さが良くって・・・。

監督さんが言うには「古きよき日本映画」「娯楽と芸術の中間を目指した」とか。あとからBGMと共に思い返すと、じわじわ来る映画ですね
こちらはそんなに感動したわけでもないですけど、『エリザベスタウン』も似たようなタイプの映画でした

>本当、アイスコーヒーは、トイレ近くなっちゃう・・・

長い映画には禁物ですね(笑) 冷房がきいてるとさらに・・・
終るや否やダッシュでトイレに駆け込んだんですが、連れからは「ふふ・・・ 泣き顔見られたくないんだな、あいつ」と思われたようです

Posted by: SGA屋伍一 | July 04, 2007 at 09:07 PM

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去年の2006年、ベストセラーになっていた、リリー・フランキーの同タイトル本の映画化。でも、こんな長い副題は、当然ながらウロ覚えで、エト・・・『オカンとオトンと時々、ヤカン』??・・・だったっけ?なんて言っていました。それと言うのもふるちんさんのブログを読ん....... [Read More]

Tracked on July 04, 2007 at 01:31 AM

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