ハイスクール仮面組 谷口悟朗 『コードギアス 反逆のルルーシュ』 解読無能編
深夜作品でありながら異様な盛り上がりを見せているアニメ『コードギアス』。少し前に「入門編」みたいな記事を書きました(http://sga851.cocolog-izu.com/sga/2007/03/comers_544c.html)が、今回は「中級編」ということで、このアニメがどんなものにインスパイアされて作られたのか、妄想大全開で考えてみます。以下の説に確かな根拠はまったくございません。鼻くそでもほじりながら「もしかしたらそうかもねー」くらいの気持ちでお読みください。
まず一つ目はご存知『DEATH NOTE』。人知を超える特殊能力をゲットした少年が、極めて自分勝手な動機で世界制服に乗り出す・・・というあらすじは、まさしく『デスノート』。契約を交わす相手がグロイ怪物ではなく、緑の髪の美少女というところなど、いかにも今風のアニメですけど。仮面をかぶった状態で死闘を繰り広げるというところも、『デスノ』前半を思い出させます。
二つ目はご存知『機動戦士ガンダム』。「仮面」「復讐」「妹萌え」「ロボ乗り回し」など、ルルーシュには「シャア」を髣髴とさせるようなキーワードが幾つか散りばめられています。「復讐の対象:家臣の一族→モロ自分の家族」「イメージカラー:赤→黒」くらいの違いはありますが。ですから『コードギアス』は、ある意味シャアを主人公とした『ガンダム』ということができるかもしれません。
その場合「クロヴィス→ガルマ」「コーネリア→キシリア」「シュナイゼル→ギレン」「皇帝→公王」「C.C→ララァ」「ギアス能力→ニュータイプ能力」「スザク→アムロ」「ランスロット→ガンダム」「ガウェイン→ジオング」と置き換えることができるでしょう。「偶然再会した旧友が、仇敵となる」という流れは『SEED』からの流用かと思われます。
三つ目。「英国が日本を征服する」という無茶な設定の故、本作には『アーサー王伝説』から取られた名前が、いたるところに出てきます。しかしむしろその世界感は、ギリシャ神話に近いような気がしてなりません。
絶大な力を持ち、人間臭く多様性のあるブリタニア貴族はオリンポスの神々と、彼らにおびえ振り回される無力な「イレブン」たちはギリシャ神話における「人間たち」と重なります。
貴族でありながら(表向きは)イレブンに恩恵を施そうとするルルーシュは、さながら人類に火をもたらして罰せられたプロメテウスがごとき存在。一方ブリタニアとイレブンの中間に位置するスザクは、半神半人であるヘラクレス、あるいはアキレスのような存在と言えるかもしれません。
「父親殺し」が重要なモチーフとされているところも、ギリシャ神話の幾つかのエピソードを想起させます。
さて、「娯楽作品の王道」を突っ走っていたかのような『コードギアス』ですが、先回の記事を書いた直後に、エンターティメントにあるまじきとんでもないことをやらかしてくれました。そして残り二話を残して、ひとまずの放映終了。腹立たしいながらも、続きが非常に気になるところであります。
そんなわけでこの物語がこれからどう転がっていくのか、もう一回別記事で考えてみたいと思います。近日公開予定の「未来予定図編(仮)」に、どうぞ期待しないでください。
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