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April 11, 2007

二度あることは三度ない トニー・スコット 『デジャヴ』

20070410212728ひどい! そんなにはっきり言うなんて! けっこう気にしてるのに! ・・・あ。「デブ」じゃなくて『デジャヴ』ね。失敬失敬。
ジェリー・ブラッカイマー三連弾の一発目。まずは手堅いジャブで攻める・・・という感じでしょうか。デンゼル・ワシントン主演、トニー・スコット監督の『デジャヴ』です。
今更説明するまでもありませんが、『デジャヴ』とはおフランスの言葉で「既視感」のこと。みなさんも「あれ、これと全く同じようなシチュエーション、前にもあったような・・・」と感じたことはございませんか? それが「デジャヴ」です。

デンゼル演じる主人公の刑事は、町である美女を見たとき、不思議な感覚に襲われる。(この女性を、俺は知っている!?) そして彼女が殺されてしまう光景も、どっかで見たような気がする。大変だ! 彼女を助けなきゃ!
・・・・というストーリーをタイトルと予告から勝手に想像していました。が、違いました。正しい?あらすじはこちら↓
ATF(アルコール・タバコ・火器局)の捜査官ダグは、ある大きな事件を追っている最中、一人の女性の死体と遭遇する。ダグは彼女が事件の鍵を握っていると推理。ダグの能力を高く評価したFBIは、風変わりなモニタールームへ彼を誘う。その部屋のモニターは、約4日前に起きた事柄の忠実な再現映像を造りだすことのできる画期的なシステムだった。人工衛星からの膨大な情報を基に造りだしている、と説明するスタッフ。しかしダグは四日前の彼女の姿を追ううちに、奇妙な感覚を覚え始める・・・・

ジェリー・ブラッカイマー製作のブツというのは、概ね「お客さん! 火薬大盛りにしときましたから♪」という感じで、画面に映るものを片っ端から爆破していく、いわば「盛大なお金の無駄遣い」的な印象。
しかしこの『デジャヴ』は、予告を見る限りいつもよりおとなしそうで、その上特に突出した要素も感じられなかったんで、スルーの予定でした。しかしあちこちで「意外と(笑)まあまあ良く出来てる」という評判を聞き、観にいくことに決定(←流されやすい)。
で、見てみて感心しました。まずこの「4日前を追いかける」という秀逸なアイデア、ちょっとほかに類を見ません。数年前のあるメジャーな作品で、やや近いものはありましたけど、タイトルを言うとそれだけでネタバレになるんで、言いません。
このシステム、一見便利なようでいて、けっこうもどかしい。観客もいつしか「ああ、じれってェ~」と言いながら、デンゼルさんと一緒にそのヴィジョンにひきこまれてしまうことでしょう。
また、ひとによっては「やっぱバカ映画?」と判断してしまうかもしれませんが、なかなか良く練られたプロットが、この映画の持つバカ要素を希薄なものにしています。いやあ、ジェリーさん、こういうのも作れるんじゃないですか。そういえばやはりトニー・スコットと組んだ『エネミー・オブ・アメリカ』ともカラーが似てますが、構成の点でもサービスの点でも、こちらが上だと思います。

過ぎ去ったはずの空間に生きる女性に、いつしか普通以上の思いを抱いてしまうダグ。健康ではつらつとした女性も魅力的ですが、ほっとくと死んじゃいそうなはかなげな女性というのも、時として非常に美しく感じられるもの。どっちがいいかといえば・・・・難しいですね。っていうかわたし選べるような立場じゃないし・・・ とほほ。

文明社会にいると忘れがちですが、死とはいつか必ず誰にもおとずれるもの。しかしそれでも死と戦い続ける人間は、雄々しく、かっこいいものだなあと、一途なダグ・リーマンを見て思いました。

20070410212755最後にひとつ忠告。こちらをご覧のセレブ・レディの皆様、もしかするとあなたの前に「キミとどっかで会ったような気がするんだ」「とても初対面とは思えない」なんつーキザな男が現れることもあるかもしれませんが、それはデジャヴでもなんでもなく、ただのヘタクソなナンパです。くれぐれもご注意を。

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Comments

こんばんわ。
ヘタクソでもなんでもいいからデジャヴ男を私にくれ!
イヤ・・・ください。なんでもいいので、こうなったら・・・(泣)。


ところで、数年前のあるメジャーな作品ってなんでしょう?
全然思いつきません。助けてください。


≫盛大なお金の無駄遣い」的な印象。

そうそう。だから、ブラッカイマーは大先生と呼ばれるんです。
っていうか、私がそう勝手に呼んでいるんです。
でも今回はたしかにブラッカイマーらしさもふんだんに盛り込みつつ、
きっちりと練られた脚本が素晴らしかったですね。
もう、海賊男とは呼ばせない!もう真珠湾とは呼ばせない!という
心の叫びが聞こえてきそうです。


ちなみに・・・・。
トップの男性のイラスト・・・石原裕次郎かと思いました。

Posted by: 睦月 | April 12, 2007 02:47 AM

素早いお返事ありがとうございます。毎度どうも

>数年前のあるメジャーな作品ってなんでしょう?

「トム ディック」で検索すると一発で出てきますね。まあ「似てる」というだけで、こちらはまた微妙に違うアイデアです

>だから、ブラッカイマーは大先生と呼ばれるんです。

ウィキぺディアではジェリー先生の項に「彼の映画は派手なオープニングと見た目のわりに無内容だとして全米の映画評論家からは酷評されている」と書かれてました(笑)。でも気取らず正直にジェリー先生を讃えられる睦月さまは素晴らしい!
彼のプロデュース作品では『ザ・ロック』『キング・アーサー』『タイタンズを忘れない』などが気に入ってます

>石原裕次郎かと思いました

「デンゼルデンゼルデンゼル」と念じてみればデンゼルに見えてくるはずです。たぶん

>ください。なんでもいいので、こうなったら・・・(泣)。

大丈夫! あなたにはジョニーがいる!!
ぼくは長澤マチャミ希望

Posted by: SGA屋伍一 | April 12, 2007 07:23 AM

こんにちわ。TB&コメントありがとうございました。
あっ、TB送信できました!!!!!!!!!!
もしかして、ココログ同士への送信は1日で1回なのかもしれません、私の場合。
この作品は、タイムトラベルの部分を細かく追いかけてしまうと、大混乱に陥ってしまいますけど。全体的に、なかなか楽しめた快作でした。それもこれも、トニー・スコット監督の力が大きいんだと思います。
あ、私は睦月さんと違って心も視野も狭いので。ブラッカイマーを大先生と呼ぶどころか、彼の名前が出るだけでオエッとなっています。どの映画を見るか決める時の最大のポイントは、誰が監督したかで決断しています。融通の利かないコメントで申し訳ありません。

Posted by: 隣の評論家 | April 13, 2007 08:54 PM

こんばんは。TBしかと頂きました(笑)
率直なご意見もありがとうございます

わたしは娯楽・B級作品も好きなので、ブラッカイマー氏のような方もまた映画界に必要だと思っております
また、彼のフィルモグラフィーを見てましたら、上の法則「盛大なお金の無駄遣い」から外れるものもちょこちょこありまして。この『デジャヴ』や『タイタンズを忘れない』などがその好例ですね
「ブラ・ブランドとはいえ例外はある」ということを改めて認識いたしました

>トニー・スコット

お兄さんに比べると、やや落ち着いたサスペンスを撮る人・・・というのがわたしの印象です
どちらかといえばお兄さんの作風の方が好みかな。『グラディエーター』なんかは大好きな作品

>どの映画を見るか決める時の最大のポイント

わたしの場合は・・・・フィーリングですかね(笑)
「この映画は、これがすごいぞ!」というウリのあるものに弱いです


Posted by: SGA屋伍一 | April 13, 2007 09:49 PM

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